2018/02/14 のログ
グスタフ > 「……ああ、なかなか手に入らなくてな。探し回ってる」

渡せないというならば、そうか。と拗ねたように顔を背ける。
彼女の言葉に肩をすくめて。遠くに投げた視線だけが飢えた獣のように鋭く。

「あんたなら、用立てできるかと思ったんだけどな」

背けた視線が彼女に戻されると、赤い薬瓶を揺らした。
彼女が調合したものだ。それも禁制品で毒物まがいの媚薬だった。
彼女の股の合間に膝を押し当て、壁に押し付けるように迫りながら。

「出会えて光栄だね燐。間近で見ると、とても……キレイだ」

そういって、薬の瓶は男の手から消えていた。
手品めいた手際で、彼女が声をあげようとする口か、煙草を咥えているせいで膨らんだ鼻から薬瓶を注ごうとする。

> 「申し訳ないね、まぁ冒険者用の店なり宿ならまだ空いてるさね」

どことなく獣を思わせる風貌からか、その体格からか、はたまた全身に見える傷のせいか。男の纏う雰囲気にどことなく不穏な空気を感じ、懐から追加の薬草を取り出そうとした瞬間だった。

「!?んなっ…!!っぐっ、んむっ…!!」

女のからだもろとも壁に倒れこむような勢いで男が肉薄する。
とっさに叫び、抵抗を行おうとした隙に手慣れた手つきで口へと突っ込まれる見覚えのある瓶。

瓶のラベルを認識したと脳がヤバい、と感知する前に女の意識が霞掛かり、壁へと力なくもたれて。

グスタフ > 女をかつぐと男は闇に消えた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 商店街」にナナカマドさんが現れました。
ナナカマド > 昼下がり、今日も今日とていそいそと城下町を見物するナナカマド。
何やら今日の商店街は二人連れの客が多い気がする。
商店も花屋や贈り物を多く出していたり、そして何より甘い香りが周囲に立ち込める。

ひょいと覗いてみると何やら茶色の小粒の様々な形をした菓子が並んでいるではないか。
どうやら今日の目玉の商品はこの不思議な菓子らしい。
無駄遣いはしてはいけないと言い含められていたものの、
こんな菓子はエルフの里にはなかったものだ。
そうなるとどうしても一つ味わってみたくなる。

物欲しそうな子供の目でじゅるりと口の端から涎が垂れて慌ててそれを手で抑えた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 商店街」にフォーコさんが現れました。
フォーコ > 昼食を終え、腹ごなしに散歩でもと歩いているとお菓子屋の前で欲しそうな顔をしている団員の横顔が目に入る。

「どうした? 何か美味そうな物でもあったのか?」

私は彼の隣に顔を出すと、視線の先を眺める。
茶色い小さな菓子が甘い匂いを放っていた。
彼のお目当てはこれだろうか。

しかし、何故買わないのか。 十分な給料は渡している筈なのだが。

ナナカマド > 「まぁフォーコ様、ごきげんよう。
 えぇ、この、ちょこれぇと、というお菓子がとても美味しそうで……」

隣に並んだ上司にはしたない顔を見られてはいやしまいか、慌ててキリッと顔を正す。
全然物欲しそうな顔などしていないぞという素振りを見せるものの
視線は依然としてチョコレートに釘付けで。

「……最近、食べ物ばかり買ってしまっていますし
 無駄遣いはだめと里の長にもフォーコ様にも言われましたから
 せめて匂いだけでも楽しんでいるのです」

それはそれで店には迷惑な話だし、あまり育ちの良くない振る舞いのような気もするが。

フォーコ > 「ごきげんよう。 早くも街での暮らしになれたようで良かった。
あれか。 寒いこの時期は大人気のお菓子だな。」

手っ取り早くカロリーが取れるので携行食としても採用していた。
しかし、彼が毎度毎度背伸びをするのが面白くて私は笑いそうになる。
顔には出せないので全身の筋肉がぷるぷる震える。

