2017/04/27 のログ
シャルレ > 昼間は、みんな普通なのに、夜になると人間は化けて動き回るのかとか…
酔っ払いの様子を上から見てる分には飽きることもない。

人の入り乱れる様子を何件か見てると…。
急に、下から手が伸びてきた。

「…?!!」

思わず反射的に座ってたのから背中を丸めるように、威嚇の形をとりかけて、
その声が既に歩き始めて離れていくのを見つけると、地面まで降りて後ろとついていく。

「ニャーニャーニャー」(おやつとったー、なんでおいてくのー)

酒場という人の多いとこで変われない、後ろを早足でついていきながら、明らかに文句のような声を出して鳴く。

スヴェン > 乾物を取り上げれば明らかに驚いた風に見える猫
一瞬、此方を威嚇しようとした気配に気がつけばにやり、と悪戯っぽい笑みが浮かぶ
木箱から降りて歩き始めれば後ろから抗議してるような鳴き声が聞こえる
振り向いて猫が近づいてくるのを待ち、直ぐ側までくればひょいと、腕を伸ばして抱き上げてしまう

「…怒ったか?怒ったよな…?じゃあ、食べさしだが、返してやろう」

半分ほどに大きさの減った小魚を抱いた猫の口元へ持っていく
はむ、と猫が銜えればぽふぽふ、と頭を撫でながら夜の街をぶらぶらと隊舎へ向かって歩く
酒に火照った肌に夜風は冷たく心地よい、歩く人もそれほど多くない地区で歩きやすかった
腕を組むようにして抱いた猫を下ろすタイミングを探りながら、ふわり、と欠伸を零しながら歩き続け

シャルレ > 後ろ姿を追いかける、いつもなら呼んでくれるのに、抱っこしてくれるのに…と、
早足になりついていくと、足が止まった。

そのまま近づいて抱き上げられると、ひとまず満足。
食べかけの半分を、口元にもってこられたら残りをシャクシャクと干物の音をたてながら食べると、
抱かれてる尻尾が揺れて。

「ニャーァ」(もぉー)

そこまで怒ってはないけど、驚いたのと、なんでなんで?と思ってのこと。
夜の賑わう街を抜けて隊舎へ近づいて来ると人も減ってくる、腕の中から伸び上がって耳のとこをザラっとした舌で舐める。

彼に教えた合図、抱っこも満足だけど…。

スヴェン > 干物を返せば腕の中で尻尾を揺らしながらもしゃもしゃと干物を食べている
…たぶん、怒ってはないのだと思う。怒っているのなら鋭い爪を見舞われたに違いない
猫に引っ掻かれると傷口から雑菌が入り、化膿するというような話を聞いた気がするが、この娘はどうなんだろうか?
一応、綺麗にしているという事だったが……腕の中で、何か鳴いているようだが、猫の姿では
何か伝えようとしているらしい事くらいしかわからないのでそんな事を考えていれば、不意に耳のあたりを舐められる
思ったより、ざらっとしていて、変な声が漏れそうになったがグッと堪えた

「はいはい、覚えてるよ…っと…」

抱いていた猫を、膝を曲げるとひょい、と地面に下ろしてやる
抱いたまま連れ帰っても良いのだが、何か言いたいことがあるに違いない
食べた分の小魚を返して欲しい、と言われても胃の中に収まってしまったものは返しようがないのだが…

シャルレ > 腕から下ろされると、少しもったいない気がした。
あったかかったのに…でも、一応隊舎の前だし、お話もできない不便。

地面に下ろされて姿をかえる、広がった髪を直しながら手を伸ばし、つなごうとして

「スヴェンの手、急に出てくるとびっくりした。あそこの近くにいたんだね。」

怒ってもない、驚いたことを訴える、声があったから引っかかなくて済んだけど、無言で取られたら…ネコパンチが飛んでたはずだから。

スヴェン > 「猫攫いでなくて良かったなあ…」

伸びてきた手に少し待て、とその手を制して
彼女の髪に手を伸ばせば軽く手櫛を入れてやり、整えてやる。整える、といってもまあさらり、としているから
何度か軽く髪を撫でてやるだけで済んでしまうのだけれども

