2016/09/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 「ふむ…なかなかに見付からぬのぅ」
大通り、その片隅で休憩するように放置されている箱の上に腰を掛けた少女が呟いた。
その視線は通りに並ぶ露店へと向けられている。
何かを求めているのか?と問われれば、別に何も、と答えるだろう。
目的は何かを買いにやってきたのではなく、何か面白そうなものが見付からないか、という事だった。
面白い物…さて、どういった物が該当をするのか、それは気分次第である。
■タマモ > まぁ、目的も無い探し物というのもあるのだが、ここにこうしているのはもう一つの理由があった。
もう夏も過ぎようとしているはずなのに、こう…暑い。
影になった片隅であるのと、もう見た感じ暑そうに左手にある扇子でぱたぱた扇いでいる。
唐傘は、閉じられて側の壁に立て掛けられていた。
「………あぁ、そうじゃ…飲み物が欲しいやもしれんか…?」
ごろんと上体を倒し、足だけ垂らして箱の上にぐてーっとなった形だ。
耳と尻尾もぐったりだ、なんともやる気のなさそうな見た目である。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にセイン=ディバンさんが現れました。
■セイン=ディバン > 残暑厳しきマグメール。その平民地区をとっとことっとこと歩く男が一人。
手には大量の紙袋。どうやら生活用品の買出しを行っていたらしい。
大通りに差し掛かったところで、男の足が止まった。
「……おや?」
視界の端に、見知った影。箱の上でぐったりしている少女姿。
男はふむ? と一度考える仕草をして、露天の果汁売りから飲み物を購入し、その人影へと近づいた。
「ど~も。タマモ様。そんなところで寝てると蒸し焼きになりますよ。
これ、どうぞ」
少女へ近づいた男は、そう挨拶して絞りたての果汁飲料を相手に差し出した。
その視線は、相手のぐったり姿に向けられ。いつしかその少女の姿には似つかわしくない豊満な胸へとたどり着いていた。
■タマモ > 暑い、暑いと考えると余計に暑いが、やっぱり暑い。
だが動こうとする気力も起こらない、ぐったりとしたままである。
そんな中、ぴくん、と耳が揺れる。
明らかに自分に近付いてくる足音、それを聞き取ったからだ。
…が、身を起こしてどうこうする気も起こらない。
その相手が何か変な気を起こすまでは放置、そう決める。
もっとも、そんな考えのような流れにはならない感じではあるが…というか、聞き覚えのある声が掛けられた。
「ん?…おぉ、誰かと思えば………はっ!?」
言葉にひらひらと手だけ上げて挨拶と共に、そんな動作が相手の何かを渡そうとする言葉に反応し、ひょいっと顔だけ向けられた。
その視線はしっかりと、相手の手にした明らかに飲み物の入った器を捉えている。
それに気付いてやっと体を起こした少女、相手の視線が胸に受けられたままならば、動きに合わせて揺れるその膨らみは見える事だろう。
…視線が気にならないのか?
むしろ、こちらの意識はそんなものより飲み物に集中されている、知った事ではない。
「ふむ…妾は人の厚意は素直に受ける主義じゃ、ありがたく受け取ってやろう」
ふふんっと偉そうにしながら言いはするも、その手は早く寄越せといわんばかりにずいっと差し出されていた。
■セイン=ディバン > 人間でも今日の平民地区の暑さにはまいってしまう。
ましてや、仕立てのいい上服を着ている上に育ちもよいであろう目の前の少女にはこの暑さは地獄のそれだろう。
声をかけても少女の反応は薄かったが……。
「どうもこんにちわ、ですよ。って、食いつき早いですねぇ」
おざなりな挨拶をされそうになっていた所を、すんでのところで飲み物様がカバーしてくれたご様子。
体を起こし、飲み物を見る様子を見ながら現金だなぁ、と苦笑いするが。それもどこか愛らしい。
そのまま少女の体を改めて見れば。以前出会ったときは気づかなかったが。
小柄ながらなかなかのスタイルのようにも見えた。
「はは~。お収めくださいませ~」
はよう。はよう寄越せ。という心の声が聞こえたかの様な気分で。
男は荷物を下ろし、芝居がかった様子で跪くと飲み物を差し出した。
視線が下がり、目の前に広がる細い脚が艶かしい。思わず、唾を飲み込んでしまう。
■タマモ > 相手の言葉から、やはり今日も暑かったのだと確信を得る。
影になるこの場所でも蒸し焼きになるとか、うん、あんまり考えたくもない事だ。
「………はて、きっと気のせいじゃろう?気にする事でもないのじゃ」
がっついてるような物言いに、挨拶とは違うもぱたぱたとまた手を振った。
さすがに、明らかにそう思われるのも…というのは一応あるみたいだ?
