2016/05/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 露天通り」にリーシャさんが現れました。
リーシャ > 夜の露天通り。良い匂いのするで店が並ぶ中を少女は歩いていた。
久方ぶりに仕事を終わらせて、いい気分での散策である。
懐もホクホク。後は美味しいものとお酒と――。

「――可愛い女の子が居れば申し分ないってね!」

鼻歌交じりに近くの露店をぶらぶら。
まずは串焼き肉とエールを両手にのんびり進む。
肉をかじり、其の塩っ辛い味を堪能しながらエールで流し込んでいく。
噛みしめる度に脂の味が舌の上でまったりして、なんとも素敵な心地だった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 露天通り」にティネさんが現れました。
ティネ > 串に刺さった肉の一つが、刺さりが甘かったのか、何かの拍子でぽろりと外れてしまう。
地面へと落ちようとしていたそれを、“何か”――小鳥のような小さなものがさらい、持ち去ってしまう。

「~♪」

どこに行ったのかは探すまでもない。
大胆にも串と酒を手にする少女の頭上に座り込んで浚ったものを食していた。

周囲がそれに気づいている様子はない。
しかし勘が少し働くならば、簡単に視えるだろう。
掌に収まるほどの大きさの、羽根の妖精の少女だった。
可愛いかどうかはともあれ、女の子であることには変わりない。
完全に油断しており、捕まえることは難しくなさそうだ。

リーシャ > 陽気な鼻歌とともに肉を食む。
味付けが塩のみと単純なだけあって、その分破壊力抜群な美味しさだ。
さてもう一つ、と口に運ぼうとした所で、ぽろっと肉が一切れ、串から溢れて宙を踊る。
そしてそれは、何かに攫われるようにして、ひゅいっと其の動きを変えた。

――なんだろうか?と気配をたどると、肉をくすねたであろう気配は頭上にやってくる。
しかも座り込んで食べ始めるのだから、なんともまぁ、豪胆だ。
とは言え、一度落ちた肉を捕まえたのであれば、それはある意味落し物だ。
拾った人のものになるのもありだろう、と思いつつ、右手の串肉をさっと平らげ、くずかごに木串を放る。
入ったのを確認すると、頭上に空いた手を伸ばして、そっと妖精を捕まえるのだ。
そのまま手のひらに乗っけると、そのまま顔の前に持ってきて、視線を合わせようとする。

「へぇ、妖精さんか。珍しいねー。あ、其のお肉は拾った君にあげるよー?」

にへら、と笑いながら、エールを一口。
小さな彼女が物欲しそうにするならば、適当に何か買い与えることになる。
なにせここは露天通り。店には事欠かないし、酒には話し相手こそが、何よりもいいつまみなのだから。

ティネ > 妖精の身体が手の中に収まると「ひゅいっ」となんとも言えない声を上げてびっくりするが、
目線が合う頃にはすっかり落ち着いた振る舞いを見せる。
害する意のないことが伝わったのだろう。
視線が合えば、にこ、と微笑み返す。

「あ、どうもどうも。フフ、珍重していいよ?
 ボク、ティネって言います。お肉ありがとねー」

くすねなければ地べたに落ちていただろうとはいえ、やってることは完全に泥棒カササギなのだが悪びれていない。
無害な見た目だが、腹を立てなさそうなものを狙ってやったとすれば相当狡猾である。

「肉の次はお菓子かなー。いや、お酒かなそれとも?」

肉はそう大きな欠片ではなかったらしく、もう食べ終わってしまいそうだ。
手の中で我が家のごとくくつろぎながら厚かましくもさらに注文をつける。
動く小さな手足や身体が、少しこそばゆいかもしれない。

リーシャ > つまみ上げた妖精は、手のひらに入っても大人しい。
人馴れしているのかしら?と首を傾げながらとりあえずエールを飲み干して、カップをくずかごへ。
両手が開けば、片手を彼女のための乗り物に、もう片手でほっぺた辺りを爪を立てないように突きながら。

「ん、ティネッて言うんだ。ボクはリーシャだよー。よろしく。
ま、落ちたものは拾った人のものだしね。――それに、今日はお仕事終わりで気分が良いんだ。
ティネさえ良ければ、好きな物ごちそうするけど付き合わない?」

