2018/05/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/雑貨屋」にピングさんが現れました。
ピング > 陽気が心地良い昼下がり。
人の少ない通りでは、その陽気さを楽しむ様に散歩をしている人がちらほらと見える程度。
当然、店に関しては客の入りは無かった。

そんな店の中、カウンターの周囲には革張りの立派な椅子や、四足歩行の動物を模した適当な感覚で並んでいた。

”ご自由にお試し下さい”

と表示されたそれら。
先ず椅子は、所謂マッサージチェア。
革張りの内側から複数の突起が盛り上がり、座る相手の体を揉み解す逸品だ。
その動力や、何を以てして揉んでいるかは謎試用。魔導の力だったり、或いはそういう生物でも潜んでいるのかもしれない。

そして複数並ぶ、動物を模した乗り物めいた遊具。
リアルさとはかけ離れ、どこか愛嬌のある姿をした、馬やライオン、ウサギと言った彫像に跨れるようになっている。
地面に固定された軸は如何な素材か、硬さと弾力を持った不可思議なもの。
試しに跨ってみれば、ぎこん、ぎっこん、と揺れながらも確りと体重を支えてくれる。
子供向けの遊具、というのが正しいのだが――無論、色々と仕込みがあるのは此処だけのお話で。

相変わらず、方向性の見えぬカオスっぷりな店内の光景を見やると、満足言ったように店主が頷き。
大きく白い、クマの様な外観を持つその遊具に跨ると軽く体を前後に揺らしてぎっこんぎっこん。

―――耐久性を試しているだけである。いや、少しばかり楽しそうな雰囲気であるのは否定しないが。

ピング > さて本日もそんな具合で店番が進む。
客は果たして、やってくるのやら―――

ご案内:「王都マグメール 平民地区/雑貨屋」からピングさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシチューさんが現れました。
シチュー > 「うぅ……だめだ……、めまいがするよ……。もう3日も……、食べてない……。


……甘いもの……食べてない……」

昼下がりの露天市。侯爵家のメイド奴隷はお使いに来ていた。手に手提げの布袋を持ってフラフラしている。
まるで絶食しているかのようにげっそりした表情だが、食事はちゃんと与えられている。勤めているお屋敷で失敗をして、メイド長に1週間のおやつ抜きを命じられていたのだった。

「あ、あ、……あれはっ……!
いちごタルト……ぷるぷる透明ゼリーにブルーベリーの飾りっ……!
おいしそう……!でも、……お使いで使ったからお金持ってない……。
――こ……こうなったら……!」

そんなフラフラメイドの目の前、とある露天の軒先で売られている甘味。涎も落ちそうな表情になるが、手持ちのゴルドは無く。諦めきれないミレー族のメイド奴隷、店員がその場を離れた隙をついて、伸ばした手が窃盗を犯してしまうのだった。

さっ、と手提げ袋に忍ばせたものの。
まわりの警戒を怠っていて、それを誰かに見咎められた時の事までは考えていなくて。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」に月永遠花夕さんが現れました。
月永遠花夕 > 「うーん・・・」
露天を出してみたものの便利な魔道具はほとんど売れる気配が無い。売れていったのは藁で編まれた呪いの人形を買っていっただけだ。ものをそこまで用意していなかったので既に完売したが。かわいいとか言っていた気がしたがこのあたりの者はよほど呪いたい者がいるのだろうか。病んだ街だ。

と、そんな事を考えながら今度は呪いの人形の在庫を増やすべきなのだろうかと思考をすすめつつ街行く人間を見ておれば嫌でも目に入った何やら挙動不審なもの。その様子をじーっと見ておればかすめ取る様子を見て。

「あっ・・・・」

思わず声をあげてしまった。しまったあんまりかかわりたくないのになあなどと心中で考えながら、盗んだ者の様子を伺うようにじっと見ていて。

シチュー > 「や……った……、……、……けど……、けど……。
――うん……、やっぱり……、……だめだよね。……」

盗みが成功した瞬間にノルアドレナリンとかエンドルフィンとかドーパミン的なものが身体に噴出して、ぞくぞくと身体に走り回る快感があったけれど。
すぐさまどこかに残ってた良心から罪悪感が生まれて身体中が重くなってきた。

まわりに誰もいない事を確認してから手提げ袋からいちごタルトを元通りに陳列する。
……と、銀毛の耳と尾をもつ彼とぴたりと目線がかち合ってしまって。
びくり、全身震わせて目を丸くした。

月永遠花夕 > わっやばっ。目があっちゃったよ。

そん心中で思えば、考え込む。うーん、このまま目をそらすのもなーんか気まずいよなあ。そもそも今、この人盗んだとこ見られたと思ってるよね。いっそ見なかったふりとかしてみるべき。うまくいくかわかんないけどやってみるか。

