2016/02/09 のログ
カレリア > 「もちろん足りましたわ。ではこれを…」

ゴルドの詰まった革袋を返す
これだけあればパンどころかかなり高ランクの店でフルコースも可能だとは思いつつ言わないでおく

「そんな心配は不要ですわ、もしそんな輩が居たら私が追い払いますから♪」

実際は追い払うどころか執拗に追いかけ追い詰めるのだが、それだけでは足りないだろう

「カースドには少し自衛の為の手段を覚えていただきましょうか…えぇ、カースドを買います♪」

手を引き、前にも使った宿へ向かい宿の扉を開く
宿に着けば白髪が目立ってきた主人にゴルドを払い空いている部屋を告げられる
ぎゅっと手を握りながら慣れた様子で部屋に向かっていき部屋に着けば椅子に腰かけるだろう

カースド > 「うん、い、いっぱい、あった、もんね。こ、このあいだ、数えたら、3回握る、のを3回、やっても、ま、まだ、たくさん、あったよ。」
革袋を懐にしまいながら、少女が知る限りの知識を使った独特の方法で所持金を表現した。
つまり少女の手で9回掴んで取り出しても取りきれなかった、ということだろう。

「で、でも、カ、レリアに、い、いつも、一緒に、い、て、もらう、わけにも、い、いかない、よ?」
実際前回襲われたのは一人で買い物に行った時だった、誰に襲われたのか、顔も覚えていない。
ふらつきながら宿への道を歩く、時折転びそうになるのか、握った手にすがりつくように体重をかける。

「えへ、え、あ、ありが、とう。か、カレリアに、か、買って、もらう、と、う、嬉しい、な。」
見慣れた宿の部屋につくと、カレリアの座ったすぐ側にしゃがみこんで、足に頬をすりつける。まるで飼い主にじゃれつく猫のようだ。

「そ、それで、じ、じえい、って、何?」
道すがら聞いた聞き慣れない単語の意味を問う。少女が新しいことを知ろうとする時の、一度で覚えようと、相手の答えを聞き逃すまいとする顔。

カレリア > 「に、握る…かなりアバウトな数え方ですのね…?」

数を教えなければ騙される、そう確信する
もしやいつも言っている一晩の値段はそれしか知らないから…?と嫌な予感がした

「何なら、一日10ゴルドで護衛でもしましょうか?」

クスリと笑い尋ねる…冒険者として依頼を受ければれっきとした仕事である

「喜んでもらえると嬉しいんですが…椅子に座ってパンを食べましょう?私もお腹が空いちゃいましたわ♪」

頭をナデナデと撫でながら迷うことなく地面にしゃがみこんだのに苦笑を浮かべながら

「自衛とは自分の身を自分で守る事ですわ。カースドの性格を考えれば…相手を圧倒するより守る、または逃げる手段と言ったところですわね?」

カースド > 「うん。カースド、か、数え方、わ、わかんない、から、いつも、そう、してる。い、1回握ったので、りんごが、に、2個か、3個、買えるん、だよ。」
カレリアの危惧通り、それ以上かもしれない。少女は一桁の数字ですらおぼつかないのだ。一晩20ゴルド、というのもそれが数字だというのはわかっているが、どれくらいの数を示しているのかすら、少女は知らない。

「ご、ごえい、は、一緒に、居て、くれる、人?か、カレリアが、い、一緒に居てくれる、なら、う、嬉しい、けど、じゅう、ゴルドって、い、いくら、だろう。」
金貨の詰まった革袋を取り出して、中を見せる。これで足りる?と少し不安そうに問いかけた。

「パン、そ、そうだね。食べ、よう、か。」
パン屋の袋を持って椅子に座り、中を覗きこむ。
「あ、えと……どっちが、カースド、の、だろ。わ、わかんないから、カレリアの、取って。」
途中で店を出たためにどっちがどっちかわからない。残ったほうが自分のだろうと考えて、相手に取らせようと袋の口を相手に差し出す。

