2018/04/03 のログ
イルゥ > 「あら、こういうのは慣れてないのかしら? 可愛い反応するのね。
 女を抱いたこともない男の子みたいな」

くすくすと笑って、赤くなったブレイドの顔を見つめるイルゥ。

「上には宿があるから……ね、ゆったり遊んでいけるわよ?」

ブレイド > 「んなことねーって!
だけどその…なんだ…」

コクリとつばを飲み込んで。
いいのだろうか?こんな小さな…いや、歳上なのは理解しているが…

「ん、お、おう…」

結局、コクリと頷いた

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイルゥさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にチェシャ=ベルベットさんが現れました。
チェシャ=ベルベット > 春の日差しが感じられる午後、午前中には曇っていた分気持ちよく晴れた空の下
平民地区の食料品市場で買い物をするチェシャの姿があった。
紙袋を両手で抱え、その中に果物や野菜、長いパン、チーズや保存の効く塩漬け肉などを入れて
道に広がる屋台や店先を覗いては食材を吟味している。
結構な荷物だがちょうどいい運動といった具合に足取りも軽く進んでいる。

片手でポケットからメモを取り出し、買い物不足がないかどうかをチェックする。
と、春風にさらわれてメモがひらりと手の中から逃げ出してしまった。

「あっ……」

荷物を抱えているためいつものように機敏に反応することも出来ず
道にひらひらと舞うメモを慌てて追いかける。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にセレーナさんが現れました。
セレーナ > 「ん~っ……いいお天気」

ぽかぽか陽気の街中。一人の少女が伸びをしながらそう漏らす。
行きかう人々もどこか楽しそうというか、幸せそう。
厳しい寒さの冬の終わりをしっかり満喫しているみたい。

「よし。午後もお仕事がんばろう!」

ちょっとの休憩は終わり、とばかりに気合を入れなおす少女。
そのままとことこと市場を歩いていれば。

「……おや?」

ぺちっ、と。脚に何かが当たった。ひょいと拾えば、それはメモのようであり。
少女はそれをまじまじと観察してしまう。

「……むむむ。買出しメモ、ですかね?」

食料品市場にて迷子のメモを保護。持ち主を見つけなきゃかな?
そう考えて、少女は辺りをきょろきょろと見る。

チェシャ=ベルベット > メモの行方を辿れば一人の少女の足に張り付いていた。
それを拾い上げてまじまじと眺める姿に慌てて追いすがり、

「ちょっと、それ僕の……」

そう言いかけたところで首を傾げる。

「んん、……? あんた、前に会った……」

誰だっけ、名前が喉元まで出てきそうで出てこない。
このチェシャ、人の名前を覚えるのが大変苦手である。

「とりあえず、メモ拾ってくれてありがと。
 あと恥ずかしいからまじまじと見ないで」

さっと片手を出してメモを渡すよう少女に促す。

セレーナ > 人の波の中から、自分の元へと近づいてくる人間を見つけ。
少女は、その人物に対してニコリと微笑みかける。

「どうも。これ、アナタのなんで……」

瞬間。少女の脳内に何かの映像が映る。相手の首を傾げる様子。
表情、声。そのどれもが、少女の中へ染みこんでいき。

「……ふふふ」

相手の言葉に、くすくすと笑いつつ。メモを持ったまま手を伸ばし。
相手の持つ紙袋の中へと、ストン、と入れる。

「どういたしまして。ずいぶん大量のお買い物ですね?
 ウフフ。アナタのそんな姿は前は見れませんでしたもんね。
 ……チェシャ、さん?」

くすくす、くすくすくす。笑いながらそう言う少女。
初対面のはずの相手。その名前を、ぴたと呼びながら。相手の鼻先に人差し指を突きつける。

「日用品のお買い求めは、ぜひともトゥルネソル商会にて。
 品質保証格安販売。満足いく品があること間違いなし、ですよ」

と、ちゃっかり自身の職場を宣伝。これも大事なお仕事なのだ。

チェシャ=ベルベット > ちょっと間抜けそうな雰囲気に思えた少女が、チェシャを目にした途端一転して雰囲気が変わる。
何が面白いのかクスクス笑われて、こっちは不機嫌そうに眉根を寄せた。
ストン、と入ったメモに紙袋を抱え直しどうも、と短く礼を言う。

