2016/10/12 のログ
リミア > 可愛い扱いに慣れていないのを何度も言われ、酒で恥ずかしさを誤魔化すにも限界。
ジョッキを置けば目が泳いで真っ直ぐに見返せず。
そんな姿を隣から揶揄われても何も言えずに。

「私にそんなに可愛いなんて言ったのはカルムが初めてだよ。
だからきっと押しが強い、私がそう決めた」

これがシラフならきっと何も言い返せないだろうなと内心に思って大好きな酒に今は感謝をして。

「その覚悟を持ってないと送ってなんて貰えないよ。
卑怯でもいいよ、だってね。無事に生きて帰った時は一人だと寂しいのもあるんだよ。
それなら目の前の可愛い女の子の誘いに乗ったって…。

カルムって真面目なんだね。なんかそんな事言う人って初めてかも」

送ってはくれるが寄らないと言われ残念そうにし
シラフの時にはきっと今の様に平然とは言えずに慌て困らせるかもしれず。
孕ませてもその時だけではなく一緒にとの返答に目を丸くしてお腹の奥が疼くのを感じてしまい慌てて首を振り。

「そっか…駄目なんだ……
それじゃ……え?」

残念だけどと続けようとするがそれを遮るように続けられる言葉に驚いたように凝視してしまい。

「それでいいの?
私はそれでいいならすごく助かるけど。

あ、あはは。そうだよね、助け合ってお願いで採りに行ってもいいんだよね。
そこまで考えれなかった。やっぱりカルムは私より頭がいいよ。
うん、その時は二人分の薬草を取ってこようね」

最初は驚き、次にはそうだよねと納得をすれば酔いも忘れた様な本来の笑顔を見せてお願いと頭を下げ。
少しして頭を上げれば元の酔った様子にと戻って。

カルム > 「うわぁ。
 なんか知らないうちにレッテル貼られた。」

 ぺたり、と頭にふだがくっついた気がする。酒の上での厳格だろうけれども。
 まあ、悪い気はしないので、冗談半分酒の勢い半分でカラカラと笑いつつ。

「男も、女も、冒険者なら、同じだもんな。
 リミアがそんな風に思うのも、俺たち男がいつ死ぬか判らないからって女の子を貪るのも。
 根源は同じなのかもな、勝手に想像して失礼かもだが。


 真面目じゃないさ。

   ただ、大家族が、子供が、怖いだけさ。」


 残念そうな相手。
 先程ご高説を垂れたばかりで、じゃ寄るよ、なんていう程、厚顔無恥でもない。
 ただ、相手の言葉自分なりに解釈して理解できたがゆえに、バツ悪そうに後頭部を掻いた。

 ーーー子供が怖い。ああ、そうか、とそんな風に酒に酔う思考で自分を考える。
  孕ませたい欲求があるのに踏み出せないのは、自分がそう、だから。
   子供を養えるか不安だからーー農家の三男で口減らしの対象だったから。
    そんなこと言えることもなく、酒をあおり、忘れることにした。

「俺も、こっちに来たばかりで、いろいろ足りないものがあるし。
 懐も寂しい。
 地理にも疎いからさ、案内があるととても楽。
 今後の冒険にもプラスになるし、お互いの実力もある程度わかる。
 良い事ずくめだろう?」

 いい笑顔だな、なんて軽く笑おう。

リミア > 「私に可愛いって何度も言ったからだよ。
だから押しが強いカルムって決めた」

あくまで酒の席での言葉、酔いが覚め日が変われば覚えているかも不透明。
それでも今までの仕事終わりの祝賀会よりも楽しいお酒が飲めて笑みが止まらず。

「冒険者に男も女もないからね。
そういう意味じゃこういうのも持ちつ持たれつっていうのかな。
勝手な想像だとしてもね、それで安心出来るって事実があるからいいと思うよ?」

