2018/02/23 のログ
ノア > 「 もう.. ど真面目に返さないで、あたしが盛ってるみたいじゃない。」

むす、と視線を斜め後ろへ向け、 不貞腐れたようにぼやく。ただこうして歩いているだけで楽しいもので、再会を心底幸せに感じつつ.. やがて、見えてきたのは周囲の家屋と何ら変わりない二階建ての自宅。玄関のノブに手を掛けると、続く言葉には仕返しとばかり悪戯な笑みを向け

「 そこまで飢えてません。残念だけど.. 今あたし、男と同棲してるの。」

解錠しカチャリとノブを回せば、ドアの前で待ち構える同棲相手。それはだいぶ下の方、灰色の丸いもふもふが、見知らぬ来客の姿に毛を逆立て フシャァァァー と威嚇していて。

「 荷物、適当に置いといて。ホットワインでいい ? 」

はいはい、 と同棲相手を軽く宥めつつ、生活感のない殺風景な自宅に貴方を招き入れる。

セイン=ディバン > 「盛ってないんすかねー」

睨まれれば、男は視線を反らしつつ棒読みでそう応える。
当然、相手が男とは違い、そういったことに節度持つ人間だとは知っているので。
男なりの、タチの悪い冗談、というものだ。

「……お、二階建て……。
 って、な、なにぃ!? そうなのか!?」

ドアを開けながらの相手の一言に、男は声を殺しつつも叫ぶ。
幸い近所迷惑にはならなかったようだが。相手のいきなりの言葉に目を白黒させてしまう。
しかし、下からの鳴き声にちら、と視線向ければ。

「……げっ、きゃっと……」

思わず、相手の威嚇に嫌そうな顔の男。ネコ様は男に向かい威嚇続行中だが。
男は、それを無視しつつ荷物を邪魔にならない位置に置く。

「あぁ、それで頼む。なんなら家から酒を転送するが?
 ……しっかし。お前さんの家にしちゃ……地味な」

荷物を下ろせば首を鳴らしつつ、転送呪文で酒を取り出してみたりする。
部屋の中を見る男。相手の盗賊としての実力を知っているので。
あまり、金目の物がないので、少し違和感を感じている。
その頃ネコ様、男の足に爪立て、がぶがぶと噛み付き始め。
男は痛い痛いなどと囁きつつ、ネコにしっしっ、と手を振る。

ノア > キッチンにはパンやフルーツと言った最小限の食材と、反して種類豊富に揃った酒類。コートを脱ぎながらどのワインにしようか、なんて考えていると

「 流石♡ 」

ひょいと出てきた上等なワイン。ホットワインに使ってしまうのが勿体ない気もするけれど.. まぁ遠慮なく、早速それを受け取って鍋にあける。

「 まぁ、ね.. 最低限必要なモノしか無いの。気の効いたおもてなしとか期待しないでね ? 」

火を付け温めている間 紙袋の中身を片付けたりしながら、ソファーに座るよう促して

「 今温めてるから座って待っててー
  ん.. 仲良くなったみたいで何より。」

セイン=ディバン vs 御猫様のじゃれ合い (?) に、くすりと笑みを溢す。

セイン=ディバン > 目の前の相手が、決して浪費癖があるとか。欲の塊だ、なんて思わない。
だけど、稼いでるはずなのに。ずいぶんと倹約生活なのだな、と。
その家の中の気配に、男は首を傾げるが。

「何。買ったは良いが飲みきれんでな。
 なんならじゃんじゃん転送するから備蓄にでもするといい」

ワインを渡しつつ、男はそう言う。自宅にワインセラーを作ったはいいが、そもそも男はワイン派ではなく麦酒派だったのである。
無論、ワインも嫌いではない、いやさ好きなのだが。

「盗賊稼業やってんのに、最低限の物しかない、とはな。
 もてなしならとっくにしてもらってる。お前さんの美貌と笑顔と声で、な」

ソファに座りつつ、ふむ~、と部屋を見る男。膝の上に乗ってきたネコは男の顔にネコダブルパンチをかましてくるが。
男はそれを指先だけであしらっていく。

「おう。楽しみにしてる。
 ってか、このネコどうしたんだ?」

そのまま両手の指でネコの手をぺぺぺぺぺ、と弾きつつ尋ねる男。
ネコは不満そうに唸っていたが、だんだん楽しくなってきたのか、ネコパンチの速度を上げつつ喉を鳴らす。

ノア > 「 幾らでも。喜んで。大歓迎。」

何とも便利な転送術。ワインなら幾ら送ってもらっても構わないと、こくこく頷いてみたり。一方、セイン=ディバン vs 御猫様。どちらもふてぶてしいしかめっ面で、どちらも堪らなく可愛い。荷物を片付けつつ女が笑みを溢していると、やがて温まったワインの香りが室内に広がり始め。

「 何て言うか、大切な場所が出来ちゃうと続けられなくなりそーで。目立たない方が都合がいい、ってのもあるし。」

あくまで便利屋として、平民地区に住む一人の女。それを保つのにも、これくらいが丁度良い。そんな話をしつつカップに注いだホットワインを運び、漸く一息、貴方の隣に腰を下ろし

「 あー こいつ、勝手に居座ってんの。飼ってるとか養ってるってゆーより.. 不法侵入の、不法滞在。すっかり自分ちだと思ってるみたいで。」

ぺちぺち遊ぶ御猫様について返しながら、こく と一口。冷えきった指先をカップで温めて。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からセイン=ディバンさんが去りました。
ノア > [ 継続予定 ]
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からノアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/雑貨屋」にピングさんが現れました。
ピング > 相も変わらず閑古鳥の無くとある雑貨屋。
カウンターに座する店主はと言えば、精力的に仕事をしている――事もなく。
椅子に深く腰掛けて、肘置きに手を置き非常にリラックスした姿勢を取っていた。

その顔、と言うか目元には、視線を覆い隠すサングラス――所謂ミラーシェードとでも言うべきものがかけられている。
視界は遮られた状態で、中空を見上げる様な格好をしているのには、勿論理由があった。

「むほほ…♡ おぉ、こりゃあ中々…!」

視界を覆うミラーシェードの内側では、ある映像作品が流れているのだ。
目の前一杯に広がるその臨場感たるや中々の物。
耳を塞ぐものは無いというのに、音声は外に漏れずに聞こえてくるというのもポイントが高い。
非常に小型で、場所を取らない再生専用の魔導具は、非常に取り回しの良い代物だった。

尚、どんな映像を見ているかはお察しである。

ふぅ、と満足げに溜息を零すとミラーシェードを外し、カウンターの上に置き。
目頭を軽く指で揉んで一休み。

ピング > そんな映像再生用の魔道具が置かれ傍には

”映像作品がお楽しみ頂けます。ご自由にお試し下さい。”

というポップが立つ。
おあつらえ向きにカウンターの直ぐ横に椅子も設置されていて、成程利用はしやすそうな状態だ。

着けた直後に起動されるその映像には各種タイトル――所謂童話染みたお話や、闘技場の映像と言った健全なタイトルが並ぶ。
しかしてどれを選んでも、エロが流れるという落ちであることは店主のみが知る悪戯だ。

ちなみに操作は視線を感知し、行うという無駄に高性能な代物。
さてそんな遊び心に溢れた品物を、是非誰かにお勧めしたい。
そんな気概で、しかしてだらだらと。今日も店番をするのである。