「まぁ、僕だけが食べる分じゃないから。
 ていうかなんかちょっと雰囲気変わった?」

と、鼻先に指を突きつけられて一瞬驚いたように目を丸くした。
猫的に言えばフレーメン反応を示したような顔だろうか。

「……トゥルネソル? あー、あそこね。
 なんか物々しい武器が鎮座し始めたらしいから冒険者御用達に変わったのかと思ってた。
 いいよ、あそこの店長、女の子だけを綺麗に食い散らかすって噂があるし
 男の僕が行っても色つけてもらえないでしょ」

などと風のうわさで聞いた嘘か真かわからない話題を口に出す。

セレーナ > すぅ、と目が細まり。相手への態度がそれまでの物と一変する少女。
その様子に、相手もまた表情変わり。それがさらに少女の笑いを誘う。

「あぁ、そうなんですね。……そういえば、その服装。
 ふふ。チェシャさんは見た所従者。しかも荒事も出来る凄腕バトラーさんですね?
 どう? 当たりでしょ?」

相手の驚く顔に対し、少女はなぜか得意満面という表情と口調でそう言い放つ。だが、続く一言を聞けば、瞳からは熱が消えた。

「……あぁ、そうなんですよね。雰囲気、変わりました?
 アナタは、昔のワタシに会ってるんですよね。
 って、そんなことないですよ? 店長さんは優しいですし敏腕ですし。
 サービスだってしっかりしてるんですから。ぜひとも、ご贔屓、にっ!」

少女の頭の奥で、何かがちりちりと蠢いている。相手の知っているその情報。知りたい、と思うものの。
自身の職場についてはしっかりきっちりフォローしつつ、相手に向かって一歩踏み出す。

「ねぇチェシャさん。ちょっとお話お聞きしたいんですけど。お時間ありません?
 もちろん、情報料は払いますから、ね?」

息もかかるほどの距離でそう笑う少女。その表情には、怯えも迷いもない。
見た目の雰囲気から考えれば、かなり違和感の強い仕草や言葉だろう。

チェシャ=ベルベット > 「半分当たりで半分はずれ。
 執事って言うよりかは雑用みたいなものだし、従者だけど魔法使いの弟子っていうか。
 まぁ僕のことはどうでもいいけど、なんでさっきからクスクス笑ってるのさ」

主人に仕えていることは事実だが、チェシャと主人の関係は一言で済ませられないほど複雑である意味簡単。
というか雰囲気が変わったセレーナにチェシャの不機嫌メーターがビンビン反応する。
相手の機嫌がいいとこっちの機嫌が悪くなるという面倒くさい性質だった。
ちょっと相手から楽しそうな雰囲気が消えると、なにかまずいことを言ってしまったのかと内心焦るが
どうやらそういうことでもないらしい。

「ふーん……まぁ、機会があったら行くかも知れないけど」

肩を竦めて店の評判を半信半疑で受け取る。どうも彼女は広告塔らしい。

「……いいけど、じゃあ場所でも移す?
 このまま通りを歩いて話すのも落ち着かないと思うし。 ていうか顔が近い」

相手から逃れるように周囲を見渡して落ち着いて話せる場所を探そうとする。
なんでこんなに食い気味なのか、チェシャとしては不思議でしょうがない。

セレーナ > 「あら。半分、ですか。……う~ん。まだまだ未熟、ですかね。
 雑用だなんて。その服、かっこよくてお似合いですよ?
 え~っと、ですね。う~ん。探し物が見つかったから楽しい、から笑ってる……んでしょうか?」

