2016/02/01 のログ
タマモ > 「む、むむむ…違うのじゃ、これをよく見るのじゃ!」

どうも理解をして無さそうな少女の様子、指差した手をぶんぶん振ってよく見るように伝える。
主に、その量を。言葉にしなければ理解は出来ないと気付いてないようだ。

ここまでして説明?をしているのに、まったく気付かない少女。
おいしそう、というこちらから見たら見当違いの回答に、指差す手がふるふる震えている。

「ち・が・う・じゃ・ろ?
美味しいではなくて、これじゃ、この量じゃ!
こんな量、一人で食べれると思うておるのか!?」

うん、やっとその言葉が出た。
確かに普通に考えれば、少し無理して食べれば食べれない事もない量なのだ。
だが、自分にはとても食べ切れる量ではない。
ちなみに、目の前の料理は半分近く残っている。
そして、腹の加減は…すでに腹八分状態だった。

マルティナ > 「え…?食べられます、よね…?」

以前出会ったミレー族の冒険者程ではないが、自分も冒険者なんかを続けているせいか人一倍食べる方。
少し無理をすれば十分食べられる量に見えるし、むしろお腹いっぱいで満足しそうという元王女とは思えない庶民感覚がすっかり馴染んでいる。

タマモ > 「…なん…じゃと…!?」

その言葉に、ぴたりとその動きが止まってしまった。
ぎ、ぎぎぎ…と首が己の料理へと向けられ、改めて、少女へと向けられる。

「い、いや、待つのじゃ…この量が食べられるじゃと?
妾はこれくらい食べて腹八分なんじゃぞ?
まだ半分残っておるのじゃぞ?
そ、そんな馬鹿な事が…人間はそれほどに皆大食らいなのか…」

がっくりと肩を落とす。
その言葉が本当ならば、今頼んだ注文の料理をこの少女は平らげる事が出来るだろう。
自分はこの残った半分の料理、どうしたら良いのか…椅子に背を凭れかけさせ、はふ、溜息をついた。

マルティナ > 「い、いつもこんなに食べてる訳じゃありませんよ!?」

タマモの驚き方が凄い。
いつもこのぐらい食べてると思われたのだとしたらそれは訂正しなくては。

「あ、あの、普段はもっと粗食なんですよ?たまにパーッと食べたくなる時はありますけど……。」

屈強な冒険者の中には普段からもっと食べる者もいるかもしれないが、自分は流石にそこまでではない。
とはいえタマモのように打ちひしがれる程無茶な量ではない。

タマモ > 「………それは本当か?
いや、しかし、この量が食べれぬ訳では無いのじゃろう?」

訂正の言葉にぱっと顔をあげ、じーっと相手の顔を見る。
続く言葉を聞きながら、その視線は外す事なく見詰め続けている。

「そ、そうなのか…この量、食べれる時は食べれるものなのじゃな」

普段と、こう食べたくなる時の違い。
自分からしたら結局のところ、この量が食べれる事自体が驚きである。
むぅ…小さく唸りながら、切り分けられている肉の一切れをフォークで口に持っていき、もしゃりと食べる。
もう少しはいける、いけるのだが…やはり、二割程度は残ってしまう気がする。

マルティナ > 「ええと、残されるなら代わりに頂いてもよろしいですか…?」

どうやら食べ残してしまいそうなのをひどく気にしている様子。
確かに捨ててしまうのが勿体無いという気持ちは分かるのて、ちょっと助け舟。

「あ、あんまりたくさんは無理ですけどね?ちょっとぐらいでしたら…。」

自分だって割りと限界に近い量だから無謀な提案ではあるのだが、つい放っておけなくてそんな事を言ってしまった。
そしてそうこうしている内に自分の注文分も届き手をつけ始める。

タマモ > 「…本当か?まーちゃんや、本当に食べ切れるのか?」

代わりに食べるのだという相手に、ちらりと視線を向けた。
その手は次の肉へとフォークを刺し、口に運ぼうとしている。

「………分かったのじゃ。それならば、食べ切れぬ分はまーちゃんに任せるとしよう。
…本当に大丈夫じゃろうな?」

次の肉をもしゃもしゃ食べながら、問う。
そうしている間に、隣に同じ大きさのトレイが置かれた。
そこには自分と同じ、大きな皿に乗せられた料理が二つある。

手を付け始める少女を横目に、自分も手を進めていく。
口数が少なくなってきたのは限界近くなってきたから、それでも何とか食べていった。
結果を言えば…残ったのは一割半程、うん、頑張った。
ぐったりと椅子に、そしてすぐ横の壁に凭れかかった。
へにゃりと耳と尻尾も垂れている。

マルティナ > 明らかに無理をして料理を詰め込んでいるタマモを気の毒そうに見ながら、出された料理を食べ進めていく。
うん、値段と量の割には美味しい。
折角だからおしゃべりを楽しもうかとも思ったが、タマモは余裕がなさそうなのであまり話しかけるのも躊躇われるので二人並んで黙々と料理を片付けていく事に。
終わりが見えてくる頃にはもう既にお腹いっぱいで満足な気分だったがまだ少し残っているのでちょっと無理をして残りを詰め込んでいく。

「ふぅ…。ちょっと多かったですけれど、なかなか……、あっ。」

最後は一心不乱という感じであった。
そうして何とか食べきったところで、タマモの分が残っているのをすっかり忘れていた。
今更もう入りませんとは言い出せず気まずそうに視線を泳がせる。

タマモ > 「妾はもう、限界じゃ…まーちゃん…後は、頼んだの、じゃ…」

それだけ言うと、ぱたん、とカウンターにまた突っ伏した。
ぐったりとしている、限界を超えたようだ。
その視線はじーっと隣でなんとか食べきった少女を見ている。
まさか相手さえも食べ切って限界がきているとは思ってない感じか。

