2016/03/03 のログ
リト > 「……なら試しに滅ぼしてみると良いよ?それが出来ればの話だけどね」

挑発するような言葉を投げかけ、鎖を回避する様を見つめる。
そうして少し腰を低くすれば、クロスレンジに入り込み猛進する少女に向かって駆けた。

避けず、避けられず正面からぶつかったならば、吸血鬼の身体能力――怪力をもってアデラを押し倒しに行く。

アデラ > 「言われずともさ!」

腰を低くした体勢で自分へと駆けてくるリト。
しかし、吸血鬼をはじめとした魔族は人ならざる怪力を持つは常なること。
クロスレンジで押し負けるようでは『魔族狩り』などできようもない。

「……ちょろい!止まって見えるね……!」

まるで、木枯らしに舞う木の葉の様に少女の体がふわりと浮き上がり、
跳び越すようにリトの突進を回避すれば、そのまま蹴りを見舞おうとする。

勿論これもただの蹴りではない。足先からは、ブーツを突き破ってブレードが飛び出しているのだ。
この刃にも先ほどの矢と同じく、対魔族用の術式が刻み込まれており頭などの急所に受ければ……。

リト > 「……と、ぉ……?」

浮き上がったアデラの身体に突進が空を切る。
間髪入れずに見舞われんとした蹴り、ブレードを勢い前転でかわし、起き上がった。

「やるぅ。……結構楽しめそーね。これは予想外ー」

言うと自分の指を食い破る。流れ出た血で瞬く間に弓矢を形作れば、アデラに向けて放った。一本、二本。

アデラ > 蹴りを躱されてもなお、バランスを取り一回転。
そのまま、体操選手の様に綺麗に着地を決めるとたん、と地を蹴って少し距離を取り。

「ハッ……泥にまみれながらスッ転んだ気分はどうだね吸血少女君!」

(今のを躱すか。なかなか運がいい……いや、こいつは結構強いね。
 足の仕込みをさらした以上、勘がいい相手なら手の仕込みもバレてるだろうな。)

ちょうどそこに飛来する血の矢。
回避を試みても良かったが、体勢がまだ完全に整いきらなかったアデラは、
安全策として手首から展開した隠し刃でそれを弾き落した。

リト > 「いやいや、良い気分じゃないよねぇ。早くお城帰って身体洗いたいかなー……」

ぽんぽん、とドレスの汚れを手で払う。
矢は少量の血があれば幾らでも作れるようだ。
叩き落されたのを見るなり、立て続けに三本ほど放つ。異なる軌道がアデラを襲う。

アデラ > 「チッ……こいつ……うっとおしい……!」

再び、猛進を開始しながらもその両手からブレードを展開し、2本をすれ違いざま斬り落とすアデラ。
例の矢は装弾数がたった数本しかなく、おそらく無尽蔵に弓矢を作り出せるであろうリトとやりあうには分が悪すぎる。
勝ちを拾うには、なんとしてでも再びクロスレンジに持ち込むほかないのだが……。

遮二無二、慣行したこの突撃ははやや勇み足。

「っ……!」

(しまッ――。)

最後の1本の矢が回避しきれず、足に突き刺さり……。

リト > 叩き落された二本と、アデラに突き刺さった一本。
してやったりと唇を舐めた。瞬時に片手を彼女へと向ければ、再び鎖がその身を拘束せんと飛び掛る。

「………うぅん、惜しかったねー。もうちょっと頑張ればわたしを殺せたかもだけど!」

屈託無く言ってのけながら、さて俊敏なその身体を絡め取れるか。少し離れた位置から見守る。

アデラ > 「くううっ……!!!」

唇をかみながら、飛びずさろうとするアデラ。
その際に膝から、ガキンと硬質な鉄と鉄がぶつかり合うような音が響いた。
深々と血の矢が刺さった状態で動けるとは人間にしては大したものだ。人間にしては。

「くは……ッ!」

とはいえ、鎖を回避するまでにはいたらず
その体を拘束されてしまって。

リト > 拘束した。矢を受けても動けることに心中感心しながらも。

鎖は彼女の手足を絡め取る。そうそうまっすぐには立っていられないだろう。
愉快そうな微笑を浮かべながらアデラに近寄った。

「……ふふっ。どう?身動き取れない気分って。どーかなぁ?」

アデラ > 「……っ、くそッ……!!」

手足を絡めとられ、その場にどうと倒れたアデラ。
鎖から逃れようと、手足を字面にぶつけるもガチャガチャと空しく音を立てるばかりで。
まだ、すぐに拘束から逃れられれば戦闘から逃亡の目もあっただろう。

しかし、リトの靴が倒れて狭まった視界に入った時、その希望もついえた。
ふう、とため息をついて抵抗をやめ。

「……ハッ、ハハ……覚悟はできてるさ。元より死人、ただ元に戻るだけだ。」

やや、ひきつった笑みを浮かべながらも顔をあげてリトをにらみつける。

「殺せよ。」

リト > 鎖は相当にキツく巻かれている。
逃げようとしても簡単にはいかないだろう。
地面に倒れ伏すアデラの傍らに膝をついた。笑みを携えたまま。

「……殺すつもりはないよ? 楽しかったし。つまらない子だったら殺してたけど」

片手を伸ばした。細い指先が彼女の頬を、その唇をまるで愛しむかのように撫でる。

「それにねー。せっかく生き返ったんだから、まだ生きたいでしょ?」

アデラ > 「……馬鹿にして!」

殺すつもりはない、というリトを語気を荒げ、睨み付けるアデラ。
まだ心までは屈服していない、とばかりに伸ばされた片腕にかみついてやろうとする程だ。

「ハッ……私は眠りたいんだ。魔族を殺す生活もそれなりに気に入ってたが、
 この辺が元ザヤに戻る潮時さ。殺せよ!殺してくれ!私を!これ以上みじめにさせるな!」

リト > 「ふぅん……ふむふむ」

噛み付かれないように、ひょいひょいと手を引いたり出したりする。
やがて顔は撫でられないと知ったか引っ込めた。

「それなりに気に入ってたんだ? ならさー、無理して殺されることもないんじゃない?」

なんて面白がるように言いながら、片手は再びアデラへと伸びる。
しかし向かう先は顔ではなく、彼女の胸元。
外見年齢相応の掌がその胸をゆっくり揉みしだこうとして。

アデラ > 「うあ……っ?」

リトの掌が、乳房に服の上から触れた時少し驚いて声をあげてしまうアデラ。
相手の思惑が、まったく読めなかったからだ。何故?一体どうしてこんなことを?

命をとる気はない、というのは本当なようだが
からかっているのだろうか?そう考えると、ますます怒りがわいてきて。

「くされヴァンパイアの分際で、私に気安く触って……!」

がちゃがちゃと音を立てて、抵抗を始める。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からリトさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアデラさんが去りました。