2017/11/02 のログ
ティエラ > 「お待たせ、そうね……暫くは大丈夫ってところかしら。」

 傍らで待っていてくれた相手の軽い言葉に対しぱちり、と片目を閉じて笑みを浮かべてみせる。
 荷物をしまい込み、やって来た係員に木札を渡して、受付を終わらせる。
 係員のチェックも終われば、彼女の方を見る。
 準備が終わると同時に頷く相手に、自分もひとつ頷いた。

「あらあら、お仕事終わってなさそうなのに女をひっかけるなんて悪い騎士様。
 どこに連れて行ってくれるのかしら?」

 促されて、冗談を吐き出しながらも女はついていくことにする。
 彼女の行く先に興味があった。
 サンダルの音をぺたぺた言わせながら、石畳を歩き始める

アイル > 係員が此方を訝しげな目で見てきたが、是非もないと肩を竦めた。
彼女の付き添いだという雰囲気を出しておく。
お互いに一度頷き合って、共に市場を後にする。雑に整備された石畳の上を並んで歩く。

「まぁ私一人しかいなかったから、いつ終わるかも私の裁量ひとつさ。気にしなくていい」

どうやら露店市場も終わりのようだったし、これ以上見ていても意味はなさそうだと思ったから。
向かう先は、リーズナブルな宿が数軒建ち並ぶ路地。

「なに、家まで送ってあげようというだけの話だ。
夜道は物騒だしな…私ごときでも、いないよりはマシだろう?」

ティエラ > 「あーらら、サボリはいけないんだー。」

 冗談めかして女は軽く言葉を吐き出してみせるものの、彼女を非難するつもりは一切なく。
 楽しげに彼女の脇を歩いて進んでいくことにする。
 行く道を眺めて、ああなるほど、と納得したように呟いてから、彼女の補足の言葉に確信を覚える。

「ふふ、送り狼ってところなのかしら?
 でも、私に家はないわ、気の向いた宿に泊まるぐらいだもの。」

 それこそ見えてきたそこの宿に今日泊まっても、明日、この宿に泊まるかといえば、NOである。
 根無し草根性ここ極まれりと言う女。
 宿に送っても次に宿に来たら、そこにはもうこの女はいないのだと。

「!」

 何か面白いことを考えた、とばかりに、悪戯な笑みを浮かべ、女は歩調を緩くする。
 するり、と彼女の後ろに回りこんでいく。
 それが成功すれば……

「えいっ。」

 と、楽しそうな声をかけつつ、じゃれあうように後ろから抱きついていく。

「アイルのおうちでもいいのよ?
 でも、その場合は、アイルのことぐちゃぐちゃのどろどろになるまで犯しちゃうけれど。
 普通の恋愛に戻れなくなるぐらいに。」

 耳元に唇を寄せ、女は恋人に愛を紡ぐように情欲が篭った濡れた声て囁きかけるだろう。

アイル > 「1日ずっと見回りや書類整理で疲れてるんだし、これくらいは見逃して欲しいな?…なんてね」

本音混じりではあるが、あくまで冗談の部類。
歩幅を合わせて歩いていたところ、彼女の「送り狼」の言葉に首を傾げる。

「…いや、特にそんなつもりはなかったんだが……、――――わっ」

下心は無いのだと弁明するや否や、視界から消える姿。
後ろに回り込んだのだと数瞬遅れて気づいた頃には、ほぼ体躯も変わらぬ彼女に抱きつかれていた。

「……私の、家…? ティエラ、君は―――」

耳元で囁かれる、まるで愛を紡ぐような濡れた声に唇を噛む。
気持ちは揺れていた。生来の生真面目さが、了承の言葉を喉元で押しとどめてしまう。
取り敢えず…と言わんばかりに、胸元にある彼女の手に自身の手を重ね、握ろうとする。

ティエラ > 「あら?でも、その生き方を選んだのは貴女でしょう?
 やめることだってできたのに、やめていない、なら……見逃してというのは筋違いじゃないの?」

 本気ではないけど、チクチク虐めたくて。
 楽しげに女は言葉を紡いでみせる、彼女も冗談として言ってるのだし。

「ふふ。―――真面目」

 彼女のことを抱きしめることができたのはおそらく彼女が自分を許しきっているからなのだろう。
 自分に害意が全く無かったからかもしれない。
 それとも自分の言葉に戸惑ったから、なのか。
 理由は分からずとも、抱きつくことができているという今の事実。

「私は、どこにでもいる踊り娘で―――

   根無しのジプシーで

     ―――魔女よ。」

 自分の手が彼女の手に握られる。
 それに逆らうことなく、彼女の指を愛撫するようになでて女は体を押し付けてささやき続ける。

「魔女は人を惑わすものなの。
 狂わせて、堕として、引きずり込んで。

 そして、その責任を取らずにふらりと消えるの。」

 とろり、と表現するのが適切な甘く蕩けた声。
 それは彼女の耳に滑り込んでじんわりと染み込んでいくだろう。
 魔術的なものではなく、ただたんに、そういった声音というだけなのだけれども。

「貴女の答えが聞きたいわ。
 言葉に出して?