ただ向き合って視線が体に向けられているならば、何か言うところではあるが…今は見事にスルーである。
今のうちに見れるだけ見るのも手である、あくまでも、集中が飲み物に向いてる間ではあるが。
「うむ、どれどれ………なるほど、気が利く男は…っと、そういえば相手が居るんじゃったな?」
差す出す器を両手で受け取れば、一度中を覗き込み確認。
それがジュースの類であると分かれば、にこーっと満面の笑顔だ。
褒め言葉で返そうとするが、その途中で思い出したように言い替えた。
それはさておきと、さっそくジュースを飲もうと口を付ける。
ちなみに、相手がそういった視線で見ているならば、こんな感じ。
両手で持っている為か、こう…その手に挟まれるようにして胸が強調されている。
大の字までといわないが手足を広げていた状態だったので、座っているにせよ少しずれた着物の隙間から肌白い脚が見えるか見えないかという微妙な感じだ。
跪いているので、こう…もう少し視線を下からとかすれば、もう少しいけそうな?
■セイン=ディバン > 男も冒険者仕事の衣類のままのため、やはり暑さには参ってきている。
とはいえ、多少は慣れているのもあるからか、うっすらと汗こそかいているものの、表情は幾分か余裕もあり。
「はいはい。じゃあそういうことにしておきましょう」
苦笑を隠さぬまま。相手の言葉に頷き肯定しておく。
だがまぁ、実際暑いときは水分補給や休息。栄養補給は重要である。
そういう意味では、この目の前の少女が行き倒れる前に遭遇できたのは僥倖であるな、と思いつつも。
随分と本当に上物の衣類だが、暑くてかなわんだろうに、という心配もしつつ相手の体をチラチラ見てしまうのは悲しい男のサガか。
「そこの露天で絞りたてのフレッシュなジュースですから。美味しいですよ。
あ~。えぇ、まぁ。ベルやんのことっすね? 無事にこの前婚約して正式に夫婦になりました」
受け取り、満面の笑顔を繰り出す少女に思わずほっこりとした笑みがこぼれる。まるで本当に子供にプレゼントをしたときのような気分。
しかして、妻のことを聞かれれば改めてご報告。なにせ、自分も妻も目の前のこの少女……とは呼べぬ超越者の存在ではあるが。見た目に従って少女と呼ぶ……の知り合いなのであり。結婚のご報告は大事なのであった。
そうして、跪いたままの姿勢で相手を見れば、むにゅんっ、なんて音の聞こえそうな柔らかなふくらみ。スラリ、とのびた美しい陶磁器のような輝く足に、思わずうめき声も上がり、鼻息も荒くなる。
そうして、知らず知らずのうちに体はさらに低い姿勢になり。その着物という神秘のベールに包まれた更なる美しき場所を覗こうと、若干目も血走り気味。
どうにもこの男、だいぶご無沙汰で溜まっているらしく。
■タマモ > 相手みたいに慣れれば余裕が…とかなればどれだけ楽だろうか。
どうあっても暑いものは暑い、慣れる以前に我慢する気があまり無いようである。
「そうそう、素直で良い事じゃ」
苦笑を浮かべたりされるのはよくある事だ、気にしない。
肯定さえ受ければそれで良し、である。
見た目通りに質も良いというのもあるが、色合い的にも相性が悪いというのも実はあった…黒を主体とした色合い、見事に熱を吸収してしまう。
心配をしている雰囲気もあるからこそか、いつもよりもそういった感じで向けられる視線は感じ難いらしい。
「………おぉ、やはりこういう時は冷たい飲み物に限るのぅ?