「無駄遣いは駄目だがあれくらいならそれほどでもないだろう。
ちょっと待ってろ。」

私は店に入ると、彼の視線を釘付けにするチョレートを一つ購入して店から出てきた。

「ほれ、私からのプレゼントだ。
これならナナは無駄遣いをせずに済むだろう。」

私はリボンで綺麗にラッピングされたチョコを彼の前に差し出す。

ナナカマド > 「えぇおかげさまで。王都はとても豊かで広くて楽しいところですね!
 わたくし、毎日新しいことに出会えて新鮮な気持ちになります」

にこにこと顔を綻ばせながら近況を報告する。
実際フォーコのお陰で王都での暮らしは実にスムーズに行っていた。

フォーコが店の中に入ってから待っていると、差し出されるラッピングされたチョコレート。
それを目を丸くして両手で受け取れば、わぁ、と子供のような感嘆をあげて喜んでしまう。

「まぁ、まぁ! よろしいのですか?
 ありがとうございます。フォーコ様!
 ここで、おひとつ食べてもよろしいですか?」

返事を待たずにわくわくと丁寧にラッピングを解くと中から出てきたのは
華麗に盛り付けられたチョコレートの数々。
それを一粒手にとって口に運ぶ。咀嚼して味わう蕩けるような甘さと苦味とコク。

「~~~~っ♥ 美味しいですっ!こんなお菓子は里でも頂いたことがありません」

頬が落ちないように押さえながら、もう一つ細い指に取ってフォーコの口元に差し出す。

「フォーコ様、どうぞお召し上がりください」

フォーコ > 「そうかそうか。 ナナが喜んでくれて良かった。
多少強引に誘ってしまった気がしたのだが、これからも色々見て気になった事は学ぶと良い。」

ナナがテンション高く話すことを、私も笑みを浮かべて聴いていた。
街での暮らしに上手く順応できたのなら私もおせっかいをした甲斐がある。

…しかし、チョコを渡した時の彼の顔はまるで大きな子供のようだ。
無邪気でとても可愛らしい。

「勿論だ。 これからのナナの頑張りに期待してだよ。
ひとつでもふたつでも好きなだけ食べると良い。
これは全てナナの為に買ったのだから。」

ラッピングを外し、一つ一つを味わうように食べている。
こんなに喜ぶのなら他の店にも今度連れて行ってあげようか。

「良かったな。 この都は他にも珍しい店や品がいくらでもあるぞ。
時間があればどこか連れて行ってあげよう。」

おいしそうに食べている彼を見ていると、手が伸びてきた。

「いいのか? では、遠慮なく頂くぞ。」

彼の細い手を左右から掴み、チョコを咥えると直ぐに放した。
うん、甘いだけでなく適度な苦みもある。 手の込んだ高いチョコの味だ。

「ありがとう、ナナ。 とてもおいしかったよ。」

ナナカマド > フォーコがナナカマドの手ずからチョコレートを食べればナナカマドは嬉しそうに微笑んだ。
同じものを口にして同じ美味しさと喜びを分かち合うのは里では当たり前の行いだった。
親愛の証とでもいうべきものだろうか。

「わたくしひとりではこんなに美味しいものを独り占めしてバチが当たってしまいます。
 一緒に食べましょう、フォーコ様」

そういって彼女の手を引いて近くにあるベンチに腰を下ろす。
隣に彼女が座ったのを見れば、身を乗り出して再びチョコレートを摘み彼女の口元へと差し出した。

「うふふ、ちょこれぇと以外にも沢山珍しいものがあるなんてナナは幸せものですね。
 お忙しいフォーコ様のお手を煩わせてしまうのは気が引けますが
 案内して頂けるというのであればとても嬉しゅうございます」

まるでこれが話に聞いたデート、というものだと気づけば
ふいに頬が赤く染まり、それまでニコニコとしていた顔が神妙になって俯いた。
フォーコとは単なる上司と部下(?)の関係であるし
そういった仲では無いのだが……初めてあった日のあの強引な行いが蘇ってきてしまう。

