2018/03/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 「うっし、大量大量」

夜の闇の中、街の明かりに照らされて男は上機嫌に大通りを歩く。
手にした金貨袋をお手玉しながら鼻歌交じりだ。

「しっかし……どうしたもんかねぇ」

仕事は順調。貯金も順調。だけど、本当にほしいものは手に入ってない。
少しばかり焦れてくる男なのだった。だけど、とりあえずは懐は暖かいからいっか、位に考えている。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアラミルさんが現れました。
アラミル > 大金を抱えつつも空虚な思いを抱える男
大通りを歩くその視線の先に、ふと、光るものが目に入る
そのまま進んでいけば、正面から銀の髪を揺らしたお嬢様のような人影がゆっくりと歩いていて
相変わらず、何を考えているのかよくわからない表情のまま、彼女は男を見つけるだろうか

以前に酒場の光を反射させていた髪は、弱い街の光と月光を吸って煌めき
薄い青の瞳で見上げるようにしつつ

「あ。セイン、だ…」

退屈な日々に、面白いものを見つけた子供のように話しかける
軽く片手をあげ、気安く。頬を緩ませながら

「?、お金、持ってどこいくの?」

ある程度人の世にも馴染んできた彼女は、お金というのは
自分にとってのごはんか、それともごはんにとっての快楽を買いにいけるもの、程度の認識で
それを持っているということはそのどちらかなのか、と暗に聞いてみるだろうか

セイン=ディバン > 行き交う人々を避けつつ歩く男。その視線の先に、煌くものが現われる。
ん? と。気を引かれ、目を凝らしながら近づいていけば。そこにいたのは知り合いの少女で。

「お、アラミルじゃん」

相手の声に返事をするようにし、しゅたっ、と手を上げる男。
そのまま、男は相手に近づき、微笑む相手の頭を撫でる。

「ん~? 仕事終わって報酬が入ったから、帰る前にメシでも食うかなー、なんて考えてた」

相手の質問には端的に答えつつ、金貨袋を掲げてみせる。
じゃり、という重い音。中には大量の金貨が入っているのは明らかだ。
そこで、男はにこり、と笑い。

「……一緒にご飯行く? その後……。
 おなか一杯にしてあげるよ?」

そんな提案をする男。当然、意味するところは正しく言葉の通りだ。

アラミル > 知り合いの少女は、返事をされると笑みを深め


「…、私と同じような、もの?私は…使う先、ないけどね」

そのまま撫でられれば甘える子供のように吐息を漏らして
相変わらず、滑らかな絹のような髪がセインの手に触れて
金貨袋が掲げられればおー、なんて言いつつ
大量の金貨が入ったそれをしげしげと眺めて

「あは。いいの?おいしいもの、食べさせてくれるなら、喜んで」

言葉通りに受け取り
あまり普通の食物を食べる必要はないものの
それが美味しいものを食べさせてくれる前振りとわかれば、丁寧にお辞儀して承諾して

セイン=ディバン > 声をかければ、少女の笑顔は強くなり。男もなんだか嬉しくなって笑ってしまう。

「ははは、そうなのか? あぁでも。
 使う予定がなくても、貯金とかしとくといい。
 金はあって困らないしな」

相手の淡々とした言葉に笑う男。撫でるのを拒まれないのであれば、更になでなでなでなで。
触れた髪の感触は、滑らかであり、心地よい。
相手のリアクションには、ふふ~ん、と自慢げな表情を見せる。

「オッケー、じゃあ。この近くの酒場に行こう。
 そこ、結構面白い店なんだよ」

相手が提案を受け入れれば、男はまた歩き始める。
丁寧にお辞儀する様子に苦笑しつつ、相手のことを先導し。
程なくすれば、平民地区にあるにしては大きな店舗の酒場に到着することだろう。

