2018/03/31 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にフラニエータさんが現れました。
フラニエータ > 平民区の中心、人々が集まるその場所のとある酒場に女は居た。
数人の客に紛れこんでいる女は相も変わらずカウンター席の端で、足を組んでスツールに対して斜めに座り、頬杖をしながら酒を飲む。
いつもと違うのは今日の酒はワインでは無く、タンブラーに注がれた黒色の泡立つ飲み物だった。

「そう、そんなに簡単なのね…作ってみようかしら…」

何気なく、他愛なく酒場の主人と話している女。どうやら今口にしている飲み物の作り方を教わっている様子だ。
女はその飲み物を一口飲むと、退屈そうに小さな欠伸をした。

フラニエータ > 一人で酒を飲む女の姿をちらちらと見、様子を伺う他の客々。
女は他の客と目が合う度に、、小さく小首を傾げながら微かに微笑んでみせる。
男女問わず行われるその行為。受けた客の反応はまちまちだ。

「――当たり、居ないわね…」

お仕事的な意味での客の質を確かめながら、タンブラーに入っている酒を口へと運び、そっと傾ける。
きめ細かな泡が女の唇を擽り、その上に残った。指先で軽く掬い取り、ゆっくりと扇情的に舐め取って見せる。
お仕事的ではない意味、いわゆる遊び相手の客の質を確かめているのだ。

フラニエータ > 女の酒がほぼ無くなった頃、女はふと、その名前を教えて貰っていない事に気が付いた。

「所でコレ…何ていうお酒?」

酒場の主人は、唇の端を軽く上げ、そっとその名を女に教える。
女はそれを聞くと、ちょっとびっくりした顔の後に、にやりと唇に弧を描かせた。

「…今日は貴方が一番、私を満足させてくれたわ…フフ、とっても素敵…」

シャンパンと黒ビール、同時に同量注ぐだけで出来上がるその飲み物。女はその名が大層気に入った様子だった。
二杯目を求めてタンブラーを主人へと渡せば、それはあっと言う間に女の元に運ばれた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にザールさんが現れました。
ザール > ぎぃと響き軋みながら開く酒場の扉の音。
身を屈めるようにくぐり、店内に入ってくる男。

何処に座るかと目を向ければ一人酒を煽る女性。
興味を覚えれば男は店内の床をぎしっぎしっと軋ませながらゆっくりとそちらへと歩み寄っていく。

「よぅお嬢さん隣いいかな?」

一人で飲むのも退屈であれば、どうせなら隣に人でもいた方がいいと。
巨漢の男が横に立ち声をかけた。

フラニエータ > 満足げに酒を飲んでいると、己にかかる声。反応しそちらを見れば、体格のいい男がこちらを見ている。
空いた隣の席に掌を重ね、

「構いませんわ…どうぞ?」

と言葉を返した。女のその瞳はその男を値踏みする様に向けられていた。
体格といい風貌といい、女の好みではあるのだが…今日の軍配は今の所、酒場の主人に上がっている様だ。

ザール > 値踏みされるような目に男は特に何をするでもなく。

「ありがとう。」

口角を上げながら相手が嫌がらなければ男は隣に腰を下ろす。
こつんと、テーブルを叩きマスターを呼べば、男はウィスキーと軽いつまみを要求した。

「ザールだ。 お嬢さんの名前は?」

店主が準備する間男は自己紹介を行い、手を差し出した。
女の手とは異なり、分厚く、お大きく傷だらけの手。

フラニエータ > 彼の上から下までしっかりと眺めた女は、その恵まれた体格から、恐らく戦闘に従事している人間と言うことが解った。
初めて会ったその男の質問は正直に答える義理は無い。そもそも女は一般人には名乗らない。
女は目の前の黒い飲み物、先程主人に教えてもらったその名を騙ることにした。

「――ブラックベルベット、よ…」

恐らく握手を求めてきているその手には、小さくごめんなさい、と断りを入れ、拒否する。
全く素性が知れない相手…しかもまるで作られた様に己の好みの彼が、逆に女の猜疑心を駆り立てた。

