2018/02/15 のログ
■ナナカマド > シラフでも本気ならば、という言葉を聞いてやっと機嫌を直したかはい、と大きく頷いた。
王城までの歩みは千鳥足ではあったものの、握ったフォーコの手はしっかりと繋ぎ止め
少し肌寒くなったのか彼女へ身を寄せるようにして歩けばいつの間にかまたにこにこ顔に戻っている。
「うふふ、またフォーコ様とおデート、楽しみです……」
その後無事王城の自分の部屋へと戻りついたナナカマドは酔いつぶれてすぐにベッドに沈んでしまったが
後日彼に聞けば、今日の一連の顛末を真っ赤になって思い出すだろう。
フォーコに宣言した言葉も気持ちも忘れず、しかし誤魔化しもせず
しばらくは初めて知った恋の模様に悪戦苦闘しながらもフォーコのことを慕い続けるだろう。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 商店街」からナナカマドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 商店街」からフォーコさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にクウさんが現れました。
■クウ > 夕食時をやや過ぎた時間。
平民地区の大通りに面した酒場の一つ、混雑した店内の隅っこの席で食事を口にする少女。
周囲の騒ぎや酒の匂いに眉をしかめながらもパンとスープという軽い食事を口にして。
時折に酔っ払いに声を掛けられはするは冷たく接すれば戻っていき。
まれに絡まれはするがそういうのは転がせば悪態をつき去っていく。
そんな事を何度か繰り返し食事を終えれば食後の紅茶をゆっくりと口にしながら窓の外を眺めて。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > キイと、音を立てドアが開く。
ウェイトレスが空いた席へどうぞと促すものだから
少しばかり座った目つきで、周囲を見回す。
わりと混雑した店の中、なかなかにそういう席も見当たらないか。
少し遅い夕食に…と立ち寄ったのだが、時間が悪い。
こういう時間はだいたい晩酌という人間もまた多いのだ。
チッと、軽く舌打ち。
■クウ > まだ飲みなれはしないがコーヒーやお酒に比べればマシと紅茶を口にして外を眺め。
かすかに聞こえたドアの音に視線を向けるとそこにはフードマント姿の人影が見えて。
その姿にすぐに知り合いと判るのだが感じる気配は苛立っている?ように見える。
もしそれが席がないことに対してなのかと考えれば立ち上がり。
「ブレイド…こっち」
少年にだけ聞こえるように声をかけて手を挙げて見せて。
果たして気をついてもらえるかどうかまではわからずに。
■ブレイド > 「?」
込み入った店内の隅で立ち上がる人影。
否応にも目につくそれは、ソラのもので。
こちらに向けて手を上げているようにも見える。
声は喧噪でよく聞き取れなかったが、おそらくは呼んでくれているのだろう。
少し表情を緩め、歩み寄る。
そして、少女の隣の席につくだろう。
「ん、わりぃな。邪魔するぜ」
ウェイトレスには軽食…揚げたじゃがいもとソーセージ、そしてシチューを注文する。
■クウ > どうかな、と心配になるが気が付いてくれた様子。
表情を緩めて近づいてくる姿を見れば座りなおして。
そうして笑みを浮かべて待って隣に座れば、いらっしゃいと小さく声をかけて。
「どうぞ。混んでるから席探してたよね…?」
これ以上混んでくれば相席を頼まれるかもしれない。
でもどうせ誰かと一緒になるなら知った人がいいという考えもあり。
少年が気が付いてくれて本当に良かったと安心して注文する姿を見ている。
■ブレイド > 「ああ、時間が悪かったみてーだな。
クウがいて助かった」
店の隅にふわりと漂う香り。
酒や料理のものとは少し違うものが混じっている。
紅茶か。
そういえば飲み物を頼むのを忘れていた。
少し失敗したか。
「食後のお茶ってところか?クウは。
オレは今からメシだけどさ」
少女との相席ということで、眉間の皺も取れ、肩からも力が抜けた様子。
■クウ > 「この時間は酔っ払いの時間だから。
だから早く来たほうが座れるよ」
少年の言葉に小さく笑って空いているのはもう少し前と口にして。
カップを口に運び紅茶を一口飲んで、少年の視線に気が付けば飲む?とポットを持ち上げる。
「うん、さっき食べ終わったから。
ブレイドは今までお仕事だったの?」
この時間から食事ならさっきまで忙しかったのかと考えてしまい。
力が抜けた様子の少年を見つめて、食事が来るまでの時間つぶしになればと話しかけていく。
■ブレイド > 「みてーだな。
変なことされてねーか?