「マスター! 酒と肉! じゃんじゃか持ってきてくれ!
 アラミルも、好きに注文するといい。オレの奢りだしな」

遠慮するなー? などと言いつつ。男は大雑把な注文をする。
店舗内は、なかなか繁盛しているようで。食事時の活気が実に賑やかだ。

アラミル > 本人にその気がなくとも、美人の笑顔というのは雄にとっては活力剤となるもの

「ちょきん…?
…役に、立つのかなぁ…」

貯金というものがよくわかっていないのか首を傾げつつ
自分の懐に入っているそこそこの所持金を考えて

命が危ない相手ならまだしも、今話している相手はおいしいご飯をくれる相手
そんな…彼女にとっては最も好ましいタイプの相手に撫でられるのを拒否するわけはなく
撫でられるたびゆらゆらと頭を揺らして。まるで兄妹のように甘えるだろう

「酒場。好き…いろんな、視線が飛んでくるから
…面白い?」

ふるん、と双丘を揺らしつつ、後に続く
確かにこの風体では下卑た視線やその他の視線を受けるのは想像に難くない
面白いという言葉に首を傾げつつついていけば大きな酒場に連れていかれて

「私も、セインと同じの。…お酒には、酔えないけど
…ん。わかった」

そもそも食べる必要はないのだが、ごはんは元気な者からとるのが美味しい
自分が食べて、相手が元気になるのならそれが自分の喜びにもつながる、と思う彼女は
繁盛している店を見回しつつ、メニューがわからないため、セインと同じくかなり大雑把に注文して

セイン=ディバン > 急成長したこの少女。可憐、という容貌は、今や一人前のレディである。
そんな少女に笑顔を向けられれば、どんな男も滾ろうというものだ。

「役立つと思うぜ? 少なくとも、貧しいよりはイイさ」

相手の疑問に、男はそう答えるが。実際、相手のライフスタイルはよく判らないので。
あんまりお金の掛からない生活なのかな、なんて疑問。
撫でる手に、頭の揺れる感触。実に可愛らしい。
それなりに信頼してもらえているのだろうかと思い。それを誇らしく思う。

「色んな視線って。……あー、そうな。
 今のアラミルだと、見られるだろうなぁ。
 ま、何が面白いのかは後のお楽しみ、ってことで」

目の前で揺れた二つの豊満な果実。それを見て、相手の言葉に納得する。
すっかり大人になったこの少女の見た目は、単純にいって美しい。
もっと正確に言えば、可愛らしくもどこか色気があり。清楚な雰囲気の中に艶がある。
単純に言って、男が放っておかない女性、というわけで。

「あいよ。マスター! 同じのもうワンセット!」

相手からの言葉を、マスターへと叫ぶ男。僅かな時間の後、二人のテーブルに麦酒と、鶏肉のステーキ、サラダ、潰したゆでじゃがいもが届く。

「じゃ、とりあえずはまず食事だ。
 いっただっきまーす!」

男も腹が減っていたのだろう。そう言うなり、がぶがぶと食い物を食べ、酒を飲み始める。
その勢いたるや、周りの客が驚いて言葉を失うほどで。

アラミル > 急成長した理由はまたよくわからないものではあるが
この、魔族が隠れ住み、日々よくわからないことが起きている国ではあまり特別なことではないだろう

「ふぅん。そういうなら、そうしておく…」

食物を必要としない彼女は、精気をいただくだけで生活をしている
服などは厄介になっているところが新調してくれているので特に心配はいらず
信頼というものとは少し違うかもしれないが、なんにせよ結果としては撫でられるまま

「やっと、わかってきた、から。
…わかった。楽しみにしておく」

その視線から、彼女にとって大量のごはんが生まれることもあり…実際に酒場を巻き込んで情事に耽ったこともある、なんて伝え
男を惑わす手管をある所から学んだ彼女の雰囲気は幼げなものからどこか毒を含んだ危険な美しさへと変わり始めていて
傭兵などが多いこの町では、それは男を誘う絶好の香りとなろう

「……」

あいよー、という店主の気前のいい返事の後しばらく
普通の人間なら涎を垂らしそうな食欲をそそるセットが二人の前に

「食事…
うん。いただき、ます?…すごい、勢い…。おなか、空いてた、の?」

真似をして食べたことはあるが…その時は特に何も感じなかったもの
がぶがぶと食い始める相手を見ながらも、どこかでこれもまた仕込まれたのか自分は丁寧にサラダを口に運ぶ
途中疑問をぶつけつつ。自分もまた、お腹が空いているときは必死になっているな、なんて思いながら
その対比はより酒場の視線を集めてしまうだろうか

