2016/10/06 のログ
イグナス > ぐびぐび、最後までぬるいビールを飲みほして、げふりとひとつ。
どうせ暇ならば、寝ちまおう。
がたんと立ち上がって、宿のほうへと姿を消していった――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地裏」にクロイツさんが現れました。
クロイツ > ちょっとした仕事を終えた帰り道。
表通りの店には出回らないようなものを探して路地裏を歩く。
運が良ければ店なりそういうものを扱う者がいたりするが生憎今日は見つからない。

「取り締まりでもあったのかな?」

時折に真面目な衛兵が行う摘発でもあったのかと思いながら人目を気にせずに路地裏を適当に歩いて。

クロイツ > そのまましばらく路地裏を歩き回りはするが結局見つける事は出来ずに貧民地区の小屋へと戻っていく…
ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地裏」からクロイツさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」に砕華さんが現れました。
砕華 > (夜の帳も落ち、すっかりとあたりは暗くなった。
既に、行きかう人々の影は無く、街頭の明かりの下は、冷たい石畳で照らされるのみだった。
時折、「うぅ、うぅ…」と、苦しげなうめき声が聞こえるのは、酔いつぶれた青年。
初めて飲んだ酒が、思ったよりも強かったのだろう。生まれて始めての、泥酔を味わっていた。
その傍らで、先輩と思しき男が、ゲラゲラと笑いながら、競り上がってくる吐瀉物を援助するかのように、背中を摩っている。
いつもどおりの、マグ・メールの夜の風景。
涼しげな風が、街を吹き抜けて、夜空へと舞い上がっていく。)

(砕華は、そんな夜の町並みを、一人黙々と歩いていた。
手には大きな布の塊を両手で下げ、背中にはいつものように、護身用の長刀。
開いているのかいないのか、分からないような細眼で、音も立てずに、石畳の上を、滑るように歩いていく。
その顔はいつものように、どこか微笑んでいるようにも見える。
だが、それ以上に大きく、口元が弧の字を描いていた。)

(いまだに冷め遣らぬ、タナール砦での王国騎士団壊滅の話。
早々に手を売った上流階級の面々は既に、この街を離れたとも聴くし、どこかに身を潜めた、とも。
だが、いまだ暢気な上流階級の面々は、この場所に攻めてくるはずがないと、高らかに笑っていた。
それならば必要ないと、販売を拒否しようとしたが、そこはそれと結局、大量に傷薬を購入していった。
訳を聞けば、「お前には関係ない」と一蹴され、砕華は苦笑を漏らしながら、その背中を見送る、などという場面もあったものの、今日の薬の販売も、上々であった。)

「この分なら、店舗もすぐに持つことが出来そう。」

(砕華は、そう一人ごちてくすくすと、笑顔を隠すこともなく笑った。
露天商生活がしばらく続く、そう覚悟していただけに、今回のこの騒動は正に、渡りに船であった。
既に、もって来た金銭の倍以上を稼ぎ、平民地区の一角、空き家になっている店舗の下見も済ませた。
大通りに面している、比較的人通りの多い立地。店舗兼自宅にするには、個人的な意見であるけれども、なかなかの条件であった。)

砕華 > (夜にもなれば、少し肌寒い。
日中は、太陽さえ当たっていれば、其処まで寒さは感じないが、夜にもなれば話しは別だった。
時折吹き荒ぶ、冷たい風に、砕華はほんの少し、乱れた髪を整えた。
祖国でも冷たい風が吹くが、マグ・メールのそれは、たいした寒さを感じなかった。
北に位置する、祖国・シェンヤンの風は、この季節でも鋭く、冷たい。
可能な限り、厳選して持ってきた荷物の中に、防寒用の上着があるのだが、まだ出してはいなかった。
そこまで、寒さを感じないというのが、一番の理由だ。)

「店舗は、どうしようか…。前には、花なんか、飾るのは悪くないね。
裏手の、狭い庭には、薬草を栽培する場所を作って、店舗の中は……。」

(砕華は、まだ手に入れてもいないのに、店舗の内装をどうしようかで、頭が一杯だった。
入り口の左右には、祖国の育ちやすい華を添え、歓迎を詠う文字をあしらった敷物を。
中は、2つの棚を作って、それぞれに分別した、手製の薬を並べよう。
きっと、中は汚れているから、まず最初に掃除から始めないと、いけないだろう。

そういえば、裏手には狭いながらも、しっかりと庭が完備されていた。
九頭竜山脈で取れた、薬草の苗を植えて、群生させれば、採りに行かなくても済む。
完全に自家製の薬草なら、手間を惜しむことなく、薬を作ることに没頭できる。
値段も安く設定できるし、お客にも砕華自身にも、良い事尽くめ。)

「ああ、早く明日になってほしいな。
あそこを管理してるのは、確か商人組合の事務所、だったね。」

(明日、露天を開く前の、朝一番にその場所へ向かおう。
取り急ぎ、土地と建物の値段を教えてもらい、その前金を支払えるなら、支払って確保してしまおう。
払えるかどうかは不明だが、少なくともいい線は行っている筈。
しかも、魔族が攻めてくるかも、という昨今だ。商人の考えであれば、売れるかどうか解らない。
そんな最中に、売ってくれという人物が現れたら、多少買い叩かれても、売りたい精神のはず。)