2017/03/15 のログ
ご案内:「喫茶店 Nodding anemone」にリスさんが現れました。
リス > 急遽予定が空いてしまったので、少女はまたこの店にやってくる。
 マスターも、ウエイトレスも、女の子だけという、女の子だけの園。
 二度目ともなれば、扉に入ってすぐのチェックに驚きもなくなる。
 無事に入店が認められて店内に入れば、今日も誰もいない。

 もしかして、誰もいないのではなくて、直ぐに相手が見つかって奥の部屋に行くとか、待ち合わせてデートしているのかしら。
 そんな風にも思えてしまう。
 とりあえずは、コーヒーを注文してからカウンターの席へと移動する。
 誰が来るかも知れないし、誰も来ないかもしれない。
 コーヒーに角砂糖をひとつ入れて、かき混ぜながら、コーヒーを一口。

リス > 「最近、あの温泉宿に行ってないわね」

 コーヒーのカップをソーサーの上に置いて、ふと、思い出して呟く。
 あの温泉も気持ちいいし、良い出会いがあった。
 最近は、忙しすぎたし、思い出せていなかったのね、と軽くつぶやいて小さく笑う。
 忘れる程度の場所でしかないのだろう、あそこだけが行き先じゃないし。

 今度でいいわね、今度とそんなふうに考えて、再度コーヒーを一口。
 砂糖一つの苦味を楽しみながら、別になにか注文しようかしら、とメニューに目を這わせるも。
 なんとなく注文する気が起きなくて、まあいいか、と視線を逸らす。
 まだ、寒いこの季節春になったら、新しい服でも買おうかしらとか、仕事を離れたひとりの少女は考える。

リス > 静かな時間は続く。
 来客はなく、今いるのは少女一人。
 のんびりとした時間というのは、退屈を感じているととても辛いものである。
 何かしら本でも持ってきたほうがよかったのかしらとは思うが、本は本で高級品だ。
 止めておいた方が無難だと思い、やれやれとため息。
 なにか注文してしまおうかしらと、もう一度メニューを眺める。
 女の子専門の店というだけあって、低カロリーの食品や甘いものがたくさんある。
 甘い物自体は砂糖を使った高級品から、果物で作られたお手頃なものまで幅広い。

 見てしまうと食べたくなってきてしまう。
 でも、これ以上増やしたくないものもある。
 そんな板挟みに、ついつい、メニューを見る視線が厳しいものに。

 自分との戦い、始まってしまいました、無駄に。

ご案内:「喫茶店 Nodding anemone」にティネさんが現れました。
ティネ > 甘い香りに誘われたとでも言うのか、窓の隙間からちっぽけな蝶羽根の少女がふよふよと舞い込んでくる。
ひやかすつもりで入り込んでみたら、店の席の一つで
見覚えのある女の子が妙に険しい顔でメニューを睨みつけていた。
いたずら心が沸いて、そろそろと音を立てず忍び寄る。

「どうしたの? 仇の名前でも載ってた~?」

気取られなければ、彼女の肩の上にひょいと乗って耳元で話しかけてみる。

リス > むむむ。視線はしっかりと据え置かれ、親の仇を見るかのようにもなってきていた。
 そんな状態では、ドアベルが鳴らない窓からの侵入者に気がつくはずもない。
 マスターとウエイトレスは気がついたのか、彼女に静かにお辞儀していた。
 声を出さなかったのは小さな彼女の意図を汲んだのかもしれぬ。

「ひにゃ!?」

 耳元にかけられる声。
 意識がメニューに集中していたから、唐突な声掛けに驚いてしまう。
 びくーんと、全身が大きく震えて慌てて全身で振り返る。
 右見て、左見て。あれおかしいな誰もいない。
 え、どゆこと、と首をかしげてから、マスターの視線に気がつく。
 視線を追って肩を見て、久しぶりに見た小さな女の子。

「もぅ、驚かさないでよ……っ。」

 あまりに驚いたので、ぷりぷりと、怒りを顕に、後安心のこもった大きな吐息。

「お久しぶり、ね、ティネ?」

 小さくえみを作り上げて、ご挨拶。

ティネ > 期待以上にいい反応をしてくれた。
もっと色々してもよかったかもしれない。

「わー」

木の葉が落ちるような軽やかさで肩を飛び降りて
テーブルの上に着地……しようとしてこけて突っ伏す。
立ち上がる。微妙にどんくさい。
あははとマスターに手を振り、そしてリスにも。

「お久しぶり、リス。えへへ、全然気づく様子がなかったから、つい~。
 それよりさぁ、さっきの目つきはなんだったの?
 お値段? それともおカロリー?」

とかなんとかのたまいながら、自分もメニューを覗き込む。
ケーキひとつひとつのやたらと長い名前を左から右へと、首を巡らせて。

リス > 大きさの差は、もはや遊具いらずという形らしい。
 面白そうに滑り降りていく。
 カウンターにペチリという音を立てて落ちた。ちょっと痛そう。
 でも元気そうに立ち上がったからまあ、いいかと流すことに。
 ティネの手を振る様子に答えるように手を振り返した。

