2016/05/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区路地裏」にレーゼさんが現れました。
レーゼ > 「~♪」

鼻歌交じりに路地をゆく娘。
取っている宿に向けてはこの通りを使うのが近道になるのだ。
明るい時間帯であること、すぐ建物の向こうが大通りであることもあり、この道は荒事には向かない。
また、路地裏とはいえそこそこの広さがあるため、ちょくちょく場所をとれなかった小さな露店があぶれて店を出していることもある。
今だって小物を扱う店の横を通り過ぎたところだ。
先だって中々美味しいお仕事を終えたところ、懐に余裕があるからこその上機嫌だ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区路地裏」にヘクターさんが現れました。
ヘクター > 表の顔での仕事を終え、都合が良い所で消えようと人通りの少ない場所を探して歩いていた。
だが、この道を選んだのは失敗のようだ。
露店はあるし、それなりに人も居る。

「なんだ、いつぞやの剣士ではないか。」
通行人の中に見覚えのある顔があるのを見つけると、背後から駆けより声をかける。

レーゼ > 「あら。その声は、先日の依頼主さん」

背後からの声を受け、くるり振り返り挨拶を向ける。
本日の装束はごくごく普通の、どこにでもいるような町娘姿。
ただ腰に帯びた剣のみが娘の身分が外見とは違うことを意味している。
なお、片手には昼食代わりの林檎が一個握られている。

「こんにちは、今度はこちらがお散歩コースかしら?」

はじめての邂逅のおりもそうだったことを思い出してか、ゆるく首を傾けて

ヘクター > 「その節は世話になったの。 君の剣の腕前には恐れいるわい。」
あいかわらずマスク越しのくぐもった声を出す。

「今日は既に一仕事を終えた所での。 君こそ、今から食事か? そんな量では足りんだろう。」
穏やかな声をかけながら、マスクの中の瞳は少女の首から下を眺めている。 結局、あの時は床を共にするタイミングはなかった。 この女の味はどうなのだろうと歪んだ感情がふつふつと湧き上がっていた。

レーゼ > 「大げさですよ?ちょっと野獣の類と、夜盗を数回追っ払っただけなのに」

けらけら笑って手をぱたり。
事実剣しか使っていなかったのだ、本領発揮からは程遠い。
さてと手にした林檎を口元に運び、かしゅりと一口含み、もぐもぐ。

「私って結構燃費はいい方なので、大抵お昼はこれくらいなんです。……お仕事の時は確かに、もう少し量を食べていましたけどね」

食べられるときにしっかり食べるべき。特にそれがただ飯ならば言うまでもない。
傭兵とは意地汚いものなのだ。
――ともあれ、マスクごし、どことなく男の声がねとりとした色を含んだ気がする。
半歩だけ片足を後ろに引いておこう。――何事も交渉次第だ。

ヘクター > 「やはり傭兵は違うな。 わしならその数回の中で何度絶命しておるか。」
マスクの中から大きな笑い声が響く。
ならば、おおげさでない相手が居た時はどうだったのだろうかと女の剣に視線を向けつつ、笑みが浮かぶ。

「ほう、随分と良い体をしておるな。 わしなぞ、こう見えて大飯ぐらいでな。 昨夜も食い散らかしてきたとこだよ。」
昨夜のことを思い出し、一人で笑っている。
無論、何をしてたかなどこの場で言えるはずもないが。

女の脚が僅かに下がったことに気付くと、男は再度笑みを浮かべる。
「鋭いな、早速だが別の仕事を依頼させてもらおうと思ってな。 な~に、今度の仕事は簡単だ。 わしの食事に付き合ってもらうだけで良い。」

