2018/03/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区・酒場」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > 平民地区、少し派手な作りの酒場。
酒場としては広く、舞台があり、見世物を見せながら料理や酒を楽しんでもらうと言った趣向の店だ。
こういう店は少し割高なのだが、今日は思い切って足を踏み入れてみた。
自らの無趣味ぶりに少し思うところがあったのか、視野を広げるためということだ。
運良く舞台のそばの席に座ることができた。
まだ食事時なためか、幾人かが楽器を奏でている。
自身も夕食を注文しつつ、舞台の方をボォっと眺めている。
■ブレイド > 音楽。
自分には奏でられないもの。
たしかに落ち着いたり、楽しげな気分になったり
音楽を楽しむということはわかる。
だが、なんかなんとなく…こう、ここできいている音楽はすこし違うような…。
少し前に貧民地区で聞いた、巨人の楽士の歌や演奏は心が踊るような…そんな気分になれたというのに。
「うーん……なんだろ…」
もっとこう、他のなんか…
■ブレイド > 口に運ぶ料理。
料理…たしかに練習中だし、うまいものを作れるようになれば楽しいだろう。
エンジェルにも頼まれたりするし、作ればうまそうに食べてくれるし
自分が食べなくても満足感が得られるし、趣味としてはとてもいいと思う。
褐色のシチューを口に運び考える。
だが、暇つぶしにパッとできるものでもない。
手軽な趣味とはいえないあたりは考えものだ。
そもそも、ルナシイと住んでいる廃屋に使えるキッチンがない。
「難しいな…」
■ブレイド > 舞台付きの酒場でいい席をとれたというのに眉を寄せて唸る少年。
音楽は耳障りにはならない程度に心地いい。
料理だって初めて食ったほどとは言わないがそれなりに美味い。
だが、いまいち興が乗らない。
「楽しもうとはしてんだけどなぁ」
一体何が悪いのか、見当がつかない。
■ブレイド > 少し時間が経ったためか、舞台の楽士は交代の様子。
にわかに周囲が沸き立つ。
舞台に視線を送れば、そこには数人の踊り子。
なるほど、そういう時間か。
まぁ、仕事に疲れた男たちや冒険者が増えてくる頃合いだ
こういう空気にもなるだろう。
■ブレイド > ふぅっと一息。
食事も終わって、こうなってしまっては趣味探しどころではない。
流石に踊りを趣味にしようとは思わない。
踊りなんてのは人に見せてなんぼのものだし、音楽や他の踊り手とセットで初めて意味がある。
代金はすでに支払った。
席を立つ少年の顔は、少しつまらなそう。
周囲の盛り上がりを尻目に店をあとにする。
■ブレイド > こういう空気を楽しめない自分こそがつまらないなんてことはわかっている。
そもそも、こうやって探して、作ろうとしないと趣味がないなんて、つまらない人間であることの証左だ。
自身に対するいらだちが募り、少し荒々しくドアを開ける。
八つ当たりなんて、かっこ悪いことこの上ないのだが…。
「くそ、くだらねぇな…」
ため息と同時に毒づく。
何に対してというわけでもなく、自身に、だ。
ご案内:「王都マグメール 平民地区・酒場」からブレイドさんが去りました。