2017/11/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 露店市場」にティエラさんが現れました。
ティエラ > わいわいがやがやと、夜になっても未だ人の行き来が多い露天市場。
 その一角にローブ姿の女性が静かに座り店を開いている。
 品物を見てみれば、ポーションなどの薬や、紙でできた札、女が着ているようなローブ等。
 一貫して何やと言うものではなさそうだ。むしろ、必要なくなったものを売りさばいているようにも見える。

 女の姿は、薄いフェイスベールで口元を隠した踊り子のような格好の上に真紅のローブを羽織っているだけである。
 その格好で、この時期の冷気なのだが寒そうには見えない様子。
 道行く人々を葡萄色の視線は追うこともなく、売り場に興味を持って立ち止まる人を待っているかにも見えよう。
 そして、時折懐から懐中時計を取り出して確認するのは、おそらく今日の終りと同時に店を仕舞わなければならない。
 店舗を開いていられる時間があと少しだけということでもあるのだろう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 露店市場」にアイルさんが現れました。
ティエラ > そろそろ撤収の準備をしなければなるまい。
 女は今日の売り上げを確認する為に、品物と金額を数える。
 値札も何もない品々、ポーション類のみ値札をつけてあった。
 理由としては簡単だが、魔法の道具なので判るものにしか売りたくない。
 判らないものに売り払ってもそれは危険である。
 まあ、今回の売り物に危険なものはないが、マジックアイテムという希少性などを考えると、何も知らずに買って知っているものに襲われるということもあり得る。
 故に、判らないもの=一般人には、売らないことにしている。
 それでも、魔法のアイテムというだけで値段は跳ね上がるので、ひとつ売れただけでも暫くは大丈夫だ。

「ん、この位、というところかしら。」

 売れた金額、手元に有る金貨を確認して満足そうに笑みを浮かべる女。
 時間とお客の入りを鑑みてもそろそろ荷物をしまっても良さそうだ。
 女は、鞄の中に売り物をしまい始めることにする。

アイル > ひやりと冷たい風が吹く最中、女騎士は露店市場を一人見回っていた。
この時間帯、何かと揉め事は起きやすい。不特定多数の店が集っている此処ならば尚更だ。
とはいえ、今日はそれ程でもなく……客同士のちょっとした小競り合いがあった程度。
ぼちぼちと撤収し始める店々を見ながら、自身も引き上げようかと考えていたのだが。

「……おや?」

ふと、見たことのある顔が店を出している。…というより、帰り支度をしていた。
遠目ながら目は良い。見間違えることもなく、声をかけようと人の合間を縫って歩み寄る。

「久しぶりだな。……私のこと、覚えているか?」

笑みを浮かべながら、常よりは大分柔らかな口ぶりで声をかける。
彼女は覚えているだろうか。覚えていなくても、それはそれでまぁ良いのだが。

ティエラ > 品物をカバンに詰める女、そのカバンの容量から見れば、どう見ても入らない品々を苦もなく飲み込んでいき、そのうえ膨らんでいる様子もない。
 女が魔術を使えるということは想像に固くないだろう。
 店じまいの準備をしているところにかけられる声、視線を上に上げればそこには一人の女騎士が立っていた。

「お久しぶりね?
 でも、おしゃべりは少しだけ待って頂戴?
 撤収終わらないと追加料金取られちゃうの。」

 にこやかに笑いかけて見せるものの、女は手を止めることもなく品物を手際よくカバンの中に詰めていく。
 品物を全部しまい込んでから、忘れ物がないかを確認して、改めて向き直る。

「本当にお久しぶりね、女騎士様?
 巡回か何か、かしら?」

 平民地区であるし、そういうのもあるのだろうと思いながら、女はことん、と首を傾いで問いかけた。

アイル > 大小様々な品々を苦もなくカバンに詰め込んでいく様を、興味深く見つめる。
声はかけたものの店仕舞いの邪魔はしない。行きがけの人々の邪魔をしないように、彼女の傍に立つ。

「面倒だな。…とはいえ、その顔を見るとそこそこの成果は出せたみたいで何よりだ」

冗談めかして言葉を続ける。
全ての片付けが終わったと此方も確認できたところで、問いに一つ頷いた。

「そんなものさ。幸い、何事もなく終わってくれそうだがね。
ここに留まるのも何だし、少し歩こう」

他店の邪魔をするのも忍びない。どうやら、追加料金の規則は存外厳しいようだし…
彼女を促し、了承を得られるならば歩き出す。