レーゼ > 「またまた、随分と余裕な態度だったし、私が倒れても何らかの手段はあったんじゃないかしら?」

仕事外だからこそできるやりとり。
実際がどうであったのかはさておこう、此方の手の内を晒し切っていないように、あちらもまた手札を切りきっていないのだろうし。

「あまりいいものでもないわ。私だって美味しいものはたくさん食べておきたいもの」

大食漢のほうがうらやましい、と告げる女性はとても少ないかもしれない。
その少ない人種が目の前のこの娘、ということか。
言葉通り、普通に食事を多くとる、という意味合いで受け取ったらしい。

「――勘を信じるのは傭兵が生き抜く最低限の能力だからね。食事に付き合う仕事…?となると、報酬は一食分の食事代ってことになるのかしら?」

ただの食事で報酬が得られる、という話はまずあり得まい。
ならばこれは単に食事の誘いだと受け取るべきだろう。

ヘクター > 「何を言う。 怖くて怖くて震えておったではないか。」
己がそうしているように、向こうも手札を隠している。
それが分かっているだけにとても面白く、男の笑い声が止むことはない。

「そうは言うが、大食漢と言うのもなかなか面倒だぞ?
常に食べれるようにしておく必要があるわけだからな。」
受け取った意味合いが違うような気もしたが、気にせず話を続けることにした。

「それに守秘義務もつくので、報酬はかなり多くなるがな。 このマスクの下は醜い跡がある故、信用のおける人間でなければ晒すわけにはいかんのだよ。」
女の太腿へ視線を向ける。 ねちっこい視線を。

レーゼ > 「ふうん……?ここは殿方の顔をたてて、そういうことでしたと頷いておく方がいいのかしら」

に、と悪戯な笑みを浮かべ、これ以上の追求は控えることにしたらしい。

「一度お仕事を完遂しただけでずいぶんな買いようね? 信用というものは確かに大事なのは頷くけど――、一回くらいはデートのお誘いを受けるのも、良い女性というものね」

なんだかずいぶんと随分なことを言う。
視線については――マスクのおかげで気づかないのか、それとも知っていてスルーしているのか。
勘のいい傭兵、ということを加味すればある程度答えは絞られるものだが。
――ともあれ、食事の件は受けることにしたらしい。

ヘクター > 「君からそのような言葉を聴くとはな。 意外と気遣いの出来る女ではないか。」
むしろ逆のタイプと思っていたので、ツボにはまったらしい。
くくっと声を漏らしながら肩を震わせている。

「一度仕事をしている姿を見ればおおよその人となりは分かるものだ。 では、契約成立かな。 あいにくわしは仕事人間故、デートなどはからっきしでな。 この辺でおすすめの店があるのなら教えて欲しいのだが。」
ただの食事だけとなるか、男の望む意味での食事となるかは女が選ぶ場所次第となるか。

レーゼ > 「ちょっと失礼じゃないかしら?その言葉運びは」

声色だけならば憮然としたものなのだが、表情は変わらず笑みのままであるところからして、自分自身が割と真逆であることは自覚しているらしい。

「見た目以上に長らく生きているのなら、デートの一回二回程度はあるでしょう?――私この町にきて散策前にあなたのお仕事を受けちゃったのだもの」

このあたりの地理になど、とんと詳しくない。
今回のクライアントの条件を考えるに必要となるのは個室であること、くらいか。
顔を魅せたくないと言っていたのだし。

「――おすすめというまでにはいかないけれど、この路地を抜けた先に、部屋わけしてくれる酒場があったわ。お昼からお酒というのもちょっと不健康だけど、たまにはいいでしょう」

ヘクター > 「おおう、これはすまんな。 つい本音が漏れてしまったよ。」
肩を震わせながら話を続け、次第に息が荒くなる。 笑い過ぎだ。

「よく気付いた。 やはり君は鋭い。 …それは悪いことをしな。 お詫びに好きなものを飲み喰いしてくれ。」
長く生きてると言われ、己の中を見透かされたような気がした。 マスクの中の表情が一瞬凍りつく。