「あはは、おカロリー様の方。
 お値段はお手ごろだからいいのだけどねー。
 美味しいと、ついつい食べちゃうし、甘いものはね?」

 すぐ血となり肉となってポヨンとしてるからだが更にポヨンとしてしまう。
 これ以上は流石に増やしたくないなぁ、と軽く苦笑。
 小さくて、軽そうな彼女、ぱっと見スレンダーな肉体を見て、いいなぁと羨ましそうに。

「ティネはいいなぁ、スレンダーで。」

 以前お風呂で見た彼女の裸を思い出しながら、うらめしやぁ。

ティネ > 「なんならボクとシェアする?
 いろんな味が楽しめてカロリー様も宥められてボクが笑顔になって一石三鳥だよ?」

などと提案するが、もちろん支払い能力のないティネは知り合いにたかりたいだけに過ぎない。
カウンターの上、メニューとリスの間を素足でちょこちょこ歩き回ったと思ったら
ぺたりと座り込んだり忙しない。

「いいかな~? いくら食べても血肉にならないっていうかさー。
 本当はすくすく育ちたいんだけどね。
 胸もお尻もあと身長も今の十倍とか二十倍ぐらいになってさ」

ぼやきだか自慢だかわからない風なことを軽い口調で漏らす。
むしろ羨ましいんですけど~? とリスの二の腕に全身で突撃(小数点以下のダメージが発生)。

リス > 「シェア。」

 彼女の提案に思考。
 ティネちゃん→ミニマム→お腹もミニマム→ほとんど残る→おカロリー様直撃。
 見た目以上に食べるのだろうか。
 それなら良いのかもしれないが……いやいやでもまてよ。
 思考がぐるぐるぐるぐるぐるぐる、円環の理。

 結果。

「ティネちゃん、好きなの一つ先にどうぞ?」

 にこやかに提案することにした。
 彼女がどれだけ食べるか、先に確認。
 所謂一つの、人身御供作戦。
 動いてるので、カロリー消費は激しそうだ、まる。

「いいよぉ、だって、羨ましいもの。
 痩せてる方が綺麗で人気あるみたいだし……。
 10倍20倍大きかったら、もう、ティネちゃんと、抱きしめ合ってたっぷり楽しめそうで嬉しいなぁ。」

 軽い口調で言ってくる彼女。
 少女の柔らかな二の腕はぷるんと彼女の肉体を受け止めました。
 ぷにぷにして、小数点以下のダメージを拡散しました。
 クッション効果というあれです。

ティネ > 「やった~。じゃあねえこのプリン・ア・ラ・モードってやつにする~」

リスの内心の複雑な思考なんて知ったこっちゃないという感じで喜びの舞を見せる。

「リスぐらいのふっくら加減好きだけどなーボク。やっぱいろいろ大きいのはいいことだって。
 まあ、ボクがふつーのカラダだったら美少女過ぎて他の女の子にかわいそうになっちゃうから
 ちょうどいいのかもね?」

軽口に軽口で返して、ふにふにの二の腕には抱きついたりまたがったり寝そべったりと
テーブルマナーどころの話ではないレベルで満喫していた。
うっかりそのまま眠ってしまいそうなところで注文したプリン・ア・ラ・モードが届いた。

「よーしいざ参る!」

スプーンを太刀のように勇ましく構えてプリンの皿に突撃する。
結果だけを記すと1/3位食べたところでぐでーっとだらしなく横たわってしまった。
ティネの寸法からすれば驚くべき戦果ではあった。

「もーむり」

膨らんだ腹。上に乗っていたチェリー(手付かず)を引っ張ってべしべしと弄ぶ。
クリームやらカラメルやらであちこち汚れてしまっていた。

リス > 「わぁ……。」

 なかなかに勇気のある選択。
 プリンに生クリームに果物に、色々な甘い物、お値段もそれなりにする。
 高級品であるそれを躊躇なく頼む彼女、リスが驚いてるのはお値段ではなく大きさ。
 お値段が妥当というぐらいにしっかりとしたスイーツが出てくる。
 代金を払いつつ、彼女の食べっぷりを観察することにしよう。

 計画通り

 というやつである。

「ふふ、嬉しいな。
 後でたくさんお礼しないと。
 もし、ティネちゃんが私たちと同じ大きさだったら、ほかの女の子に取られる前に私が独り占めしちちゃうわね。
 ティネちゃん組み敷いて、いっぱい愛しちゃうの。」

 彼女は彼女だから、『もし』の話を軽く流すことにする。
 テーブルマナーはまあ、小さすぎるし彼女専用の椅子もないし仕方がないんじゃないだろうか。
 自分の腕の上だし、気にならないしむしろ可愛いし。

「がんばれ、がんばれ。」

 ハートマークを撒き散らして応援、何というか……こういう大きな甘味に突撃できるのは見ていてちょっと羨ましい。
 食べても亡くならないなんて、幸せだろうなあ、と。
 そんな風に見ていれば、動きが止まった。

「お疲れ様。
 たべたねぇ……。」

 食べ飽きたらしく遊び始める彼女。
 思った以上に食べてくれた、これならカロリーは2/3だし、いい感じかも。
 というか、お腹いっぱいと言ってるのにスタイル崩れてない羨ましい。
 ひょい、とティネの弄ぶさくらんぼをつまみ上げて食べて。
 マスターにおしぼりをもらってティネに体を拭くようにに差し出そう。

 彼女が体を拭いている間に、2/3アラモードを処理し始める。

「~~~~~♫」

 甘味が幸せです。