セイン=ディバン > 成長する前の姿と、今の姿。年齢がだいぶ差があるものの。
可愛らしさや、品の良さは共通している。
男はあまり細かいことを気にせず、この子が成長したのはいいことなのだろう、なんて考えている。

「そうしておきなさい。いずれ使い道もできるかもしれない」

人生の先輩、というかなんというか。とにかく、大人としてアドバイスする男。
なでなでタイムもずいぶん長いが、さわり心地がいいので仕方ないのであった。

「わかってきた、ね。う~ん。アラミルなら大丈夫だと思うけど。
 あんまり、危ない男に手ぇ出されるなよ?」

流石に、その辺この子は頭がいいよな、などと。相手の利発さに内心感心する。
今までこの子が危険な目に遭ったというのは聞いた事がない。
……自分は、一回気絶させたりしてしまっているけど。

「んが、がふっ。んぐ、が、んごっ。
 ……んぅ!? げふ、ごふー。……。
 そりゃあもう。今日の仕事がちょっと力仕事でな。
 んっぐ、っぐ、んっぐ……ぷはーっ!」

あっという間に自分の分の料理を平らげた男は、再度注文をしつつ相手に言う。
本日の冒険者のお仕事。湿地帯から、薬草の運搬を結構な回数。
おかげで腹ペコであり、酒が胃袋に沁みた。

「安心しなよ、アラミルちゃん。酔いつぶれたりしないから。
 メシが終わったらすぐに……な?」

追加注文の焼き魚と牛肉の串焼きをがっつきつつ、男は相手にウインクする。
正に今、食物は男のエネルギーとなり、これからの行為への活力へと変化していた。

アラミル > 芯は変わらず、外側だけが変わったのか
時折見せる子供らしさはまだ失われておらず
彼女にとってもまた、この姿の方が都合よくご飯を食べられることも多く、実際よかったのだろう

「…ためて、ためて。お金って、何に使うのがいい、のかな?」

うーん、と悩みつつも難しいことを考えていて
ごはんだけが目的である彼女は、それ以外を知らず。その得た金銭でどうすればいいのか、なんて

「…セインが、結構危ない?
私、ごはんより、そういうところ、じょーぶなのに、気絶させられた」

冗談めかしてくすくすと笑いながら
実際、ごはんの途中で気絶するということはあまりなく
街からでないため、魔物などにもあまり会わず…そうなれば、声をかけてくるのは彼女の体目当ての男のみで
それであれば彼女にとっては危険なことなど何もないのだろう

「苦しそう…?…大丈夫、かな
へー…力は、あんまりないから…そういうことは、私、できない、かも」

咽るということもあまりない彼女は、食物で咳き込む相手を心配して
こくこく、と可愛らしくジョッキを傾け、それでも結構なペースで呑み進めていく

「その辺りは、知ってる。えっちだもんね、セイン…」

もぐもぐと上品に、芋をすりつぶしたものを咀嚼しつつ
ウインクを受ければにっこりと微笑んでこれからの行為に思いを馳せている

セイン=ディバン > どこかアンバランスなこの少女。幼さ、妖艶さ。
それがまた魅力的であり。だからこそ、この少女と接してしまうのだ。

「ん~……。男を、飼う、とか?」

相手の生活リズムがよく判らない。ただ、人間ではなくて。
性的なことから活力を得ているのが判るので、男はそう提案した。
なんとも、趣味の悪い冗談だ。

「げふっ。そ、それを言われると……。
 で、でも。前回はそこまで酷くしなかったろ!?」

くすくす笑いながら言う相手に、男は小声で叫ぶ。
周りの客たちにも聞こえていたのか、なんとも嫉妬塗れの視線が刺さる刺さる。

「んぎゅ、ん、っぐん。げふー。
 ま、冒険者なんざ何でも屋みたいなもんだからなぁ」

力仕事だってやりますよ、と胸を張りつつ。更に注文を胃袋へと収めつつ、マスターに向かって人差し指を示し、天井を指差す男。
マスターは少女を見ながら頷くと、男にカギを三個手渡してくる。