 高潔な騎士として、拒絶するのか。
 それとも、狂った女として、受け入れるのか。」

 女は、静かに問いかけた。

アイル > 「手厳しいな。仕方ない、次からはしっかり自制して見回りにあたるとしよう」

それで許してくれるかな、とひらひら、片手を振りながら呟く。勿論、顔に浮かぶは笑顔だ。
そんな朗らかな表情も、人気の無い路地で抱きつかれ、甘く囁かれるのなら戸惑いに変わる。

「――――…」

あっさりと背後を取られてしまったのは確かに、彼女に対する信頼と油断があった。
抱きつかれ、体が硬直する。薄い鎧越しながら、その豊かな乳房が押し付けられている感触がある。
魔女の甘美な囁きが、耳の奥にこびりつく。

「……私は、――――出来ない」

掠れた声で、答えが紡がれる。
腕の中でゆっくりと踵を返し、逃げ出すではなく、正面から彼女を抱きしめようとする。
その葡萄色の瞳に、己の瞳を重ね合わせて。

「……高潔な騎士としてだけじゃなく。君を好ましく思っているからこそ、だ」

ティエラ > 「そうね、そのほうが見回られている方も安心するから。」

 元々、軽い言葉遊びのつもりでもある、彼女の手を振った言葉に同意するように頷いて、ちろり、と舌を出そう。
 ちょっと意地悪してごめんなさいね、という意味で。

「――――……」

 しばしの間、動きが止まる。
 目の前の騎士の足が止まったが故であり、女は急かすことはしなかった。
 ただただ静かに、彼女の言葉を待つ事にする。

「あら?」

 できない、という言葉と同時に振り向いて彼女から抱きしめられる。
 自分の目を見つめながら、吐息のかかるぐらいに近づいた相手の瞳。
 夜の闇を思わせるような落ち着いた黒の瞳を見返す。

「好ましく思うから、軽々しく手を出せない。か。

 振られちゃったかしら?」

 残念、と軽い口調で女は言葉を放つ。
 しかし、抱きしめられた手を解くことはなく、彼女の意のままに身を預けよう。

「ただ……。
 そういうのは、ちゃんとした恋人関係になってからと思ってるなら。
 止めておいた方がいいわ。
 今の言動からわかってもらえるとは思うけど、私は好ましい相手なら誰とでも愛を囁いて、カラダを重ねる女だから。」

 違う理由なら、教えて欲しいわと笑顔で問いかける。

アイル > 「うん。…とはいえ、私一人がやるのは少々、癪だな。同僚にも徹底させることにしよう」

他人を巻き込むことが決定された。
意地悪は別に気にしていない。言葉遊びの一環として楽しんだらしく、笑みを深めた。

瞳は、夜の闇と空気を表すかのように黒く、そして微かに揺れている。
吐息がかかるほど近く、だがそれ以上は距離を詰めることもない。

「――あぁ。私とて、それくらいのことは承知しているよ。
恋人じゃない相手と体を重ねたことだって勿論ある。ただ――」

そこで一旦言葉を区切り、抱きしめていた己の手を解いた。同様に彼女の手を解くようなことはしないが。

「―――魔女の思惑通り、という筋書きにはしたくなかっただけだ」

冗談か、本気か。わからぬ飄々とした口ぶりで呟く。

ティエラ > 「あらあら、同僚さん可愛そうね。」

 彼女の同僚には、同情もなく軽く言い切るのは、知らない相手だから。
 もともと、興味ない相手ならこんなものである。


「――ふふ、なにそれ。」

 彼女の言葉を聞いて、離れる相手を見て笑いをこぼしてみせた。
 楽しそうに笑いながら、手を繋いだまま隣へ。

「自分から口説きたかったのに先に言われたから臍曲げました。
 って、言ってるようなものじゃない。

 最近いい相手見つからなかったから、溜まってたのになぁ。」

 楽しげに言いながらも、石畳の上を連れ立って歩いていこう。
 彼女の肯定も否定も何も聞きません、といった風情。

アイル > 「見回りをサボっている奴もいるからな。徹底させるくらいで丁度良いんだよ」

事細かに話すつもりはない。
同僚は同僚。彼女とは大して関係もないし、その口ぶりからして興味もないだろうから。

身を離しても、手は繋いだまま。
それを此方から離すようなことはしない。ちょっとした温もりが心地良いのもある。

「そうだよ。私はとても面倒臭いんだ」

お陰でかどうか、恋人はいない。友人も数少ない。酒場で一人酒をしていることが多い女騎士だった。
道沿いのお店は、開いているところもあり、閉まっているところもあり。
彼女と連れ立って、共に歩く。

