2016/12/24 のログ
ホウセン > チラリと壁に掛けられた時計を見やる。そろそろ日付が変わろうという刻限という事実に、少しばかり眩暈がした心地。只でさえ集中の継続が長時間に亘っていたものだから、精神的なショックは推して知るべし。小筆を筆置きに。戻すと放り投げるの中間といった聊か粗雑な扱いは、妖仙の心情を反映したものに他ならない。背筋を伸ばして姿勢良く筆を走らせていた所から脱力し、己の座高よりも大分背の高い背凭れに体を預ける。華奢な体の幅に合っていない肘掛に両腕を置き、ともすればズルズルと尻が滑って横たわる三歩手前のしどけない格好になってしまうやもしれぬ。それだけの弛緩。『やっておられん』。そんな心情を大音量で謳い上げるダラダラっぷり。

「止めじゃ、止め。これでは効率も上がらぬ。適度な休息こそ、脳を活発に働かせる為の潤滑剤じゃ。」

区切りをつけるために、ありふれた口実を選び取り、幾許か唇を尖らせ気味にして嘯く。のったりとした仕草とゆったりとした手捌きで煙管を取り出し、喫煙準備。煙草の葉を火皿に詰め、燐寸で火をつける。赤々とした輝きが火皿に宿れば、手の内の燐寸の軸を二度三度勢いをつけて上下に振り、炎を掻き消す。手品師が如き仕草で手首を返すと、元の位置に戻る頃には、燐寸の燃え滓は摘んでいた親指と人差し指の間から消失していた。改めて肺腑へと煙を吸い込み、文字通り一服。少し溜めを作ってから、緩々と煙を吐き出す。

「あー…沁みるのぅ。少しばかり気力を回復させねば、儂の腰が椅子から離れたがってくれぬじゃろう。」

定宿に帰るも、街に繰り出すも、全てはこの座席から離れられてからの話。少しばかり念を込めた煙は完全に散逸せず、雲のように丸まって、机の天板と天井の丁度中間地点でふよふよと浮いている。

ホウセン > その術の発動に、祝詞は必ずしも要らないらしい。中空に漂っていた煙は、程なく四肢を得て、フワリと絨毯の敷かれた床に降り立つ。背丈は中型犬程度。其れが二体。煙を媒介にした使役物を現世に馴染ませつつ、筆を放り投げる直前にしたため終えた手紙を封筒に入れる。表に宛先を書き入れてから、片方の”煙鬼”に渡す。

「さぁさ、今宵はこの辺りじゃな。疾く寝床に帰るとするかのぅ。」

郵便よりも己の目が届く分、先方への未到達ということはあるまい。行けと命じられれば、手紙を託された個体は歩き出し――

「少しばかり肩が凝った故、どこぞに良い按摩師はおらぬものか…」

椅子から床に降り立ち、もう一体の”煙鬼”には執務室の片付けを命じる。ドアノブに手の届かない配達人を追い越して扉を開き、一足先に階下へ。舟をこぎ始める寸前の奉公人に店仕舞いを告げ、小さな妖仙は深夜の街へ…

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からホウセンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地裏」にディン・タウロスさんが現れました。
ディン・タウロス > (冒険者の朝は早い、ときもある。自分が泊まっている安宿は大通りから外れた裏路地に面したところにあり、そこを出れば自然と大通りに出るまでは薄暗く人気のない道を通ることになる)

「流石にこっちは大通りと違ってこの時間帯だとあんまり人がいないな……」

(朝で空気はそれなりに澄んでいるはずなのに、どこか澱んだ感じがするのは、貧民地区ほどではないがここも貧しい方に分類されるものが集うところだからであろうか。そんな中を特に武装もせずに歩けるのは、それなりに腕に覚えがあるからである)

ディン・タウロス > (裏路地をのんびり歩き、大通りに出れば久しぶりに冒険者としての仕事でも受けようかと、そういう依頼の張り出してある店へと向かい歩いていった)
ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地裏」からディン・タウロスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアルスさんが現れました。
アルス > 普段なら人がほとんどはけている時間帯の平民地区の大通り
しかし今日はクリスマスという事で人並みは普段とは違い多いままで
そのせいで今日は書き入れ時と普段は営業時間を終えている店もまだ店舗を開けている。

そんな人込みの中を避けて店先や楽し気な一団、カップルを眺めるように歩く。

「人込みは苦手だが華やかはいいものだ」

時折にぶつかった相手に軽く頭を下げて謝り、今度は当たらないようにと避けて歩き。
昨日にはなかった露店などをメインに眺めて歩いて。

アルス > しばらく露店や店舗を見て歩くのだがめぼしい物はすでに買われた後。
残っている商品は興味を引くものは見つけられずに。

もう少しと眺めて歩いて宿にと戻っていく…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアルスさんが去りました。