2017/02/02 のログ
セイン=ディバン > 「……あぁ、わかったわかった。完敗だ。
 リスさん。アンタのプロ根性には参ったよ。お手上げだ」

冒険者。世界に数多くいる、よく言えば夢追い人。悪く言えばならず者だ。
そんな相手にも、商売人として、そして取引相手としての誠意を見せる。
そんな女性の言葉に、男は両手を上げる。一連のやりとりでもって、完全に相手に対して敬意を持つに至ったらしい。

「世辞が上手いねぇ。俺なんざどこまで行ってもバラガキだってぇのに。
 ま、そんなもんかね……」

相手の言葉に苦笑いしつつ、考える。愛されたい。ある意味、人間の根源的欲求だ。
まぁ、イヤイヤ買われるよりかは、売り込みの強いメイドの方が使いやすいか、と納得。

「物は言い様、だね。それを言うなら、がめついのは俺もさ」

冒険者なんぞ、一攫千金夢見てナンボ、である。
相手のウインクには、くつくつと笑う。年相応の、若いイタズラっぽさがそこにあったからだ。

「そう言ってもらえると助かるよ。なにぶん、扱いが下手でね。
 弾丸の消耗が激しくていけないんだ。
 あぁ、火薬……。ん。こりゃいいや」

気遣いの行き届いている相手の言葉には、しっかり甘えておくことにする。
補給線としてこの店の馴染みになれれば、かなり大きいコネとなる。
男としては、しばらくここ以外の店は行かなくていいな、とすら思うほどだ。
確認した火薬に関しては、男はニンマリと笑い、油紙に戻すに留めた。
精製度合いの低い、かといって粗悪すぎる物でもない。
絶妙な粗製品。これこそ男の求めていた火薬だった。物の良過ぎる火薬は、反応も良過ぎる。戦場で即席で作るトラップなどには、緩やかな反応の火薬が欲しかったのだ。

「ん。その辺は信頼しているよ。
 まぁ、秘匿や隠匿を旨とする魔術師で、こういった商売ごとに付き合ってくれる人間は少ないからなぁ」

とりわけ、魔術師などは偏屈者も多い。相手の気苦労に、少し同情した。
そんな中でも、しっかりとしたマジックアイテムを扱っているのだから、改めて凄いことだな、と併せて感心。

「あ、いや。こちらこそそういったことを言わせてすまない。
 あ~……。まぁ、リスさんの奉仕は魅力的だが。
 それはなんだ。よりお互いを知ってから、だな」

気を使ってくれたのだろう。相手の言葉には視線をそらしながら応える。
正直嬉しくもあったが。誠心誠意まっすぐ告白してくれた相手だ。
どうせなら、男も信頼を勝ち取ってからそういったことをしたかった。

「あ、そうだな。それじゃあ……。ほいほい、っとぉ」

促され、懐から大量の金貨袋を取り出す。一般人が見たら卒倒するであろう。平民であれば数年間は遊んで暮らせる額だ。
そのまま買ったものを魔術で転送し、女性についていく。

チラ、と店員たちのほうを見る。買われる事を嫌悪しているのか。緊張しているのか。強張った顔の店員が約四割。なぜかニコニコして手を振っている店員が約四割。残りの二割は目を合わせてくれなかった。

リス > 「あらはしたない。
 お客様を言い負かしてしまいましたわ。」

 両手を挙げる相手に、そんなつもりはなかったのにと言わんばかりに口元に手を当てて言ってみせる。
 どうかお忘れくださいましね?と、楽しげに言ってみせる。

「お世辞というか、事実だと思いますけども。
 商売に関して意外は、セイン様の足元にも及びませんし。」

 お世辞かどうかを決めるのは自分ではなく、彼女ら奴隷。
 実際に彼のもとに行きたいという思いでのことだから。そこには世辞が入り込む余地などはない。
 それに、彼がガキだというのなら、自分はロリータである。
 あと一年で、そう言えなくなる年齢ではあるが、ギリギリなので言い張ろう。

「あら、がめついのであれば、商売人になるのも手ですわね?」

 がめつくないとやっていけませんし、と彼の冗談にあわせて返答して見せよう。

「もし旅先で足りないのであれば、各地のトゥルネソル商会をお願いしますわ。
 地域ごとの品揃えにはなりますが、武器防具等に関しては、どこも一通りの揃いがありますから。」

 商会はこの店だけではない。
 各地の大都市にはだいたい有るのだから、急場なら、別のトゥルネソルに行ってもいいだろうと。
 この店の売り上げもそうだが、商会全体の売上も重要なので。
 どうぞよろしくお願いします、とスマイル一つ。