っと、お、ついに夫婦となったか!? なんとも、それはめでたい事じゃ。
場に居合わせられなんだが、ベルちゃんにもおめでとう、と伝えておいておくれ?」
一口二口とジュースで喉を潤わせる、生き返るような感じだ。
こくこくと飲みながら、結婚をしたと聞けば、良かった良かったと頷いて。
そうしながら、何か贈っておいた方が良いじゃろうかのぅ…?とかどうとか、考えているのであった。
ジュースを飲んで少し落ち着いてきたか、そうすれば、やっとそこで相手の視線に気付いた。
もう少し器を傾けてより胸を強調させてみれば、隙間から胸の谷間が見えるかのように。
体を楽にするかのように気持ち足を僅かに広げれば、太腿辺りまで見えるくらいになるか。
…ジュースを飲みながら、相手の様子を楽しむように、にまにまと笑みを浮かべて眺めていた。
■セイン=ディバン > 以前冒険をしていたときに試してみた物を思い出し、道に転がる手ごろな小石を拾う。それに懐から取り出した氷結炸薬弾をぶつけ、小さな爆発を起こす。
見る見るうちに石が冷たくなるので、それをハンカチにクルクルと包み、相手に手渡した。
「はっはっは。オレは素直な男ですから。
これ、簡易冷却機です。懐に入れるといいですよ」
相手の衣服の仕組みを実は知らない男。着物というものにはどうにも縁が無いようで。
ただ、懐に小物を入れるくらいはできるだろうという。そういう推測から出た親切であった。
黒色の着物。少女の肌の色とのコントラストはことさらに美しかった。
「飲みすぎるとお腹冷やすから、あんま冷たい物ばかり食べたりしちゃだめですよ?
あぁ、えぇまぁ。ハイ。ありがとうございます。
妻にも伝えておきますよ」
父親のような言葉。あまりにも目の前の少女がかわいらしいからつい、というやつであった。
そして、相手の祝福の言葉に頭を下げ、照れた様子。さらに妻と口にすれば、なれていないのかかなりの赤面状態であった。
そして。相手が姿勢を変え。胸の谷間が見えるように。
足も太ももまで晒されるか、というギリギリのラインまでくれば。
「お、おぉぉぉぉぉぉぉ!! ……お、お?」
興奮した様子で声を上げたところで。
間抜け面を晒した男の視線が、少女の楽しげな視線と交錯し。
時間停止。男の顔面、一気に冷や汗大量発生。
ちなみに。男のズボンは既にテントが張っていた。しかも、フル勃起状態というほどに。
■タマモ > うん?といった感じに、目の前での行為を見遣る。
あぁ、あの武器はどこかで見た事があるな…とか、そんな事も考えながら。
ジュースを持っていたうちの片方の手で器を持ち直す。
そして、ハンカチに包まる冷却された石を手渡されれば、そのひんやりとした感触にこう…額やら首筋やらに当ててみた、気持ち良い。
「そうかそうか、素直な男子じゃな?
おっと、これはなかなかに…水がないと使えぬ妾の術と違い、便利じゃのぅ」
自分の地でこれに近い冷却用品を使った事がある。
額や首筋といった場所に当てているのは、そこが冷やすのに良い場所と聞いた事があるからだ。
その包みがその内に首筋から胸元とか移動をするのだが、まぁ、気にするかは相手次第だ。
「うぐっ…わ、分かっておる、それくらいは分かっておるぞ?
うむ、さすがにすぐに会いに行くというのも考えもの、いずれ間を置いて会いに行くからのぅ?
………会いに来てくれるのが一番楽じゃがな、住処とか知らぬのじゃ」
その時にでも祝い事でもするか、食事なり何なりと。そう決めた。
相手の、こちらの言葉の対応に、なんとも可笑しそうにくすりと笑う。
自分はあれだが、相手のこういった様子を見るのは楽しいものだ。
「………どうしたのじゃ?ん?」
笑顔はそのままで、視線が合い、固まった相手の姿を見詰めたまま問う。
うん、今まさに意中の相手と結ばれた事を話している最中でのこの状態だ、気持ちは分からないでもない…多分。
まだ中身の残る器を一旦唇から離し、ぺろりと己の唇を舐める。
問いに合わせて体を跪く相手に合わせ屈めるようにすれば、重力に従い胸の膨らみは目の前でゆらりと揺れるかもしれない。
足の間隔はそのままに見せ付けるようにしつつ、するりと伸びる手が相手の頬に触れる。
向ける視線が一度、あからさまに下に向いてその場所を見るだろう。
「おやおや、結ばれた相手を思ってならばともかく…違う相手にこうしてしまうのは、悲しき男の性というものなのかのぅ?」
すっと目を細め、再び視線を合わせる。
…と、くすくすっと可笑しそうに笑うと、そのまま相手の頭に手を伸ばし、ぎゅーっと顔を胸に押し付けるようにして抱き締めた。
■セイン=ディバン > 目の前で少女が受け取った氷結石を体に当て、涼を取る。
その様子をまたほほえましく見守りながら、相手の言葉に眼を細め。
「素直さがウリですから。ははは。
あぁ、オレもあまり魔術の素養がないので。その分は道具でカバー、ですよね。
タマモ様は水が近くにあれば術が使えるんですか」
相手の言葉に興味が湧いたのか、どんな術なのだろうかと考える。
自身も四元素魔術だの、そういった王道な術は才能が無い為。
変り種の魔法にはどうしても興味が湧くらしい。
そのまま相手の冷やされている胸元や首筋を見ては、生唾を飲む。色っぽかった。
「分かってるならいいですけど。お腹ピーピーはツライツライですよ?