寂しい夜にはなるが無理強いをしてまで誘うのは流石に違うと判るだけにそれ以上無理にお願いはせず。
頭を掻く姿を眺める。

大家族、子供が怖いという言葉に何があったのかと聞きそうになるがその様子に聞く事が出来ず。
だが辺鄙な村から来たと言っていたのを思い出せば追い出されたのかと考えてしまい。
少し悩み…手を伸ばして慰めるように撫でようとして。

「あ、うん、そうだね。それだとこっちの地理もあんまりわからないよね。
懐は頑張れば潤うし必要なら少しは貸せるよ?
それじゃさ、カルムの都合のいい時に案内もかねて薬草を取りに行かない?
私は薬草、カルムは地理。それにお互いの腕も見れるからさ。
そんな良い事ずくめなんてそうそうないよね」

いい笑顔との言葉にきょんとし、その意味が解れば何を言い返せばいいか浮かばずに狼狽してしまい。
仕事中でも酒も入っていない時の素の姿をさらしてしまって

カルム > 「可愛いよなぁー?」

 楽しんでいる様子の彼女に、冒険者の皆々様に同意を求める。
 満場一致で帰ってきました。
 おめでとう、君は可愛い。と、ぱちぱち拍手

「じゃあ、あれだ。
 次からは、お誘いには乗らせてもらおうかな。
 酒が入ってない時のデートもお待ちしてますよ、と。」

 微妙な空気が流れ込んでる。
 うん、ここはひとつ冗談も加えて、和ませてみよう。
 和めばいいなぁ、とかなんとか。

「……?」

 わさわさと、余り上手に手入れされているわけでもない髪の毛を撫でる相手の手のひら。
 疑問を浮かべながら、彼女を眺めた。
 気遣ってくれてると分かり、目を閉じてその行為を受け入れることにした。

「ああ。
 すぐに動くとするなら、今日の昼以降だな。
 そのあとは依頼で、少し街から離れるし。
 手紙なり、掲示板で、呼び出してくれればいいさ。」

 狼狽している彼女を眺めつつ、お酒をくい、と。
 おつまみのおかわりでも頼むか?なんて言おう。

リミア > 「え、えーー!」

揶揄っていた筈なのに気が付けば満場一致で可愛いに同意をされる。
しかも拍手まで貰ってしまい小さくなり。

「お、お酒なしで?本当に本気で……?
ぅぅ…善処するよ」

酒が入っていない状態で誘った経験は実はなく。
告げられた言葉に完全に照れてしまい、それでも自分で言った手前断れずに頷いてしまう。

人を慰めた事などそれこそ酔った勢いのベッドぐらいしか経験はなく。
戸惑いながらも相手の髪を撫で、眺める視線に気圧されながらも手は止めずに。
その意図を察してくれたのか目を閉じた相手をぎこちなくも優しく撫でて。

「直ぐはどうかな……二日酔い次第?
私は今日大きく儲けたから余程な仕事がない限りはしばらく街にいるかな。
うん、それならそうするよ。でもカルムが呼び出してくれてもいいからね?」

タイミングを見てどっちかで連絡すると笑えばエールを口にして。
お摘みのお代わりは丁重にお願いしてしてもらう事に。

そうして楽しく酒盛りを続けてやがて酔いつぶれれば宿まで送ってもらう事になるはずで……。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からリミアさんが去りました。
カルム > 「うし。」

 満場の同意を得られてガッツポーズ。
 ほら、押しが強いだけじゃないじゃないかー。とか満足

「ああ、デートの時と、本気でスるときな?
 おじさんも男だし、えち自体は、嫌いじゃないし?」

 気負わなくてもいいよ。
 まっかっかになってうなづく相手に助け舟。
 助け舟になってるかどうかはわからなかったけれど。

「了解。
 折を見て、連絡することにするよ。」

 彼女の返答に、どっちから連絡することになるだろうか。
 こっちからのほうがいいのか、と思考してみて。

 酒を飲み、摘みを食べて。
 酔いつぶれたりミアを彼女の部屋へと送り宣言通りに、寄らずに帰ったという。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からカルムさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」に砕華さんが現れました。
砕華 > (薬屋の朝は、実は早い。
特に、個人経営で、しかも自分で薬を作っているともなると、太陽が昇る前から、活動を始めることもある。
薬をある程度作り、店頭に並べれば、開店の時間に、ぎりぎり間に合うといった具合だ。