そこまで思考を進めれば小さく息を吐き出して。

「い・・・い・・・いらっしゃーやせー。圓屋謹製の魔道具ー。よかったら見るだけでもいかーっすかー。」

と、とりあえず見なかったふりをして営業をかけてみた。これが一番無難だろうと信じて。

シチュー > 窃盗を犯した身としては、自分に非があって相手には咎める罪がある。黒尻尾立てて身体中強張らせる一瞬、伏し目気味に彼の様子を伺って。

……小さく息を吐いた彼が何事もなかったかのように販売業を再開していた。

彼の優しさに感謝しつつも、そのまま立ち去るには気まずい状況。背をむけかけては体勢を相手に向けたりとつま先も落ち着かない様子がしばらくあったのち、意を決して彼の魔道具屋さんの軒先へと歩いていく。

「こ……、こん……、こんにち……わっ!
ここって……、ドウイウモノをアツカッテルんですか?」

びくびく強張った背筋。右手と右足を同時に出すよな歩き方で露店の前にたどり着けば、まるで今彼の店に気づいたような白々しさ。時々声が裏返りつつ、単なるお客を装って。

月永遠花夕 > えっえっえっ来ちゃった!!

向こうが窃盗する状況を見られてると思って、声をかけられてもそそくさ逃げていくだろうという様子を想像していたのでまさかこちらに来る状況はほとんど想定していなかった。

「えっえっ、どういうものというと?そうですねえ。女の子だと。。。これで憧れの彼もあなたに夢中。幻夢木の樹液とかどうですかねー。これを身体に塗ってだね。密室にでもいれば香木の香りで男なんてイチコロだよ」

わーっちゃーしまった。てんぱってこんなもの勧めてるけどこんな子供に勧めるような商品じゃないよなー。コレ。

彼女の前に琥珀色の小瓶をかかげつつ、そう説明をしてみせれば相手の様子を見て。

「ご、ごめんね。あんまりそこまで興味ないよね。困ったな。でも僕君みたいな子供が正直どういうものが欲しいのかよくわかってないんだよねー。」

牙をのぞかせつつそう苦しまぎれに笑ってみせれば耳の裏側あたりをぽりぽりと掻いてみせて。

シチュー > 盗んで戻してそのまま逃げたら、それこそ罪悪感がちくちくと胸に残る。それがイヤで彼のもとへ何も考えも無しに向かった。彼の商品説明の間にも2人の間には何とも言えない空気が漂う。グループ同士で遊びに出かけて、何人かが抜けてあまり話をしない同士が残ってしまった時のような、あの感じ。

「ほええー……!じゃあ、媚薬ってことかな?
実力のある錬金術師か、魔法使いにしか作れないって聞いたことあるけど……。もしかしてこれはお兄さんがつくったもの?」

そのぎこちなさが、解説を受けた商品への説明でややほぐれて。興味深げに琥珀色の小瓶を見上げるのだった。

「ううん、……興味あるよ。その香り、嗅がせたい相手が居るもの。……僕の、ご主人さまに。
――あ、あの……。それより……。
その……さっきのこと……。もしかして、……見逃してくれてる……の……?」

彼の人の良さそうな物言いに、首を振って。にこりと笑みを向ける。
――言いづらそうに続けたのは、さっきの自分の窃盗のこと。うやむやにしてくれたんだろうけれど、いちおう確かめたかった。ちらり、と彼を伺い。

月永遠花夕 > うーん、どうしたものか。このパターンはあれかな。とりあえずここにいてほとぼり冷ましとこうとかそういう事考えてるのかな。うーん。

相手の意図があまりよく解らずにそう推測しておけば、まあ、それはそれでいいかと考える。彼女がサクラになってもしかすれば他の客もやってくるかもしれない。金を出してサクラを雇う露天商もいるくらいなのだから、これは得じゃないかと内心こすい事を考えていて。

「キミ、結構ませてるね。。。媚薬とかそういう言葉どこで覚えてくるんだい。ってご主人様に使うの!?うーん。僕が浮世離れしてるだけでこういうのって結構当たり前なのかな」

 研究やらに没頭してるとよく価値観がわからなくなる。少しは僕ももっとこういう一般的な事を知るべきだなと考えていて。

「いいよ。そういう事言わなくて。キミは自分でちゃんと戻したんだからゴチャゴチャいう事じゃないし。見逃さなかったらそのかわりに何か働いてくれたりとかしてくれるのかい?」

