2017/03/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にルイトさんが現れました。
ルイト > 平民地区によくある酒場のうちの一つ。
その隅にある席にだらしなく腰掛け、男はちびちびとエールを飲んでいた。

用心棒を雇っている意味がないのでは、と思うほどにこの酒場には喧騒が無い。
どうせなら喧嘩の一つでも起こしてくれれば酒の肴にでもなるし、自分の出番もあるというのに。

そんな想い募る溜息を零しながら、酒が飲み放題なのを良いことにただ寛いでいるのだ。

ルイト > 「………あ?」

一杯がそろそろ無くなりそうかと言う頃、男の怒声が上がる。
先ほどまで楽しそうに飲んでいたというのに、打って変わって険悪なムードだ。

仕方ないと席を立ち、気色ばんでいる髭面の男に近寄った。

「……悪いけどさ、喧嘩なら他所でやれよ。此処でやられると俺が困るの」

何をっ、と掴みかからんとする男の首元に、音もなく木刀の先端が突きつけられる。
ふん、と鼻で笑ってから、脅しのつもりかひたひたと左肩を軽く叩いた。
一歩、また一歩とあとずさっていく男を尻目に、元の席へと戻っていこう。

ルイト > どうせなら殴りかかってこられた方が面白いことになれたのに。

そんなことを思ってしまうほどにこの店は暇だった。
ちぇっ、と小さく、誰にも聞こえないほどの舌打ちを漏らすと酒のお代わりを注文した。

そうして夜は更けていく――

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からルイトさんが去りました。