視線を泳がせようと、その向けられた視線が外れる事はない。
気になったのは、少女の言葉の最後の部分だ。

「まーちゃんや…よもや、まーちゃんさえも限界にきてしまった…訳ではないよのぅ?」

ぼそっと呟いた。無駄に変なところで勘だけは鋭い。

マルティナ > 「だ、大丈夫、大丈夫ですから……。」

言ってはみたものの全く大丈夫ではない。
丸出しのお腹はぽっこりと見るからに膨らんでおり自分でもこれ以上入る気はしない。
軽率に安請け合いするのではなかったと今になって後悔しはじめている。

「こ、このぐらい…、うぷっ…。」

震える手でフォークで肉を刺し、口元へ運んでいく。
自分の注文分を食べきったところでもう気分は食べ終わったものとなっているので、非常にきつい。
今まで色んな物を強制的に食べさせられたりもしたが、限界を越えて食べるというのもそれらと並ぶぐらい辛いかもしれない。
そんな事を思い出していると余計気持ちが悪くなってきて吐き出しそうになるが、口を押さえながら咀嚼していく。

タマモ > 「ふむ…ならば頑張っておくれ?」

すでに残った料理は丸投げ状態だ、なのに、残すなと言わんばかりの視線を向ける。
なかなかに理不尽である。まぁ、それを受けてしまったのは相手なのだが。

必死に残りを食べている少女を、突っ伏したまま見上げる形だ。
もう見ただけで分かるのだが、限界を超えてなお食べている感じか。
妾もなかなかじゃが、こちらも膨らんでおるな?ぽつりと囁く。
ぽんぽんと自分の膨らんだお腹を触れ、その手は少女のお腹へと触れる。
どれくらい膨らんでいるだろう?なんて確認するように、撫でられていく。

「これからは、量とかはよく見て頼むべきじゃな…うむ」

そんな事をしながら、相手にも、自分にも言い聞かせるかのように呟いた。

マルティナ > 「……触らないで。」

余裕がないので声は冷淡。
お腹に触れるタマモの手を払いのけるようにして、少しずつだが料理の残りをお腹に収めていく。
限界ギリギリならまだ満足感もあったが、限界を越えて無理に詰め込むのは物凄く辛かった。
無理に詰め込みながら、いっそ噛まずに丸呑みした方がマシなのではないかと思い試そうとしたがそもそも全く喉を通る気がしなかったのですぐにやめた。
そうして食べるというよりも処分するという感じでお腹に収めていき、あと一口ぐらいというところでもうこれ以上は危ないのではないかという具合に。

「タマモさん…、あと一口、いかがでしょう…?」

タマモ > 「ふむ………いや、止めておこう」

その言葉と、手触りと、その手から逃げる動き。
何かを言いかけるも、少し考えてやっぱり止めた。
なんとなく分かるからだ、調子に乗ると…多分、ある意味で自分も危険だ、と。
そんなこんなで自分の分の料理も後ちょっととなった。
いやはや、本当に大したものだと…そんな褒め言葉を聞く余裕もないだろう。そんな感じだ。

「………仕方ないのぅ」

少女が必死に食べている間、のんびりと休んでいたせいだろう、その程度ならば大丈夫な気がする。
呟くように言葉を返すと、残ったものをひょい、ぱくりと平らげた。
遂に2人分の大量の料理が完食された、その瞬間である。

………あんまり嬉しくない。

マルティナ > いよいよ料理を完食してほっとしたが、満腹だというのに気分はひどく虚しかった。
達成感よりも徒労感がある。

「……とりあえず、食べられない量を頼んではいけませんよ。」

見積もりが甘かったのは自分も同じではあるが、一応一人前は平らげた。
そもそもタマモが食べきれない注文をしなければこんなことにならなかった事もあり、若干恨みがましい視線を向けてそう告げる。

タマモ > もう満腹である、いや、満腹どころではなかった。
やっと食べ終えた皿を前に、しばらくの間は動けそうもなさそうだ。
横からかかる声に、深々と頷いた。

「まったくじゃ、よもやこの様な量を食わせる店があるとはのぅ…
とりあえず、この店はもう妾は止めておくのじゃ」

いや、そもそもこちらはこんな量を出す店だと知らずに来たのだ、仕方が無い。
まぁ、これを機に当分の間は店に入る時は周りにいる他の客の量を見てから考えるだろう。
向けられた視線を見詰め返す。
その視線に感じる気配を察すれば…こう、何か言いたいか?みたいな視線を返すのであった。

自分だけでない、隣の相手もしばらくは食休みだろう。

マルティナ > 「はぁ…。ちょっと休憩のつもりでしたのに、もう暫くは動けそうにないじゃないですか…。」

この相手には何を言っても無駄そうだなと諦めてため息一つ。
そこでようやく今日出かけた目的を思い出したが、買い物を続ける気力が根こそぎ奪われた気分であった。

「暫くは、ここで食休みしないと動けそうにないですね…。タマモさんは何かご予定でもありました?」

色々と言いたい事はあったが、言っても仕方がないので折角出会った知人と世間話でもする事にした。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からマルティナさんが去りました。
タマモ > 「うむ、そうじゃのぅ…妾もしばらくは動けそうもないのじゃ」

隣の相手に続くように、小さな溜息をまた一つ。
ふと相手の言葉に、なにやら考え込むような仕草。

「いやはや、お互いに困ったものじゃのぅ?
…予定か、そういったものは特にないぞ?」

しばらくは動けそうもないのだ、それならば、と相手に合わせるように会話を始めるのであった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からタマモさんが去りました。