砕華の、マグ・メールに来てからの生活習慣は、まさにそのような感じだった。
太陽が昇る前に、目を覚まし、顔を洗い、朝食を済ませて、露天の準備をする。
そして、夕方ごろまで薬を作りながら、売り払って、日当とする。

店を構えてからも、その生活は、大きく変わることは無かった。
変わったとしても、裏手にある小さめの庭で、先日採ってきて、撒いた種の世話をする程度。
育ちは早いが、一日やそのあたりで、薬に出来るほどの量にはならない。
しばらくは、山に通うことも、考えておいたほうがいい。)

「……冒険者に頼むことも、考えたほうがいいのかな。」

(お金はかかるけれども、その分、安全に沢山採ってきてもらえる。
だから、冒険者に頼んだほうがいい、というのは、仲良くなったお隣の、八百屋の主人の話だった。
自分で行くよりも安全で、店番をしながら、薬草を取ってきてもらえるから、と。
しかしその分、報酬として、売り上げのいくらかを、支払わなければならない、というのは少し、もったいない気がする。
逸れに、薬草の良し悪しが、冒険者にわかるのかどうか。
そこもまた、砕華が自分で、山に赴く理由となっていた。)

「でも、この時期なら山菜なんかも、取れるしね…。」

(もうすぐ、もっと寒くなってくる。
マグ・メールでも、雪は降るだろうし、そのときまでに、できるだけ食糧は、備蓄しておきたい。
いくら、自分の店を持ったからといって、お金の無駄遣いだけは、出来るだけやめたほうがいい。
もし、何かあったときに、お金がありませんとあっては、本当に命にかかわってしまう。

薬草のこと、店のこと、今後のこと、将来のこと。
いろんなことを考えながら、いつものように乳鉢を回し、薬を作りながら紅一朝の店番。
いつの間にか、外は夕方へと、時間が移り変わっていた。)

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシチューさんが現れました。
シチュー > (奴隷として仕えている魔術師の主がひいきにする店がある。華やかな異国の装いに身を包み、常におだやかに笑むよな瞳で客を迎える薬師の店だ。単にその容貌のみが贔屓の理由ではない。薬剤の純度、品揃え、納期の早さと正確さ。研究にも耐えうるそれらの品は、市場に流れる価格よりも安価で手に入るとなれば、どうしたって仕入先は固定される。その仕入れのたびにお使いに出され、何度か顔を合わせていれば雑談が弾む事もあって。)

砕華!こんにちはー!シチューが来たよ!

(店の敷居をまたぐなり、勢い元気の良い声が店内に居る彼女の耳に伝えられる。にこにこと尻尾を揺らし、ケモミミを嬉しそうに震わせながら。――相手とは、薬品の調合合間に店先でお茶を入れてもらえるような、そんな仲。遠慮もなく、店のカウンターに身を乗り出して彼女のブラウンの瞳を見上げよう)

今日もお使いで来たんだけど……、ご主人さまが言うには、ちょっと揃えるのが難しい品物なんだって。
こういうのって、今お店に置いてある?

(そう告げつつ、預かった羊皮紙のメモを相手に向かって両手で広げよう。そこには、確かに一般人なら扱わないような、時には人の脳を狂わせる事も叶う危険な成分を含む薬草の粉末も数種類ほど含まれている。)

砕華 > (此処に、店を構えて、既に1週間ほどが経過していた。
露天で、贔屓にしていた客も、変わらず紅一朝に足を運び、薬を買い付けてくれる。
勿論、身体的な疲労は溜まるが、それ以上に砕華は、やりがいを感じていた。
自分の薬が必要だからと、右手を挙げ、笑顔を振りまき、そして金銭を差し出し、薬の袋を持って帰る。
人は、ただそれだけの作業だ、というものもいる。
しかし、砕華は、その一連の作業が、楽しくて仕方がないのだ。