あぁ、そうしていただけると妻も喜びます。なにせ面倒くさがりなので。
でしたら、住居の位置をお教えしますよ。跳躍魔術なりを使えば行けるように」
相手の言い訳っぽい言葉に念を押して忠告しておく。完全に保護者気取りである。
そのまま、懐からメモを取り出し、サラサラと妻の住所である『ユースレス・ファクトリー』の空間座標を書き込んで渡す。
……問題は、不法侵入なぞしたらゴーレムとかに襲われることがあるのだが。
まぁ、知人であれば大丈夫だろうと思う。
「……違うんです」
何が違うのか。言い訳をしようととりあえずそんな言葉が口から出たのだろう。
だが、言い訳は既にできぬ状況。鼻息荒く、興奮した声を上げて体を見ていて。この状況を覆せる言い訳などあるはずもない。
唇をなめる相手の様子に、恐怖と同時に艶っぽさを感じてしまい、さらに息子は膨張。
屈んだことにより揺れる胸は、柔らかさすら伝わるようで。
そのまま、視線を釘付けにする足に目を奪われたまま、触れられ。
「そ、それは。タマモ様が魅力的に過ぎるのと……。
最近、女を喰らっていないせいもあるのですが……。
……って、わぷっ!?」
か細い言い訳を何とかひねり出した。しかもとても情けない類の。
その次の瞬間、抱きしめられ、顔全体を包む胸の感触に、一気に脳が蕩けたような感覚。
そのまま、可能ならば胸へと手を伸ばそうとするだろう。その感触を十分に楽しむために。
痛いくらいに張り詰めた股間は、抱きしめられた瞬間に先走りまで垂らし始めていた。
完全に相手の術中。魅力という罠に囚われた証拠だ。
■タマモ > 「…ふむ、その言葉、しっかりと覚えておくぞ?
はて、その道具も魔法を使うものではなかったか…?
まぁ、妾が使うは魔術とは別物じゃがな、似たようなものは使えるのじゃ」
対魔法の術はあるが、だから魔法を知っている訳ではない。
魔法自体に興味がある訳でもない為、その辺りは適当なものである。
術が使えるのか?と問われれば、隠す必要もないので答えておいた。
「大丈夫じゃ、そうやたらと心配せずとも良いぞ?…多分。
あー…確かにそうじゃろうな、自分から動くようなタイプではなさそうじゃ。
それは助かる、では、また機会を見て行くとしよう」
なんか言い方が子供に言い聞かせるような、それだ。
だが強く返せないのは、きっと身に覚えがあるからかもしれない…と予想出来るかもしれない。
会った事のある魔王の少女、思い出そうとすれば、確かにそんな印象だった。
場所を記したメモを受け取れば、袖の中へとしまい込んだ。
…むしろ問題なのは、行く事を思い出せるかどうかだが…それは知る由も無い。
「妾はどうしたか問うただけじゃが…何が違うんじゃろうな?」
あの様子からの、この言葉だ、なんとなく分かる。
分かるからと言って何もしない程に、性格が良いという訳でもないが。
だから、あえて更に問いを重ねてみる訳で。
「ふふ…ベルちゃんと契りを結ぶ男子じゃ、そちらの趣味かと思うたが…いやはや、健全な男子でもあるよのぅ?
