2017/03/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 広場」にノエル・ベネトーさんが現れました。
ノエル・ベネトー > 夕暮れ時。
昼は人で溢れた広場も疎らになってきた頃。
様々な紙が貼られた掲示板を見上げるエルフは思案顔である。
文字が少し読めるようになり、民族衣装だった露出の激しい衣服から
王都のものへと着替えた姿は多少馴染んできたと言えなくもない。

そうなると、そろそろ現実的な面へと思考も移ってくる。
ノエルが求めるのは仕事だ。
今は庇護してくれる人がいるが、子供でもあるまいし延々と世話になるわけにはいかないだろう。
大人なら、自立せねばならない。

「んぅ…。」

たどたどしく文字を読むに、護衛や傭兵の仕事内容は自分には到底できそうにない。
この紙に書いてある中では貴族の使用人くらいならできるのでは、という低い能力値。
エルフの知識が必要な仕事はここには見当たらないし、そういう職は多くないのかもしれない。

「どのくらい稼げば暮らしていけるのでしょう…。」

ご案内:「王都マグメール 平民地区 広場」にグスタフさんが現れました。
グスタフ > 仕事募集の掲示板、王都ともなればそこには様々な情報が行き交う。
久方ぶりに運んだそこで、なんとも珍しいものをみた。
初めて、というわけでもないが。場所が場所だけにじろじろと見てしまう。
エルフだろう。なかなか……いい身体をしている。
彼女のつぶやきになんとはなしに応えてしまう。

「仕事を探しているのか」

自分でつぶやいてからハッとした。
口に出すつもりはなかったのだが、あてもないことはなかったが。

ノエル・ベネトー > 思わぬところから返事が返ってきたことに驚くでもなく(性格上マイペースなので)
とてもまったりとした仕草で振り返る。
たしかに今の自分は職探し中ですと言わんばかりの状態だったことだろう。

ほんのりと湛えた笑みで会釈をし、うふふ、と愛想笑いも。
愛嬌だけはあるエルフだ。他は人並以下であるけれども。

「はい、一応。
 ここはお仕事がたくさんあるようなのでいずれ見つかるかしらって思っているのですが。
 何せまだ土地に不慣れですから…追々でしょうか。」

慌ててはいない様子。
身の上を軽く触れたところで。

「ノエルと申します。
 つい最近こちらへ参りました。」

グスタフ > 「そうか……故郷を離れて暮らしているのか? 珍しいな」

そういえば前に会ったエルフも旅のモノだったか。何か事情があるのだろう。
しかし、なんとも騙しやすそうな雰囲気だ。お上りさんなのは容易にわかる。

「これは、ご丁寧に。挨拶が遅れたなグスタフという」

時間を見て、相手を上から下まで見る。そして男には珍しい爽やかな笑みを浮かべて。その腰に手を添えるように近づいた。騙すつもりではないが、この相手ならば強引な方がいいだろう。

「どうかな、お近づきの記に。君に興味があってね……」

親睦を深めるために誘ったのは普通なら酒場だろうが、勢い安宿に導いて。

ノエル・ベネトー > 「そう…ですねえ…、珍しいのでしょうか…。」

能天気なノエルにしては珍しく口が重くなる。
ほぼ自分の意思でここにいるが、一応表向きは誘拐とされているのだった。
どんな態度をとり、どう証言しておくべきかよくわからず、生返事。

唐突に腰に回された手を拒むほど警戒心はなく、初対面の相手についていく――
が、導かれた場所を見上げてしばし考え込む。

王都に来てそう日にちは経っていないが、庇護してくれている人からいろいろと教わっている身だ。
ここは自分の住んでいた森よりも誘惑が多く、危険も多いらしい。
そう、例えば相手が友人であったり、もう少しでいいからお互いを
語り合う仲であったならこのまま何のためらいもなく入っただろうけれど―――

「ごめんなさい。
 わたし、帰ります。
 今日はお夕食をきちんと作ってみようって思っていたところなんです。」

何の力もないエルフでも、腰に回された手だけであれば距離をとることは可能だろう。
申し訳なさそうに眉を下げ、そして成熟した身体でありながら、まるで子供のように
ととと、と駆け去っていくのである。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 広場」からノエル・ベネトーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 広場」からグスタフさんが去りました。