「それは重畳。 いい店を知ってるではないか。 わしはあまりこの辺の店で食べたことがなくてな。 ささ、案内してくれたまえ。」

レーゼ > 「はいはい。落ち着いて深呼吸ー」

すすす、と近づいては、ぷるぷるしそうなくらい息がやばめになっているかもしれない男の背中をさすさすしようと手を伸ばしつつ。

「初対面のときに、長く生きているって言っていたこと、私はしーかり覚えてるから、ね」

ふふ、と少しばかり得意げな笑い声。
時々いい仕事をしてくれる記憶力であった。
さて、とりあえず男の素顔を見て、覚えるためにも――個別ブース使用可能な酒場へと、男を案内することにしよう。
路地裏を抜けて本当にすぐ目の前にあることを記憶している。時間には少々早いので割増料金をすこーしばかり取られるかもしれないことは、覚悟しておいてもらおう。

ヘクター > 「おいおい、まるで老人でもあやす様ではないか。」
笑い過ぎて呼吸が怪しくなっていた所で、背中に柔らかい手が触れる。 男はされるがまま、次第に呼吸も落ち着いてくる。

「いかんな、君の前だとどうしても気が緩むようだ。」
女に連れられるまま、店へと入ってゆく。

マスクを着けた状態での来店はやはり目立つらしく、周囲の視線がささるのを感じつつ個室へと。
「さて、君には今後も仕事を頼んでいきたいものだが。 君は口は固い方かね?」
マスクに手を駆けながら、再度尋ねる。 それはつまり、うっかり喋ったらそれなりの代償が発生するとの意を込めて。

レーゼ > 「ふふ、それが嫌ならもう少し若々しく保つことをお勧めするわ」

呼吸が落ち着いてきたところを見計らい、手を離して。
酒場では個室の注文を行い、席を確保するまでが依頼された側としての仕事だ。

「それも傭兵としての手腕かもしれないのだから、気をつけなきゃいけないわね、商人さん?――きちんとここから先は他言無用だ、という契約があるのなら、傭兵はそれを遵守するものよ」

席につき、とりあえず対面に座ることにして。
口の軽さはそのまま自身の命の軽さに直結することがおおい世界だ。
が、逆にどうでもいい情報ならば軽く出さねば重みで沈む。その配分を決める目安が自身の勘と、約束事の二点だ。

ヘクター > 「こう見えて、だいぶ頑張っているつもりなのだがな。」
マスクの中から深い息を吐き出す。

「ふふ、そういう仕事はやはりプロに任せる方が安心そうだな。 わしは商人らしく金の力で解決するとしよう。 …では、そのようにな。 無論、契約である以上その分の費用は支払おう。」
互いが席に着き、取り決めを交わした所で男はゆっくりと帽子を外し、空いている椅子に置く。 次に、マスクを外した。
青白い肌と、金色に輝く二つの瞳。 誰が見ても魔族の顔だと分かることだろう。 
「これを踏まえてだが、今後もわしの依頼を受けてくれるかね?」

レーゼ > 「ふふふ、駄目ね。頑張っている感を感じさせないのがコツなんだから」

得意満面に告げる娘だが、別段若作りについて詳しいわけではない。
割と外見と本来の年齢に差異が少ないのがこの娘なのだ、ただくぐってきた修羅場と絡んできた人種の多さがこの性格やら価値観やらを作り上げているにすぎない。

「ええ、つまり今回のお仕事は――あなたが魔族であることを黙っていればいいだけなのね。お仕事についても別に無茶な依頼でなければ、特に忌避することもないよ、私は」

それならばたいしたことはない、とばかりに男の前にメニューをぽん、と差し出し。
居酒屋メニューでしかないが、個室まで運んできてくれる。その前にノックはされるので、マスクなどはその折に付け直せば店の者にもばれまい。

