2016/02/08 のログ
ご案内:「平民地区 パン屋側の裏路地」にカースドさんが現れました。
■カースド > 平民地区にある、味に良いと評判のパン屋、のすぐ横から伸びる路地から、ミレー族の少女が顔を覗かせる。
前に食べた時の味が忘れられなくて、人目を避けながらここまで来たはいいが、店に入る勇気は持ち合わせていなかったようだ。
お金は少女の身分には不釣り合いなほど持たされているが、一桁の数すら満足に数えられない少女にとって、買い物という行為すら不安を覚えるのだ。
「う、うぅ……。」
やっぱり帰ろうか、でもお腹は空いているし……。
どちらとも決められず、顔を出したり引っ込めたり。
ご案内:「平民地区 パン屋側の裏路地」にカレリアさんが現れました。
■カレリア > 「あれは…♪」
通りを歩いていれば何だか妙な人影を目にする
出たり引っ込んだりとせわしなく動いているそれをよく観察してみれば見知った少女と分かり近づいていき…
「カースド、こんな所に居るなんて珍しいですわね?」
普段貧民地区の橋に居る少女に声をかける
■カースド > 見知った声に、ピクリと耳が反応した。次に視線が向けられ、ぱぁっと顔が輝いた。
周囲を見回して、衛兵が居ないことを確認すると、ふらつきながら駆け寄る。
「あっ、か、カレリア。え、えっとね、パンが、食べ、たくて、き、来たん、だけど。
知らない人から、買うの、こ、怖くて、こ、困って、た、の。」
と、指の欠けた手で、パン屋を指差す。
■カレリア > 「パンですか…じゃぁ一緒に買いましょ♪」
分かってはいたが見事に予感が当たった
あんなに店の中を覗いていたら誰が見ても分かってしまう
自然と駆け寄ってきたカースドの頭に手が伸び、撫でる
「よくここまで無事にこれましたわね…コートもこんなに……パンの他にも色々と買わないとですわね?」
薄汚れてしまったコートを見つめ尋ねる
そしてカースドの手を握りパン屋の中へ
焼いたパンの香りが漂う店内…香りだけでお腹が刺激されてしまう
■カースド > 「う、うん。あり、がと、カレ、リアと一緒なら、あ、安心…。」
撫でられながら、嬉しそうに目を細める。猫だったら今にもゴロゴロと喉を鳴らしそうだ。
「うらろじ、をね、通って、き、来たん、だよ。カースド、み、道を覚えるの、得意、かも。
こ、コートね、あ、暖かくて、す、すごく、便利、だよ。カレリアの、おかげ。」
手を握ると、少女の手はとても冷たくなっていた。壁に手をつきながら歩く癖のせいだろう。
温かい手に握られて、少女は無防備なほどゆるんだ笑みを浮かべる。
「ぱ、パン、良い、匂い、だね。ど、どれに、すれば、いい、かな。」
スンスンと鼻を鳴らしながら、店の中を見回す。
店内に入ってきた薄汚れたミレー族の少女に、店員は露骨に嫌な顔をするだろうか。
■カレリア > 「エスコートはお任せをですわ♪」
本当に猫の様なカースドの頭から手を離す
名残惜しいがパンの後でまた撫でれるのだから今は我慢
「なるほど…確かにそれならまだ安心ですわね。カースドは賢いですわ♪」
自分でもまだ半分も分かりきっていない裏路地、それを全て知っているのならだれにも見つからず動けるだろう
感心しながら店内のパンを眺める
「そうですね…お腹が減っているならカレーのパンもいいし甘いパンもまた魅力的ですわよ♪」
ニコリとカースドに微笑み視線を外せば店員が目に入る
気持ちは分かるがそれはそれ、カースドが気付く前に睨みつけておく
「そういえばカースド、お金は大丈夫ですの?」
おそらく大丈夫とは思いつつもつい尋ねてしまう
■カースド > 「えへ、へ。カースドは、か、賢いんだ、ね。うれ、しい、な。」