「じえい、は自分を、守る、こと、だね。わかった。で、でも、か、カースド、力、ないし、あ、歩くの、苦手、だよ。
そ、それでも、出来る、かなぁ?」
少女の自衛手段は、基本的には隠れるか、危ない場所には近寄らないといった消極的なものだ。
運動能力が低いことを自覚しているため、教えられても出来るとは思えないらしい。

カレリア > 「一掴み…カースド、数もきちんと覚えましょう。」

一番価値の低いゴルドならまだましだがこれが金、または銀のゴルドとなれば話は別
カースドがこれ以上損をする前に一度きちんと教えておこう

「カースドを一晩買った時の半分ですわ、でも…
カースドなら一緒に……カースド、これは多すぎます。これだけあれば宿で一月は過ごせますのよ?こんな大量のゴルド、どこで手に入れましたの?」

安いとこなら2月3月ほど泊まれる量に見える
今更ながら何でこんなにゴルドを持っているのだろう?

「えぇ、それでは…カレーパンがこっちですわ。さぁどうぞ♪」

まだほのかに温かいカレーパン、カースドが手を伸ばせば水差しから水を入れておく

「そのどちらも解決してくれるのが魔術ですわ。武器も考えましたがカースドには合わないでしょうし、頭さえあれば使える魔術が一番です♪」

武術を覚えるには時間がかかるが魔術なら最速1日でいくつか覚えられる
そう考えながらクリームパンをはむ、と一口

カースド > 「数……。うん。カレ、リア、教えて、くれる?そ、そしたら、カース、ド、が、頑張る。」
教えてもらう、というのが好きらしい、足のつまさきをぴこぴこ上下させて、嬉しそうだ。
元より少女の知識欲は高いし、学習能力もある。今まで数を知らなかったのは、単純に誰も教えてくれなかったからだろう。

「じゅ、じゅう、はにじゅうの、半分、なんだ、ね。わ、わかった。
えっと、ね。ら、ラウラがね。日が……えと、のぼって、しずんで、のぼって、しずんで、も、もういっかいのぼって、しずむまで、買って、くれたの。
カースドがね、か、かわいいから、って、いっぱい、くれた。そ、そのあと、つかって、な、ないから、その、まま、だよ。」
3日分、それも大幅なチップもついた代金を、そのまま持っていたのだという。
宿で一月過ごすということが、どれほどの金額なのかはわかってはいないようだ。
少女には金銭感覚がかなり欠けている。

「こ、これが、カレーパン、か、ぁ。な、なんか、外側に、こまかい、のが一杯、ついてる、ね。」
袋から取り出したものの、まだどういったものかはわからず、指先で感触を確かめたり匂いを嗅いでみたり裏返してみたり。
一通り調べてから、かぶりついた。
「あ、お、美味しい、ね。」
と笑顔になるが、後から来た辛味に、あわてて水差しに直接口をつけて飲む。
「か、からい……!お、美味しい、けど、からい、よ。ど、どうして?つくる、時、間違った、のかな。」
ひーひー、と舌を出しながら口で息を吸って辛味をとろうとしている。
少女にとって辛味とは食べてはいけないものの味だ、それを楽しむ料理があるとは知らないのだろう。

「ま、まじ、ま…ま、じ、つ?そ、それ、カース、ドにも、でき、る?」
思い出されるのは、ラウラが使っていた治癒と洗浄の魔術。あんな不思議なことが自分にも出来る、とは思えなくて、首を傾げながら、また水を飲んだ。