「それにしても、そんな明らかな外見なら変装系の魔術なりなんなりのほうが良いんじゃないかしら?マスクだと視界も狭まるでしょうに」

魔族?だからどうした、とでも言わんばかりの対応であった。
自身のポリシーに反するレベルでの無茶な依頼を押し付けてこられたり、金払いが悪かったらまた問題ではあるが、今のところこの依頼人はそれらの条件には全く当てはまっていない。
告発する理由も利点も存在しないのだ。

ヘクター > 「それは良いことを聴いた。 やはり何事もやせ我慢が肝要と言うことか。 とはいえ、わしは己を抑えることがひと一番苦手でのう。 今も目の前の女に手を出したくて仕方ない位だよ。」
マスクを脱ぐことで、次第に己の本性も露わになってゆく。
金色の双眸はギラつき始め、口元には唾液が浮かび始めている。

「これは助かるな。 何せこれを付けたままままではあまり目立った行動もとれずに難儀していたのだ。 これからは時々おつかいのような仕事も出させてもらおうか。 無論、金は出す。」
差し出されたメニューを開きながらニイっと笑みを浮かべる。

「おまけに近頃火遊びのしすぎで当局から目を付けられておる。 そろそろ表の仕事は適当な者たちに振っていきたいと思っている所なのだ。」
魔族と明かしても驚きすらしない女の対応に更に気をよくした男は己の状況を少しずつだが開示し始める。
あとはどこまでの仕事を受けてくれるかだが。

レーゼ > 「こらこら、そこはもうちょっとやせ我慢するところよ」

ぺひん、と自分のメニューを持ち上げて軽くはたく仕草などかまし。
が、別段そういう目で見られることを厭う様子はない。

「むしろ小間使いのものでも買えばいいのに。私が町から離れる仕事をうけたときはどうするのかが心配ね?」

まったく全く。かるくかぶりを振りつつ、自分のための注文を軽く用紙に書き始める。
焼き鳥串の盛り合わせとエールの二種だけであるが。
昼間からというのに、本人の言通り飲むつもりらしい。
あらかた書いたのちに、はい、と男のほうに差し出す。なお注文書を持っていくのは娘が行うつもりである。

「お仕事は受ける。受けるけど――先に言っておくよ?
お金である程度のことはするけど、これだけは譲れないっていうお仕事は受けられないよ、私。
具体的にいうなら、村一つを焼き滅ぼせー、だとか。抵抗しないものを拷問の末殺しつくせー、だとか」

早い話が、一般的な倫理観は人間に準じている、という意思表示だ。
過激な内容なのは魔族の感覚とどれだけずれているのかがわからぬため、指しあたって示した例でしかない。

ヘクター > 「おいおい、依頼主はもっと優しく労わるものではないのか?」
メニューではたかれた所を青い手で摩りながら抗議する。
とはいえ、怒っている様子など微塵もないが。

「それは問題ない。 そのうち手頃な奴が出来る予定でな。
今後はその者に代わりをさせるつもりだ。 しかし、本当に呑むのだな。 潰れたらわしが送り狼をしてやろう。」
紙を受け取り、己は焼き豚と赤のワイン、それとウインナーのボイルを書き足してから手渡す。

「難しいことをいうのう、もう少し融通がきくかと思っていたが。 まあ、そのような依頼をすることはないだろうな。 あるとすればわしの護衛と夜伽位かのう。 ひひひひ。」
歯をむき出しにし、笑い声を響かせる。

「あとは、こいつの世話をしてくれると助かるかの。」
腕の裾から、一本の触手が伸びる。 ソレは女の顔を見上げながら仄かに魔力を放ち始める。 媚薬の類にあたる魔力を。

レーゼ > 「べ。もうちょーっといいところ見せてくれてたのなら考えたわよ」

軽く舌を突き出した。悪戯な表情もここまで来れば子供である。
さて、男の注文もそろったことだし、一端席を立ち、注文用紙を届けてくることにしよう。

「できないことを先に告げておくのもプロの仕事よ。
――まあきちんとそれを聞き届けてくれる相手にしか言わないことだけどね。この前も行ったけれど、伽の時にこんなはずじゃないと言われても返金はきかないからね?」