ティエラ > 「もう、自分で言うなんてね。」

 楽しげに笑いながら、女は答えを返そう、そして視線を横に、彼女を流し眼で見て。
 口元に笑みを浮かべたままに。

「それなら、次に見かけたら、物陰に連れ込んで犯しちゃうんだから。
 面倒くさいこと言えないように、私の色を塗り込んであげるわ。」

 そう言いながら、魔女は手を放そう。

「言葉だけが、篭絡の手段じゃないもの。」

 言いながら、彼女の頬にキスを落としてから、身を翻す。
 じゃあ、またね?と。
 彼女が止めぬのならば、そのまま紅い色は宵闇の中に溶け込んで消えていくのだろう。

アイル > 流し眼に気づけば、黒い瞳をそろりと細める。

「それは、お手柔らかに。……ただ、正直なところを言えば。
次に君に会うのがもう待ち遠しくなっている私も、此処にいるな」

繋いでいない方の手で、軽く胸元を叩く。
微かな温もりを持った魔女の手が離れていくのを、ぼんやりと眺めた。

「―――確かに」

頰にキス。また、という言葉に頷き、宵闇の中に溶けていくその背を見送った。
完全に視界から消え去ったところで、ひとつ息を吐き…

キスを受けた頰を片手で擦りながら、自身も帰路を辿る。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 露店市場」からアイルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 露店市場」からティエラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にグラスシエルさんが現れました。
グラスシエル > 今日も、小さな公園の小さなベンチに寝転ぶ少年
何か不満げな目つきで薄目で空を睨む
いい天気だ、暑くもない寒くもない、昼寝には丁度いい
そんな事を考えながらウトウトしてる
風がちょっと冷たいが、まあ魔力で温めるほどでもないだろう、と

グラスシエル > 「…暇だな」

昼寝でもしようとしたが眠れない
かといって、何か行動する予定もないのだ
任務はあらかた片付いてるし、これといって急ぐ用事もない
さて、どうするべきか
身体を動かそうかとも思ったが

「…ダリぃな」

とやっぱり横になったまま、つぶやく

グラスシエル > …さて、ちょっと動くか
と、ベンチから起き上がる
風がざぁっと鳴いたと同時に宙に舞い上がって、一直線に、街の方へと消えていって

ご案内:「王都マグメール 平民地区/宿の一室」にリンさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/宿の一室」からリンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にスカーレットさんが現れました。
スカーレット > 今日も今日とて、いつも舞台に上がっている酒場で踊っている真っ赤な女。
ファンもつきはじめ、店主からは常勤にならないかとも言われ始めている。
見慣れた顔に混ざって、初見の客もちらほらと混ざっている前で今日も客を選ぶべく耳を欹てていた。

スカーレット > この女が、興味のある話を聞くために男を選ぶという話はすでに男性たちの間では有名になりつつあった。
そのためだけに、客たちは手にチップを握りしめながらそれと同時に自分は面白い話を知っているとアピールしていくのだ。
女はそれを踊りながら聞き取り、時には体を反らすようにして客の口元に耳を寄せる。
客は大喜びで女の胸元を覗き込みながら、耳元で情報の概要を話すのだ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にザイケルさんが現れました。
スカーレット > 「うんうん…あら……?」

最近特に気にしているのは、勝手に離脱していったという斥候と似た特徴の女の噂。
姿そのものは意味が無いと知っていればこそ、足が早くて男のような話し方をする女という聞き方をしていた。
彼女を捕獲して連れ帰ることが出来れば、きっと昇進間違い無し。
内心ニヤニヤが止まらない女だが、まだ今は取らぬ狸のなんとやらで。

ザイケル > 少々詰まらない仕事を終え一杯飲んで帰ろうと適当な酒場に足を踏み入れる。
酒場にと入れば他の店とは違う様子になんだと見れば部隊があり納得をする。
舞台があると言う事は踊り子や吟遊詩人がいる。
ならばにぎやかさも違うのも道理だと。

「マスター、エール貰えるか?」

他の客が踊り子に熱中しているのを眺めながらカウンターの席で注文をし、
珍しい踊り子の様子を眺める。

スカーレット > 「どこで見たのか教えてくれたら………」

それらしい女を見た覚えがあるという客が大きく手を上げ、女にアピールすれば当然興味を持った。
見かけた場所を教えれば脱いでもいい、というようにブラの紐を片方だけ下ろしてみせるとおこぼれに預かりたい他の客が早く話せと騒ぎ立てて。
同業者がその場に居ることには女は気づいていなかった。