老師が言っていた言葉がある。
『客の”ありがとう”、”これをください”ほど、商売人として、勝る喜びはない』と。
常に、傍でその働きを見ていた砕華は、身に染みてその言葉を、今ほど理解したことは無かった。

カウンターの奥で、今日もまた、乳鉢で薬草を粉にし、火で炒って水分を飛ばす。
既に何度もした作業、店の中に、薬草独特の、青臭い臭いが立ち込める。
時に、それは外まで漂うこともあり、それもまた、店の評判にもなっていた。)

「あら、シチューさん。今日もまた来たんですか……?」

(店を開いて、3日目のことだった。
この店に、とある2人組みが来店した。
貴族らしい男と、逸れに使えている神獣族の少女の2人組み。

初めてではなかったが、薬の依頼を出された。
内容は、植物系の毒を治す為の、薬を作ってほしいとのことだった。
案外、簡単に作れるような薬だったので、その日の内に製薬し、そして納品した。
それが、いたく気に入ってもらえたようで、紅一朝を贔屓にしてくれている。
既に、3日以上ともなれば、常連といっても差し支えない、そんな客だった。)

「ふむ、拝見しましょう。」

(砕華は、両手で広げてもらった羊皮紙の詳細を、じっくり丹念に眺めた。
断りを入れてから、その羊皮紙を受け取り、カウンターに背を向けて、じっくりと眺める。
しかし、その薬草の配分や、逸れに伴う症状は、少し一般人が扱うには、危険なものも含まれていた。)

「………ふむ、これは少し、お話をしなければなりませんね。
お茶を用意するので、奥の居間へ、来ていただけますか?」

(いつも微笑んでいるような、開いている甲斐ないのか解らないような細目。
それを、改めてシチューへと向けて、砕華は、火を消し、ゆっくりと立ち上がった。
右手を伸ばし、その先にある、自宅として使っている場所へと、案内するように。)

シチュー > (彼女の老師の言葉は真を語っているに違いない。金銭とは、商人が良い仕事をするから客から支払われるのであって、客の金銭を目当てに仕事をするものではないから。――貴族の主はここのところ、新しい研究への触媒を大量に必要とするらしかった。それも、謎めいた和装の薬師でしか都合をつける事が叶わないだろうという品ばかりで。)

「うん。毎日少しずつ必要な品物が変わっていくんだって。魔術の事はよくわからないけど、すごく繊細なんだってさ。――僕としては、お屋敷でのメイド修行もサボれるし、砕華とお話できるし。お使いは苦じゃないけどねー」

(ゆらんゆらん尻尾を揺らしつつ。やっぱりニコニコと。羊皮紙を渡し、彼女が受け取る。その、ほっそりと白い手首につられ裾に広がる着物の柄に「わあ……」と瞳をきらきらさせて見ていたとか。)

「やっぱり時間がかかりそうだね。ちょうどいいや。メイド長にも言い訳できるし……うん。わかったよー。おっじゃましまーす」

(細い瞳を見上げてこくこくと首を上下させて頷く。自分にとっては、優しげに細められているように見えているけれども。案内された場所へと歩いていきながら、その伸ばされた綺麗な右手に尻尾を軽く触れさせようと。特に意味は無いけど、そういう子供めいた戯れをひとつ仕掛けながら歩いてく。)

砕華 > (主人とは、そんなに話を、したことはない。
初めてここを訪れた際、同じような羊皮紙で、書かれた内容を拝見し、一言二言会話しただけだった。
紳士的と、このマグ・メールでは、言うのかもしれない。
砕華としても、贔屓にしてくれる客は、一人でも多いほうがいい。
それ以上の感情は、持ち合わせないように心がけていた。

キモノと呼んでいる普段着は、この国では大層、珍しい物のようだった。
砕華の地元では、皆この服を普段着として、着用している。
一枚の、裾がとても長い服を、体に巻きつけ、オビと言う、これもとても長く、幅の広い紐を、腰に巻きつけ、後ろで結ぶ。
耐寒、耐熱に優れ、見た目以上に動きやすい服装を、一目見ようと、この店を尋ねる住人もいる。
砕華もまた、それを気に留めることもなく、いつものように、薬を眺めて、帰っていく客を見送ることもあった。)