相手の言葉に、肩をすくめながら、いまだ笑みを消さない少女。
相手が不機嫌になるのを見れば、少女は首をかくん、と横に曲げ。
どうやら自分でもなぜ笑っていたのか、理解が出来ないらしい。

「えぇぜひとも。後悔はさせませんから」

機会があったら、と言われたのに。さらに強く押す少女。
どうやらよほど自分の勤め先の品揃えなどに対して、自信があるらしい。

「そうですね。チェシャさんも荷物を持ったままじゃ話しづらいでしょうし。
 ……この辺で、二人きりになれる場所知ってますか?
 うふっ。私の美貌にどぎまぎしちゃいました?」

相手の提案に素直に乗る少女。いったん距離をとり、相手に落ち着ける場所へと案内してもらおうとする。
離れ際、らしくない冗談を口にしながら。唇に人差し指当て、また笑みを。
それは、少女の少女らしからぬ。女っぽさが現れた仕草であった。

チェシャ=ベルベット > 「何その曖昧な答え。自分の笑っている理由もわかんないの?」

自分の曖昧な回答を棚に上げ、少女の不可思議な言動をつつく。
なんというか雰囲気も変わったが、不思議さも増したような気がする。
ずいぶんと彼女とは会ってなかったのだし、その間になにかイイこと、あるいは悪いことでもあったのだろうけれども
それを詮索するほどの関係でもなかった。

「二人きりになれる所……? はぁ、じゃあ付いてきて。
 別に、乳臭い女の顔ぐらいでどぎまぎするほど初心じゃあないよ」

あぁでもちんこはでかかった、気がする。と頭の中でちょっと付け加え
市場を離れるように歩き出す。
何本かの通りを曲がり、昼間は静かな酒場通りにまで来るとまだクローズドの看板が掛かった一軒に無造作に入る。
中には年を食ったマスターが一人、夜の開店に備えて仕込みをしている最中だった。

「邪魔するよ、マスター。ちょっと小部屋使わせて」

片手で取り出したゴルド金貨をカウンターに数枚置いてから奥へと入っていく。
店の広さは奥に広く、壁を掘ったような小部屋がありそこがテーブル席になっている。
店の入口からも他の席からも見えない角度に絶妙に配置されたそこは
ある意味不健全な目的もあるように見えるだろう。
席に腰掛け、脇に紙袋を置き、マスターに適当な飲み物を二人分頼む。
出された果汁のジュースには氷が入っており、冷たい。

「それで、何が聞きたいの」

ジュースをストローですすりながら頬杖付いたチェシャが尋ねた。

セレーナ > 「えっと。えぇまぁ。困ったことに」

相手の追及に、にへら、と笑う少女。しかしそれは、どちらかといえば、困ったような。
あるいは、場を凌ぐときに人が見せるような、歪な笑顔であった。
相手に探られているとも知らず、少女は首をかっくかっくと左右に振っている。

「あ、心当たりあるんですね。助かります。
 私この街の土地勘無くって……。
 って、ち、乳臭っ!? ちょっと!? レディに対して失礼じゃありません!?」

相手が人払いの出来る場所に心当たりがあると知れば、相手の案内に付き従い歩き出す。
もちろん、罠だなんだということなど考えてすらいない。
細い道を進む中、相手のいきなりの発言に食いつく少女。
その振る舞いは、実に見た目年齢相応だ。

「はえ~……。いい雰囲気のお店ですね」

案内された店。その雰囲気への感想を述べつつ、マスターへと一礼し、相手の後を追う。
酒場慣れしていないのだろう。きょろきょろと周りを見つつ。
届いたジュースを両手で持ち、ストローからぢゅぅぅぅぅ……。と音を立ててその甘みを味わう。