席に戻ってきてから会話の続き。
と、している間に伸びた触手、男の表情からなるほど――とは口の中での呟き。

「追加料金になるわよ?」

ちらり、いたずらな光を宿した瞳は――左のみ、その色彩が濃縮した鮮血のように、真っ赤に変わっていた。

ヘクター > 「それは追々見せるとしよう。 なに、今だから話すがこう見えて魔力には自信があってな。」
くくくと、笑みがこぼれる。
腹の中を曝け出した状態で話せる人間は貴重で、且つ楽しい。

「それに関してはわしは君を信用しているのだよ。 逆に言えば、君は己で言ったことは守るタイプのようだしな。」
女が席に戻るのを待って会話を続ける。
女の瞳の色が変わるのを目にすると、男の瞳がきらめきだす。

「金で良ければいくらでも出してやろう。 その代り、こいつを触るか口に入れてくれぬか? 君の魔力を味わいたい。」
男の望む食事の内容が次第に露わになってゆく。 

レーゼ > 「ほら、やっぱり私が何とかしなくても野獣や夜盗あたりにどうにかされるわけないじゃない」

変わったのは左目の色彩のみ。
魔力が高いことと魔族であること、その二つを合わせれば、そのあたりのチンピラにどうこうされるような脆弱な存在ではないということが察せられる。
さて、魔力の味について言及したところからして、彼の食事方法はそういうことなのだろうと察した。
ならばと左腕の裾をまくり、男のほうへと差し出して

「席がちょっと遠いから、もう少しこちらに伸ばしてくれないかしら?」

肌に触れるほうを選ぶとしよう。
別に長く伸ばせるのならば口に入れることもまた選択肢にはあるのだが――そちらは少々、娘にとってではなく相手にとって都合が悪い。

ヘクター > 「どうにかできるからと言って雇わない理由にはなるまい。
金で解決できることは金で解決するのが商いだからな。 ふははは。」先程から言い負かされっぷりだと思うと、どうしても笑えてしまう。 

「君は本当に偉いな。 これを見ても驚かんとは。」
男の裾から伸びている醜悪な肉の塊は女の眼前まで伸びていく。触れられるよりも口の方が良いのか、口廻りをうろつき始める。 当然、周囲を漂う魔力の量も多くなっていく。

レーゼ > 「……それもそっか、お金で何とかするのが商人、いや確かね」

くふ、と小さな含み笑い。
さてと、腕に絡みついてきた触手に少しばかり背筋がぞわりとする。
肌から魔力を吸い上げられる感覚は慣れることはなさそうだ。
物欲しげに口元をうろつく様子に、仕方ない、と小さな呟き。

「……気を付けるけど、そっちもあまり動かさないようにしてね」

いまいち不明な言葉を向けて、小さな唇を開き、男の触手を咥内へ迎え入れる準備。
娘の発した注意の言葉は、触手をねじ込んだ際にわかることだろう。
八重歯、という表現で収まらないほど犬歯が尖っているのだ。それこそ、肉などたやすく穿ってしまうほどの鋭さで。
――じわ、と背筋に浮かび始める汗、紅潮し始める頬、それが男の魔力によるものであることは把握しているらしい、別段不振がる様子もない。

ヘクター > 「そう、そして君がしてくれることは全てリーズナブル。 ともすれば払わないわけがなかろう。 …こういった経験は初めてか? 慣れると気持ちいいらしいぞ。 何せ、わしの領域にはこれで骨抜きにされた女がもう何人もいるからのう。」
見た目からはあまりわかりづらかった、複数の種類の魔力を有しているようだ。 肌から吸い付いた魔力の味から察した男は全身に甘美な味が広がっていくのを感じていた。