カレリア > 「しっかりと教えて差し上げますわ♪」

もちろん教えるならしっかりとやるつもりだ
カースドは覚えが速いので教える側も面白くなってくるのだから

「3日で…それはよかったですわね、カースドが可愛いからですわよ♪」

そのラウラとかいう人物、自棄にカースドを気に入ったのだろう
そのうえ恐ろしいほど金払いがいい…3日で60ゴルドを覗いてその他が全てチップ……

「油で揚げているんですわ……ふふ、やっぱりそうなりましたわね♪」

ごくごくと水を飲み干すカースドを見てクスクスと笑ってしまう

「カレーとは辛い食べ物なんですの、だからその辛さと旨味を楽しむんですわよ♪」

そう言ってクリームパンを差し出す
甘いクリームパンで辛さを濁すか全部交換するか、どっちがいいですか?と尋ねる

「もちろんできますわ、魔力量の大小はあれ魔術は誰でも扱えます。
まぁ…魔力量が小さくても私が何とかできますから問題はありませんわ♪」

身体をめぐる魔術を全て活性化させ流れをスムーズにすれば例え生まれ持った量が少なくても関係なくなる
後は本人のやる気次第だが…表情を見るにそれも大丈夫だろう

カースド > 「じゃ、じゃあ、頑張る、ね。う、うまく出来たら、褒めて、くれ、ると、う、嬉しい、な。な、なでなでとか。」
ご褒美をねだるのが恥ずかしいのか、また猫が顔を洗うように髪と耳をこすって撫で付ける。

断面から姿を見せたカレーを嗅いで、強いスパイスの匂いに驚き、顔から離した。
「か、辛いのを、食べる、の?か、カースド、に、苦手、だな……。
ご、ごめんね。カースドが、た、食べたい、って言った、のに…交換して…。」
申し訳無さそうに眉をハの字に下げて、パンを交換する。
警戒しているのか、クンクンと念入りに匂いを嗅いで、少しだけカスタード指にとって舐める。
しばらく待っても辛くなったりしないとわかると、安心して食べ始めた。
「あ、甘い、ほうが、す、好き、だな。か、カスタードパン、おい、しい。」
鼻の頭にカスタードをつけてにっこりと笑った。

「んー…。」
相手の話を咀嚼するためにしばらく黙って考えこむ。
「カー、スドにも、ま、じ…つ。が、つ、使える、んだね。す、すごい、ね。」
話のすべては理解できなかったが、自分でも魔術を扱えるように出来る、というのは理解した。
「お、べんきょう、は、い、いつ、始める、の?さ、先に、お風呂、はいって、きて、いい?」

話の合間に食べ続けていたパンを、食べ終わる。
満腹になったようで、満足そうに椅子の背もたれによりかかった。
「ふー、お、おいしかった。」

カレリア > 「カースドがきちんと覚えたら、もちろんたくさん褒めてあげますわ♪」

だから頑張ってくださいね?と耳を撫でる
指先でツンツンとつつく様に

「構いませんわ、苦手なものはありますし辛いと言わなかった私が悪いんですの。気にしないでください♪」

カレーパンを一口…確かに少し他の物よりも辛い
初体験でこれは厳しいものがあるだろう…数口齧ればコップの水を飲みほす

「美味しいのは分かりましたが…慌てなくてもパンは逃げませんわよ♪」

指先でカースドの鼻先に着いたクリームを取り、舐める
今度から何か飼うときは甘いものにしようと決めながらカースドを眺める

「もちろん先にスッキリしてきてください♪
そしてしっかり勉強して…うまくいけば明日は買い物と夜は楽しい事ですわ♪」

お腹が膨れて満足そうなカースドにそう答える
風呂に向かえばカースドにどんな魔術が向くか真剣に考えつつカースドが返ってくるのを待つだろう

カースド > 「う、ん、が、頑張る。ね。えへへ。」
耳を突かれると、くすぐったそうに首をすくめる。

「か、辛い、食べ物は、は、初めて、食べた、な。
か、辛いのは、た、食べちゃダメな、あ、味、だって、思って、たから。
逃げない、のは、知ってる、けど、お、美味しい、から……。」
鼻についたカスタードをとられると、まだついてないか触って確かめる。少しだけ残っていたのを指をしゃぶって舐めた。
こちらを見ているのに気づくと、にへらぁ、とゆるんだ笑みを浮かべた。