「はい。一つ、アナタが以前会った私の名前。
 二つ。アナタが以前会った私の印象。
 三つ。アナタが以前会った私はどこへ行ったか。以上三点です」

相手に尋ねられれば、少女は淀みなく。指を三本立てて相手に尋ねる。
もしもこの言葉を聞いたのなら。三番目の質問の奇妙さに相手はどんな表情をするだろうか。

チェシャ=ベルベット > かっくんかっくん揺れる相手の頭になにか不安なものを感じつつ
得意の不機嫌さとポーカーフェイスで黙っていることにする。
というか以前よりも見た目そのものの言動になってきているが
これも演技だったりするのだろうか、と訝しげにちらちら見てみたり。

いい雰囲気の店、と褒められたことに気を良くしたのかセレーナの席にだけ
ちゃっかりマスターからアイスクリームのサービスが付けられる。
それをジト目で見ながらセレーナが立てた指の数を数え、
少し考えるように黙り込む。それからゆっくりと口を開き、

「一つ目、確か……セイン=ディバン……?だったかな……。そんな名前。
 二つ目、なんかもうちょっと世間なれしてた。あともっといやらしかった。
 三つ目、客のプライベートには興味ない。から知らない」

簡潔に応える。と、三番目の質問に関して少しだけ首をかしげる。

「どこに行ったっていうのが家の在り処とかじゃないなら……
 いや、それでも答えられることなんて少ないけど……
 面倒事に巻き込まれるのだけはゴメンだな」

そう言って背もたれに背を預け大きくため息を吐く。

セレーナ > 「……んふ」

ふらふらふわふわと、つかみどころのない動き。
そうして、相手の表情を見ていれば。突然小さく含み笑い。
そのポーカーフェイスと、物怖じしない様子が気に入ったのだろう。
ついつい、少女は笑みを漏らしてしまっていた。

相手と席に着き、ジュースを飲んでいれば、なぜかアイスが届けられた。
疑問符浮かべながらマスターを見れば、マスターから小さく目礼。
思わず少女は笑顔で頷き返し。そのアイスをぱくぱくと食し始める。
蕩けるような甘さに、思わず脚を机の下でぱたぱた。

「……やっぱり、そうですか。
 ……やっぱりぃぃ……。そうなんですね……。
 ……客? 何か、取引のようなことを?」

相手の言葉に、三様な反応の少女。名前。予想通り。セイン=ディバン。やっぱり、だ。
世間慣れはともかく。いやらしい人。噂どおり。っていうか噂が今まさにここで補強された。
そして、三つ目の言葉に、少女はぐい、と前のめりになる。

「……う~ん。要するに、チェシャくんはセインさんについてあまり深くは知らない、ってことですか。
 分かりました。情報提供ありがとうございます。
 面倒事になるかは分かりませんが。アナタを巻き込むのは本意じゃないです。
 なので、情報はここまでで」

相手が大きく息を吐くのを見届け、少女は両手をぱんっ、と叩き鳴らし。相手に向かって一度頭を下げる。

「……では。情報料は何がよろしいでしょうか。
 お金? 物品? それとも、身体でお支払いいたしましょうか?」

もっしゃもっしゃとアイスを食しつつ、情報提供への礼をしようとする少女。
口の周りにはアイスがべっちょり付いていた。

チェシャ=ベルベット > (だからなんで笑う……)

含み笑いに気がついてますます顔が曇ってしまう。
というか仕草といい今アイスをぱくついている姿といい以前のセインとは
大幅に違う。少女っぽさが増している。

「まぁそうだね。関係って言っても一度きりだったし……。
 客って……男娼だよ。買ってもらったんだ、セインに。
 そんなことまで覚えてないの? 何? 記憶喪失?」

自分の横髪を指でいじくりながらつまらなさそうに言う。
ありえない話ではないし、魔法も存在するのならそんな不可思議なことも怒るのだろうとは考える。
頭を下げ、報酬の件を口に出すセレーナにふい、と視線を宙に向ける。