「気にするな、それは傷ついた端から再生する。 わしの無尽蔵な魔力のおかげでな。」
女の口元から入り込んでゆく一本の触手。
途中、鋭い牙に引っ掛かり、緑の血を流すも構わず喉へと入りこみ、女の唾液と魔力を吸い取り始める。 その変わりに、催淫作用のある己の魔力を流し込んでゆく。

「この魔力もなかなか美味だのう。 上質なブレンドと言った所か。」

レーゼ > 「ん……ぶっ、ふ……ぅぅむ……っ」

口の中に触手が入り込んでいるため、ろくな受け答えができないのは仕方がない。
さて、男に伝わる魔力は――人間、ミレー族などの一般にありふれた人種のものが表面を覆う。
その裏に宿るのは濃ゆい吸血鬼としてのそれ。左目の赤はその名残であるらしい。

「ふ……ンぅ……ッ、ぁ…――……!」

ぬるり、ぬぢゅりと喉の奥にまで入り込む触手、息苦しさから体が跳ね、手に力がこもるたび床を引っ掻く動きになる。
細めの喉は内側から押し上げられ、空気を求めて体がのけぞる。

――けれど、ある一定量以上の吸収は許可しない、とばかりに娘の意志により抑制がかかっているらしい。
一方で流れ込んでくる催淫の魔力が身に吸収され、身体がなお火照り、太ももをすり合わせるように脚が動く

ヘクター > 「ほう、吸血鬼の味もするな。 これは珍しい。」
吸血鬼自体は味わったこともあるが、それがミレー族と交わっているのは初めて味わう。 男の全身へ魔力が流れ込み、やがて男の象徴は固くなり始めていた。

「息苦しいか。 わしは女のそういう表情を見るのが何よりも好きでのう。 ほんとに、好きでのう。 ぐひひひ。」
弛んだ男の口から唾液が零れ落ちるが、気にせず触手を口腔内で暴れさせている。 魔力の吸収が阻害されても、魅了の魔力は止めどなく流されていく。

「なんだ、こっちもそろそろ限界か? どれ、わしが可愛がってやろう。」
机の下で足が動く音が聞こえると、それがどういうことかは男が一番よく分かっていた。 もう片方の袖から触手を伸ばし、机の下を潜らせ少女の太腿を撫でまわす。 
粘着質な体液で少女の脚を濡らしてから、股の間に触れようとする。

レーゼ > 「く……ぅう……ンんぅ……!」

呻く声。男の様子を見る余裕はない。かりり、かりりと何度も床を引っ掻く音。
口が自由なら軽口の一つでも叩いてしまいたいところであるのだが、全身のほてりも相まってそれが叶わない。
――さらに吸い続けておくのならば、送り込まれる催淫の魔力を取り込み、なじませ、相手に吸わせるという循環系を作り上げるまでに至ることだろう。
剣術は得意だが、それと同じくらいに魔法の扱いにも長けている、ということの証明ではあるのだが。

「んひぅ――!!」

スカートの内側、太ももを撫でまわしにかかられると流石に腰が跳ねあがり、がたりと机を揺らした。
ぬちゅ、ちゅくり、と触手からの粘液でてらてらと光を帯びる太ももがさらに這い上がり、足の付け根に至るころには右手がその動きを邪魔するように、ぐっと触手を抑え込みにかかる

ヘクター > 「やはり女との食事は最高だ。 多少の金なぞまるで痛くもないわ。」
苦しげな声をあげ、床を掻く女の様子をニンヤリと笑みを浮かべて眺める様はまさしく悪魔。
催淫の魔力が返され始めるが、それ以上に女が悶える姿を見ているだけで男の劣情は刺激されてゆく。
興奮していよいよ歯止めがきかくなってきた男は、魔力の吸収を打ち切り、魅了の魔力を送ることに専念する。
並みの人間であればとっくに狂っていてもおかしくない量の魔力の量。 それが更に増えるのである。