などとにこやかに返すと、手のひらに乗せたまま移動開始。。
お菓子かお酒か、という妖精につられながらの道行は、なかなか楽しいもので。
とりあえず、と龍のひげとか言うシェンヤン料理の菓子を買ってみる。
紐状の飴を幾重も重ねたらしいそれは、口に入れるととろける一品だ。
それをつまんで、小さな妖精の目の前に差し出すと。

「ほい、食べたい分だけ持ってくといいよ。
お酒は小さなカップが必要だから……ん、小物も見てみる?」

手元で蠢く感触にこそばゆさを感じながら、少女はすっかり上機嫌。
実は世話焼きで、可愛い物が大好きなのである。

ティネ > 「うん、よろしくねー。
 わぁ、リーシャってすっごくいい人だね。大好き!
 お仕事ってなにやってるの? 冒険者さん?」

ふにふにとつっついてくる指を心地よさそうに受け、
その指先に親愛の気持ちを示すように唇で触れる。
端的に言ってチョロい。
こういうふうに愛玩されることに慣れている気配はある。

「へえ、こんなお菓子なんてあったんだぁ。
 お店いっぱいあって、誰かと見て回ると楽しいねぇ」

口や手を汚しながら差し出されたお菓子を頬張る。
その体躯の小ささと相まって小動物に餌付けする図に似ていた。

「よーしどんどん見ていこー!
 食べ物だけじゃなくて綺麗なものもいろいろあるねぇ」

手の上で小さく跳ねる。
まるで初めて露店通りに来たかのようなはしゃぎっぷりだ。
ここ一帯の楽しげな雰囲気と、リーシャとの会話で興奮が高まったのか、
まだ一滴も飲んでいないというのに酔っ払ったように浮かれている。

リーシャ > 「あはは、いやいや、ボクも妖精さん見るの初めてだし。
だから仲良くなろうかなぁなんて言う下心バリバリだよー?
あ、ボクは冒険者でもあるし、娼婦でもあるかなぁ。
ティネがもし夜伽をお望みなら、そういうエスコートも出来るよ?」

にこにこ、ぷにぷに。
唇が指先に当たると、其の何とも素敵な感触に幸せになる。
実を言えばこの少女もまたちょろいのである。

「ん、ボクも始めてみたんだけど、美味しいねぇ。
この通りは色んなお店があるから好きなんだー♪
ただ、こう、ティネみたいに珍しい子は捕まっちゃうかも?」

奥に行けば行くほど怪しい店も増える仕組みだから、ある程度で引き返す予定。
自分一人ならともかく素敵な可愛らしい友だちがいればなおさらだ。
楽しそうにはしゃぐ小さな姿に、こちらも同じく楽しくなって。

「ん、それじゃ、次はティネの小物でも見に行こうかっ!」

てくてくと人混みを縫うようにして、雑貨屋へ。
この程度の人の群れならば少女にとってはないようなもの。
一度も足を止めることなく意中の店にやってくると、店の棚に彼女を卸してみる。
人形向けの――しかしアンティークドールなどを対象にして作られた小物の店。
玩具のような道具は、しかし本物と同じ材質で作られた本格的な物達で。
店主に金貨を数枚渡すと、にぃ、と笑いながら。

「あ、この子を目一杯可愛くしたいからいろいろ頂戴?
あと、妖精用のコップもここならあるよね?」

店主はといえば、お目が高い、と上機嫌でいろいろな商品を勧めてくれる。
帽子にドレスに小さなネックレスに、そして上品なカップのセットなんかも出してきて。
貴族の淑女がおままごとに使うようなそれらを適当に買い付けながら、すっかりごきげんな少女はたっぷりプレゼントしてしまうのである。
問題は、彼女が持てないほど多いおみやげになったということ、それだけだった

ティネ > 「いいじゃんいいじゃん。どんどん、もっともーっと仲良くなろうよ。
 ……って、ずいぶんさらっと言うなぁ!」

年端も行かなそうな少女に、負い目も何もなく稼業をカミングアウトされたのが
不意打ちだったらしく、挙動不審になって顔をそらす。
共寝を仄めかされて、顔がすこし紅い。満更でもないようだった。

「えっへへ。もっとも、もうリーシャに捕まっちゃってるけど。
 キミみたいな子になら捕まってもいいかな……なーんちゃって」

リーシャとともに雑貨屋に向かうと、そこでいろいろな品物を宛てがってもらう。
気前よく様々な装身具を買い与えてもらって、軽く冷やかすぐらいのつもりだったティネは目を白黒させるが
当の買い与える側は気にもしていないようだった。