「金も物もいらない。から消去法で身体ってことになるんだろうけど……
 とりあえず口を拭け。色気のない女だなぁ」

辟易した様子で紙ナプキンを差し出し、面倒だからとそのまま相手の口を拭いてやる。

「じゃあお礼に聞かせてよ。あんた一体何者? セインとどういう関係?
 面倒事でもいいからそれだけ教えてくれたら何もいわないで引き下がるよ。
 言いたくないって言うなら……、聞かないけどさ。
 てか今もちんちん付いてる?」

最後の一問だけ全く脈絡のないセリフが飛び出たが一応気になったので聞くだけ聞く。

セレーナ > 「……?」

相手の視線に気づきつつも、笑顔を浮かべたり消したり。
何のことはない。目の前の相手が、面白い。興味深い。
そんな感情がだだ漏れてしまっているのだ。いわば、好奇心に近いか。

「……はぁ。
 ……あ……あぁぁぁぁぁぁ……っ!
 あの人……いや、正確にはあの人という形容があっているのかは微妙ですけど……!
 お、男の人も抱くとか……!!」

相手の発言に、一瞬固まったものの。次の瞬間、頭を抱えて叫ぶ少女。
男が、男を買う。分からなくもないし理解も出来なくもないんだけれど。
こと、その男がそれをしているのがダメージだった模様。

「記憶喪失……近いですね。ドンピシャ中りではないですけど。
 あ、身体にしますか? それならそれでいいですけど。
 ……んぶぅ……ややや、これは失敬」

記憶喪失ではない、と言いつつ、口をぬぐわれる。どうやら自分の口の周りをアイスが汚していたのは気づいていなかったようで。
そのまま、ぺこ、と頭を下げ。

「えっと、ですね。私、どうやらそのセインって人から分離した。
 いわゆる『受肉した呪い』ってやつみたいでして。
 そのセインって人の足取りを追いつつ、過去の出会いやらなにがしやらを辿って、自己を確立している途中といいますか。主に記憶方面で。
 ……え~、っと。付いてはないですけど、生やせます」

相手に問われれば、正直に答える少女。どうやら少女なりに返礼にて礼を尽くそうということらしい。
最後の一言には、赤面してうつむく物の。小声でぽそり、と呟き。

「……見ます、か?」

そう、尋ね返していた。

チェシャ=ベルベット > 面白がられていることなどつゆ知らず、対面する相手にぶすっとした顔を向け続ける。
無愛想と不機嫌が服を着て歩いている猫、それがチェシャだった。

「ちょっと待った。
 男って言ってもその時会ったセインはあんたと同じ格好だったしふたなりだったし……。
 あーでもなんか元男、だとは言われた気がする。
 でも僕、男に抱かれるの嫌いじゃないし別にその点いいんじゃないの?」

何がいいのだろうか、本人(別人?)の苦悩を別にしてあっけらかんとそんなことをのたまう。
案外報酬に身体を指定した割りに乗り気なセレーナも、その点ではセインと変わらない。
先程の少女のような姿は違う人間だと思わされるのに対して共通項もなくはないのだなと思った。
とりあえずの事情を聞いて腕を組みながらふーん、と一言。

「『受肉した呪い』ねぇ……。まぁ魔法の世界じゃなくはない話だけど。
 じゃあ人間勉強中というか、初々しかったのもなんとなく納得した。
 悪いね、僕じゃああんまり役に立たなくて」

悪びれる様子もなく軽い調子で謝った。
と、生やせると言われるとちょっと目を丸くした後立ち上がりセインの側の席の横へ座り直す。
ずい、と彼女へせまりなんの断りもなくショートパンツに手をかけた。

「見たい、っていうか舐めたり入れたりしてもいいなら見る。
 そうじゃないなら見ない」

セレーナ > むくれたような、その表情。少女の記憶にかすかに残る、この相手の印象。
その印象の中の彼もまた、こんな表情だった気がして。ついつい顔がほころんでしまうのだった。