酔っ払ってんのいいことに、クウみてーな娘の体に触ってくるおっさんとかいるからよ」
流石にここに来て結構長い少女だ。
自衛くらいはできるだろうが、念のためだ。
友人が不快な目に合わされたなら、そいつには『お礼』をしてやらなければならない。
「ん、そうだな。
まぁ、いつもどーり簡単なやつだけどよ。
今度はもうちょっと…森での採取依頼でもうけてみるかなとは思ってる。
ちょいちょい稼がねーとだし」
もらう、と小さく頷いて。
ウェイトレスからカップを一つもらおうと。
■クウ > 「大丈夫、酔っ払いは来たけど追い払った。
それにブレイドが来てくれたからもう寄ってこない」
流石にそれなりに滞在もすれば酔っ払いや面倒な人の対処も少しは覚えて。
怒らせない程度に転がして追い払うことはうまくなってしまったと少年に告げて。
それが気に入らずに店の外で襲ってくる相手には流石に手加減なしで対処はしているとも。
「簡単でも仕事は仕事だから。
私もこの前に……遺跡探索の護衛やってきたよ。
森の採取って儲かるの……?ブレイド、お金必要になった?」
少年の要望に運ばれてきたカップに紅茶を注いで差し出し。
何かお金がいるようなことになったの?と見つめて。
■ブレイド > 「そっか、ならいいんだけどさ
すっかりこの辺には慣れたみてーだな。
オレは…、もうちょっとこの街になれねーとな」
何かを思い出したのか、少し渋い表情。
だが、もらった紅茶の香りですぐにそれも和らいで。
「遺跡探索の護衛か。
そりゃすげぇな。独りでか?ああいう場所での護衛とか大変そうだけど…
ともあれ無事みてーでよかった。
オレの方はまぁ…収入増やしていかねぇとなって。
ま、採取って意外と面倒だからな。街ん中でお使いしてるよりかは稼げんじゃねぇかな」
人と関わるようになって、色々と将来物入りになりそうであるからなのだが。
■クウ > 「最初に会った時にブレイドが教えてくれたおかげ。
うん、それなりには慣れたよ。時々迷うけど…。
ブレイド…私より慣れてると思うよ?」
渋い顔をする少年に何かあったのかなとつい見つめてしまい。
でも紅茶の香りにそれもマシになればよかったと。
「うん、探索の護衛。
一緒に行った人がベテランだったから大丈夫だった。
私は護衛をして、その人がほかの事してくれたから大したことしてない。
ブレイド……何か入用になったの?
採取は大変だし夜は危なくなるから気を付けないとだよ…?」
稼げるという考えにはうなずくが大変さも知っているだけに気を付けてと心配をして。
■ブレイド > 「慣れてるつもりだったんだけどな。
イヤなもん見て、自棄酒飲んじまう程度には
まだこの街の汚さにゃ慣れてなかったみてーだ」
苦笑しつつ、紅茶を飲み干す。
砂糖を入れ忘れたせいで、やや苦かったが、それでも香りは心を落ち着けてくれた。
話している最中に、注文の品も目の前に並ぶ。
「ふーん。いや、それでもすげーと思うぜ?
ベテランのやつが、クウに仕事を任せたとこもあったんだろ?
何もしてないなんて言うなよ」
クウの成功を労いつつ、ソーセージを一口。
パキリといい音を響かせる。
「入用…つーか、まぁ…ただ、生きるよりちゃんとあとのこと考えねぇとって。
まぁ、無茶はしねぇよ。できるだけ、な。
でも、安定志向で言っても冒険者としては大成しねーからな…
一人の時くらいは少し気を張ってもいいかなって」
心配してくれる少女にうなずきつつ。
このままうだつの上がらない三流冒険者で終わるためにここにいるわけでもないのだ。
■クウ > 「そうなんだ……でも、この国ってそういうの…多いね。
私も何回か見たけど…なれない」
本当に珍しいものが多くて飽きない王都の観光。
色とりどりな服や楽しい見世物は好きだが時折にある広場での晒される人を見ればいい気分ではなく。
きっと自分よりもこの国が長い少年なら知る光景だろうと思えば口にせず。
そうして話していれば少年の注文が届いて。
「そう言ってくれるならうれしい。
うん、調べてる時の護衛は任せたって。
そうなのかな……?」
ただ敵を切っただけで大変な事は何もしていないと思っていて。
それだけに少年の言葉にそうなのかなと首をかしげてしまって。
ソーセージを食べる音を耳にしながらそうなのかなと…。
「生きるよりも?
ブレイド……何か大事なのできた?
それなら安定志向でいいと思うよ、大けがをして大事なの悲しませたり無くすほうが大変だから。
無理をしたら本当にダメ」
旅のみだからあまり無茶はしない自分。
そんな自分とは違いこの国に住んでいる少年とでは理由は違う。
向上心は大事だけどそれ以上に体を命を大事にしてほしいと告げて。
■ブレイド > 「クウは慣れなくていいさ、そういうのはさ。
観光できてるのに、この国の汚れに染まっちまう必要なんてねぇよ。
その点オレは、ここで冒険者やってるってのに、覚悟が足りてねぇだけだしさ」
心を殺さなければ生きていけない。
正義感をそのまま振りかざせば、自分だけではなく関係するものまで破滅する。
そういう国だからこそ、自身の未熟や覚悟のなさを痛感する。
「任せられてんなら、立派に役目を果たしてんだよ
クウがいたから、安心して調査に専念できたんだろうしさ。
オレよりよっぽど冒険者として上等なことしてるぜ?」
食事を続けながら、クウの肩をぽんと叩く。
数はこなしているものの、一度死にかけたせいで慎重になっている自分とはえらい違いだ。
素直に少女の仕事ぶりを褒めつつ、じゃがいも、シチューと順繰りに食していく。
「んー、大事なもんはずっとあったけどさ。
安心するため?ってのもあるかな…?
