2018/06/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にソウレンさんが現れました。
■ソウレン > 夕刻より店を開け、日が沈んでからは店先の提灯に明りを灯している。
客の入りは相変わらずそこまででもなく。
夕餉を食べに来た客が何組か、といったところ。
その組も長酒をするわけでなし、河岸を変えるという事で帰っていった。
別段評判が悪かったわけじゃなし、また来るという事だったので期待させてもらうとしよう。
そんな風に考えながら店内ではサクサクと言う子気味の良い音。
調理場では手慰みに店主の女がまな板の上で小さな包丁を走らせていた。
海が近いこの環境は悪くないな、と思う。
今日はなかなかどうして良い海藻が市場に上がっていた。
しかし、使い方があまりわからないものは安く手に入る。
地域の違いだな、という事で有難く頂戴し、仕込みをしている…という所。
下ごしらえが終われば、鍋に投入。
しばらくしていれば、なんとも言えない酒と醤油の香りが漂い始めるだろう。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にマイさんが現れました。
■マイ > たいてい、冒険者をやっていると食事とかが何かと適当になってしまう。
ましてや仕事を始めるときは朝早いし、報告に戻るころにはすっかり日も落ちてしまっている。
マイも今日はそんな感じで、遅い食事を済ませるために通りを歩いていた。
もちろん行く店は決まっているため、足取りの迷いはなく。
やっているかどうかわからなかったが、明かりは点いているし店内から音もする。
というわけでガラガラと、恐らく引き戸だろうか…店の扉を開けて顔を覗かせて。
「こんばんは~、やってる?」
扉を開けて顔を出したのは、店主もよく知った顔。
来店の目的は食事であるというのは少年の雰囲気で察することができるか。
店内の良い香りに自然と視線は店主の手元へと向けられる。
■ソウレン > くつくつと鍋の中で音がし、水気がなくなっていく。
良い塩梅になった頃合いで鍋を焜炉から上げる。
と、からりと引き戸の開く音がした。
「いらっしゃい。やってるよ。」
入ってきたのは見知った少年。
仕事帰りだろうかと、考えながら迎える準備をしていく。
冷たい井戸水に手拭を晒している手拭を硬く絞って出してやる。
「何にする? 酒か、茶か…水でもいいが。」
ひとまず、と言った具合に飲み物を聞く。
店主は袖をたすきで結び上げ、長い髪も後ろでまとめた、如何にも調理場にいそうな姿だ。
■マイ > 「ありがと、またご飯遅くなっちゃった」
以前会ったときもこんな感じだったなと笑い、喜んで店内へ。
一度食事をしていることもあって慣れた様子で、店主である彼女の一番近くの席へ。
とはいえ和な店構えはなかなか珍しいため、やっぱりちらちらと店内を見回したりもする。
「いい香りがする…醤油かな?
えっと、水と…お酒もちょっと飲んでみたい」
席につけば手拭を出され、それで両手をフキフキと。
少年が食品輸入業を生業とする貴族の出というのは、以前話したであろうか。
そのため異国の食文化にもある程度知識を持っており、酒と醤油の独特な香りもなんとなくだがわかった。
■ソウレン > 手を拭きながら酒を所望する少年にふむと少し考える。
酒を飲み慣れている、という様子ではなさそうだが…。
ひとまずは飲料用に構えてある冷えた井戸水を湯のみで出す。
「飲んでみたい、という事ならそう慣れてはなさそうだな。
なら、水割りにしておこうか。」
それも、あまり強くないように。
ごとごとと酒瓶を出してくると、手早く水割りを作って出してやる。
水の量はそこまででもないが、ほんの少しでも薄まれば飲みやすいだろう。
「海藻を醤油と酒で煮詰めていたんだ。
さて、何か注文はあるかな? おまかせでもいいが。」
以前話したところ少しは東の献立に知識があるようだった。
なので注文を聞いてみる。
■マイ > 少々蒸し暑かったりするこのごろ、冷たい水を飲めば無味無臭でもおいしく感じられるもの。
「うん、東の国のお酒は口にしたことないし、それでいいよ。
普段はワインとか飲むんだけどね、安っぽいやつ」
彼女から見れば子供であるマイに、強いお酒を提供するのはやっぱり憚られるもの。
でも気を使ってくれるのは嬉しいし、清酒慣れしていないので水割りということでお願いしよう。
普段は甘ったるく、すぐ酔えるということで安いワインを飲んだりしているそうだ。
彼女から出された清酒の水割りは、普通の水かのように透明で透き通っている。
いきなり口を付けず、グラスを眺めたり匂いを嗅いだりしてから、くいっと一口。
「ん…む、ちょっと鼻に来るけどほろ甘で飲みやすい…かな?」
初めて味わう東の国の酒に、ちょっと戸惑い気味ながらも悪くはなさそうで。
このまま水割りでいただいたほうがいいだろう。
「海藻か、向こうだとそういうのよく食べるらしいね。
…あ、じゃあお味噌汁付きの定食とか、おまかせみたいなもんだけど」
海藻から連想して、味噌汁というスープがあったのを思い出す。
それと白米とおかずをセットにした、定食と呼ばれるシステムがあったことも。
おかずが何になるかは、その日の食材次第か。