2018/06/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイグナスさんが現れました。
■イグナス > 平民地区、屋台通り。朝の屋台通りの何がいいと言えば、そりゃあもちろん手軽にごはんが食べれることだ。
仕事前の急ぎの、ついでにいえば家庭を持ってない連中が特に重宝してる。
この男もそうだった、急いでいるワケじゃあないが、手軽さは好ましい。
「おう、おっちゃん。石蜥蜴の串焼きもう一本おまけ…ダメ?ちぇー、ケチくせえなあ。」
立ち上る色んなものの香り。パンや汁物、朝からがっつり焼き肉の匂いなんかも。
それに紛れて焼かれた串焼き頼んで、もしゃりと食む。
ごった返すような人ごみで、仕事をしてるお父さんたちやら冒険者たちだから、己を避ける人間も少ない。
サイズが目立つことに変わりはなかったが。
■イグナス > ともあれ、メシをば十分に食べたならば、仕事のお時間。
さて、今日は何をしようかね――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 公園」に竜胆さんが現れました。
■竜胆 > 平民地区のどこにでもある公園のうち一つに、ひとりの少女が来た。
その少女は東洋の衣装を着て、背中には竜の翼、お尻には龍の尻尾が生えている少女で、楚々とした雰囲気と、剣呑な雰囲気を併せ持っているこであった。
公園の広場、子供たちがかけっこしたりするような場所まで、ぱたぱた、と草履を履いた少女が歩いて近づく。
そして、おもむろに走りはじめる。
「やったーーー!!」
服装も相まって、あまり早くないが、その少女は歓喜に満ち溢れた笑顔である。
何かこう、いいことあった!という感じが全開であり、普段の彼女を知る者が見れば、何事と思うぐらいに嬉しそう。
というか、おそらく、こんなに走ったりして感情を顕にして喜んでいるのは自分でも初めてではないかと思う。
でも、嬉しいものは嬉しいのだ。
湧き上がる感情が抑えられず、少女は走る。
ちなみに言えば、三姉妹の中で一番激情家なのは、次女の竜胆だったりもする……はず。
■竜胆 > 公園の真ん中でガッツポーズ、すごく恥ずかしい状態なのかもしれないけれど少女は気にしない気にならない。
だって今はとても……とても、とても!気分がいいのだから。
誰かいたらキスしちゃうかも。そんなぐらいにテンションがだだ上がりで気分が良くてもう……蝶☆サイコーな状態なのである。
「勘違い、だった……っ!」
ええ、ひとつの悩みがありました。
かなり自分の中では大きな悩みでした、それが勘違いだった。
喜ばしいことこの上ない、色々と自分の中で再計画した様々なものが無駄になった。
でも、最初の計画が復帰したとも言える。
テストで0点だと思ってたら、採点のミスで100点だったとかそんな気分に近しい。
何を言っているかわからないだろう、私もわからない。
まあとにかく、今は超絶気分がいい。
しっぽも翼もパタパタ元気良く動いちゃってる。
テンションが上がりきって下に戻ってこない……!
■竜胆 > とはいえ、だ。いつまでもヒャッハー状態でいるわけには行かない。
にやけてしまう口元、ともすれば、ふははははは!と、笑い飛ばしてしまいそうな唇を、頑張って制御。
深呼吸を使用、ひっひっふー、ひっひっふー……あれ?これだっけ深呼吸。
しばらくの間、不審者的なテンションの少女は、頑張って落ち着くことに成功する。
「……ふぅ。」
周囲を見舞わす。
知り合いがいなくてよかった、特に家族。
知り合い自体が少ないが……でも見られたら多分死んでしまいそうだ。
家族に見られたらもう、自分を原子分解しても収まらないかもしれない。
あぶないあぶない、と額に汗をにじませて拭った。
大きく最後に深呼吸をしてから、とりあえず、落ち着いて座りますかと、ベンチの方へと移動。
■竜胆 > 「……本当に、見られなくて良かったです……」
落ち着いて、落ち着いて、落ち着いて。
先程までのアッパーテンションがすごく恥ずかしい、今すぐアレを封印してしまいたい。
いや、既に黒歴史認定、絶対墓の下まで持っていこう。
少女は心に固く誓う。
落ち着いたら、ちょっと甘いものが欲しくなってきた。
ちょっとお昼ご飯には近いけれど、脳みその洗浄のために甘いものを食べようそうしよう。
ワッフルとか、クレープとか、そういうのがいいかなぁ。
そんなふうに思いながら立ち上がり、少女は楚々とした様子で公園から去っていった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 公園」から竜胆さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者の酒場」にフラヴィアさんが現れました。
■フラヴィア > ここ、冒険者の酒場は日も落ちた頃合いでありながら、多くの人で溢れ返っていた。
冒険者、商人、旅人――
そんな多種多様な人の中、目立つ外見をした少女がテーブル席の一つへと腰を下ろしていた。
「はむ、もぐ…………ふふ、お聞きしたとおり。良いものを仕入れましたね」
幸せそうな笑顔で、頬一杯に食事を取っているのはピンク髪の少女。
その小柄な体のどこに入るのか、大量の料理が所狭しとテーブルに置かれ、その半分は空になっている。
少し離れた正面、入り口から聞こえるのは新たな客を迎える景気の良い声。
「……騒がしい場所ってのも悪くない。お上品なだけの場よりも全然だ」
そう、フォークを片手に呟いては笑った。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者の酒場」にリンさんが現れました。
■リン > 桃色の髪の少女の近く、空いた席に入れ替わりで
藍色の髪の少年が席に着く。
彼もまた日中の雑事を終わらせ、食事を求めに来たのだ。
ごとん、と青いヴァイオリンのケースが席の脇に置かれる。
大きい楽器を背負って行脚したあとはカロリーが必要だ。
「……やあ。随分と健啖でいらっしゃる」
注文した料理を待つ間、なんとはなしに少女に声をかける。
こんな店に良いところのお嬢様といった風体なのも気になるが、やはり目を引くのは並んでいる皿の多さだろう。
■フラヴィア > むしゃりむしゃりと勢いよく、それでもまあある程度は上品な食べ方であるのは、教育したものの成果だろうか。
そんな調子で平らげていたものの、ふと喧騒の中で耳に届いたのは少しばかり重い音。
釣られて少し顔を動かせば、紫の瞳が大きなケースを捉えた。
「あら……?」
大勢の人間の中だったが、ちょうど視線を向けていたこともありその声に顔を上げた。
藍色の髪をした少年。本当に少年だろうか、少しそんな疑問を覚えながらも周囲を見て、そして自身のテーブルを見て。
「ええ、良い食材が入ったと聞いたので、つい頼んじゃいました」
■リン > 「ふーん。よく来るのかい、ここ?