この国、人は信用できねぇけど…金があればある程度の安全は買えるからさ…
ま、怪我するわけにもいかねぇっていうのもあるけどよ
大事なもんが増えてくると、少しくらいは頑張らねぇといけねぇんだ」
向上心もあるが、この国に負けないために。
そのための、というところもある。
■クウ > 「なれなくても…いいの?
うん、そうだけど……染まるつもりもない。
この国でいるだけでブレイド…凄く覚悟してると思う」
少年が自分の気持ちのままにいきれないこの国は本当に生きにくく思える。
でもそれでもこの国で頑張っている少年に覚悟が足りないなどないと首を振り。
「ブレイドがそう言ってくれるならきっとそう…だよね。
うん、調査出来たって言ってたよ。
そうなのかな……?」
少年に肩を叩かれそうなんだよねとやっと自信を持つことができて。
ほとんど大した仕事はしたことはなく、一度の危険から町の外の仕事も殆ど受けなくなったということもあり。
褒められればもっと町の外の仕事もまた受けていこうという気持ちになって。
「ずっとあるなら無理はしちゃだめだよ。安心するため…?
お金で安心が買えても…大けがしたら意味がないから。
頑張るのはかっこいいけど…手伝えるなら手伝うからね」
少年の覚悟にそれを止めるのは無理と感じれば、せめて手伝いだけでもと申し出て。
■ブレイド > 「いいんだよ。そりゃ、変なことに首突っ込まねぇように我慢する必要はあるかもしんねぇけど
慣れちまったら、それが当たり前になっちまうからさ。クウが生きてくのは、そういうとこじゃねぇだろ?
覚悟はしてた、つもりだけどさ……いざ目の前にしちまったら、胸が張り裂けそうな気持ちになっちまって…
まだガキなんだなって…」
力なく笑う。
とある少女のお陰で、一度は割り切ったものの
思い出せばやはりいい顔はできない。
振り切れないあたりはまだ子供であるということだ。
「そうだよ。
オレももうちょっと派手な仕事はしたいけどよ。
仲間も大事だし、この町で待ってくれるやつも大事だから、少し臆病になっちまってる。
だから、クウはすげぇなっておもうわけだ。
でも、無理は絶対すんなよ?クウはさ。
旅の路銀稼ぎで怪我したり、汚されたりなんてな割に合わねぇからさ」
クウの肩から手を離し、食事を片付けてしまう。
少しでも自信を持ったように見えた少女に笑顔を向けて。
「ん、そうかもな…そうかも、だけど……
生きてさえすりゃ、ちょっと怪我する程度なんでもねぇさ。
冒険者だってのに、怪我に怯えすぎってのもあったしな…。
クウや…仲間や、大事な奴らにさせめてこの国で生きやすくなって欲しいからな。
多少の無理は……まぁ、そりゃ手を借りれる部分は借りさせてもらうけどな。
ありがとよ」
クウの言葉に返しながらも、申し出には感謝を。
■クウ > 「でも我慢できないことには…首を突っ込むかも。
あんなのをあまり前って思いたくないし慣れたくもない。
それはブレイドが染まってない証拠……その気持ちがなくなったら手遅れだから」
子供じゃなく正常だから。
力なく笑う少年にそんなことはないとまた首を振って見せて。
あんな光景に慣れてしまうのはおかしいのだと改めて自分に言い聞かせて。
「派手にしたら目立っちゃうよ?
臆病ぐらいがちょうどいいんだよ、きっと……。
うん、私も無理はしないから。ブレイドもしない、約束」
汚されてに僅かに視線が泳ぎ、あれは酔ったから回数外とつぶやき首を振り。
少年に微笑み返すと美味しそうに食事を食べるのを見つめて。
「でもそれで心配する人もいるから、私も心配するよ。
冒険者でもなくても…怯えない人は無謀、すぐに死んじゃうから怯えるぐらいがちょうどいい。
ブレイドのその考え…いつかかなうよ、きっと。
その時は遠慮せずにいって」
少年の言葉に友達だからと微笑んでうなずき。
「あ……私そろそろ戻らないと女将さんに叱られる。
ごめんね、ブレイド」
ふと外に目を向ければ月は真上に。
あまり遅くなるとすっかり娘のように思ってくれている宿の女将さんに叱られてしまうと席を立ち。
二人分の代金を置くと少年に御免と謝り急ぎ足に酒場を去っていくことに…。