ザール > 美人に眺められる分には悪い気はしない。
そして、告げられる名前。
確かカクテルの名前。
それも相手の前にあるカクテルの。

偽名で有ろう。
だが、初対面である己に真実の名を告げる必要は確かにない。

「ブラックベルベットか。
長いからベルベットと呼ばせてもらおう。
そう警戒しなくてもいきなり食ったりはしないさ。」

くっくっと楽し気に笑いながら男は出されたグラスとウィスキー。 
先程差し出した手を戻すと手早く蓋を開け、グラスの中に褐色の液体を注いでいく。

「まぁ握手はダメでも乾杯ぐらいはしてくれるかな。
せっかくの出会いに。」

と、どこか悪戯っぽく相手に笑いかける。
そして、男の漆黒の瞳が相手の瞳をまっすぐに見つめグラスを軽く掲げた。

フラニエータ > 悪戯っぽく向けられる瞳には、扇情的な流し目を重ねて、そっとタンブラーを近づける女。

「フフ…出会うだけで満足なの…?そうは言ってない様な目、してるけど…?」

頬杖を付いているその肘を、ほんの少しだけ彼の方へと動かすと、少々前屈みになる女の体。
胸を強調させ、あたかも誘っているような仕草をしながら女は一回、舌なめずりをしてみせた。

ザール > 向けられる流し目、近づいてい来るタンブラーにグラスを重ね。

「まずは出会える事。 それがなければその後の展開も無いだろう?」

だからまずは乾杯と、舌なめずりをした相手、どこかネコ科の動物を思わせる相手を男はまっすぐに見つめる。
男は視線を戻して楽しそうに笑いながらグラスを煽る。

「ちなみにベルベットにはどういう目に見えたのかな?」
強調される胸。
括れた腰、スツールの上の脚と視線を滑らせてから再び視線を相手の目に。

フラニエータ > 彼の目線が足へと運ばれたのを見れば、女はわざとらしく足を組み替えて見せる。
腰に運ばれたのならスツールの上の尻を軽く動かし、体をくねらせて見せる。
扇情的な仕草を絶えず見せつけながら、女は彼の質問に飄々と答えた。

「そうねぇ…小生意気な女を躾けたい、そういう風に見えたけれど…?違うかしら?」

再度重ねられた瞳はそのままに、タンブラーを傾けながらのその言葉。

ザール > 視線に合わせて強調される体の部位。
楽し気に見詰め。
最後は相手の胸に。

「そうだな。確かにそれも面白そうではあるが。
ベルベットには躾なぞ不要とみるがな。
得体のしれない男を味見したいなら、俺の上に載ってみるか?」

男はそう笑いながら答えて。
男は相手に体を向ける。分厚い胸板。相手の腕の何倍もある男の鍛え抜かれた太腿に腕。
掌や太い首筋、整った顔にはいくつもの傷跡が入り乱れて生娘であれば怯えるだろうが…。
楽し気に問いかけながら、ぽんと自分の太腿を叩いて見せた。

フラニエータ > 見せ付けられる彼の逞しさは、普段の女なら飛び付くだろう程鍛えられていて。
整った顔立ちは明らか多数の女性に注目される程のもの。そこに付けられている傷跡はその強さを物語って居るのだろう。
しかし、何故か女は彼に興味を抱かなかった。
彼が自分の太腿を叩くのを見れば、そこに座れと言うの?と茶化す女。

「上に?私、重いから遠慮しておくわ…」

女はタンブラーに残った酒を一気に呷る。そしてそのまま無造作に代金をカウンターへ投げやった。

「また、ね…?」

女の言葉は店主に向けられたもの。その言葉を残すと、女は酒場を後にした。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からフラニエータさんが去りました。
ザール > 「む。 振られてしまったな。」
立ち上がり、男の前から去っていく相手。
せっかくの魅力的な女性であり、残念な気持ち。

もし相手の気が向けば、出会うこともあるであろう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からザールさんが去りました。