2017/08/29 のログ
イグナス > 視線がひとところに止まる。
この地区にしてはやや珍しい姿恰好、貴族さんの物見遊山といった空気が強い姿だ。
あれじゃあ、ガラの悪いのにも付け狙われよう、実際――路地の奥からはちらちらとその姿をうかがっているチンピラの姿も。

「――ふむ。」

ごくん、と最後のサンドイッチを飲み込んだならば立ち上がった。
ゆうゆうと、迷いなくその少女の方へと歩いていくならば

「何か探しモンかい。」

声をかける。にまりと口元に笑み――大柄な体のせいで、これはこれで、ちんぴらくさいというか。
明らかにカタギではない巨躯と姿であったが。

アラミル > チンピラ達の視線には気づいていないようで、男が声をかけるまで、のんきにも見える散歩をしていて
声をかけられれば、薄青の瞳が巨漢の方へと見上げられるだろうか

「え、と。特に…?、おなか、いっぱいだから、散歩してる…
強いて、言うなら…」

返す言葉には多少の驚きはあったものの、恐れはなく
ぼそぼそと、喧騒の中では少々聞こえづらい声で答え…

「ん、と。おとこ、に好かれそうなものを、探してる?」

どうやら、露店をちらちらと見ていたのはそういうわけらしい

イグナス > 貴族――というか、浮世離れした空気もある。
己を見上げた時の反応がどこかふわりとした空気、恐れを見せない姿に、ほうと瞬きひとつ。
むしろならば、聞こえにくい声に、もう少し聴きやすいようにと一歩足を進めて。

「……ん、ん。おとこに、好かれそうなもの?」

なんだそれは、といった具合に、ぽかんと口を開けて、首を傾いだ。
両手を組んで、ひとうなり、うーん。と。

「あれか、好きな男に挙げるプレゼント的な。」

彼女の見た目からの推測、大方、同年代の少年に遣るなにかだろう。
あまり品はないが、興味本位で問いかけを。

アラミル > 当然ではある。一部を除いて彼女にとっては人間はごはんでしかなく、恐れを抱く必要がない
なので、一歩、巨漢が近寄ってきてもその場を動かず

「うん。おみせの人には、これを売ってもらった、けど」

と、銀の髪を揺らし、そこについている品のいい髪飾りを見せて

「…プレゼント?、えっと。自分が、つけ、て…男に、好かれそうなものを、探してる…」

たどたどしいながらも素直に答える。そして…

「貴方も男。…どういう、恰好の女が、好き?」

およそ初対面でするものではない不躾な問いかけ。質問の内容と合わせて不可思議な印象を与えてしまうだろうか

イグナス > 品のいい髪飾り。それはモノの良さもあるが、彼女の空気にもあっている。
だからこそ、周りに不埒なものも寄ってくるわけだけど。
男に好かれそうなものという言葉にやっぱりまた、少し驚いた。ニュアンスに違和感あったけれど、本当にそういう意味、とは。

「…そのトシから男に好かれ、……いや、まあいいンだけどな。
 どういう恰好、恰好――……?」

やっぱりまだ幼い少女に見えるならば、その年から男に好かれる格好なんて、早いのではって心算も。
でも問いかけには、ううん、とつい思考を。少し考えたのちに、視線を戻して。

「俺は、そうだなあ、自分で一番気に入ってるやつがいいよ。
 その女が一番、自分がきれいに見えると思ってるやつ。」

ああでも、あんまり派手すぎるのは好きじゃあないと加えて笑い。

アラミル > 今もまだ、巨漢が近寄ったことによって気勢をそがれたチンピラが通りから恨みがましそうに見つめているが
そんなことは少女にも男にも特に関係はないだろう

「うん。いっぱい、見て、近寄ってきてほしいの」

なんて付け加えつつ、悩む男の返答を待って


「一番、気に入ってるの。派手すぎるのは好き、じゃない…?、……これは、派手?」

男の言葉を繰り返しつつ、自分のスカートの裾をつまみ上げる。脚が一部見えるが特に気にせず
派手すぎる、かどうかは微妙なラインだが、周りの平民たちの格好から見れば十分派手である

