2017/02/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアーバインさんが現れました。
アーバイン > 平民地区の中で、どこにでもある酒場のうち一件。
 早い、安い、味はそこそこでも、分量はメガ盛りな冒険者の宿兼任の所だ。
 本日はお日柄もよく、受けた依頼を無事にこなして報酬をもらえただけではなく、依頼人の要求以上の成果を出して追加の報酬まで。
 ボーナスが入ったなら、やることはひとつだと、男は酒場にやって来る。

「おぅ!いつものよりもいい酒くれよ!」

 馴染みとなったいかつい顔のおっさんマスターに、男は破顔しながら注文を。
 金はあんのかという顔に、ほれどうよ、とばかりに、金貨の詰まった袋をどん、とカウンターに置いて見せよう。

 『文句言わずに持ってこいよ』『ああ、わかったよ。』といういつもとちょっと違うやりとり。
 それもまた、いい酒飲めるなら酒の前の軽い戯れだろう。
 ちゃんと袋は回収しつつ、鼻歌交じりでカウンター席に腰を下ろそした。
 ぎし、と言う音を響かせながらも、男と鎧の重量を支える椅子は、案外しっかりしていた。

アーバイン > 暫く待てば、酒がどんと、ジョッキで出される。
 いつも飲んでいる安酒ではない、もうワンランク上の酒。
 依頼で大儲けした時にしか飲めないちょっと贅沢リッチなご褒美。

「いやいや、なんというかこれが幸せってやつだな。
 払いの良い依頼人に万歳だ。」

 呵々大笑しながら、周りの冒険者仲間に乾杯と、行って見せながら酒を一口。
 喉に焼け付く感触が、滑り落ちていく刺激が心地いい。
 ふは、と酒精交じる吐息吐き出してから、さてと、マスターを眺める。

「適当に腹に貯まるもんとつまみを頼むわ。肉多めの感じがいいな。」

 軽食を注文してから今日のメンツに視線を向ける。
 今のところ、常連の冒険者、どれもともに出かけたこともあるし、依頼で戦ったこともある奴らばかり。
 今日は代わり映えしたのいねぇなと、軽く酒を煽る。

 代わり映えしていないからこそ、安堵できるというものでもある。

アーバイン > 酒を呷る。体が温まり、全身に活力が巡る。
 生きていると感じられる、素晴らしい瞬間だと男は口元に笑みを浮かべる。
 三白眼と相まって凶悪犯の笑にしか見えないのだがそれは、言ってはいけない。地味に凹む。
 酒を呷っている間に注文した食事がやって来る。

「おう、アリガトさん。」

 マスターに礼を言いながら、ふと思う。
 マスターではあるのだが、マスターというよりもおやっさんという感じだろうか。
 老齢に良くある白髪まじりの髪の毛、衰え始めてるがまだまだがっしりしている肉体。
 角ばった体育会系の顔。
 マスターよりもおやっさんという方がいいか、おやっさんに改名。
 摘みをつまんで口に運びつつ、男はそんな失礼なことを考える。

アーバイン > しかしまあ、一人で飲んでるとさみしいもんだ。
 ほかの常連は気が付けば去っている。
 明日依頼があるとかなんとか言っていたか、仕方がない。
 こっちはのんびり飲んでいるだけだ。
 まあ、そろそろ上がって寝るのもいいのかもしれない。

 それもこれもいま注文した酒を全部飲み干してからという但し書きがつくのだけれども。

 こう、美人のおねーさんでも来て、酌でもしてくれないかねぇとか。
 酒じゃなくて娼館とか、女に金を使ったほうがよかったか。
 そんな風に酒に酔った頭で思考。