「はい、有難うございます。
 マジックアイテムは、基本的に商品棚には並びませんので時折確認してくださいまし。」

 基本的には、冒険者が代金の代わりにと置いていく。
 なので、商品として常時置いておくわけにもいかないので、伝えておこう。

「ふふ、そうですね。
 信頼できましたら、そのときはご奉仕させていただきます。」

 素直に引いてくれるのであれば、にこりと笑ってみせる。
 ちゃんと引いてくれる男は嬉しいものだと素直に好感を覚えた。

「では、失礼します。」

 出された袋を確認し、金貨の枚数、銀貨の枚数をしっかりとかぞて間違いがないことを確認してから、金庫に入れるように伝える。
 彼にたいして、アピールしている4割を連れて、残りを店内の通常業務に戻そう。
 そして、一回の事務室。
 その奥の応接室に、案内しよう。
 応接室は広く、扉があり、ちゃんと鍵が締めることができる。

「さて、まず先にお話しますが、この奴隷売買はセイン様とバフート店との契約となります。
 書類は、バフート店の物になりますので、ご注意を。
 まあ、奴隷移譲証という形になります。
 二枚ありまして、セイン様に一枚、バフート店に一枚となりまして、当店では一切の積が負えません。
 よろしいですか?」

 値段は、どの娘でも一律なので、どの娘にするか決めていただいて、代金とサインをして頂ければ、と。

 牛のミレー族は、ポッチャリとして穏やかな雰囲気。
 猫のミレー族は、ボーイッシュでワクワクしている様子。
 犬のミレー族は、きりっとしている模様。
 鳥のミレー族は、なにやら、よくわかってなさそうに首をかしげている。
 馬のミレー族は、じぃ、とセインのことを見ている。
 羊のミレー族は、のほほんとしている。
 なぜか、人間種の男の娘もいたりする。ドキドキしてる模様。

 他にも色々いるので、あとは彼に決めてもらうことにしよう。

セイン=ディバン > 「ハハハハハ。ちょっと地が見えたかな?
 それとも、その可愛らしい仕草は商売モードの一環?」

お淑やかに。それでいて、小悪魔的な。そんな仕草に、男も心底楽しそうに笑う。
どこか、商売とは分かたれたような会話だ。

「へいへい。そういうことにしておきましょう?
 逆を言えば、商売と、人材管理に関しちゃあリスさんには勝てないなぁ」

気恥ずかしさからか、伏せ目がちにそう告げる。
実際、魔王軍の一員であるのだから、ゆくゆくは部下を持ち、管理せねばならないのだろうが……。目の前の女性の様な能力は持てそうに無かった。

「ふむ? それは考えたことがなかった」

相手の提案に少しだけ真面目に考える。きっかり五秒。
即座に頭の中で否定。冒険者のスリリングな日々を味わえば、そこから抜け出せるはずもなく。

「あぁ、そうさせてもらうよ。
 それにしても、本当にやり手だなぁ、リスさんは」

ちゃっかりとした売込みに、目を丸くさせる。
下手な商売人であれば、自店舗だけを推すだろうに、これが企業全体を考慮した発言ということか、勉強になる、と内心大きく頷く。

「こちらこそ、だ。
 あぁ、判ったよ。俺としても、掘り出し物を探すのも好きだし、定期的に覗かせてもらう」

もともと、マジックアイテムは出回ることは少ないが、一度出回れば動きの激しい商品だ。
男は、定期的にこの店に来るのも悪くないな、と思い正直にそう言う。

「あぁ、そうしてくれ。
 俺としても、あまり無理やり、は好まないんでね」

せっかくなら互いに楽しみたい。と思いつつ。
時折自分が誘惑に負けてしまうことがあるのは棚上げであった。

「あいあい。正当な取引の品だ。確認よろしく」

女性の指示を受け、金貨を確認する店員を横目で見る。
なんとも大量の貨幣だ。数えるのも大変だろうなぁ、などと思いつつ。

「ふむ……いろいろと面倒なんだな。
 まぁ、要するに俺が購入したとはいえ、余り好き勝手はするな、ということか?
 無論、モノの様に扱う気もないがな……。
 ふむふむ……」

提示された書類に目を通す。奴隷売買の法には疎い男だが、至極全うな、労働力などとしての人材の売買契約の書類だと言うことはわかった。
男はその書類の内容に納得し、サインをする。

「ん……。じゃあ、そこの猫の子と……。
 犬の子。とりあえず二人と契約ということで。
 もしも労働力的にまた欲しくなれば、その都度頂こうかなぁ」

そう言って、男は二人分の代金を支払う。一人、と言ってはいたが。
どうせならメイド同士話し相手だっていた方がいいだろう。そう思ってのことだった。

そうして、男はメイド二人を連れて、店を後にした。
だいぶ懐は寒くなったが……。なに、冒険で稼げばいいさ、などと鼻歌交じり。
そして、自宅の商品を確認して……。改めて、その品の品質の良さに、舌を巻くことだろう……。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からセイン=ディバンさんが去りました。
リス > 「さあ、どちらにございましょうか?
 今は、商売人としてお話させていただいているつもりですが。」