イグナス > 「――…?」

彼女の言葉にさらに違和感を覚える。少なくともこの年頃の少女の言葉では、ない。
疑問が口をついて出る前に向けられた問いかけに、んん?と首を傾ける。

「…あー…そうだな、派手は派手だろうけど、それくらいのドレスは嫌いじゃあないかな。
 もっとこう、ケバいのは苦手だ。――美人ならいくらでも許せンだけど。」

こっちはこっちで素直に返す。ああ、それで、と続けながら、
視線はぎろりとチンピラのほうへ。恨みがましそうな彼らは、今度は射すくめられるように姿をまた、路地に戻して。

「っても、…まあ、まだ治安が悪い方じゃあねェにしても、
 そのカッコで歩き回ると危ないぞ、変なのがまとわりついて、きやがる。」

アラミル > どこかの令嬢にしても言動はおかしい。普通ならお淑やかにするように教えられるはずだから
首を傾げながら答えてくれる男に、うなずきながら


「このくらいは、いい。美人なら、いくらでも許せる。
私は、美人?」

ごはんの美的感覚はわからない。まるで漫才のようにお互いに首を傾げつつまた尋ね返す
その途中、チンピラに向けられた視線に気づいて

「ん。別に、ほっておいても、いいのに。纏わりつかれるほうが、いろいろ楽、だし…」

なんてぼそりと呟く。貴族の火遊びにしてもどこか破滅的というか、襲われたい、と言っているようなもので

イグナス > 「美人、…だとは思うが。まだちょいと若すぎかもな。」

どっちかといえば、かわいいだ、と答えるも、違和感は余計に大きい。
更に続いていく言葉に、んん、と唸る。
貴族の退廃主義なんかとは違う、そもそもの嗜好――いや、この少女の様子は、それが当たり前だという。
価値観レベルの違い。

「…色々と楽。――あー……お嬢ちゃん、見た目通りじゃあないのか。
 ………、それともただの世間知らず?」

かくんと首を傾けつつ問いかける。これはこれで、酷く不躾な質問。

アラミル > 「それは、困った。成長、あんまりしないし」

美人だと何着てもいいのに、とかつぶやきつつ、自分の薄い胸に触れて
私は、可愛いのか、なんて更に言葉を重ねつつ
そして続く質問には…

「…?、………。誰にも、言わないなら?あと、叫び声をあげないなら」

うーん、と考えた後、それくらいの信用を男は得ていたのか、それだけを答える。どうやら、他人に軽率に知られるのは避けているようで

イグナス > 「あんまりか。……成長したら余計、美人そうなのに。残念だな?」

なんだかこの、どこか浮世離れした少女との会話
なんとなく奇妙な問答だ、それは今予感して、彼女が告げようとしている通り少女が普通でないからなのかも。
ああ、やぱpりかという風に笑って