あの学院に通えるようなお嬢さんなら、もっと品のいい場所に行けると思うけど……
そういうのは気にしないタイプなのかな?」
不思議そうにそんなことを口にする。
会話している間に席に届いたシチューを、ちぎったパンを浸して食べ始める。
少女のテーブルに置かれている総量に比べれば遥かに慎ましいだろう。
「ここは柄の悪い連中が多いからね。さらわれちゃうかもしれないよ」
意地悪そうな笑みを作って、おどかすようなことを言う。
■フラヴィア > 「私は美味しいものを出してくれる場所に行くだけですわ。
……ふふ、それにここはお料理を出してくれるのも早いですから」
彼のテーブルへと運ばれた料理を見て、「ね?」と笑顔で首を傾げた。
少女もまた、手にしていたフォークでパスタをくるり、と器用に巻いてぱくつき始める。
「まあ、怖い。……あは、冗談。大丈夫です、これでも学院で魔法とか習っていますから。自分の身ぐらいは、です」
怯えるよう、わざとらしく眉尻を下げて見せたものの、すぐに笑みを浮かべて首を左右に振った。
と、視線が彼の置いたケースへと向けられる。
「……武器、と言った類のものではなさそうですね?」
■リン > 「ああ。確かに。格式張った場所はいろいろ面倒だからね。
その点は大衆の店のほうがずっと優れている」
相手が笑みを浮かべれば、こちらも冗談であったと示すように表情を緩め、うなずく。
「ある意味では武器と言ってもいいかもしれないね。
ヴァイオリン……楽器の入れ物だよ。この芸で自分の身を助けてる」
実際はひどい目に遭うことのほうが多いが、それは口にしない。
魔術や呪いに通じているなら、ケースをとりまく
禍々しい気配についてある程度感じ取ることができるかもしれない。
■フラヴィア > 先ほどは魔法を習ってなどど言ったものの、能力の説明をする際にそういうことにしているだけで、
全く持ってその手の力も知識もない。
故にケース越しにも漂っているだろう、不穏なものは感じ取れず。
「まあっ、ヴァイオリンの。その演奏で暮らしている……では結構な腕前の方なのでしょうね」
彼を見るたれ気味の眼差しを少し丸くし、感嘆の吐息をこぼした。
■リン > 「あっはっは。かわいい女の子に褒められると気持ちがいいね。
天才美少年音楽家のリンとは僕のことさ。
なんなら聴かせてあげたっていいよ?」
椅子を傾け首の後ろを掻いて、軽薄に調子よく笑う。
「ちなみに君のほうはどういう魔法を使うの?
僕も魔法っぽいことはできるんだけど、真面目に勉強したことはなくってさぁ」
よく煮込まれた柔らかい肉をうまそうに頬張って、少女に問いかける。
単純な世間話でもあり、同時にどれほどの実力を持っているのかの探りでもある。
■フラヴィア > 「本当ですの!? なんて、実は少し期待しちゃっていました。あは、天才的な演奏……楽しみですわ」
少し照れくさそうにも見えるが、彼が軽く笑うのを見て少女は嬉しそうに何度も頷いた。
と、そろそろ食事も食べ終わり、食後の茶を手にしたところで、彼の問い。
「私の? えっと、そうですわね。……こう、物を操る魔法で……
今もこうして髪をコントロールしていますの。こんなことも出来ますわ」
少し考えるように首を傾げてから、彼へと背を向けてみせる。
そうして浮いている髪を見せ、続けて髪の一房でハートマークを作った。
「これでばしーん、ってやっちゃいます」
実際はそんな軽いものではないが。世間知らずな貴族のお嬢さんのように鼻を鳴らすのだった。