2018/04/16 のログ
■ファニー > 冒険者ギルドの扉がギィと音を立てて開き、中へカツカツと足音を立てつつカウンターへとやってくる女が一人。
この場に似つかわしくない場違いな格好の為、依頼をする側の人間のようであり、併設されている酒場のエリアから視線がいくらか注がれており。
「失礼、依頼の事で話が……あー、クレームとかではなくて新規の依頼の方だ。
この間の依頼は実に良い仕事だったのでね、文句のあろうはずもないさ。」
カウンターへとたどり着いて受付嬢へと語りかければ、不手際があったのではないかと何故か謝られた。
どうやらたまたまそういった苦情が続いたのが原因のようであるが、自分には関係の無いことなので逆に褒めておく。
「今回は少しばかり特殊な茸なのでね、難易度もそこそこだと思うので依頼料はこのぐらいでどうかな?
ついでに試作品の薬品のモニターも頼みたいので、条件に付けておいてくれ。
うむ、それじゃあ手数料と合わせてピッタリのはずだから確認を。」
とカウンターで暫くやり取りをしてから報酬とギルドの手数料を含めた代金の支払いを始める。
■ファニー > 「おや?たしかあの子は……」
受付嬢とのやり取りを終えて振り返ると、酒場の方から飛んできていた視線の一つと目が合う。
そしてそれはどうやら自分の店でよく見る顔だったので、楽しげに笑いながらその子のテーブルへと足を進め。
「こんばんは、こんなところで会うなんて奇遇だね。
ここで再開したのも何かの縁だし、一杯奢らせてもらおうかな?」
等と良いながら見かけた彼女の隣へと腰を下ろしつつ近くにいた給仕へ注文を通す。
そして隣の知人の顔へと向き直ればニッコリ笑って。
「そうそう、新しいオイルが出来たんだけれど、モニターになってみる気はないかい?
もちろん無料にさせてもらうよ。」
そう告げられた彼女がパァととても良い笑顔になりながら何度か頷いて了承するのは、彼女が自分の店の常連だからだろう。
「それじゃあ乾杯。」
しばらくして運ばれてきたシードルのグラスを手に取れば、彼女のグラスへと合わせて音を鳴らす。
その後酔っ払った彼女を送り狼したりするのだが、今は関係の無い話である。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からファニーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区・路地裏の軒下」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > 薄暗い路地裏の軒下。
さぁっと雨音の響く、その場所で少年は空を見上げていた。
時間的にはまだ日も高いのだが、曇天のせいでやや薄暗い。
「はぁ…」
ため息一つ。
急に雨に降られるのは何度目だろう。天気を読む技術でも学んだほうがいいだろうか?
雨具がないというわけでもないのだが、大丈夫だろうと思ったときには
かさばらないようにと家においてきてしまう。悪い癖かいい癖かはわからないが
今、この時は悪い癖だと思うことにする。
■ブレイド > 幸い、冬の寒さの中というわけでもない。
それに愛用のフード付きマントはびしょ濡れだが、他の着衣は濡れずにすんでいる。
だが、雨の中を歩くのはそれなりに不快だし
着ている服まで濡れてしまえば、体調を損ねることも考えられる。
通り雨ならいいのだが、振り始めてすでに十数分。
止む気配はない。
「んー…」
周囲をキョロキョロと見回す。
こちらを見ているような人間はいない。そもそも、雨のせいか人通りは殆ど無い。
せっかくなのでマントを外し、水気を払うことにしよう。
■ブレイド > フード付きのマントを外すと、耳をぱたりと立てて、ぷるるっと震わせる。
ずっと寝かせているのも気疲れすると言うか、耳がこるというか。
尻尾もゆらりと動かし、大きく伸び。
外したマントをばっさばっさと揺さぶり水気を落としながら
雨の路地裏をぼーっとながめている。
「あふ…ふぁぁ……」
思わずあくびが出てしまった。
昼下がりで、それなりの温かさ。そして、しとしとと静かな雨音。
なんだか眠くなってしまう。
水気を大雑把に払ったマントを柱の出っ張りにひっかけて
自分は荷物袋を椅子にその場に座り込んでしまう。
■ブレイド > この状況だと眠くなるのは仕方ないのだが、寝るわけにもいかない。
雨が止んだらまた人も増える、そうなれば耳と尻尾は隠さなければならない。
寝ている間に奴隷小屋送りなんてのは流石に笑えない。
じわじわと迫ってくる眠気と戦いながら、雨が止むのを待つ。
「くあぁぁ…」
またあくび。少し目がうつろ。
時間も昼寝時。昼食もいい具合にお腹の中でこなれた頃。
音に敏感な耳に心地の良い雨音…。
カクリと首が落ちそうになる。あわてて体勢を立て直しぷるぷると首を振った。
「あぶねぇ…くっそ」
なにか暇でも潰せればいいのだが…。
■ブレイド > 「~~♪」
暇つぶしに、と口笛を吹いてみる。
雨の日に歌いながら街に出かける…たしかそんな感じの曲だったか。
どっかの酒場で聞いた曲だが…まぁ、詳しいことは覚えていない。
ただ、曲の感じは覚えているので口笛で奏でる分には問題なかった。
もうちょっと小降りなら、濡れて帰ってもよかったかもしれない。
ついでになにかいいことでもあったなら、今吹いている曲の通り
踊りながら帰ってやったのにというものだ。
■ブレイド > しかしそれも長くは続かないと言うか
一曲終わってしまえば、続いて何を吹こうか全く考えておらず、なんとなしに口笛も止まってしまった。
そもそも、ずっと続けていれば喉も渇く。
尻の下にひいた荷物袋から水袋を引っ張り出して、一口だけ水を飲む。
そうして一息つけば、こみ上げてくるあくび。
「あふ、ぅぅ…むぅ…」
噛み締めはしたのだが…こうしていては長くは持たない。
マントを羽織り直してうたた寝でもするか?
■ブレイド > うたた寝…そう、うたた寝…。
少しくらいはいいだろう。雨が止むまで…。
引っ掛けてあったマントを羽織り、雑に耳と尻尾をかくす。
荷物袋に座ったまま、背中を壁に預け、かくりと頭を下げる。
意識を少しだけ手放し、浅い眠りにつく。
静かな雨音と程よくぬるい空気につつまれて。
ご案内:「王都マグメール 平民地区・路地裏の軒下」からブレイドさんが去りました。