「あいにくだが、わしの触手はまだまだあるぞ?」
両手の裾が開き、左右からそれぞれ4本の触手が伸びる。
右手に捕まった触手はそのまま手に絡みつき、その間に新たに伸びた八本の触手が女の胸元や、お尻を撫でまわそうとする。
当然、触れた個所から魅了の魔力が注がれる。

レーゼ > 「―――――!!?」

声のない悲鳴、という表現が一番適している。
様々な混血ゆえに魔力耐性が強く、そのおかげで壊れていないだけである。
とはいえ体の感度が鈍いというわけではない。壊れはしないが暴力的な快感に娘の体は幾度も跳ね、後ろに倒れ、脚を、腕を、腰を悶えさせる。
開かれた目の端にはじわりと涙の粒が浮かび上がっている。
ぬちゅりと粘っこい水音を立て、衣服越しに胸元に絡みつき、お尻を撫でまわし。痺れるような快感に指までもひくひくと痙攣させる。
胸のふくらみはいささか着ぶくれするらしく、感触的には印象より小さ目になるかもしれないが、決してないわけではない。

ヘクター > 「そろそろ、話せるようにしてやるか。 お前の悲鳴を聴いてみたいものだしな。」
口から喉にかけて散々蹂躙していた異物を抜き取る。
ズルズルと緑の体液をまき散らしながら抜き取られその際に女の顔を派手に汚すことだろう。
目尻に光る物が映ると、それを抜いたばかりの体液まみれの触手で拭おうと。

「報酬の中に新しい服の代金も足してやろう。」
衣服越しにこの反応ならば、直接粘膜に触れたらどうなるのだろうか。 邪な考えが浮かんだ男は触手の先で女の衣服を貫き穴を開け、そこから侵入する。 お尻や胸を直接触手で撫でまわし、大きさや形を確かめていて。
「割と小ぶりではあるが、案外柔らかいではないか。」

レーゼ > 「ん……ぶ、ぁ、がっ……!!」

喉を逆方向に撫でまわされ、嘔吐感に顔を染める。
引き抜かれ、かひゅう、と掠れた息を吸うと共に、顔にまき散らされる緑の体液。ずいぶんとひどい状態にされたものだ。

「ひはっ……、わ、私じゃ、なかったら、これ、発狂、してるで…しょ、おっ…!?」

まず第一に出たのは、そんな苦情。
服の代金は当然出してもらうにしても、まず帰るために服が必要である。
……まあそのあたりは何とでもできるのだが。

「ひぁ……!?ん、ぅぅ……ンぅう…!――は、ぁ、はあ……」

その声がくぐもった悲鳴に変わったのは、全身を嬲るような動きに熱せられて。
乳房は触手に巻き付かれ、撫でまわされ、柔らかに形を変えて弾む。ぷくりと膨れ上がった朱色の突起が、わずかに残っている布地を押し上げている。
お尻のほうはどちらかといえばやや小ぶりか。その分太ももにかけてのラインがきゅ、と引き締まっているわけなのだが。

ヘクター > 「お前でなかったらな。 これくらいで狂う女でないことは魔力をみればよく分かる。 何せ、わしはお前をよ~く信頼しているからな。」
多少の無茶をしても壊れないとの意味か。 
久方ぶりに聞こえた声ににんまりと笑みを見せる。

「うむ、いい体をしているな。 男にもてるだろう。 尤も、そのおかげでわしのような者に気に入られることになるのだがな。」
胸の先に触手の先端を擦り付ける。 体液で胸を濡らしながら乳首を刺激しつづけ、他の触手が女のボディラインを味わおうと、腹や背中を触れる。 下腹部の傷跡に触手が触れる。
「ん? これはなんだ?」
いぶかしげな表情を浮かべるが、触手は女の身体を弄り続ける。お尻を触っていた触手は尻の割れ目をなぞる様に動き、菊門の中に入りこんでゆく。 

