2017/07/11 のログ
■ツール > 普段は店で飲んでいる男で会ったがたまには場所を変えて飲む気になったのは街の浮かれた雰囲気のせいだろう。
店の扉が開き、現れるのは杖をつきながら軽く足を引きずる隻眼の巨漢。
そんな男の空気を不思議なものにするのは傍についている人懐っこそうな雑種の犬。
男も自然と店の端の方へと歩みを進める事になる。
「あぁ こいつは介助犬だ。 俺の片目を補ってくれている。」
何かもの言いたげなウェイターに男は静かに告げれば、ウェイターも黙って下がるだろう。
■アリアン > 「ラ…ラ…ラ……」
手拍子に盛り上がる曲に合わせて、口の中でそっと歌ってみる。
稽古で酷使した声帯だが、生まれつき強靭なせいか回復も早い。
と、新たな客がやってきたことに気配で気づき、何気なく視線を向けたところで、かわいらしい存在に気づいて笑みを浮かべる。
「あら、可愛い子」
そして、相棒と思しき男性に笑顔を向ける。
「こんばんは。可愛いお連れさんがおいでですね?」
■ツール > 酒場で美人が手拍子を打てばそれだけで絵になる。
等と考えながら、相棒に目を落せば、犬は現金なもの可愛い子と言われれば嬉しそうに尻尾をパタパタ。
流石にしつけられているのか主人から離れて飛びかかるようなことはなかった。
「む。見解の相違だな カッコいいだ。
普段俺が可愛いといっても反応しないんだがな。
さて、隣いいかな?」
唇の端を軽く持ち上げるように男は小さく笑い。
低い声でそんな冗談を相手に返しながら。
見た目のわりには気さくに相手に問いかけ。
相手が拒まなければ隣に拒めば一個離し、間に犬が我が物顔で椅子の下に入り込むだろう
ウェイターを見やれば
「ウィスキーをロックで。 ダブルで頼む。
後はそうだな…野菜スティックを。」
■アリアン > 尻尾をパタパタさせる犬に、にこっと笑いかけ、飼い主に視線を戻す。
見上げるような巨漢だ。
しかし、その隻眼は穏やかなように見えて。
「どうぞ、私も始めたばかりですけど」
いそいそと隣を手でさし、好奇心いっぱいの目で彼をじっと見る。
軍人?冒険者?
頭の中でクエスチョンマークを乱舞させながらも、その低い声に、ふと聞きほれるのは、声を職業にしているせいか。
「私、アリアンと申します。お名前を伺っても?」
■アリアン >
■ツール > 二個っと笑いかけられれば犬にとって犬好きの人はみな友達候補とばかりに興味津々。
「パーティーの終わりで無い様で何よりだ。
男一人と一匹で飲むのもいいが、君のような可愛い子と飲めて俺も犬も嬉しい。」
相手に隣を薦められれば、男は隣に腰を下ろし杖をテーブルの下に立てかける。
こちらを好奇心いっぱいの目で見られればやや苦笑いを浮かべる男。
そんな言葉を返し。
観察する相手嫌がる事も無く男は静かにそこにいる。薄暗い店内ながらも相手がこちらを見詰めれば、筋肉でできた男の鎧も使い古しているのか、あちこち古傷だらけなのが分かるだろう。
左目には刀傷が瞼から頬に入り、閉じられているが、右の黒の瞳が相手の青紫の瞳を見つめる。
「あぁ。 よろしくアリアン。
俺はツール こいつは犬で犬だ。もしくは相棒。
好きなように呼んでくれていい。頭がいいから一度で覚えるぞ。」
横にいる犬は男が犬といった瞬間に呼んだ?とばかりに顔を向け。 相棒と言われ頭が良いと褒められればればどこか誇らしげに尻尾をぱたり。
男の大きく無骨な手が犬の頭を撫でてから、出てきた野菜スティックのニンジンを放れば夢中で食べ始める。
そんな光景を眺めながら出てきたウィスキーをちびりと味わい。
相手に野菜スティックの建てられたグラスを薦める。良ければ犬にどうぞといったところだろう。
■アリアン > 「あら、お上手」
可愛い子と言われて、肩をすくめて照れ笑い。
杖を立てかける仕草に、相手の足が悪いことに気づいて、やはりもと軍人か、戦傷かと切れ長の目をぱちぱちさせる。
相手の浮かべた苦笑いに、はっとして頬を赤らめて目を伏せるが、嫌がられていない様子に、そうっとまた睫毛を上げる。
