2018/01/31 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 公園」にティエラさんが現れました。
■ティエラ > 夜の公園には静寂が広がっている。
街灯が少なく、夜闇が濃く、静まり返っている公園を見渡すと、昼間の子供達の楽しそうに駆け巡る様子や行き交う恋人たちの姿がまるで嘘のようである。
今の時期、外を歩くには寒すぎるので、この静寂は一層の物となっているのだろう。
静寂に包まれて歩く女はローブを身に纏い、フェイスベールをした踊り子。
肌も顕に見えるだろうけれどローブに刻み込んだ魔術のおかげで寒さは一切感じてはいなかった。
ランタンを片手に持っているけれど、ランタンに炎は灯されてなくて、ランタン自体が発光している。
さくり、さくり。
サンダルが草を踏みしめる音さえ聞こえてくる公園の中、女は静寂を楽しむかのようにゆったりとした足取りで進み。
一つのベンチに向かい移動した後、ベンチに乗っかっている葉っぱを軽く払い、腰を下ろした。
そこからは、星や月がよく見える場所であった。
■ティエラ > 「素直に酒場の方が良かったかしら……」
実はここに来た目的は特にない、酒場で踊るか酒場で飲むかばかりだったし、ちょっと気分を変えて目に付いた場所に来てみただけだった。
人恋しいというのはあるけど、いつも同じでは芸がないだろうと思ったが故にちょっとした出会いを期待してみた。
腰を落ち着かせて星を見てからすぐに後悔する、人と出会うなら普通に人が多い所がいい。
そもそも、薄暗い場所でもあるから、人が通っても気がつかないこともあるだろう。
どちらかというと、ここは、恋人とか一夜の相手を見つけてから一緒にここに来て野外の行為でスリル楽しむのにバッチリな場所ではないだろうか。
そう考えて、結局は出会いを求めるなら酒場とか盛り場であると結論を下した。
騒がしいのは別に嫌いではないのだし、失敗したなあ、と女はベンチの背もたれに体をあずけて軽くため息こぼしてみせる。
こぼしたため息が白く広がって夜空に溶けていくのが見えた。
「もう少しだけのんびりしたら、どこかの酒場にでも行こうかしら。」
はふ、と女はもう一度息を吐き出しながら、言葉を漏らす。
■ティエラ > しばしの間、のんびりと星を観ていた。
占星術というのもあるのは知っているけれど、教わったことはない。
未来を知るということに興味が持てなかったからである。
占星術を覚えていれば、若しかしたら運命の人の居場所とかそういうのが見つけられたのかもしれないわね、なんて軽く冗談交じりに呟いてみせるものの、本気の色はなく。
占いそのものを覚える気はない女は、小さく笑ってみせる。
それも立派な技術だと理解はしていても、ただそれだけね、と。
「さて、と。」
そろそろ移動しようかしら。
星を眺めていた女は視線を闇へと戻す。
相変わらず静かな公園であり、人の気配は薄い。
仕方のない事よねと軽く肩をすくめてから女はさくりさくり、と草を踏みしめて去っていった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 公園」からティエラさんが去りました。