「ね、ねえ……こんなにもらっても、ボク、何も返せないし、持ち帰れないよ?」

プレゼントに半ば埋もれたような形になって、申し訳なさそうな声を上げる。
とろんと潤んだ眼差しで、リーシャを見上げた。

リーシャ > 「ん、勿論♪もっともっと仲良しだー!
――ま、隠してもしょうがないし、ねぇ。
それで軽蔑されたら寂しいけど、それもしょうがないしね」

にへへ、と笑う少女は良くも悪くもざっくりした性格。
顔を赤くした小さな友人をぷにぷにとつつきながら、一緒に夜を過ごすのも良いなぁと想像していた。

「ん、そかそか――ふふ、それなら捕まえちゃおうかな。
今夜はのんびり楽しんで、また別の夜に……どう?」

雑貨屋では最早着せ替え人形か何かのような勢いで、色々付け替えてみる。
返せないよという言葉には、くすっと笑いながら。

「ん、返してくれなくてもいいし、ティネと目一杯遊べるならそれでいいよ?
ふふ、あるいは、ティネが何かをボクに返したいなら、ボクにしたいことをティネがしてくれれば、それでいいかなって。
……むぅ、かぁいいなぁ。こう、可愛がりたくなる」

つんつんぷにぷに。大きさが違うから無茶はしないつもり。
とりあえず色んな物をまとめると、金属製のミニカップだけをつまみ上げる。
軽く唱えれば、淡い光とともに一瞬でカップが浄化され、綺麗な光沢を示す。
ミレー族の秘儀である魔法をこっそり見せてしまうと、片目をつむって。

「ん、ティネがボクの親友になってくれるなら、見返りなんていらないよ?」

と言い改めると、満面の笑みを浮かべてみせた。

ティネ > まるで着せ替え人形の扱いだが、それに憤ったりはしない。
むしろ楽しむように、様々な衣装をまとってくるくると舞ってみせる。

見返りなんていらないよ、という言葉と、垣間見えたささやかな魔法に、
少しのあいだ虚を突かれたようにしていたが、やがて中身の入ったカップを手に取り、
くいっと一気に呷ると、にへらと笑う。

「リーシャって、思った以上にお人よしだな~。
 でも、ありがとね。うれしいよ」

とりあえず、ネックレスを受け取る。
残りのプレゼントは、後で改めて受け取りなり、なんなり考えよう。

ぷにぷにと愛でてくる指を両腕で抱え、絡みついてしなだれかかる。
伝わる体熱が上がっているのは、酒精のせいだろうか。

「ねぇ、リーシャ。もっと可愛がっていいよ?
 ……いや、リーシャに可愛がってほしいな、ボク」

指先の腹にくちづけて、ちろ、とかすかに舐めた。

リーシャ > 「ボクはお人好しだよー……ま、可愛い子だと余計にね?
――だって、ほら、可愛い子の笑顔って素敵で、ボクも幸せになれるし。
ん、どういたしまして――かわいいよ、ティネ♪」

にこにこぷにぷに。其の内にしなだれかかってくるティネの姿。
指先に当たる体温と柔らかさは確かに女の子のもので。
ほんのりと甘い匂いのただようその肢体を指先で軽く撫でるようにしながら。

「んー……うん、可愛がるけれど、こう、なんだ。
ティネの大きさ考えると無茶したら大変そうだし……。
気持ちよくなってほしいから、こう、宿に帰ってからかな。
そしたら、ティネと同じくらいの大きさになれる魔法具がある」

冒険で手に入れた、多分役に立たないマジックアイテム達。
其の中の一つに小人の指輪という、ただ小さくなるだけの指輪がある。
潜入依頼に使えるかとも思ったのだが、小さくなると距離が長くなるから諦めた代物だ。
そんな、ポンコツアイテムがしかし、彼女を愛するには役立つというと、何とも因果な物を感じる。
ちろり、と舌先が当たる感触にくすぐったさを覚えると。

「んー……ふふ、ティネ、最後にエッチな店もよっていく?
ティネの好みの玩具買っていこう……♪」

などと言いつつ、奥の怪しげな店に入っていく。
マジックアイテムの淫具やら、媚薬やらが売ってるお店。
其の中に入ると、意地悪くティネに選ばせようと、様々なものを見せて回って。