「よろしく、ツールさん。で…この子は、犬?ええと、犬?」
種族名が固有名詞なのかと納得するのに少し時間がかかり、何度か口の中で呟き。
「犬?」
と、呼びかけてみたりして。
注文のワインとチーズ、ナッツが運ばれてきて、目の前に並べられる。
チーズとナッツの皿を、相手にも取りやすい場所に移動させ、グラスの足を持つ。
「では、今宵の出会いに」
と、澄ました顔で軽くグラスを掲げると、口をつけて深紅の液体をそっと喉に流し込む。
「ところで、ツールさんは…あの、差支えなければ。軍人…でいらっしゃる?」
半袖の下から見える筋肉の張りつめた腕や、左目から頬にかけて走る傷を見つめて、遠慮がちに尋ねてみる。
■ツール > 「ふ。粗忽物で有る事は自覚しているがそのぐらいは言えるさ。」
等とどこか悪戯な笑みを浮かべ。
相手が犬の名前で戸惑えば楽しそうに笑う。
犬は犬で呼ばれればおやつでも貰えるのかと目をキラキラさせながらそちらへ向ける。
シェパードのような猟犬とゴールデンレトリバーの様な犬の雑種のせいか愛嬌は妙に高い。
「あぁ もし犬の視線に耐えられなければチーズ少しぐらいなら大丈夫だぞ。」
等と言葉を返し、小さく笑いかけ。
「今宵の出会いに。」
少女のようかと思えば澄ましたりとどこか楽し気に相手を眺めながら男はグラスの中のウィスキーをちびりと味わい。
「あぁ…元な。傭兵やら軍人をやっていた。 気になるなら触ってみるか? それとも怖いか?」
相手が気にしていれば、ぐっと腕に力を込めて筋肉を強調してみたり。ただ最後の言葉男は静かに囁き、青紫の瞳を男の黒い瞳が静かに見つめた。
■アリアン > 彼の悪戯っぽい笑みに、面映ゆくなって、落ち着かなげに長い睫毛を何度か上下させて、視線を彼の手元に落として。
と、犬の期待に満ちた目に逆らえなくなり。
彼のお許しも出たことだし、と皿に手を伸ばす。
「ち、ちょっとだけだからね…ご主人のお許しが出たし!」
チーズを少しちぎって、鼻先に近づければ、ペロッと舌でなめとられてチーズの塊は犬の口の中へ。
小さく笑いかけてくる彼に、食べてくれた、と言いたげに嬉しそうに笑ってみせる。
「まあ、それで、その、いろいろ傷も受けられたのですね。…じゃあ、お言葉に甘えて」
静かな囁きに誘われるように右手を伸ばし、ぐっと盛り上がった筋肉に指を這わせる。
見つめてくる黒い瞳を見返し。
「……怖くないわ」
■ツール > 視線を落せばその先には犬のキラキラした瞳。
「よかったな相棒。」
嬉しそうにチーズを舐めとった犬。
もっともっととばかりにおねだり攻撃。
つぶらな瞳が相手を見つめる。
こちらを嬉しそうに笑いかけてくる相手に男もゆるりとうなずき。
「まぁ それなりに長く生きているからな。 色々あるさ。」
筋肉を撫でられればやはりくすぐったいのか小さく笑い。そんなことをぽつりと呟き。
「アリアンは怖いもの知らずだな。」
こちらを見返す瞳を見やれば男は静かに笑みを浮かべ自身の腕を撫でる細い指先。
男の大きな掌で包み込めば男の熱を伝い。
「このまま取って食べてしまおうか」
男は相手の瞳を見つめながらそう静かに囁きかけると握りしめた相手の腕を引き自身の方へ持たれかけさせようとした。
相手が逃げなければ、そのまま分厚い胸の中に相手の華奢で小さな体が入り込むだろう。
■アリアン > 「も、もっと?いけません、あなたにはこれです」
真面目な顔で犬の視線に応じると、野菜スティックを口元に持っていってやる。
シャリシャリと噛む音に満足そうにうなずき。
「長く?そうですね、生きる時間が長ければきっとそれだけ……」
本当の年齢を言ったものか、という考えが頭をよぎるが、それも野暮だろうと黙っていることにする。いずれにせよエルフの時間で言えば、まだまだ若いのだから。
「私にもそれなりの時間があったのよ。だから、本当に怖いのかどうかは、分かるつもり」
静かな笑みを浮かべた彼に、掌で指を包み込まれ。
その熱にくらりとする。
「あっ……」
腕を引かれるままに、身体をもたせかけて、厚い胸に包み込まれて。