「じゃ、じゃあ、えと、入って、くる、ね。カレリア、こ、ここに居る、よね。」
以前は一人の入浴に耐え切れず、カラスの行水だった。
ちゃんと確認してから、コートと、その下に着ていた布を寄せ集めて作られた貫頭衣を脱ぎ捨てて、風呂場へ向かった。

不安になったのか、何度も風呂場の扉を開けて、カレリアがちゃんと居ることを確認していた。

しばらくして、ちゃんと温まって肌がピンク色に染まった姿で出てくる。
「ちゃん、と、入れた、よ。」
その顔は自慢気だ。足元にしゃがみこんで、撫でやすい位置に頭を移動させる。

カレリア > 「確かに…薬品や毒物は辛いものもありますからね。
気に入ったならまた違う店でもご馳走しますわ♪」

緩んだ笑顔を見ればうれしくなる
初めの頃にはあまり見ることのできなかった安心しきった表情…食事も前よりはましになっているのか血色も良い

「ここに居るので安心してあったまってきてください♪」

時々視線を感じて風呂場を見れば手を振る
置いて行くはずないのだがそれでもやはり心配なのだろう、これもこれから慣れていってもらわないと…
そんな事を考えていればすっかり汚れも落ちホカホカ状態のカースドが

「…えぇ、しっかりと温まったみたいですわね…カースドはいい子ですわ♪」

自慢げな表情で足元にしゃがみこみ頭を出す…これだけで何をしてほしいかはすぐに分かる
ナデナデと頭を撫でながらしっかりと褒める
誰かに褒められたいのだろう、ならば全力で褒めよう

カースド > 「えへへー。カースドは、いい子、なん、だね。か、カレリアに、褒めて、もらう、と、嬉し、い、な。」
ぐりぐりと手に頭を押し付けるようにして、撫でる手を楽しむ。
しばらく堪能すると満足したのか、立ち上がる。

少女の体は初めてあったときに比べればかなり改善したように見える。ある程度肉が付き、血色も良い。
体中の傷と火傷、下腹に刻まれた文字だけは、相変わらずだが。
「ふ、服、どう、する?あ、あれ、また着たら、汚れ、ちゃう、よね。」
と脱ぎ捨てた服を示す。当然洗濯などされていないので、内側には少女の体から出た垢などの汚れがついていることだろう。

カレリア > 「カースドは本当にいい子ですわよ、とても賢くて偉いですわ…♪」

自分の様に腐らずに…心の中で呟く
カースドが立ち上がれば自然と見上げる形になり…

「そうですわね…替えの服は流石にありませんし……今夜はシーツで我慢してください?」

自分のコートもいいが流石に部屋の中でずっとコートと言うのは疲れてしまう
ベッドのシーツをカースドのわきの下で一周させて一応の服にする…パッと見れば簡素なドレスに見えないこともない
足元が余ったシーツで邪魔なのに目を瞑れば大丈夫だろうか

カースド > 「うれ、しい、けど、ほ、ほめすぎ、だよー。」
湯上がりにも加えて頬にさらに赤みが差し、両手で頬を挟む。照れくさいようだ。

「んっ……。す、すべすべ、で、気持ち、いい、ね。」
体を包む動きに、敏感に反応して息を漏らす。
まるで貴婦人のドレスのような格好になったのが面白いのか、壁に手をつきながら、キャッキャと笑い声をあげながら余ったシーツを引きずって部屋を一往復した。
一通り楽しんでから、相手に向き直り。

「そろそろ、お、お勉強、する?お、終わったら、ご、ご褒美、欲しい、なぁ。」
洗ってふさふさになった尻尾が、相手の腕に甘えるように絡みついた。

カレリア > 「本当のことを言ったまでですわ♪」

そんな反応をするからやりすぎてしまうんですの、とは言わずにニヤニヤ
と笑いながら恥ずかしがるカースドを見つめる

「シーツですから肌触りは良い筈ですわ。」

たっぷり部屋を一往復するほど気に入ってもらえたらしい
一度自分と同じようなドレスを着せてみようかなと悪戯心が芽生えてしまった。今度着せてみよう

「そうですわね、では差しあたって一番必要な魔術から…」

隣に座り絡む尻尾を指先で軽く撫でながら基礎魔術の解説を始める
目くらましに便利なフラッシュ、後はいざと言う時に相手を痺れさせるライトニング
この二つを重点的に教え込んでいく