「エッチですよー? だから、お食事なんて即終わり、さね。
 ……さて、お嬢様? 食後のデザートといきますか?」

相手もしっかり食事しているのを見て、男は笑いながら腹をさする。
満腹満腹ぅ、と言いつつ。三つのカギを見せる男。既に店員に金を払い、後は部屋に行くのみ、だ。

アラミル > 魅力的に見せる術を学んでいるとはいえ
それは天性のものも含んでおり

「…。……なる、ほど…?…うーん…」

人の世に慣れてきた彼女だが、相手の言葉の、冗談と本気の区別はまだできず
男の言葉に、ごはんを飼う、という選択肢
自分の所持金でできるのかはわからないが、それができれば、ねぐらに戻るたびに好きなだけ食べれる
などと考えてしまって


「あは。焦ってる
大丈夫。ひどくしても、しなくても、セインの、おいし、から…♪」

また口角をあげてくすくす笑い
彼女の返答に、食事をしつつも聞き耳を立てていた一部のテーブルから何かが割れる音や
焦って料理を取りこぼす音も聞こえて

「何でも屋。なんでもする…ってこと…?ふぅん…、?」

人の世についての新しい知識を得た、と思いつつ
天井を指さす相手に、首を傾げ…
何かの暗号だったのだろうか、鍵を渡してくるマスターに、更に頭に?マークを浮かべて


「そういう、もの…?
…よろこんで。お付き合いいたしますわ?」

バトラーコートの相手の手を取り
立ち上がるその姿は執事に連れられるお嬢様そのもの、と言ったところ
ただこれから行われるのはおおよそ従者と主人のものではないことは明らかだが

セイン=ディバン > 元々男は、全ての種族の生物の共存を目標にしているので。
この相手と接することに忌避感は無い。むしろ、この少女に対して好ましいという感情も持っている。

「……いや、真面目に考えなくてもいいよ?」

冗談を真剣に受け止められて、男のほうが焦ってしまう。
しかし、もしもそうなれば。この少女は楽に食事ができていいことなのかな、なんても思う。

「そりゃ、焦るよ。嫌われてるのかと思った。
 ……おいしい、って言ってもらえるなら。光栄です」

傍から聞けば完全にノロケ以外の何者でもない会話。
周りの席で凄まじい動揺やら怒りやらなんかもういろいろな感情が噴出している。

「依頼さえあれば、ね。あとは、冒険者ごとに主義もあるし」

冒険者など、もはや何でも屋との線引きなどあってないようなものだ。
男は相手の疑問を感じたような仕草に、クスクスと笑う。

「ははは、そういうもんです。だって、ねぇ?
 ……じゃ、足元に気をつけてね」

すっかりニヤニヤが消えない男。相手の手を軽く握り、階段を上がり、部屋へと向かう。
渡された三つの鍵のうち、青いカギでドアを開ければ。
そこには、ずいぶんと立派な部屋が広がっていた。
そのまま、男は二つ目、赤いカギでクローゼットを開ける。
そこには、様々な衣装がしまわれていた。いわゆる、『こすぷれ』サービス、らしい。

「……にひっ。アラミルに何か着てもらおうかなー、なんて」

どうやら、この衣装こそ、面白い宿、という理由の一つらしい。
男は相手を見ながらだらしない笑顔を浮かべているが。
股間は既にガチガチに勃起している。

アラミル > 愛やそれに準ずる感情を知らない彼女は、相手を好ましいとは思っているものの
それはごはんに対するものであり、特別なものではないと感じていて

「…。いい、考えだと、思った。」

働いている場所…娼館の都合上、特に空腹になることはないのだが
以前に空腹が何日も続いた経験から、そういった…人間でいう保存食のようなものを持っておいてもいいかもしれない、と思ったのだろう