「……えっと。それは存じ上げているのですけれども……。
 ですけど、その。私の中での葛藤といいますかね?
 言葉にするのは難しいのですけれども……」

言語化するのには難がある、少女の中での葛藤。
もやもや、っとしたその気持ちを敢えて言葉にするのなら。
『せめて私の理想の私で居て欲しかったのに過去の私というあの人は!』という。
怒りと呆れの入り混じった感情である。

「あ、信じるんですね。……みたいですねぇ。
 あははは、納得していただけましたか。
 いえいえ、そんなことないです、って、わひゃあ!?」

相手の変わらぬ様子に、少女は頭を下げ続けていたが。
横に座られ、ショートパンツに手をかけられれば焦り、離れ。

「わ、わかりました! わかりましたから!
 舐めても入れても結構ですけど! それが、情報料になるなら!
 でも、ちょ、ちょっと待っててください!」

あわてて距離をとり、小声で呪文を呟く少女。
そうして、一呼吸の後、ゆっくりとショートパンツを下着ごとおろせば。
そこには、そそり立つ20サンチ超えの巨根があった。
少女の肉体には似つかわしくない一物だ。

「……どう、ぞ。お好きなように」

チェシャ=ベルベット > 複雑な事情に複雑な表情を見せる相手。
それを見ていると、なんとなく彼女の云いたいことも分かるような気がする。
気がするだけで本当の所は本人しかわからないのだろうけど。

「……まぁ、過去の自分……自分? がどうでも今のあんたは違うんだし
 そんなに気にすることもないんじゃない。
 気にしたいなら好きなだけ気にすればいいけど、そういう葛藤も今のあんたを形作るものだろうし」

わかったような口をきく生意気さを見せ、それはそれとして
彼女の男根には食い入るように興味を示す。
ちょっと引き気味のセレーナにはっとして慌てて正座する。椅子の上で。

「べ、別にがっついてないからな。ほら、ちゃちゃっと出して」

そして彼女が恥ずかしそうにショートパンツを下ろし、呪文によって生やした巨根が
眼の前に晒されればはぁ……と熱っぽいため息とともにそっとそれに両手で触れる。

「あー可変になったんだ。まぁそれはいいんだけど……
 いつ見てもすごいでかいよね、ちんこ……」

思わず空いた口からじゅるりと涎が垂れそうになるのを慌ててとどめて
そっと先端に唇をつける。

「んぅ……っ、おいし……」

ぺろりと舌をだし亀頭から裏筋を舐め、はぷっと幹に唇で甘噛してみる。
余った部分を手で扱き、あわよくばショートパンツの隙間から女性器へと
指を伸ばしてそこも愛撫し始める。

セレーナ > うまく纏められぬ少女の言葉。それを汲み取ってくれたのであろう。
相手の言葉は、少女の精神を僅かにだが落ち着かせてくれた。

「……おぉ~……なるほど。確かに……。
 根っこがいっしょでも、今は別人ですもんね……。
 う~ん。チェシャくん、大人ですね」

見た目はそう年齢変わらぬ相手だろうに。くん、なんて呼ぶのに。
相手の大人な考え方に、目をきらきら輝かせて、うんうんと頷く少女。

「……いひひ。がっついてたじゃないですか。
 ……チェシャくん、おちんちん好きなんですか?」

正座しながら取り繕う相手の言葉に、思わずニヤニヤと笑う少女。
だが、出現させたペニスに触れられれば、身体がぴくりと震えてしまう。

「そう、ですねぇ……普段は無いんですけど、呪文を唱えると、出てきて……。
 射精も、出来るんですよ。不思議なことに」

さわさわと触れられれば、ぞくぞくと快楽が駆け上がってくる。
そのまま、先端にキスされてしまえば。

「はっ、あ、ぁぁぁ……。
 熱っ……ん、あぁあぁぁぁ……っ!
 そ、そっち、は……ダメ、ですぅ……」

ねろり、と舐め上げられ、唇で噛まれれば。少女の肉茎はどろどろと先走りを溢れさせた。
濃厚なオスの匂い漂わせながら、女性器を触れられれば。
相手の手の中で、びくびくと跳ね回る肉の槍。
すでに少女はうっとりとした表情になってしまっていた。