「前も言ったけど、夜は気をつけろよ…特に貧民地区のあたりはな…
 猫でも腹が減ってりゃ食う連中だっているからな…」

かつての自分だとか…とは、流石に言い出せなかったけれども
ともかく、彼女に腕を差し出せば掴まるように促してまた歩きだす
もう隊舎もすぐ前だし然程、距離もないのだが

シャルレ > 手を握る前にとまる
彼の指で白くて長い髪が手櫛で軽く流されていくと、サラサラととけて空気を含んでふわっとする。

「うーん、逃げるように暴れるけど………猫、食べるの?」

ぎょっと驚くようにその言葉に驚きといっしょに怖くなる。
腕を差し出されると肘のあたりに手を回して、一緒に歩き始めて…すぐに着いてしまった。

「ねーね、お部屋今日も行っていい?」

せっかくお話のできる姿なのに、眠る前の彼との時間を強請るように伺うように首を右に左にとかしげながら。

スヴェン > 「そりゃあ、どうしようもなく腹減ってたら食うだろ…」

ちらり、と彼女へ視線を向ければ驚きと恐怖が混じり合ってるような気配であった
ビビってる、とか内心思いつつニマニマ笑みを浮かべながら、彼女の歩幅に合わせて歩く内に隊舎のドアの前…

「ん…別に良いよ…特に用事もないし…」

夜中にも時折、自分のベッドに潜り込んできたりするので慣れっこである
時々、猫の姿のまま潜り込んできて寝返りをうち、あわや…という事も無かったではないが、
流石に事前に言ってくれれば、間違って伸し掛かってしまうようなこともないし、
人の姿であれば、抱枕に丁度よい

シャルレ > 「食べるの…猫。スヴェンも…食べたことある??」

顔が思わずひきつる、想像はすごく怖いイメージになってて、彼もまさか?とドキドキしながら聞いてみる。

彼の部屋のドアにつくと、手を放して扉をあける。

「うん、今日は、じゃあこのままね」

猫のままでも一緒に眠ることも多く、暖かい寝床が増えた感じ。
彼の部屋に一緒に入れば一直線になれたようにベッドに向かう、ブーツを脱いでベッドにあがりこんだ。

スヴェン > 「……ノーコメント」

なかなか味わい深かった、とでも言えば良かったのだろうか
彼女の表情を見てしまうと言葉に困った挙句、小さくそれだけ返した。察しが良ければ気が付きそうなものである
ともかく、部屋までたどり着けばぱたぱた、とベッドに向かっていく彼女
自分は上着を脱ぎ、コート掛けへ掛ければ机の上の水差しからグラスに水を注ぎそれ一杯飲み干す
そうしてから、ブーツを脱ぎ、へたり、とそのままベッドに倒れ込んだ
ほんのりと石鹸の香るシーツがありがたい…軽く伸びをしてから毛布を引っ張り上げれば互いの身体に掛けて

シャルレ > 「ぇぇぇぇえ…」

隊舎の中なので、フードも下ろしてたから耳はなくなったくらいにペタンと伏せられてしまうほど。
一緒になって倒れこむように転がると、楽しそうにクスクス笑って、彼のもとに転がる。

「スヴェンもお酒たくさん飲むと、化けちゃうの?」

最近のひとり遊び、酔っ払い観察。
あの場所にいたということは、飲んでたのだろうと考えた。
そういえば、彼はお酒を飲んでも暴れたり化けるのを見たことがなくて。

スヴェン > 伏せられる耳にこれはどういう反応なのだろう…と首を傾げる
彼女が転がってくれば、ぽふぽふ、といつもの通り頭を軽く撫でるように腕を伸ばした

「俺、あんまり酒強くないんだって…
 化けても猫にはならんだろうが…眠くはなるよ」

頬杖をついて、ふわふわ欠伸を零しながら彼女の白い髪を弄る
どうにも、酒が入り、一定量を超えると感情が吐露するよりも先に眠くなってしまう質で、
部下にも酒を飲んでもすぐ寝てしまって面白くない、と誂われる…いっその事、暴れるような酔い方であれば、
威厳もあるのだろうか、と思えば苦笑が浮かぶ…髪に触れていた指先が彼女の耳を軽く擽ると、
ぽふん、と頬杖を解いて、軽く彼女の頭を胸元へ抱き寄せた…くわっ、と欠伸を零せばそっと髪にキスを落とし
そのまま、緩く鼻先を彼女の髪に埋めて