「あまり、お仕事を怠けるのは、感心することじゃないんですけどね。
ああ、そういえば、甘いオマンジュウも用意してありますよ。」

(しかし、夕方も過ぎ始めるころだと、客の足は遠のき始める。
二階への階段を上っていく最中、右手にふかふかの、シチューの尻尾が触れる。
逸れに眼をやり、ブラッシングするように2,3度撫でてから、最後の一段を上がった。

木製で、小さなテーブルとイスが2つ。
奥には、マグ・メールでは、あまり見かけない形の、キッチンがあった。
鉛を固めて作られた、大きなタルのようなものの中に、火がパチパチと音を立てて、燃えている。
その上に、鉄製の、奇妙な形のポットが置かれ、其れで水を沸かしていた。
砕華は、ポットを「ヤカン」と呼んでいる。)

「時間がかかる、というよりも、使用する理由を少し、聞かせてもらえないかな、と思いまして。」

(結論から言えば、作れない薬ではない。
製薬する時間は、たしかに時間がかかる。今回は、今日中に出来る代物ではないかもしれない。
材料を揃えるところから、始めなければいけないし、危険な薬草も、数種含まれている。

薬師として、そんな危険な薬草を、使わなければいけない理由は知るべきだと、判断した。
具体的に一つは、薬草は頭痛を引き起こす毒をもち、シェンヤンでは、暗殺にも用いられることがある。
毒薬を作れといわれても、砕華は、条件次第では引き受けるが、それがもし、危険なことに使われるのであれば、金銭を積まれても断ることにしていた。

ヤカンで水を沸かし、その隣で、シェンヤンの茶葉を、陶器で作られたポットに、茶さじで入れていく。)

シチュー > (このミレー族の誇る主人である貴族が、紳士的に彼女へ振る舞うたびになんだかハラハラした。思えば嫉妬なのかもしれないけれど……淡々と接する女店主の様子にほっとしたりしたのは内緒である。――自分も、彼女の異国の一枚着を物珍しげに好奇心を輝かせた人物のひとり。うなじの妖艶さには、同性ながらも見呆ける事がしばしば。)

「早く一人前のメイドになって、ご主人さまに恩を返したいんだけど……最近色んな人に怒られて、今日はメイド長の前で失敗しちゃって……。――おまんじゅう?おまんじゅう!!」

(耳を伏せって、やる気の空回りするスランプ時期を吐露するとしゅん、と肩を落とすが。以前ひとくちだけ頂いた和菓子の名前を聞けば目に星を散らして尻尾がキラッと輝く。――尻尾を撫でられたら、くすぐったそうに笑いながら二階へ)

(落ち着く部屋。ふたつあるうちのひとつの椅子に身を落ち着けると尻尾を床に寝かせる。ヤカンが湯をたく特徴のある音にケモミミを揺らしていると。薬剤についての説明を求められ)

「それは、悪い事に使わないかどうか聞きたいって事かな。――ええとね。ご主人様は宮廷魔術師なんだ。怪我や病気を治す研究をしてる。今度試すのは……ここ。頭の中の病気を治そうとしてるんだって。ここを怪我しちゃうともう、元通りにはならないらしいんだけど……うまく魔法と組み合わせたら、元通りになるかもしれない。……うーん……うまく説明できないけど。」

(主やメイド長から聞いた話をたどたどしく思い出せば、時々額に指をあてたり、空中を睨んだりしながらどうにか相手が納得できそうな説明を試みる。脳機能の復活なんて離れ業をするには、相応の薬が必要になる。再生能力をもたない皮質を騙し、身体機能を損なわないまま治癒する荒業を叶えるために。そんな薬剤は、時には毒薬とも言われるし、暗殺にも用いられるだろう。ちなみに、いきなり人間へ実験的に治療を試みるのではなく。まだラットから治療する段階。――ポットに茶葉がはいった瞬間に立ち上る良い香りに鼻をひくつかせ。)