「セインが、私を殺そうとでもしない限り、嫌わない、よ?
…おいしいの、すき…」

服装も相まって、お嬢様と逢瀬をしている執事のようなそんな雰囲気を
噴出する感情を感じ取りつつも、その原因までは彼女にはわからず

「そういうもの、なんだ。面白い、ね」

自分はそういった生き方ではなく、ただ奔放に精を貪っているだけ
主義というものもなく、依頼を受けることもないため、珍しそうに話を聞いていて

「ん。転んだら、起こしてね」

なんて言いながら階段を上がり、部屋へと

「……なに、これ?」

部屋は見る限りは普通の…大きく、良い部屋で
しかし、クローゼットを開ければ、見たこともない衣装や、なぜこんなデザインなのかわからないものまでたくさんの衣類
目を丸くし、じぃ、と服を眺めていき…

「……これのどれかを、着たら、セイン、嬉しいの?」

既に盛り上がっている股間を見つつ、相手がよりおいしいご飯をだしてくれるなら構わない、と様々な服に触れ、首を傾げる
どれがいいんだろう、なんて既に着ることを考えつつ

セイン=ディバン > その辺りの感情の差異は、種族が違う以上は仕方がないことだ。
それに、男にとっては相手がどう思っているかなど関係ない。
男自身が相手に好意を抱いているのだから。

「いや、まぁ。実現可能ならアリだと思うけどね」

実際に人間を飼うって幾らくらい掛かるんだろう。そう考える男。
メイドを二人雇ってはいるが、あれはちゃんとした雇用形態だから、参考にはならない。

「? そりゃ、どうも? ってか、その仮定は意味がない。
 俺はキミを殺そうとなんてしないんだから」

あまりに突拍子もない言葉に、男の脳が処理速度を落とす。
好意を持つ知り合いを殺す趣味は、男にはない。
というか、そういうことを考えもしないタイプなのだ。

「ははは、俺から見たらアラミルも面白いけどな?」

実に自由に生きる少女。羨ましいとも思う。けど、自分は人間なので。
相手のようには振舞えないのだ、と理解している。

「はい、もちろんですとも」

実に丁寧な仕草で相手をエスコートする男。そこだけみたら紳士的なのだが。
男の本性は真摯とは真反対であり。
そうして、無事にエスコートを終え、相手が部屋の中を見てリアクションすれば。

「まぁ、たまにはこういうプレイもいいかなぁ、なんて。
 そりゃあ、うん。アラミルが似合う衣装を着てくれたら、興奮する。
 今まで以上に張り切れちゃうかも」

相手の指摘に、ニヤニヤ笑いの男。どうやら、服装のチョイスは任せるつもりらしいが。
相手のちょっと変わった服装を想像しながら、男はベッドに腰掛け、コートを脱ぐ。

アラミル > そんなすれ違いのような何かを抱きながらも
互いを求めることで充足を得ているなら、それはそれでいいのだろう

「探して、みる…」

どうやら本気のようで。
この後、務めている娼館などに聞きまわる彼女の姿があったとかなかったとか

「そういう、ごはんじゃない、痛いのが、嫌いなだけ…」

彼女にしては珍しく表情を少し陰らせながら
ただ、セインのそばにいれば段々とそれも薄くなってきて

「じゃあ、おもしろいもの、どうし、愉しも…♡」

種族が違えど求めるものは同じ、と…
相手ほど考えてはいないが本能で、笑顔を浮かべる

「構わない、けど…似合う…。私に、似あうの…?
…がんばる。
…ごはん、って、肌とか、出したら、こーふん、する、よね」

いつも服はあるものを着ている彼女
自分でコーディネートしたことはほぼ無く
ただ、更にセインが興奮するというのなら適当に衣装を漁りながらぶつぶつと、情事中のごはんの反応を思い出しながら
そうして、男がコートを脱いでからしばらくすれば…
ぱさ、ぱさ、と衣装棚の前で着替え始めているのか、布が衣装棚の扉下に溜まっていき
そして…