シャルレ > 怯えるように不安に耳はなくなったみたいになる。それでもいつもように撫でてくれる手の動きに
耳も出てきてはただ伏せたような形。

「そうなんだ、あそこで見てるとね、人間おもしろいね」

彼は化けないということ、眠くなるのは外では…帰れなくなるし、この部屋での飲みならと企んでみる。
欠伸をする様子をジーっと見つめてたけど、胸元に抱き寄せられると目を閉じて。

「スヴェン疲れた?…よしよしね」

額に触れる唇の感じ、眠る前のサインだと覚えたこと。
毛の手入れも念入りにしてるし、日向ぼっこもしてきたから。
背中にまで腕をまわせなくて、こそっと腕のとこを撫でるように手を動かして。

スヴェン > 「…猫は普段、そういうことを考えているわけ?」

彼女の言葉に一瞬、眼を丸くしたと思えばクスクスと笑い出す
これは、彼女に限らず猫の前で何か仕出かせば、面白い、と言われてしまいかねない

「…寝付きが良いのが取り柄なんで…まあ、疲れてるのもあるけどな…」

撫でていた手をするり、と下ろして彼女の背中に回す
ふわふわした尻尾に少し触れたいような気がする…どうしたものか…そんな事を考えているうちに
もう一度、大きな欠伸…尻尾はまあ、起きてからでも良いだろう…そう思えば、背中やそこへ流れる髪に触れるよう
指が僅かに動き…それが止まれば、静かに寝息を立て始めた
何気に彼女の着るワンピースの腰のリボンの素材が手触り良くさわさわ、とそこを無意識に撫でつつ、
くたり、と身体から力抜ければ、それっきり…あとは、朝までぐっすりだったようで……―――

シャルレ > 一緒に眠る時に感じる、体温の暖かいの、鼓動の心地いい音。
頭に添えられてた手が、背中に腰にとわかる。
目を閉じて、胸元にすりついていると、頭の上から寝息が聞こえてきた。

いつもは自分が先に寝てしまうから…。
もぞもぞっとだけ頭を出せば、チュッと頬に触れるだけのキスをおくり。

「おやすみなさい」

また胸元にモゾモゾもどっていく…。暖かい毛布に体温に包まれて。
安心できる場所でスーっと意識を手放していく。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシャルレさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からスヴェンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にティエンファさんが現れました。
ティエンファ > 「っでさー、ゴブリンの巣に潜ったら、俺の2倍は高さのあるトロルが出てきてさ!
 もう、マジ、死ぬかと…普通の攻撃じゃ蚊ほどにも感じないみたいだったし…」

酒場のカウンター席、焙り肉を口に運びながら、戦果報告をする冒険者。
その目の周りには青々とした痣があった。 片目だけパンダになって酷くみっともない仏頂面。

「情報は命だぜマジで 何とか倒せたけど、魔術師がパーティに居なかったらあにゃ逃げるしかなかったな
 …いやまあ、特別報酬が出たのは有り難いけど、生きた心地がしなかったよ」

ぐい、と酒を呷って息を吐く。 疲れた、とカウンターに突っ伏した。

ティエンファ > 「人間相手は技術や知恵が厄介だけど、大物の魔物は単純に、力と速さが圧倒的だからなあ…
 あれに対抗するには、もっともっと腕を磨かなきゃならんぜ
 当面の目標は、トロルとタイマン張って殴り勝つくらいにならないとな」

体格としては決して、恵まれてるとは言えない少年は、そんなとんでもない野望を胸に抱く。
元冒険者の渋いマスターは、口の端に笑みの皺を刻み、短い言葉で応援する。
それに笑顔で、おう、と答える少年。 あぶり肉に添えられた揚げ芋を齧る。