カースド > 「も、もー。この話、はこれで、終わ、り!」
どう否定しても終わりそうにないから、打ち切ってしまう。
耳の内側のピンク色も、濃くなっているようにみえる。褒められるのが好きだが、褒められすぎると恥ずかしいようだ。

「うん、が、頑張る、ね。」
お勉強が始まった、となれば真剣な顔になる。
一言一句聞き漏らさず、一挙手一投足を見逃さないように、全神経を集中させる。

魔術のための動作はすぐに覚えてしまうが、魔力の操作に関しては今までなかった概念だけに苦戦するだろう。
もし教えられた魔術が詠唱を必要とするものなら、少女はちゃんと発音しようと気負うほどに舌がもつれてしまい、上手くできなくなってしまうことだろう。。
そうでないのなら、恐らくスポンジが水を吸い込むように会得してしまうだろう。

カレリア > 「はーい、これでお終いですわ♪」

よっぽど恥ずかしかったのか耳の内側まで赤い
一々反応が可愛らしいのでこうして意地悪してしまう…が、これは仕方ないだろう

「そうそう、その調子ですわ。」

詠唱が必要なほど高度なものでもないのでカースドの覚えは以上に速い
魔力の操作も慣れるまではカレリアがカースドの魔力を導けばいいのでそこまで苦にもならないだろう
そうこうしている内にカースドの手の平から小さく閃光が走るだろうか

カースド > 「う、うぅぅー……。」
右手の平を前方に向ける。手の平に意識を集中させて、そこから迸るイメージ。
何かが心臓から腕に向かい、手の平から飛び出す感覚を覚えると同時に、チカッと、小さいが確かに光が出た。

「い、今、なんか、出た、よね?せ、成功……?かな?」
右手の裏表を眺めながら、自信なさ気。

カレリア > 「は、早い……えぇ、今のは確かに成功ですわ。凄いですわねカースド…」

一日どころか一時間程で習得したカースドを驚愕の表情で見つめる
今夜中には無理だろうと思っていたが自分の予想を超えてしまった

「後は魔力の出力を高めるだけですわね、おめでとうカースド。これで魔術師の仲間入りですわよ♪」

頭を撫でながらそう告げた

カースド > 右手をぐーぱーして動きを確かめる。ここから光が出たというのが不思議なようだ。
「お、面白い、ね。カースド、の、手から、光、がで、ちゃった。
も、もっと、教えて?カースド、ま、ま…じ、つ、使う、の好き、かも。」
まじゅつ、はまだ言えないようだが。使う感覚が楽しいらしい。
頭を撫でる手にピクピクと耳が動いて、喜びを伝えている。

カレリア > 「そうですわよ、魔術は面白いうえに便利なんです。覚えれば覚えるだけカースドの役に立ちますわ♪」

初めて子供が魔術を使った時の感動
それを今味わっているのだろう…耳や表情がその喜びを目いっぱい表現している

「カースドが知りたいなら、私がいくらでも教えてあげますわ♪」

カースド > 「そ、そう、なんだ。じゃ、じゃあ、もっと、教えて。か、かー、カー、ス、ド、もっと、まじ…つ、使い、たい。」
まだ教えてくれるとなれば、目を輝かせて、続きをねだる。

基礎的なものなら、長くとも数時間で覚えてしまうだろう。少女はまるで今までほとんど何も学ばずに生きてきた空白を埋めるように、新しい技術と知識を手に入れていく。

カレリア > 「では、とりあえず生活に役立つ魔術から…」

クリーンにヒール、それにファイヤと生活魔術から
攻撃、補助に至るまで様々な物を教えていく
カレリアが眠気を覚えるころには初級と言われる魔術を殆ど覚えきってしまうだろう