それとも、ご無沙汰なせいで誰でも良いとなっておるのか…どちらじゃ?」
分かりきった答えの返ってくるだろう問い、それを幾重にも重ねて追い詰める。
言葉で翻弄しながら、更に押し付けるようにして胸の感触を強く与えていく。
触れたそうに手が伸びれば、簡単にその手へ柔らかな感触を受ける事が出来るか。
そうしたところで、その耳元に唇が寄せられる。
「おっと、そうそう…変に手を出して、ベルちゃんに睨まれるのは怖いのぅ。
ふふ…いやはや、困った困った、そう思わぬか?」
そこまでしておきながらの言葉。
言葉と同時にすっと伸びる足、その先が、ぐっとズボンの膨らみを踏みつけた。
更にぐりぐりと痛みを与えない程度に、だが刺激を受けるには十分な強さで踏み躙られる。
表情を見る為に視線を向けるならば、こちらの楽しげな表情が見れるだろう。
■セイン=ディバン > 「……おや、余分な言葉を口走ってしまったかな?
あー。これとか、あと道標用の光る石とかは店で買ったやつですね。自作はできないので。
ほほぅ。それは一度拝見してみたいですなぁ」
自分の発言が後々に厄介なことにならなければいいが、と少し危ぶむ物の。一度言葉にした以上はもう手遅れ、である。
懐から取り出した様々なアイテムを見せながら、相手の術に興味があるということを率直に伝える。
「心配だなぁ……。ホント、気をつけてくださいよ?
というか、基本寝てますしね。あの子は。ず~~~~っと。
はい。是非いらしてください。タイミングが合えば、自分が料理を作りますよ」
相手の言葉に、やっぱりどこまで言っても心配だなぁという思い。
だがまぁ、自分よりよっぽどしっかりしているだろうからそこで言葉を止めておく。
そうして妻の話題になれば。まず思い浮かぶのは寝ている姿。
というか、それが一番印象に残る姿であり。目の前の少女にいつか魔王仕込みの手料理を振舞うことを想像しながら笑う。それもまた、のんびりしていて良し、であった。
「……えっ、と」
追求には返答できず。蛇に睨まれた蛙。
あるいはドラゴンの前の冒険者か。
汗の量だけが増えていき、喉が張り付く。
「い、いやぁ。自分は良い女が好きなだけで。ソッチな趣味はないわけでもないですが。
だ、誰でもってわけでは。さっきも言いましたけど、タマモ様が魅力的に過ぎるんですよ」
なんとかそう言葉を紡ぐ物の。どこか緊張感は拭えない。
しかし、そうこうしている内にも押し付けられる胸の感触に意識は奪われ。
着物の上から触れた胸の感触に、思わず息が漏れていた。
「え……。えええええええええ!?
そ、そんなぁ!? ここまできてお預けだなんて、そんなご無体なぁ!!」
耳元での囁きに、心底残念そうな叫びが出た。
そのまま股間を足で責められれば、敏感に反応は返り。
その一物は、少女の足の裏でビクンビクンと痙攣することになるだろう。
恨めしそうな顔で男が少女の顔を見れば、その楽しそうな様子に口ごもり。ここで素直におねだりしたらそれはそれで後が怖そうだなぁと考えたのであろう。
■タマモ > 「どうじゃろうな?
ふむふむ…魔法のアイテム、という物じゃな?なるほどのぅ…
そうじゃな、機会があったら見せてやろう」
さらりと言えるのは、これで何かあるのは相手だから。果たして…それは後々に分かる事である。
説明もなしに見せられれば意識もしないが、こうして説明付きで見せられれば、ふんふんと頷きながら見詰めていた。
見せて損をする訳でもないし、見たいと言われれば見せると、そう約束をしておく。
「………気にし過ぎると、禿げると言うぞ?
そうじゃったのか…妾が会った時は、普通に…いや、まぁ、確かにのんびりしておったな…?
祝いに行って馳走になるのはあれじゃが…うむ、分かったのじゃ」
余りに心配をされ過ぎるのも、あれだ。適当な理由を付けて流す事にした。
寝ている姿を良く見る相手に対し、自分は普通に起きている姿を見ていた。
確かにのんびりしてはいたが、まさか基本的に寝ているとは…そんな風に考える。だが違和感は、無い。
言葉の通り祝うべき自分が、なんか祝われているような…きっと、行けばそんな感じになるのだろう、多分。
「………おやおや、お主、素直さがうりじゃろう?」
にまーっと笑みを深めながら、ついさっき言った言葉をさっそく使うのであった。
どう見ても、その反応を楽しんでいるようにしか見えない。
「お主の良い女の基準がどうなのか…気になるところじゃのぅ?