 彼の言葉には、濁してつつ、微笑んでおこう、地なのか、商売としての仕草なのか。
 ちょっとしたベールは女の武器でもあろう。

「人材管理は、ちょっと違う気もします。」

 『商品管理』である。あくまで。
 人材という商品だから、間違いとは言い切れないのでどう答えたものか、と首を傾いでみせる。
 上手い言葉は見当たらなかった。

「セイン様なら、いい商人になれるとは思いますが。」

 真剣に考え始めた彼に言葉を放って。
 あとは、彼の思考なのでしばらく黙っておく。
 彼の生き方は彼のものだし。

「お父様の教えが素晴らしいから、ですわ。」

 やり手なのは教育がいいから、と言っておこう。
 逆に言うと、偉大すぎるから、追いつくのが大変なのですよ、とこぼして笑う。

「無理やりされたら、警備の者に突き出しますから。」

 ええ、自警団とか、騎士団とか、そういったところに即突き出しますからね、と舌を出して見せる。
 あらはしたない、と直ぐに引っ込めるが。

「好き勝手、といいますか……。
 取引がうちではないので。この店では何があっても保証ができませんということと。
 ここでは人身売買してはいないという、後暗い理由ですわ。」

 にこり、と微笑むのはそれを口外しないでくださいね、と。
 サインを頂き、ふたり分の金額を貰い、二人にありがとう、とお礼を言う。
 荷物や、給金はあとで届けるからと、伝え、去っていくふたりを見送る。

 そして、全員にほら、仕事に戻りなさい、と仕事に戻し、少女は事務室へ。
 奴隷売買の書類を封筒に入れて、地下にある倉庫へ。
 契約書をバフート店宛に送る準備をして、新たな奴隷二人を要請する書類を書き込む。
 それが終われば、事務室へ戻り、お茶を飲もうか。


「あら。」

 流石に時間が経っていたので覚めていた。

リス > 冷めてしまったものは仕方がない。
 新しく入れ直そうかと、事務室の茶葉を確認する。
 それなりに良い物を用意してある、無論自費で、ええ、公司はちゃんと分けてる少女。
 紅茶がいいかしらと、お茶菓子と、紅茶を取り出して。
 手の空いている店員を一人お招き。

 入れてもらうつもり100%
 ちゃんと紅茶を振舞って、お菓子も上げるんだからいいんです。
 そんなちょっぴり公私混同。

 しばらくして、紅茶ができて。
 砂糖とミルクを入れて、暖かな紅茶を一口。
 ああ、癒されるわ……と、大きく息を吐き出して。

 しかし、銃弾か、と、今日売り切れてしまった物品に関して思いを馳せる。

リス > 銃弾
 銃という武器に使用するための弾丸。
 銃という武器は火薬で先ほどの銃弾というものを飛ばして戦う、弓矢に似た武器。
 威力はすごいが、取り扱いが難しいので使用している冒険者はあまり見ない。
 しかし、これから増えるのかもしれない。
 今のうちにチェックして、多めに置いておいてもいいだろう。
 まずは本店に報告し、在庫を20%増しにして置いてもらおうか。

 紅茶を飲みながら、そんなふうに考えて本店宛の稟議書に書き込もう。
 さらさら、と慣れた手つきで書類を作り上げ。
 それを、本店行きの荷物に、追加する。

 さて、今日はこんな感じだろう。
 あとは特に問題もなさそうだ、そろそろ上がろう。
 従業員にいくつか引き継ぎをして、少女も店を後にする。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からリスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシンシアさんが現れました。
シンシア > 昼下がりの平民地区の広めの噴水公園。
天気もよくて日差しをうけるベンチに座っていれば、多少は暖かい
まばらに人もいるし、日向ぼっこと噴水の水音と多少の人の声は落ち着くように
隣に分厚い本を2冊重ね、足を組んでる膝の上には1冊を広げてページをめくる

文字の量とかキーワードになる単語を探しながら目で文字を追っているけど
さすがに疲れる

ベンチの背もたれに背中をつけて両腕を持ち上げて体を伸ばす
同じ姿勢でいると肩が凝りそうで

シンシア > 視線をあげれば、天気のいい晴れた空。
眩しいくらい明るくて、似合わないようなため息ひとつ

前回のように人の集まる場所のご主人たちには声をかけて
また情報の協力を頼んできたとこ

途中まで調べてた本に栞を挟んで隣へと重ねて置いて
分厚い3冊の本の表紙に手を置いて、撫でる

探してる調べ物の歴史は古すぎて、文献としても残ってるのが少ないのだろう
いくつか出てきた単語を頼りに辿って、別のものに変わってたり
残るものも語り継がれたものなら、どこかで間違って伝わってるものもあったり

シンシア > 頭が重く熱く感じる…なれない調べ物なんかで
小さい文字をおいかけてたせいだ…

隣にある分厚い本3冊はを抱えるようにして立ち上がれば
天気のいい公園をあとにする、続きは家ででもゆっくりしようと

そのまま公園をあとにして離れていく

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシンシアさんが去りました。