「とりあえず、数日は休日にしよう…疲れた…
 あ、マスター、お酒おかわり ぬるい麦酒で頼むよ」

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にチェシャ=ベルベットさんが現れました。
ティエンファ > 「はぁー…アレだな、俺はやっぱり大物喰らいでどうこうって言うより、技を競い合うっての方が性に合ってるわ
 ドラゴンと戦うよりも、最高の戦士と戦う方が心惹かれるねえ…」

顎をカウンターに乗っけたまま、咥えた芋をもぐもぐと短くして、飲み込む。
ぺろりと塩味がする自分の唇を舐め突っ伏す。

「まあ、その前に親父殿に一発当てられるくらいにならねえとなあ
 親父殿なら、あのトロル位一撃なんだろうなあ…くそう」

チェシャ=ベルベット > カラン、と酒場のドアを鳴らし入店する一人の少年。
周囲に特に注意を払わず、まっすぐにカウンターに寄っていくと
そこに見知った顔が仏頂面で突っ伏しているのを見つけ、近寄った。

「ティエ!」

それまでツンと冷たく澄ました様子だったチェシャの顔がぱっと華やぐ。
ひと目もはばからず、ぴょんとその背に抱きつこうとすると、
ティエンファの顔についた青あざにぎょっとしたように驚いた。

「ティエ……どうしたのその顔?誰かにいじめられた?」

ティエンファ > 「んおっ? あー? ああ、チェシャじゃん 良い夜だな、こんばんは」

チェシャを知る者が見れば、チェシャの表情の変化に目を丸くしただろう。
飛びつきかけたチェシャの声に顔を上げれば、チェシャの言葉に、あ、と思い出したように顔に手を当てる。

「いやー、デカくて太くて逞しいのに、一発ヤられてな」

軽く笑って下品な冗談を飛ばして、でも、飛ばしながらちゃんと隣の席をチェシャに引いてあげる。
ざっくりと、マスターに愚痴ってた依頼の内容を話せば、頬杖をついて溜息。

「で、ちょっと悔しくて自棄酒中 …一人で呑むつもりだったんだけどな」

そんな言葉を言いながらも、チェシャに笑って見せる。
麦酒を持ってきたマスターを見れば、チェシャに

「トロルの分報酬が上乗せされたんだ 奢らせてくれよ」

チェシャ=ベルベット > 下品な冗談にますます顔を青ざめさせるチェシャ。
金緑の目がぎらりと剣呑に光る。

「デカくて太くて逞しい……。まさかティエ、掘られたの?
 そんなのやだ!僕がティエを抱こうと思ってたのに!」

わりと本気で嫌がっているような独占欲のようなものを見せ
ぴったりとティエンファの脇に寄り添って座る。
事の次第を詳らかにされれば、自分の勘違いに徐々に顔を赤らめてむすっと黙りこくった。

「なんだよ、ティエの貞操が誰かに取られちゃったのかと思った。
 無事でよかったね、でもティエが押し負けるなんてなんかやだな。
 僕がその場にいたら一緒に戦ってあげたのに」

出来もしないことを口にして、奢られると言われれば素直に恩恵に預かる。
僕、マティーニがいいときちんと注文をつけた。

ティエンファ > 「えっ、何その野望 俺の後ろはまだ未開封なんですけど!?
 冗談だよ冗談 …でも、この顔のも、掠っただけでこれだぜ、ひでえもんだよ」

思わず突っ込みつつも、身を寄せるチェシャの頭を撫でて、自然な仕草で額に唇を寄せた。
それから、段々と赤くなって仏頂面になるチェシャに肩を揺らして笑い、
料理の皿をチェシャにも勧める。

「食いなよ、ここは鳥の焙りが旨いんだ
 …って、おいおい、俺の後ろがどっかで開封されること前提で話してないか!?」

注文を受けたマスターがカクテルを作り出す。
お洒落なのを頼むなあ、と感心したように目を瞬かせるが、
チェシャには似合うな、と笑って返す。

「俺はあくまで人間の身体だしな 巨人族にゃあ敵うべくもない
 でも、チェシャが居たら百人力だったろうな!
 …そうやって言ってくれるだけで、ちょっと気が安らぐぜ」