フォーコ > 私が食べることを彼は喜んでいるように見えた。
会ってまだ数日だが、彼は私にもよく心を開いてくれているように見える。

「そうだろうか。 ナナは行いが良さそうだし、バチは当たるまい。」

彼にリードされ、私は隣に腰かけた。
口元に差し出されたチョコを頂く。
今度は酒入りの様だ。

「ここは本当にいろんなモノがあるぞ。
私も子供の頃は色々と驚いた物だ。
うむ、団員のことを守るのも私の役目だからな。
ナナの為なら幾らでも時間を割くぞ。」

私としては団長の役目を説いていただけなのだが、ナナの顔が朱に染まる。
岩陰に連れ込んだあの日のようだ。

ひょっとして、ナナは私にそう言ったことを期待しているのだろうか。
少し探りを入れてみるか。

「そういえばな。 こういう肌寒い季節は恋しくなるのか
恋人になる男女が多いようだ。 ナナはここに来て気になる人とかは出来たかな?
都は綺麗な人が多いし、今はまだでも一人位は出来るかもしれないぞ。」

ナナカマド > 「美味しいものはみんなで分け合うと更に美味しく感じられるものです。
 里ではそう教わりました。
 わたくし一人で食べるよりは、フォーコ様と分かち合っておきたいのです」

そうしてまた一粒自分の口に運ぶ。
今度はフォーコが食べたのと同じ、酒入りのチョコのようだ。
強い酒の香りに不思議そうな顔をするも、甘みが口の中で程なく蕩ける。

「……こんなにフォーコ様に良くしていただいて、わたくしとても嬉しいです。
 ふふ、でもあまりフォーコ様を独り占めしてはそれこそ先程の言葉ではありませんが
 バチが当たってしまいます。それに……」

そこで言葉を言いよどむ。ますます頬は赤くなり瞳は潤んだようになっていく。
あの日のことを思い出して少々トリップ仕掛けている様子。
それをフォーコの言葉が引き戻せば、慌てて首を振った。

「ま、まさか……! ナナはここに来たばかりですからそんな……
 まだ半人前の巫女見習いですし、恋などにうつつを抜かしている場合ではありません。
 
 そういう、フォーコ様こそどうなのでしょうか?
 フォーコ様ほどの女性なら、引く手あまた、といいますか……
 きっと殿方が放っておかないと思うのですが……」

フォーコ > 「良い教えじゃないか。 それなら私も呼ばれるとしよう。
しかし、私に遠慮はいらんぞ? たまにはナナも独り占めしてもいいんだぞ。」

ナナがチョコを食べる姿を眺めていた。
酒入りでも大丈夫なようだ。
実際の所、ナナは幾つ位なのだろうか。 エルフだけに実は年上の可能性もある。

「そんなにまで思うのならナナも色々と団の仕事を手伝ってやってくれ。
何、戦闘はしなくてもいいぞ。 物資の買い付けや魔法などいくらでもやることはあるからな。」

団の仕事の話をしようかと思っていたが、途中で彼の様子が変わる。
なんだろうか。 彼が何かを考えているのは分かるが内容までは思い至らない。

「うつつを抜かしてはいかんが、多少の恋なら良いのではないか?
生活にハリが出るし、仕事に精が出る…と、他の団員が言っていたぞ。」

あまりそういう経験がないので、あくまで又聞きなのが情けない。

「私か。 私はそういうものより戦の方が好きだし、
何よりこの体だからなあ。 普通の男は寄っては来んよ。
故に私の相手も君みたいな子か女の子になるな。」

私は足の間に視線を移す。
既にナナも知っているが私の脚の間には結構なモノが生えている。
それゆえか、正確もどっちつかず…いや、男に近いだろうか。

ナナカマド > 「も、もちろん、フォーコ様が面倒を見てくださる分
 わたくしもきちんとお手伝いできることは致します!
 まだ、色々とわからないことや至らぬことはありますが……
 精一杯頑張るつもりです!」