チェシャ=ベルベット > 「その、”くん”って付けるの止めてくれない?
 なんか……年下扱いされてる気がする。
 そっちなんかまだ生まれてそんな経ってないのに、生意気」

生意気なのはどっちなのか、明らかにチェシャのほうが失礼だと言うのに
ムスッとしたまま唇を尖らせる。
とはいえ、事に及べばチェシャは行為に没頭しとろりと瞳を蕩けさせる。
そこには先程の不機嫌さも生意気さもない、子猫のような御しやすさだけが残っていた。

「……うん、ちんぽすき……。僕を愛してくれるものだから……」

はぁ、と熱い息を先端に吹きかけながら目を細め、そのままペニスへ頬ずりする。
とろとろと溢れ出る先走りを舌でつつき、ちゅるちゅるとストローで吸うかのように吸い上げていく。
同時に片手は根本の割れ目を指で擦り、蜜が溢れてきたのならそっと指を二本潜り込ませる。

「こっち、だめなの? ……こんなにトロトロになってるくせに、だめとか嘘でしょ」

にやりと意地の悪い猫の笑みで内側からペニスに向けてトントンと指先で膣壁を叩き
ついで頬張ったペニスを舌技で責めるように舐め回して射精を促す。

セレーナ > 「あ、それはごめんなさい。ただ、なんていうか。
 ……さん、とか。様、って呼ぶよりも。くん、って呼びたくて。
 その……トモダチ、っぽくないですか?」

たしなめられる、というか。文句にも誓いその言葉に、少女は頭を下げて申し訳なさそうにするが。
続く言葉は、照れたような表情で。

「んひゃぁ……す、素直なんですねぇ。
 ……私は、エッチは好きですけど、嫌いです。
 気持ちいいんですけど、自分が自分でなくなっちゃいそうで……」

少女の意地の悪い問いかけに、正直に答える相手。思わず驚く少女だったが。
先端に触れる息。相手の頬の柔らかさに、次第に呼吸は乱れてしまう。
吸われれば、じぐじぐと熱と快楽が身体を這い。女性器へと指を忍び込ませられてしまえば。

「くん……っ!?」

びくっ、と背を仰け反らせる少女。蜜に濡れ、難なく指を咥え込んだ膣肉は、内部からの衝撃による快楽を、見事増幅させて伝えてくる。
同時に、ペニスを舌で攻め立てられてしまえば。少女の我慢など薄紙のごとく吹き飛ばされ。

「あ、だ、めっ、でちゃ……でひゃうぅぅ……っ!
 んっ、う、んううぅぅぅぅぅぅぅうっ!!」

何とか踏ん張っていたものの、あっさりと決壊してしまうその我慢。
少女の股間が大きく震えたかと思えば、大量の白濁がまるで間欠泉のように噴出した。
びゅるびゅる、びゅぐびゅぐと汚液のシャワーを迸らせながら、少女は腰を何度も跳ねる。
どうやら、射精と同時に、女性としての絶頂も味わっているらしく。

「あ゛~~~っっ♪ あ゛~~~~っっっ♪」

口から漏れるは、叫びというか呻きというか、だ。

チェシャ=ベルベット > 「……あっそ、好きにすれば」

食い下がるかと思いきや、案外あっさりと引き下がる。
トモダチ、という響きにほだされたのかはわからないが拗ねたような表情が
一瞬だけほんのりと赤らむ。
それが性行為の熱だけではないことに、セレーナは気づくだろうか。