ありがとな、と笑ってチェシャの頭を撫でる。

チェシャ=ベルベット > 「僕、ティエと最後に話してからずっと考えてたんだ。
 僕はティエのものに完璧にはなれないし、ティエを僕のものにしたくてもそれもできない。
 だから一時だけでも僕がティエを抱いてものにしちゃえばいいのかなって。
 未開封なら初めて、もらえるかもしれないし」

わりと真剣な様子で自分の考えをぼそぼそと告げる。
額に寄せられたティエンファの唇を、ん、と気持ちよさそうに受け入れ
自分も入れ違いにティエンファの頬にキスをした。

勧められた皿にありがとうと短く礼を言ってもぐもぐと指先でつまむ。
黙々と食べる様子にそれが気に入ったことがティエンファに伝わるだろう。

「……あんまり危ないこと、しないでよ。
 特に僕が居ない時に何か合ったらそれこそ僕は気が気じゃないよ。
 っていってもティエにはわっかんないだろうなー僕の気持ちなんて。
 武芸者としてってなっちゃうともう脳筋なんだもんなぁ……」

はぁ、とため息をつきながら頭を撫でられつつ曇った表情を見せる。
マスターからカクテルを受取るとそれを一気に煽った。

ティエンファ > 「うん? どうしたよ、のっけからそんな真面目な顔して…
 …って、なんだ、チェシャお前そんな事考えてたのかよ」

目を丸くして、頬に柔らかな感触を覚えれば、くすぐったそうに微笑む。
じゃれるようにチェシャの頬を人差し指の背で撫でながら、その横顔を眺め。

「俺は俺で、チェシャはチェシャさ 誰の物でもない
 だからこそ、一緒に居たいと思うもんなんじゃね?
 そんな思いつめた顔すんなよ、似合わんぜ」

その手を離せば、頬杖をついたままチェシャの様子を眺める。
最近少しだけ分かってきたチェシャの事。 ツンツンしているけど、こういう所は判り易いのだ。
思わず頬を緩ませ、チェシャは可愛いな、なんて口にする。

「んー、すまん、武者修行じゃあ安全な事ばっかりしてもられなくってさ
 って、そんな顔すんなよ、悪かったって! 次はもうちょっと気を付けるからさ!
 …いや、精一杯気を付けた結果ではあるんだけど…!」

そこで、無意識に自分の胴に手を当てる。 そこで、チェシャは気づくだろう。
珍しく首のあたりまでボタンを止めた上着、その下の身体は痣だらけなのだろうと言う事が。

「…うぐ、脳筋ってのは否定できないっ まだ未熟だからなあ…
 こう、ほら、あれだよ、チェシャ、闘ってるとこう、痛みより、もっと前へって思っちゃうじゃん?
 え、思わない? 相手が強いとテンション上がらね? 上がらない? あそう? え、マジで?」

脳筋だった。
注文するよりも先に、マスターはカクテルのお代わりを作り出していた。
乾杯も出来ずに、凄く気まずそうにぬるい麦酒を一口飲んで、
それから、まるでしかられた子犬の様な目をして、チェシャを見て…。

「…心配かけてごめん でもそのー…
 …ごめん、心配かけたのに、心配してくれてるってのが嬉しくって、ちょっとにやける」

へら、とほっぺたが緩んだ。

チェシャ=ベルベット > ティエンファの人差し指の感触を受けてもなお表情は晴れない。
むすっとしたまま恨めしいような気持ちでティエンファを横目で眺める。
のらくらとした軽い相手の態度にはぁ、とまたため息をついた。

「ティエはずるい。正論ばっかり吐く。
 そんなんじゃ僕が子供みたいじゃないか……
 でもいつかティエのことは抱くからね、本気で」

可愛いと言われてますます頬を膨らませて赤らめる。
だが、ティエンファの上着がきちんと閉められていることを見て取ると
少しだけ怒りの感情が引いていく。
彼は冒険者なのだから命があるだけ物種なのかもしれない。
冒険者とはそういう生き物なのだから仕方ないという諦めも混じっていた。