カースド > まだまだ出力が小さすぎて役に立つレベルではないが、魔力を操作する術はかなりコツを掴んできている。
次々と少女は魔術を覚えていってしまう。異常なほどの速度で。
「ま、まだ、ま、じ、つ、ある?あ、ある、なら教えて、カ、カースド、もっと、し、知りたい。」
ひどく興奮していて、尻尾も耳も落ち着きなく動きまわり、少女自身も意味なく部屋をふらつきながらうろうろと歩き回る。
相手が眠そうなのにも、気づいていないようだ。

カレリア > 「…そうですわねぇ、では…」

覚える速度についていけない
自分の中の常識が崩れていく中眠気が襲ってくる
しかし目の前の少女は未だに興奮気味、ならばと妙案を思いつく

「時空魔法にテレポートがありますわ、これが出来れば一瞬で遠くの場所に移動できますわよ。」

魔術を覚えて数時間で扱えるはずもない高難易度の魔術を説明する
きっとこれならどれだけ試しても上手くいかずにこの知識欲の爆発を止めてくれるだろう
そう思いながら原理と使い方を説明して経過を見守る

カースド > 「そ、それ、便、利、だね。や、やって、みる。」
今までとくらべて段違いに複雑な手順の説明を受けてから、見よう見まねでやってみる。失敗させる意図があるとは気付きもせず。
「んぅ……。ん…っ。……?」
何度か、説明通りに魔力の流れをイメージするが、全く自分が移動する気配はない。
「んー…?うー…!」
腕に力を入れてみたり、脱力してみたり、いろいろと試してはみるものの、少女はいつまでも転移することはなく。

「くぁ……か、カースド、眠く、なって、きちゃ、った……。」
失敗続きで興奮が冷めると、疲労が一気に襲ってきたようだ、大きくあくびをした。
「つ、続き、明日で、良い?」
とすでにとろんとした目つきで。

カレリア > 「(計画通りですわ…♪)」

可愛そうだが全く成功する気配はない
自分だってこれを習得するのに時間がかかったのだからポンと成功されたら色々と心が折れてしまったかもしれない

「そうですわね、後最後に…魔力は使いすぎると精神力を使うので慣れない内は多用しすぎてはだめですわよ?」

既に体内の魔力が殆どからになりかけているカースドにそう言い、ベッドまで手を引いていく
疲れを感じないほどに興奮していたのだろう、今となってはもう半分寝ているような状態に見える

「えぇ、じゃぁ明日も頑張りましょう。他にももっとたくさん教えてあげますわね…♪」

ベッドに寝転がりカースドの頬を撫で微笑む

カースド > 「ふにゃ……。うん、わか、った……。」
引かれるままにベッドに寝転がり、大きな大きなあくびをしながら、体を伸ばす。

「あ、あした、うん……明日…。おし…えて……ね。」
よほど疲れていたのだろう、目を閉じると少女はすぐに寝息を立て始めた。

しばらくして、ごろりと少女が寝返りを打った時、体に巻きつけたシーツの裾に、鋭利な刃物で切られたかのような小さい円形の穴が開いているのが見えるかもしれない。
そして、先ほど少女がうんうん唸っていたあたりに、同じサイズの白い布が落ちていることにも、気付いただろうか。

カレリア > 「もちろんですわ♪」

明日も色々と教えよう、そう思いながら視線を移す…この穴は何だろう?
綺麗な丸形の穴を見つめ…ちらりと先ほどカースドが唸っていた場所に目を向ける
そこには穴とぴったり合いそうなサイズの布が

「………悔しくなんてないです。」

少しめげそうになったが今はカースドの恐ろしい成長速度を祝福しながら瞼を閉じる
きっと何か別の魔術の影響だと言い訳しながら意識を手放した

ご案内:「平民地区 パン屋側の裏路地」からカースドさんが去りました。
ご案内:「平民地区 パン屋側の裏路地」からカレリアさんが去りました。