胸を張ってそう宣言するも、師団という組織の物々しさにいささか不安の色も見せる。
戦などはそれこそナナカマドでは役に立たないだろうし
買い物もこの調子では子供のお使いぐらいしか役に立たないかもしれない。

恋についての講釈をフォーコから聞くと興味深そうに耳を傾ける。
だが、彼女の相手がまだいないと聞けば一瞬ホッとしたような顔をつくるも
頬を膨らませてふくれっ面を作った。

「まぁ、王都の殿方は見る目が無いのですね!
 フォーコ様はとても美人で面倒見の良い方なのに、もったいのうございます。
 ……わたくしや、女の子のほうが、フォーコ様がお好きなら何も申し上げませんけれども。
 ええ、その……ちょっと嬉しいというか……」

ますます頬は熱く赤くなり、潤んだ瞳が切なそうにフォーコを見つめる。
だがやがてナナカマドのろれつが怪しくなり、くてんとフォーコの方に体を預けてしまう。

「ふぉーこさまぁ……なにか、ナナのからだ、へんっ……あつくて、ぐるぐるします……」

はぁはぁと熱い吐息を零せばそこから先程食べたチョコの洋酒の香りが広がる。
どうやら今更になって酔っ払ってしまったらしい。
見た目通りに実際ナナカマドはまだ年若いエルフであった。
酒にも対して強くないことを知ってもいなかったのだろう。

フォーコ > 「その気持ちを忘れないでくれるなら十分だ。
人手は幾らでも必要だが、慌ててやる必要はない。
まずは周りに聴きながらでもやってくれればいい。」

ナナは随分と張り切ってくれている。
それはとても嬉しいが、今度は無理をしない様に見守る必要がありそうだ。

ナナも恋話は感心があるのか。
膝を乗り出して聴いてくれている。

「いやいやいや、私より美人は幾らでも居るんだ。
別にもったいなくはないぞ?
うんうん、ナナのような子の方が私も好きだ。
ナナも喜んでくれるのなら嬉しいぞ。」

何故膨れているのか分からないが、熱くなっているナナの言葉を笑顔で頷いていた。

…どうやらナナはあまり酒に強くないようだ。 様子が可笑しくなってきた。

「ナナ、それは酒に酔ったと言うのだ。 
う~ん、酒入りを食べさせたのは失敗だったな。」

私の方に凭れかかる彼を抱き寄せる。
通りがかりの人に頼み込んで水を買ってきてもらう。

そして、私は水が入ったコップをナナの口元へと運び。

「ナナ、水だぞ。 これでも飲んで酔いを醒まそうか。」

ナナカマド > 「も、もったいないですぅ!だって、だって……ふぉーこ様は
 優しくてなんでもできて、ナナのようなものにも親身にしてくださってっ
 美人だし、騎士としても聡明でかっこよいのですからっ!
 もー、いいです!ナナが好きって言うなら……」

だんだん酔っ払いの戯言じみてきた勢いだがふいにフォーコの顔へ
顔を寄せるとそっと彼女の唇へ唇を触れ合わせる。

「……んん、ふぉーこ様、お慕い申し上げておりますぅ……」

まるで子供の戯れのような軽いキス。
それも一瞬のこと、酔った勢いでしてしまったことだが……。
火照った顔でフォーコから水を受け取るとこくこくとそれを飲み干した。
少し落ち着きを取り戻した様子ではぁ、とため息をつく。

「……ナナのような半端者を好いてくださるなんて、
 フォーコ様こそ見る目がありません……。
 ナナはまだまだ修行が足りませんし、とても釣り合いが取れているわけでもありません……。
 あぁ、それなのにナナは……フォーコ様の唇を奪ってしまいましたっ!
 なんということをぉおおおおっ!」