照れくさそうに、空いた手で猫が顔を洗うように髪や耳を撫で付ける。
全てではないが、貧民地区に近いパン屋や宿屋など、一度行ったことがある場所へのルートならほぼ覚えている。
少女の性質として、新たな場所を探すということはあまりしないので、どこか連れて行かないと少女の行動範囲が広がることはないだろう。
「か、カレー?カー、スド、知らない、な。た、食べて、みたい。」
聞き慣れない単語に首をかしげてから、どれがそのカレーとやらなのか、並んでいるパンに視線を移そうとして、店員の顔が視界に入った。
「あ、あぅ。か、カースド、そ、外でま、ま、待ってる、よ。か、かれーの、パ、パン、買って、来て。
お、お金は、あ、ある、から。そ、それで買って……。」
自分が歓迎されていないことを敏感に読み取って、懐に手を入れてずっしりと重い革袋を渡してから、店から出るために握った手を放そうとする。
■カレリア > 「とっても賢いですわよ♪」
本当の事なので二度言っておく
教えれば教えた以上に学ぶカースド…物覚えでいえば自分を超えるかも…?
「カレーですわね、じゃぁそれにしましょう♪」
振り返りカースドの要望を聞き自分はクリームのパンを買っておくことに決めた
辛いものの後は甘いものも欲しくなる筈
「えっ……えぇ分かりました、すぐに買ってきますわ♪」
笑顔を浮かべ手を離す
無理につき合わせてもカースドが傷つくだけだろう…
手早くカレーパンとクリームパンをレジにまでもっていき
「次に同じ事があれば……ここを潰しますので。」
店員を見つめそう言い残し会計を済ます
自身の財布からゴルドを出し、釣りも受け取らず足早に外へ
■カースド > 店員はひっ、と小さく悲鳴を漏らしてから謝罪する。しかしすでに少女は逃げるように店から出て行った後だ。
店の外、少女は人の目に怯えてか、なるべく目立たないように、でもカレリアをすぐ見つけられるように、店の影から顔を出して待っていた。
夜の冷気は握っていた手の温もりをすぐに奪ってしまう。白い息を合わせて七本しか指がない手に吐きかける。
相手が出てくると、店の外壁に手をつきながら、寄ってくる。
「か、カレー、のパン、買えた?ご、ごめんね。や、やっぱり、カー、スド、今度、から、ひ、ひんみんちく、で、買い物、するよ。」
顔を曇らせて、うつむいた。
■カレリア > 街で暮らす人間にとって冒険者の…それも魔物も人も手にかけるカレリアの殺気は効果覿面だろう
外に出ればカースドの元へ近付き
「もちろん買えましたわ。…それと、あの店員はカースドの服が少し汚れていたからあんな顔をしただけです。
だから新しい服を買えば解決ですわよ♪」
気にする事はありませんと手を握る
冷たくなっている手を握り手袋も買わなくてはと思いつつ
「さて、パンは買えましたが今度は食べる場所ですが…この後時間があるなら一緒に宿に行きましょう?今夜は誰かと居たい気分ですの♪」
そう誘う、手持ちもあるしカースドと共に買い物もしたい
何より折角のパンなんだから落ち着いて食べたいようで
■カースド > 「お、お金、足りたんだ、ね。良かった。
そ、そっか。ふ、服、もらって、から洗ったこと、なかった、から…。で、でも、新しい、服、い、要らない、よ。
カース、ド、服、すぐ、だ、ダメに、しちゃう、から。」
手を握っても、少女の顔は晴れない。以前服をもらった時のように、奪われる恐怖と、相手への罪悪感を感じているのだろう。
「じ、時間、ある、よ。だい、じょうぶ。か、買って、くれる?そし、たら、カー、スド、好きに、してね。」
繋いだ手に甘えるように頬をすりつける。また一緒に過ごせることを喜んでいるのだろう。