マスターの出したおかわりをさらに口をつけて飲み、
子犬のような目のティエンファにうぐっと喉をつまらせる。

「……ティエのそういうとこ嫌いだ。
 あんまりそういう顔されると怒るに怒れなくなる。

 僕も遺跡にもぐったりはするけど、もっとうまくやるし痛いのは嫌い。
 でもティエはそうじゃないんだなってもうわかりきっているから、

 いいよ、とは言えないし心配はこれからもするけど……本当に、無茶しないで。
 死ぬくらいなら、逃げていいしティエはまだ若いんだからできる範囲と身の丈を考えて」

伏せた目はそっとティエンファを見やり、カウンターに乗せた相手の手と自分の手を重ね
指を絡めてぎゅっと握る。

ティエンファ > 普段強気で、どこまでも前向きな武芸者だけれど、チェシャにこの目で見られると弱い。
悪い事はしていないという自負はあるけれど、自分を大事に思ってる人が悲しんでるのは分かるのだ。

「俺だってガキだよ 心配してくれてるチェシャに偉そうなことばっかり言ってる
 …え、えっと、まあ、その、えーっと、その時はまあ、お手柔らかに頼むぜ?」

良いよ、とは言わなかったが、ダメだ、とも言わなかった。
そしてチェシャの目が諦めたような静けさを湛えれば、酷く居心地が悪い。
罪悪感なのだろう。 怪我をしないとは口にできないが、内心で、もっと防御に重点を置こうと決める。
自分を大事に思ってくれる相手に、こんな顔はさせたくないのだ。

「そう言う顔? え、俺今どんな顔してた?!
 …ん、でも、うん、…もっと巧くやれるだろうなってのは分かるんだけどさ
 
 …うん、でも、判った もうちょっとこう、真正面から以外も考えてみるよ
 実際、前も真正面からしか考えないで大怪我負ったわけだしなあ」

頭を掻いて息を吐く。 視線がチェシャと絡めば、チェシャが自分の手を握る意味を少しだけ察して。
その手に指を絡めて自分から握れば、その手を取って少しだけ長く、その手の甲に口付けた。
それから、そんな自分の行動に照れが出たのか、チェシャの肩をグイッと抱き寄せて。

「何があっても戻ってくるさ チェシャがこんな風に言ってくれるんだから
 へへ、有難うな、チェシャ …気を付けるよ、約束する」

軽く頭を寄せ、頷く。 こうして誰かが自分を案じてくれてる事が、幸せだった。
…心配させてる、と言う申し訳なさがあるけれど、それ以上に、嬉しいのだ。

チェシャ=ベルベット > 言質とったからな、というジト目をティエンファに向けた後目を伏せる。
その時がもしきたのならば思いっきり優しく、甘く、ひんひん鳴かせようと心に決めた。

「叱られた子犬みたいな顔をしてた。
 そんな顔されたんじゃ強く叱れない。反省してくれたのならそれでいいし。

 君、頭は悪くないんだからもうちょっと考えたらいいんだよ。
 考えて自分の身体を大事にしてくれたなら、それでいい」

手の甲に口付けられた唇が熱い。その熱の心地よさに目を細めていると突然抱き寄せられた。
多少目を丸くするが彼の腕の中に収まるとそこが所定の位置だったような気がしておとなしくなる。

「……わかった、ティエを信じる。
 今日はこれ以上もう言わない。せっかくのお酒がまずくなる」

抱きしめられたことに嬉しそうに相手の頬へ頬ずりをする。
結局あまり強く怒ることができなくなってしまったのは彼に惚れ込んでしまった自分の弱さだ。
弱い自分は嫌いだが、それ以上にティエンファに対する気持ちが大きくてうまくいつものように冷静でいられない。

抱きしめられた彼からいつもの安堵するような匂いを嗅ぐと胸が高鳴った。
くふんと、鼻を寄せ相手の唇に口づけようとする。
ふるりと身体を震わせ熱っぽい吐息を口づけに絡める。

「ティエ……ごめん、こんな席だけど
 ティエに会えてすっごく欲情しちゃった。」

ティエンファ > 今人生のなんかのフラグを一本立ててしまった気がするけれど、まあ、それはそれ。
ちょっと楽しそうに目をじっとりと輝かせるチェシャを見れば、まったく、とちょっと笑った。