「……昔は僕も嫌いだったよ。わけわかんなくって。
 でもそのうち慣れるから。自分が自分じゃ無くなるの、時々救われるようになる」

相手の告白を笑いもせず、そう淡白に返事した後また行為へ没頭する。
男娼として鍛え抜いた性技を思う様セレーナの初々しい身体に叩き込み
巨大なペニスを口いっぱいにまで頬張る。

「ん……っ、らひてひひよ……」

そして訪れるだろう絶頂に対して構えるように喉奥へと飲み込むと
間欠泉のように溢れ出る精液を受け止め、飲み下す。
ごく、ごく、と喉を鳴らしてまるでおいしいミルクを飲むように。

「んんぅっ……、ふぅ……っぐ、……~~~っはぁ……」

割れ目へ潜り込ませた指がキュンキュンと締め付けられる。
男根と女性器の同時イキに達しているのだとわかるとふ、と口の端を笑みに歪めて
指を更に激しくかき回し、口を窄めて最後の一滴まで絞り出そうと画策する。

「……っん、はぁ……ごちそーさまでした……」

ちゅぽ、と音を立て唇に精液の糸を引きながらこともなげにチェシャが言う。
上気した顔は未だ情欲の熱を保ち、額に張り付いた髪を鬱陶しげに払う。
そうして今度は自分のズボンに手をかけ、下着もろとも脱ぎ捨てた。
白く丸い臀部と少年らしい勃起したペニスを晒し、期待にひくつくアナルを自分の指で弄って広げてみせる。

「ねぇ……挿れていい……?」

男ながら女のようにシナを作り媚態を演じて続きをねだる。
尻穴へとセレーナの肉棒を宛てがおうと彼女を跨ぎ、上から妖しく微笑みながらぺろりと舌なめずりした。

セレーナ > 「えへへ、はい。好きにします」

拒まれるかと思ったが。どうでもいい、というような。
あるいは、受け入れてくれたような言葉を聞き、少女が笑う。
相手の頬が微かに赤くなったような気がしたが。その意図までは少女には分からなかった。

「……そう、ですか。……救われる……。
 ふふ。なんとなくですけど。言ってること、ちょっと理解できるかもしれません」

相手の言葉に、少女はゆるり、と呟く。少女自身、こういった行為に救われた経験は無いわけではなかった。
だが、その思索も、大胆なフェラにより寸断してしまう。

「んにゃああぁぁぁぁっ……!
 しゃ、しゃべっひゃ、らめぇっ……!」

頬張られたままの、促す言葉。ペニスと膣内の同時攻めに、少女の意思は陥落し。
そのまま、相手の喉へと欲望の液体を注ぎ込んでしまう。
大量に溢れたはずの精液は、なんと一滴も零さずに飲み干されていってしまう。
その光景が、またなんとも淫靡で。

「はっ……はぁっ……!」

相手の口内を汚す間、侵入した指を締め付けてしまう肉体。
快楽に心と頭をシェイクされてしまい、体がふわふわと浮かぶような感覚に包まれる。
指を動かされれば、猛ったままのペニスから、ぴゅるっ、と最後の一滴が漏れ。

「……ぉ……おそまつ、さま、でひた……」

あまりにも強い同時イキの快楽のせいか、少女の呂律は実に怪しい。
だが、これで情報料を払い終えた、と思い少女が返答するのも束の間。
相手が目の前でズボンと下着を脱ぎ、アナルを広げて見せれば。

「……~~~~っっ。
 ど、どうぞ? これは、情報料ですから。
 チェシャくんが満足するまで、お付き合いしますよ」

ごくり、と鳴る喉。それだけで、少女が相手に挿入したがっているということが分かってしまうだろう。
事実、ペニスは堅いままだし、ふるふると震えている。
相手の舌なめずりする様子に、少女が赤面しつつ、顔を横に背けた。
性別こそ逆転しているものの、これはいわゆる逆レイプってやつなんじゃない? なんて無駄な思考が頭を過ぎる。