ザイケル > 「なんだ、娼婦込みで雇ったのか?」

ブラの紐を片方とはいえ下ろして客に見せている姿。
それを見ればそう言うのなのかと思い傍に居る店主に声をかける。
店主の笑みを見ればあれば踊り子が好きにやっている事がわかり、なるほどと笑みを見せ。

このまま見ていればここで始めそうな様子に楽し気に眺めて一人の手の上で踊る客たちを眺め聞き耳を立てる。

スカーレット > 手を上げた男は、興奮からか大手を振って話し始めた。
先日ある酒場でそれらしい女を見た。
その女は酔っ払いの大男に絡まれて、あわや剛力の男が叩き壊したテーブルの下敷きになりそうだったのだがとんでもない速度で脱出しようとして足を挟まれるに留まったと。
何言ってんのかわかんねーよ!などとその男はからかわれていたが、女の方は違う笑い方をしていた。

「それじゃぁ……」

具体的な店名まで出ているしいいか、とブラをはらりと落とした。
客達の盛り上がりは一層増し、舞台にはチップも投げられ始める。

ザイケル > 賑やかで色々な音や声が聞こえる酒場内でも大手を振り放す姿は目立つ。
その話を聞いていけばつい最近聞いたことと全く同じ内容が離されているのが判る。
その話が終われば話している男は周囲に揶揄われ、
話を聞いていた女は笑みを見せ、聞いていた自分は状況を鮮明に知り気が付けば怒りに殺意を滲ませていて。

眼の前でブラを落とす女の姿に普段ならば見入るのだが今はそれも出来ずに、
チップを投げる姿を眺めながらエールを口にして落ち着こうとする

スカーレット > その男はさらに、よくその店で見るぞなどと知っている限りのことを話していく。
聞けば聞くほどに、一人喧騒から外れている男には身近な女のことだとわかるだろう。

女はといえば、気をはやらせたのか今日は踊るだけ踊ったら早速その店に行ってみようなどと考えていて。
今日は有益な情報が聞けて機嫌がいいのか、踊りながらするすると服を落としていく。

ザイケル > 更に聞き耳を立てて行けばそれはおそらくはよく知った女。
本当に身近な相手の事だと判る。

それを聞いて笑みを浮かべていると言う事は御同業かそれ以外の招かれざる客なのだろうと警戒心を持ち。

踊りながら服を脱ぎ、周囲が更に盛り上がるのを眺め。
他の客がチップを投げるのに合わせてコインを一つ投げる。
そのコインは王都で使われるゴルドではなく、魔族ならば判るあちらで使われているコインで。

スカーレット > さっさと踊るだけ踊って早く行こう。
今こうしている間にもその女はその店にいて、自分が向かった時には帰っているかもしれない。
ちらりと時計を見れば、持ち時間もあと僅かだった。

「うふふ、みなさん今日もありがと………」

足元に転がる大漁のコインを見下ろした瞬間、ぴくりと眉を寄せた。
町の人間であればまず持っているわけがない物が1枚、山の中に混ざっている。
この中に同族が居る。しかもこれを投げてきたということは、何か用があるのだろう。
笑みを作り直しながら、誰だと客達を見回していく。

ザイケル > 一度疑えばどう見ても疑ってしまい。
客を魅了する笑みもなぜか作り物めいたように見えてしまう。

そう思っていれば踊りも終わったのか客に声をかけている踊り子。

転がるコインを見下ろしての微かな変化にこれは当たりだと確信をする。
人間であれば作り物を混ぜたと思うはずだ同族ならばそうは思わない。
案の定客たちを見回す踊り子を眺めて視線が合えば親指で上を、酒場の二階を指すようにして見せる。

スカーレット > 客を一人ひとり眺めていけば、一人雰囲気の違う男と視線が合った。
男の仕草に、こいつだと確信する。
何の用かは知らないが、お互い認識してしまった以上避けることもできそうにない。

曲が終わるのにあわせて動きを止めれば、客たちは今日の相手に選ばれようと必死にアピールを始めた。
しかし、女の視線は真っ直ぐにただ一人だけに向けられていて。

「……貴方。良かったら…いかが?」

同族の男にするりと体を寄せ、いつも選んだ客にするように囁いた。

ザイケル > 視線が合い仕草を見せてば相手の踊り子も気が付いた様子。

曲が終わり踊り子に選ばれようと必死にアピールする他の客を尻目にエールを飲み干し代金を置く。
そうして女の視線に気が付けば席から腰を上げて。

「俺でいいのか?光栄だな」

身を寄せ囁く女の肩を抱いて良いぞという様に抱き寄せる。