まぁ、褒め言葉を掛けられるのは悪い気はせんものじゃ」
そう苛めても可哀想か、言葉での責めはこれくらいにしてやろうと。
とはいえ、あくまでも言葉だけ、押し付ける胸はそのまま相手に感触を与えている形だ。
手の動きに合わせ、耳元に寄せる唇から、ふぅっと吐息を吹きかける。
「まったく、仕方の無い男子じゃのぅ?
まぁ…してしまっては睨まれるが、抜く程度ならば許されるやもしれんな?
どうする?してやるか、このままにして戻るか…お主次第じゃぞ?」
とても分かり易い反応である。
心底残念そうな相手に対し、こちらは心底楽しそうにしている事だろう。
膨らみを弄ぶように足で弄り続けながら、頭から手を離し胸に押し付ける顔を解放してやる。
軽く考える仕草をすれば、首を傾げながら一つ浮かんだ案を出し、問うてみた。
問いとしておきながら、目の前で着物を少し緩め、胸元が更に少し肌蹴る感じにしてしまったりするが。
■セイン=ディバン > 「怖いなぁ……。
まぁ、簡単な罠くらいなら自分でも作れるんですけどね。
あぁ、是非。楽しみにしております」
相手の言葉に怯えながら、自身のスキルについて説明する。
そのまま、マジックアイテムを色々見せては仕舞い、見せては仕舞い。
相手の能力については、いずれ見る機会が有れば勉強させてもらうつもりで。
「ハゲッ……。それは、いやですね。
のんびりっていうか、なんというか……マイペースですよね。
いえいえ。もてなす側が料理やらを用意するのは当たり前ですから」
自身の髪を触りつつ、怯えた様子。なにやら心当たりもあるらしい。
互いに思い浮かべる妻の姿。結論。起きていても寝ていてもマイペース。のんびり。クスリ、と笑う。
むしろお客様ですから、と言いながらどんな料理なら喜んでもらえるだろうかと考える。腕の振るいがいがあった。
「……あい。そうなんですけど」
笑われるまま、追求されるまま。小声で返事をする。
しかして、こちらとしては嬲られている気分で非常に精神衛生上良くない。
「基準、すか? ……強い女性ですね。力ではなく、存在が。
ただそこにいるだけで存在感がある女性は好きですよ」
自分の言葉への追求に、シレッ、と答える。
その価値観は、この男特有の物。弱い人間だからこそ、強い存在への憧れが強くなるのであり。
しかして、耳に息を吹きかけられ、胸を押し付けられれば。真剣な顔も維持できないようで。
「お願いします!!」
即答であった。稲光のごとき速さであった。
もはや我慢の限界だったのであろう。相手の提案に二も三もなく飛びつく。
ちらりとはだけた胸元にまたもや視線を釘付けにしたまま、どこかの人形細工のように男はお願いしますお願いしますと何度も頭を下げる。
なんというか、必死だった。かなり痛々しい姿であった。
■タマモ > 【という訳で、中断…!】
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からセイン=ディバンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区の一角」にラケルさんが現れました。
■ラケル > 日のあるうちなら、この上もなく健全な賑わいの中にある筈の界隈。
己が通ったことがあるのも、今までは日中に限られていた。
―――だから少しばかり、否、かなり、気を抜いていたかも知れない。
少々帰りが遅くなっても、危険なことなど無いだろう、と。
けれど、友人と普段より少しだけ長くお喋りしてしまって、
母の待つ宿へ戻ろうと、ひとり、街へ出た時。
行きに通ったと同じ界隈の筈が、何故だか空気の色さえ変わって見えた。
どうしよう、ちょっと怖い、とは思ったが、帰らない訳にもいかない。
いつもより早足で歩き始めた、―――のが、数分前。
「―――ど、どうしよ…う…。」
繁華街の路地裏、茫然と佇む己の手には、明らかにどこかの商店から、
持ち出された、と思しきペンダント。
そう高いものとは思えないが、繊細な鎖の部分には未だ値札がついており、
金を払って持ち出されたもの、とは思えない。
先刻、どこぞの少女から擦れ違いざまに押しつけられたそれを―――
このまま持ち帰って良い筈も、無く。
どうすれば、と周囲を見回しても、くだんの少女の姿はとうに見えず。