「誰にも言わないし、…俺みたいなやつが大声で叫び声あげるなら、それはそれでむしろ見ものだと思うけどな。」

冗談めいて笑ったのちに、叫ばないよ、とひとこと。
もちろん無理には聞きださないが、彼女が話してくれるならば、この少し奇妙な少女の言葉を聞く気は満々で。

アラミル > 「…成長すれば、いいのに」

そうすれば楽なのに、なんて
一つ、二つ、息を吐いてからまた男のほうを向いて
内緒話をするようにまた1歩、少女のほうから近寄って

「それも、そう。……私は…簡単に言うと、淫魔。襲われるのが好きな、淫魔」

本当はもっと細かい、ややこしい事情もあるが、伝わりやすいのはこれだろう
歴戦の巨漢には、それだけで眼前の少女がどういった存在かはわかりやすいだろうか

イグナス > やっぱり、成長もしないらしい。
そういう存在――そして彼女が近寄って紡いでくる言葉に、ああ、やっぱりかと目を細めて。

「…やっぱりか。
 ――にしても、襲われるのが好き、っていうのは初めて聞いたな。
 淫魔ってやつは、襲われるより襲うほうが好きなのばっかりだと思ってたけど。」

そういう種族だとかを見るのははじめてではないが、彼女のようなのは少し特殊。
へえと驚く多様にわずか目を見開いて、でもようやく、今までの言葉には納得って感じだ。

「そりゃあなんていうかこう――邪魔した、な?」

襲われないようにしてしまって、と。そんなことを謝るのも初めてで、何とも奇妙な心地。

アラミル > 目を細めるのみの相手に、次はこちらが少し驚いて

「ほんとに、何も言わなかった。
…前は、襲うほうが好きだったけど。色々、変わった」

色々、と省きながらも自分の体が最初は一般的な淫魔と同じだった、と過去形で語って


「…邪魔じゃない、し。…それに、あの人たちより、貴方のほうが、おいしそ、だし?」

くす、と少し雰囲気の変わった笑みを浮かべ、ちら、となりを潜めたチンピラのほうを見る
更に一歩、近づいて。ぺた、と小さな手で男のふとももの辺りに触れるだろうか

イグナス > 驚いた様子には、ようやく少しは変化をさせたとにやりと笑って。

「そりゃあ、そうだ。淫魔のひとつやふたつ、いくらでも見慣れてる。
 ――は、ン。…いろいろあるんだな。」

個々の事情についてまでは追及するつもりない。それはそれでと納得を。
――なにより、その方が都合がいい、己にとっても。

「……そうか?それならよかったし――
 ……、あんなのに喰わせるのも、勿体ない。」

どうやら、食べてみたいのはお互いに、って様子。
こちらも笑みをにまりと浮かべて手を伸ばす、…彼女が触れるよりもだいぶ上、位置としてはやっぱり身長差があるので頭に。
まだどこかで隙を伺っているかもしれないチンピラに、まだいるなら見せつけるように軽く引き寄せて。

アラミル > 「いくらでも。すごい。いっぱい、たべられてきた、の?
うん、色々、ある。……でも、これもこれで、たのしい、から…いい。」

男の思惑はわからないが、引き寄せられれば笑みを深めて

「…食べたい?、わたしの、こと…。
いいよ…?たべ、る?」

頭に手をのせればさらりとした髪の感触が返ってきて。甘えるような声でお誘いを
ナンパじゃなくお手付きか、とチンピラが悪態をついてどこかへ去っていくだろうか

イグナス > 「は。まさか。…食べる方が好きなんだ、俺は。」

なんて、不遜なくらいに自信ある言葉を。
思い通りとばかりに対応する男は、あるいは彼女にとって思惑わからず映るかもしれないが。
にんまりと満足そうに浮かべる笑みは、己の欲望が上手くいってるのにご満悦って感じだ。

「食べる、食べる。――ちょうど、腹が減って仕方ない。」

お誘いにはだいぶノリよく。笑みで犬歯が見えて、獰猛な獣みたい。
もうチンピラのことなんて思慮の外に、さすがにこことはならぬので、彼女を連れて歩き出す――。

アラミル > 「ふぅん…。いっぱいたべるんだね…」

なんてくすくす笑い。どこか、声色もはっきりしたものになっていて
お腹は膨れてはいるが、ごはんを出されてわざわざ遠ざかるほど彼女は小食ではない

「あは。じゃあ、いっぱい、食べあおう?」

こちらも笑いながら。獰猛な犬のような相手に、期待の吐息を漏らし
少女にとっては最初からあまり興味がなかったが…男が手を引くなら、連れられるがまま、どこかへ

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアラミルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にトゥーラさんが現れました。
トゥーラ > 日も落ち店が戸締りを始める時間帯の大通り。
本日の仕事を少し早めに終えて帰路につく途中にふとした思い付き、
帰り道を逸れて大通りへと足を向けてまだ閉じていない店を眺めて歩く。

初めて来たときは勝手が判らない場所ではあったが今では慣れ、
どこがどういう店かと判ったうえで眺めて歩く。

「さて……どの店を見ていくとするか」

各所で聞こえる呼び込みのような声を聴きながらまだ開いている店や閉じていない露店を眺めて歩いて。

トゥーラ > そのままいくつかの店を覗き、何かを買うとそのまま家に戻っていくのだった…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からトゥーラさんが去りました。