「こういうの、とか?…
…やっぱり、よくわからない…」


現れたのは…脚の横から腰の深くにかけて切り込みが入り
胸部もまた、こぼれんばかりに開かれた…わかりやすく言うなら旗袍…チャイナドレス
酒場の主人の趣味なのか、シェンヤンから取り寄せられ、意匠がこらされた赤と金の刺繍が入ったそれを着たアラミル
白い肌と、煽情的なその衣装が合わさり…少し動くたび、まぶしいふとももが、男の視線を釘付けにするだろうか
感想を求めるため、ゆっくりと近づき、余すところなく見せつけ始めて

セイン=ディバン > この少女とのふれあいは、心も癒されるし、楽しい。
すれ違いには気付いていないものの、男もまた、楽しければいいや、と思っている。

「……本気か」

まさかの提案をしてしまったなぁ、と後悔する男。
もしもこの少女に飼われることになる相手がいたら、マジゴメンナサイ、であった。

「……そういう目に遭ったことが、あるのか?」

表情曇る相手の様子に、男は静かに尋ねるが。
明らかに、表情と声色には怒りが浮かんでいる。
もしもそんなことをする相手がいるのなら、痛めつけるつもりなのだろう。

「……そうだな。こうしてまた会えたんだ。
 しっかり楽しもうじゃないか」

楽しむ、なんていわれれば。当然嬉しい訳で。
男も笑顔を浮かべ、、期待している、ということを隠そうともしない。

「まぁ、基本アラミルみたいな可愛い子なら何着ても似合うとはおもうけどさ。
 あー、そうね。肌がちらっと見えてたりすりゃ、そりゃ興奮する」

ベッドの弾力を確かめつつ、相手の言葉に返事する男。
男としても、ちょっと相手の様子の違う服装が見たいだけだったのだが。
イキナリ着替えを始めれば、らしくなく視線をぐるんっ、と反らし。

「……ぶはっ!?」

相手の方から衣擦れの音がなくなり、ちら、と窺えば。
そこには、チャイナドレスに身を包んだ少女がいて。
男は、急に顔を抑えて前かがみになる。

「……ナイスです」

ぼたぼた、と鼻血を出しながらサムズアップの男。
この男、シェンヤンの服装には弱い。実に手の込んだ装飾の服。
相手の肌とのコントラストは、見事男の急所へと当たったようで。
近づいてくる相手を抱きしめたかと思えば、ベッドへと一緒に倒れこむ。
尚、鼻血は回復魔法で治癒済みだ。

アラミル > 少女もまた楽しければいいという考えの元行動しており
男の言葉には
純粋な彼女は一度決めたらとりあえず実行してみる、という意思を感じさせる瞳を見せて


「うん。とりあえず、やってみる…」

別に痛めつけるなどするつもりはなくただ単に絞るだけだなのだが
それはそれで飼われる相手にとっては気持ちのいい子とかもしれず

「無い、よ?今のところ、はね…
怒ってる?セイン…」

大丈夫だよ、なんて言いながら
怒りを浮かべる相手に、また笑顔を浮かべる

「うん。気絶させても、いい、よ?」

なんて言いながら彼女もまた期待を隠さずに笑い続けて

「―――♪」

着替えている間、これなら肌を見せれる、とか
美味しいのがもらえるとかつぶやきながら
早くごはんが欲しいという思いからも、どこかに隠れるようなことはせず扉一枚に裸体を隠して

「?」

相手の反応を見てみたが、突然腹痛を起こしたかのように前のめりになる相手に首を傾げる
明らかに腰骨がのぞくスリットと、近くで見れば先端が浮き上がる胸部は、明らかに下着をつけていない証左であり
扉の下を見れば、下着と服が積み重なっておかれているのがわかるだろう

「ないす?…これで、よか、…わ…」

どうやらお気に召したらしい
相手の嬉しそうな顔を見つつ、血が流れているのはなぜだろう、と近づきながら思う
その度、ひらひらと布が揺れ、脚を相手に晒していく
近づいたとたん押し倒され…

「…あは♪、おそわれ、ちゃう…♡」

ふるん、とチャイナドレスに包まれた胸を揺らしつつ淫蕩に笑って
押し倒されているにも関わらず、怖がる様子はなく、どうされても受け入れるかのように体の力が抜けていて