2018/01/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にガラッゾさんが現れました。
ガラッゾ > 世は全てことも無く、寒そうな表情をしている役人や衛兵にあったかいモノを差し入れすれば露骨に怪しい姿をしても見てみぬ振りをしてくれるのは何時の時代も変わらない、のかもしれない。

今夜は酒代と餌代と諸々を稼ぐ為に兄弟達と創り上げた作品の中であまり褒められた出来ではない剣を数本抱えて、王都であるマグメールのなるべく人が居そうで、鼻薬の効果の高い平民地区で露店を広げている。

場所はこの時間でもそこそこ人通りの多い大通りから一歩脇に入った路地である。
目立ちすぎると効き目の良い薬であっても効かない面倒な輩に目をつけられるのは想像に容易く、大通りからも見えて、それでいて怪しげな格好でも目立たぬ路地裏に近い場所を選び、露店を……簡単ではあるがなめした動物の皮を地面に引き、其処に持ち込んだ剣や短剣などの判りやすい武器を並べている。

見る者が見ればそれなりの武器の作品である武具たち。
少し値段を高くつけた物には魔法の力も込められているものであるが、作り手には納得いかない駄作の数々であり、故にそれだけ扱いも適当で品々は丁寧に並べる事無く、無造作に皮の敷物に積んであり、直ぐ傍に適当に銀貨数枚~金貨数枚などと下手な字で書いた看板を置いていた。

……まあこれもそれも兄弟達との賭けで負け、客を捕まえきれなかった己に責任があるのだが、ぼやいても始まらず、とにかく並べるものを並べたら、胡坐をかいて地面に座りなおし、寒空に鉄と酒の匂いがする為息を深く吐き出した。

傍目から見れば露骨に怪しい露店だが、全うな人間ではないため仕方なし、かといって貧民地区に行くわけにも行かず、フードをかぶり、全身をローブですっぽりと包み込んだ亜人のだるい一夜が始まった……。

ガラッゾ > さて元々気の長い性格の亜人ではない。
暫く欠伸を噛み締めながら大通りを眺めていたが、場所が場所だけに大通りから路地裏に入り込む人間など居らず、結局ただ寒空の下でじっとしているだけで終わりそうなので、適当に積み上げた作品達をなめした獣皮の布に包むと、重い腰をあげて歩き出した。

行く先はこんな見た目でも宿泊の許可を下ろすような安宿に、今宵はすっぱりと諦めてまた日を改めてくるとしよう……。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からガラッゾさんが去りました。