「そういえば、名はなんと言うんだ? 今後も定期的に依頼をするのにいつまでも傭兵殿では困るからな。」

レーゼ > 「無茶なことしすぎは、流石に私もきついんだ……から、ぁ…っ!」

つんと張り出した先端を擦られ、声が上ずる。
あらわになり始めた肌に絡みつく触手のせいで息が上がり、腰が浮き上がる。
すっかり発情して出来上がった体は、最早その刺激だけでは足りなくなってきているのか、脚の合間を濡らす液体は、触手からの粘液のせいだけではなくなっている。

「お察しの、とおり……っ、よ、く告白、され……きゃふぁ…!!」

づ、ぬりゅ。
触手自身の粘液のおかげでさほどの抵抗なく菊に埋め込まれる触手。
その刺激を受けて、ぐんと体がのけぞり、腕に、脚に、触手を引きちぎるほどの力が籠められる。
――最も、下腹部の傷に触れた触手はその先端がわずかなりとも分解されたかもしれない。
正確には分解された上、一部を支配しにかかられた、というべきか。
そのか所は特に吸血鬼としての魔力が高く込められているらしい。

「れ……ぇぜ……ッ、か、ひゅ……、お、おしりの、ぬいて……!」

がくがく、と腰が震え――

ヘクター > 「その割には、こっちは喜んでおるではないか?」
股倉を触れた触手に女の蜜が触れると、そこへと触手を伸ばし
秘裂を触手が上下に触る。

「であろうな、お前にはそれだけの魅力がある。 男を夢中にさせるだけのな。」
腹に触れた触手が消されると、驚きの表情を浮かべるが
これだけのさもありなんと傷跡以外の箇所を触れていく。

「レーゼか、抜いて欲しければもう少しわしを楽しませてくれんとな?」
ジュルジュルと、男は触手を奥へ奥へと忍ばせる。

この後も個室での情事は長く続くことだろう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区路地裏」からレーゼさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区路地裏」からヘクターさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイニフィさんが現れました。
イニフィ > 今日も、ここにお茶を飲みに来ていた。
最近何か考え事をするときは、ここでアイスカフェラテを飲みながらじっくり考えることが多い。
まあ、考えるといっても大体は次の旅行のプランとか、その程度なのだけれども。

「………ふーん?貴族の社交場が突然の閉鎖か…。
こういうときって、なんかきな臭いことがあったりするのよねぇ……。」

そして今日も、イニフィの手には新聞羊皮紙があった。
ここのところ、これを読むのが日課になり始めている。
なんだかんだで、世の中の情報を見るのは意外と楽しいものであった。

イニフィ > カフェラテを口に含みながら読み進めていく。
何でも、とある王子がその社交場に登場したらしい。

だが、そのことが原因で―――とは少し考えにくい。

「こういうときって大体、奴隷市が絡んでたりするのよね…。」

奴隷市を貴族が運営していて、それをもみ消すために一度底を閉鎖してしまう。
ほとぼりが冷めたら、いつの間にかまた復帰してるだろうとイニフィは予んでいた。
まあ、自分が利用するわけではないのでどうでもいい話だ。
奴隷などイても、旅行の妨げになる可能性もあるし、何より維持費に回すようなお金はない。

「それに……。」

イニフィ > 「さて、と……。」

いったん宿に戻ろう。
後でどうせまたでかけるつもりだけども、とりあえずは宿でまた考え事の続きでもしよう。
カフェラテを飲み終え、会計を済ませその場を後にした。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイニフィさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にストークさんが現れました。
ストーク > 平民地区の街中をゆったりした黒い長髪の男が歩いていた。
この近辺は特に賑やかであり、富裕地区に居を構える彼もこの場所を好んでいた。
何も考えずに遊ぶというものはなかなかに楽しいもので。

「ただ遊ぶならここですね。」