そう口にするとへらりと笑ってみせた。やっぱり気づいてたんだ。僕が何かつきだすんじゃないかとおもってそれを気にしてたんだったら何か悪かったなあなどと思いながら。

シチュー > 彼に直接被害が及んだわけでもないから、彼と目があっても堂々としているのが良いのかもしれないけれど……。そこまで図太くはなかった。自分にウソついてるみたいでそれもイヤである。難しい状況。

「そうかな?メイド長から教えてもらったよ―?媚薬。
えへへー。……だって、僕の一番振り向かせたい人だもん。
……浮世離れ……、うーむ……というか……、お兄さんってついさっき山の上の仙人の住んでるところから下ってきたって……感じ?」

ませてるという彼の価値観が正しいのかもしれない。
そのあたりは自分より少し上の年頃の人たちからいつも聞いていたから。
使用相手に、両手を後ろにして悪戯っぽい笑み浮かべ。耳と尾を備えた彼の、見たままの感想を浮かべて。

「ん……、こういうのは変かもしれないけど、……ありがと。
――そのかわりに?……うん、そのかわりに何でも。僕の出来ることならやって許してもらおうって思ってた……かな」

場面的におかしいかもしれないけどそう言って。
窃盗が露見しそうになった時の事を想像しつつ。

月永遠花夕 > なんか随分な言われようだなあ。確かにこの辺りにはものを売る目的では来るけど、それ以外ではあまり来ない。それにしても田舎者以上の扱いは若干心外でもあるが、その扱いに反論できるほどの材料ももっていなくてその件については口を噤んだ。

「へえ、振り向かせたい人がいるのならちょうどよかった。これだったらこれだけでいいよ。魔法や錬金術と違って僕が交配させた木を使ってるからかなりお安くできるしね。」
最初は5本の指を出してたが少し遠慮して1個引っ込めた。

うーん、しかし、彼女に何ができるだろう。呼び込みとかかな?そう思いながら口を動かす。

「ふーん、ちなみに何ができるというか、得意なんだい?」

シチュー > 彼が口を噤むんだところを見ると、気に触ってしまったらしい。相手の気を悪くするつもりは無かったし、田舎者と扱ったわけでもなくて、相手の容姿の神秘性についてそう言い表したつもりであった。

「ご……、5ひゃく……ゴルド……?それを……4ひゃく……?」

媚薬についての値段は疎く、差し出された指の値段は100単位だと自信なさげにする。たぶん……もっとだろうとは考えている、そんな顔つきで不安げに。

「これでもメイドの修行中だからね!お掃除からお料理までこなせるよー」

月永遠花夕 > うーん。桁が違うなあ。だって、これでも相当安くしてるよね。土作りにだって相当お金かけてるし、温度管理には金かけてるし。いっそお試しとか言ってあげちゃう??ダメダメ。だってそれで、最初にもらえると思った人がぞろぞろこられても困るし。

そう心中で考えながら口を結んで頭をぐるんぐるん揺らすと小さく息をついて。
「ごめんね。量を少なくして400ゴルドで売ってあげてもいいけど、それだと効果があんまりないんだ。お金貯めてから買いにきてね。」
申し訳なさそうにそう口にしては緩く頭をさげた。

「へえ、さすがだなあ。んー。掃除は、絶対本とか僕のわかんないところに置かれたりするから大丈夫かなー。料理は僕、ろくなものつくれないからいいかも。めんどくさいからいつもろくなもの食べてないしね。」
そう口にすると肩をすくめた。

シチュー > 「そうだよね……。ごめんなさい。……ちゃんとお金、ためてからまたここに来るね」

値段については自分の予想したとおり、メイドの身ではなかなか手のでないものらしい。しゅん、とケモミミ下げて縮こまり。

「あは……。お兄さんは職人肌なんだね、きっと。
でも、ご飯はちゃんと食べなきゃ……!」

相手の物言いや装いにそんなイメージ。
創造力を相手に戦っているような。

「それじゃあ、また来るね、お兄さん?」

ここに長居していたら、彼の商売の邪魔になってしまいそうだ。ぺこりと頭を下げてからその場を後にして――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシチューさんが去りました。
月永遠花夕 > 「うん。今度はまたお勉強できると思うから是非また来てね。」
そう微笑みかけると、その場を後にする彼女へと緩く頭をさげた。

「うん、またのお越しをお待ちしてるね。」

そしてしばらく、時間を立つも、彼女以外の客はさっぱり来ず。といった塩梅で。

「うーん。ちょっと場所を変えてみるかな。」

そう口にすると、行商用の車へと、"圓屋"と書かれた提灯を乗せる。ここで売れる商品を考えなきゃなあ。と思いながら車を押しはじめて。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」から月永遠花夕さんが去りました。