「頭悪くない、なんて言うのはチェシャ位なもんだぜ?
 …ん、でもまあ、そうだな、そんな言ってくれるなら、無い頭捻るよ
 有難うな、チェシャ へへ、じゃあ、次の酒は乾杯しようぜ、折角のうまい酒だ」

頬を寄せる少年、そんな姿を酒場の客が珍しそうに見るけれど、
少年は特に気にした様子も無く、寄せられた唇に優しく唇を重ねる。
カウンター席の隅だ、余り目立たないけれどマスターがワザと視線を外す。

柔らかいチェシャの髪に顔を埋める。 隠されてる獣の耳の圧場所に唇を寄せる。
自分とは違う甘いチェシャの匂いを嗅げば、うっとりとした声が聞こえる。
見れば、間近で眺めたチェシャの潤んだ瞳。 目を瞬かせれば、ちょっと笑い。

「…会えただけで? へへ、チェシャはエッチだなあ
 でも、うん、ちょっと分かる …チェシャ、今日は泊ってくだろ?」

誘うのではなく、確認の言葉だった。 抱く腕は離すけれど、手の指は浅く絡んだまま。
チェシャの顔を見れば、くすぐったそうに笑って。

「落ち込んでたからさ、誰かと一緒にいたかったんだ」

チェシャ=ベルベット > 「みんな、ティエのことをちゃんとわかってないんだ。
 でもそれって僕だけが知っているティエの良いところって気がして気分がいい。
 僕だけがティエのいいところちゃんと褒めて、認めている。誰にも教えてあげない、なんてね。

 はい、じゃあ乾杯しよう。先に口つけちゃったのごめん」

酒場のひと目も気にせず、好きな相手に好きな様に振る舞う身勝手さ。
それこそがチェシャであり、またティエンファに見せる顔であった。
軽く片手にグラスを持ち上げ、ティエンファのグラスにカチンと打ち付ける。

自分の髪にキスを落とされ、不思議とほんのり胸が暖かくなる。
敏感な耳の位置に口づけをされくすぐったそうに身を捩った。

「言ったろ、僕は淫乱だって。
 うん、泊まっていく。今日はティエと一緒がいい」

ティエンファの確認に素直に頷いて笑顔を向ける。浅く絡んだ指をギュッと握りしめ
ティエンファの頭を軽く撫でてやる。甘やかすような優しい手つき。

「僕の前でならいくらでも落ち込んでいいよ。慰めてあげる。
 ただ、ちょっとエッチな慰め方だけど……。
 ティエが落ち込んでいると、僕も胸がぎゅってなるから」

ティエンファ > 「皆が分かってないと言うか、チェシャが良く見てるんだよ、俺の事
 だから尚更嬉しい 俺を見てくれる人が居るって事だけでも嬉しいけど、それがチェシャだと尚更だ」

乾杯、と一杯だけ軽く打ち合わせてぐいっと飲み干すジョッキ。
二人一緒にカウンターに酒を置けば、適当に釣りが出る程度の金貨を置く。
余った分は次吞みに来た時の飲み代に補てんする。

「毎度淫乱だとか言うけど、…好きならエロくなるのが普通だろ?
 ああ、じゃあ、今日は一緒に寝ようぜ へへ、なんかこう、嬉しいな」

撫でる小さな手に甘えるように目を細める。
一度そっと、チェシャの肩口に顔を寄せて、暫くそうしてから立ち上がる。
握った手は離さないで、エスコートするみたいに。

「チェシャがそうやって励まして一緒にいてくれるから、安心して落ち込めるよ
 行こう、チェシャ 部屋で少し飲んで、それから一緒に楽しもうぜ」

ぞんざいな誘い方だけれど、その目は柔らかく。
チェシャは、まるでお嬢様にされるような手つきで導かれる。
部屋への道の間も、少年はチェシャの手を離さないで…

…その夜は、きっとたっぷりと身を重ねて、
そして、肌が溶けあうほどに抱き締め合って眠るのだろう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からチェシャ=ベルベットさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からティエンファさんが去りました。