頭を抱えてうんうん唸りながら、だが決してフォーコの側から離れようとしない。

フォーコ > 「おいおい、ナナよ。
少し持ち上げすぎだぞ。 
君がまだ見聞が足りないのだし他にもっといい相手は見つかるはずだ。」

酔った勢いで暴走する彼に眉を下げていたが、
気が付けば彼の吐息が鼻に入る程に近くなっており、唇を奪われてしまう。

「う~~ん、気持ちは嬉しいのだが。」

私も恐らくデレデレしていたことであろう。
ナナのような可愛い子に慕われるのはとても気分が良いのではあるが。
彼の選択肢を奪っているような気がしないでもない。

とりあえず、彼が水を飲み干すと空になったコップをベンチに置いた。

「まだ酔っているのかな?
とりあえずナナよ。 そんなに固く考えるな。
一度肌を重ねただけだろう?
それだけで何かが決まるわけではないのだし、私の唇で良ければ何度でも奪ってくれて構わんよ。」

とりあえず、往来で絶叫をするのは止めて欲しい。
ナナは気付いていないようだが、時々周囲から好奇の目を向けられているのだ。
廻りからは人目をはばからないバカップルに見えているだろう。

「ナナの事は好きだが何も今すぐ正式な交際だのと言う気はないぞ?
ナナもここに来て間もないだろう。 
それに私と釣り合おうとか考えることは無い。
そもそも私はそんなに立派な者ではないのだ。」

ナナカマド > 一度肌を重ねただけ、という言葉に衝撃を受けたように目を見開いた。
どうやらカルチャーショックを受けたらしい。
細い体をぷるぷると震わせ、瞳が潤み始めてしまうナナカマド。

「い、一度だけでもそういうことをしたら結婚をするものだと教わりましたっ!
 ふぉ、フォーコ様はっ、ふ、ふしだらですっ!

 でも、もちろんわたくしも、何もフォーコ様を縛りたいわけではありませんし……!
 でも、でも初めてあんなことをしてしまった相手が貴方様ですからっ
 特別な感情を抱かずにはいられないのです……っ
 うぅううう、フォーコ様のばかばかばかっ……!」

ぽこぽこと彼女を軽く手のひらで叩いて喚いてみたり
完全なる酔っぱらいの暴走である。
キッ、と酔った目つきで彼女を睨みつけると大きな声で宣言した。

「で、ではナナの気持ちが今後も変わらなければ
 そうでしたら、お付き合い、申し込んでもよろしいですね?!
 今、決めましたからね!絶対、絶対忘れませんよ!」

そういってチョコの包みを丁寧にしまうと、ベンチから立ち上がる。
ぎゅ、とフォーコの手を握って立たせると拗ねた子供のようにむくれながらも
その手を引いて王城までの帰路につこうとする。

「フォーコさまっ、今後もナナと一緒におデートしてくださいまし!
 いつか、いつかもしかしたらナナとお付き合いしてもいいなって
 思わせて差し上げますからねっ……!」

息巻いてそう宣言するも、これも酔っ払いの勢いのなせる技だろう。
もしかしたら酔が冷めたらすっかり忘れてしまうかもしれない。

フォーコ > …う~~ん、不味いことを言ってしまったか。
彼の表情から何を口にしようとしているのか大体察しがついた。
しかし、彼の口から飛び出したのは予想以上の好意であった。

「今更知ったのか。 私はふしだらだしどうしようもないダークエルフだぞ?

お互い窮屈にならないようにと思ったのだが、ナナがそれで良いのなら私も
考えるが…おいおい、そんなに怒らないでくれ。」

彼の細い手で叩かれても痛くはなさそうだが、それでも両手で顔を隠してしまう。
背を丸くして亀の様に頭を守っていた。

「分かったよ。 シラフでもナナが本気なら申し込んでおくれ。
私もちゃんと答えさせてもらうよ。」

酔ったナナはいつもより勇ましかった。
これからは仕事の前には一杯くらい飲んでもらうのもいいかもしれない。
私はふくれっ面のナナに手を引っ張られ、立たされると城の方へと連れられていた。

「その時はナナの行きたい所へと連れて行ってあげよう。
美味しい物もたくさん食べような。」

果たしてナナは今日の事をどれだけ覚えておいてくれるだろうか。
仮にすっかり忘れていても、今度ナナと一緒にどこか楽しい所へ行くとしよう。