初めて感じる男の体温に、かっと頬が熱くなる。
「た、食べるのですか。でも。その…ちょっと、固いかもしれない」
彼の胸に額を当てて、消え入るような声で。
決して嫌がっているわけではないのだが。
■ツール > 犬にとっては野菜スティックでも構わないとばかりにシャリシャリもぐもぐ。
何かあるようだが男にとっては小さな事。返事をすることはなく、ただ頷くだけ。
「人の欲深さには気をつけた方がいい…。」
大した抵抗もなく自身の胸にもたれかかる相手柔らかく抱きしめ。
固いかもしれないという言葉に小さく笑えば男の体がまるで揺り籠の様に揺れる。
男は耳元に顔を寄せ、
「固い肉を柔らかくするには色々とあるが。 肉を揉みこむというのも一つだな。」
相手の耳元男は静かに囁きかければ人よりやや尖った耳。
エルフに近い存在なのだろうと察するが、特にそれを言う事も無く。
代わりに男の大きな掌がゆっくりとドレスの上から背中、腰と男の熱を伝えながら撫でおろしていく。
「先ずはどこが固いか調べてみよう。」
相手の耳元静かに囁きかけると耳の先を甘く噛んでから頬にキスを落とし。
相手の頬に男の手のひらを添え軽く撫で上げながら上をむかせると、一度相手の瞳を見つめてからその唇に自身の唇を重ねていこうとした。
■アリアン > 「欲深い?あなたも?」
柔らかく抱きしめられて、安心と高揚にどぎまぎしながら、意識せずに甘えるような口調で問いかける。
耳元で響く低い声に、耳が敏感に反応してしまうのが意外でもあり、困ったこともであり。
大きな掌が背中から腰を撫でおろすと、上ずったような声が漏れてしまう。
「あ、な、なに……」
戸惑いと羞恥と。
男の手がどんな意図をもって動き始めたのか分からないほど子供ではないけれど、これから先に何があるのか、想像できるような経験もない。
「か、かたいというか……」
耳の先を甘く噛まれると、身体がびくりと跳ねる。自分でも知らなかった敏感な箇所。
どうしよう、経験がないっていうべきだろうか。
迷う間にも頬に手が添えられて顔が上を向き、黒い瞳に見つめられながら唇が重なる。
「ん……」
思いがけず優しく重ねられた唇は、とても心地よくて、力の抜けかけた身体を、相手の胸にくたりと預ける。
■ツール > 「それは秘密だ。」
相手の言葉に男は笑いながら言葉を返して。
相手の体を撫でる男の大きな掌が落ち着かせるようにゆっくりと動く。
戸惑い羞恥で脈打つ心臓のテンポが速くなればそれもどこか心地よく。
惑いながらも男を受け入れる女。
男は先ほどの言葉の通り相手を解す様に柔らかい口づけを。くたりと力抜けた体を支える男の体はまるで大木の様に揺るぐ事はない。
甘く相手の唇を啄み。男の太い舌が相手の口の中にぬると、滑りこみ相手の舌を絡めとっていく。
ほんの一瞬であったか長いキスであったか。
「アリアン。 場所を移そうか。」
僅かに浮いたであろう相手のお尻に、男の手のひらが滑り柔らかい尻たぶを揉みながら相手に囁きかけ、相手と共に店を後にしていくのだろう。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアリアンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からツールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地裏」にエインセルさんが現れました。
■エインセル > 平民地区でも路地裏は、少しばかり治安が悪い。
普通の人が好んで立ち寄らない、薄暗い中を小さな影が通り抜ける。
円錐帽子を目深にかぶり、黒のローブを羽織った少女だ。
「えーと……お届け物はこのあたりだっけ」
此度路地裏を訪れたのは、冒険者ギルドの依頼で採集した薬草を届けるため。
依頼主は路地裏に店を構える小さな薬屋らしいのだが。
「……結構入り組んでいるから、迷いそう」
たどり着くまではもう少し歩かないといけないらしい。
ぐねぐねと曲がる道を歩きながら、小さくつぶやいた。