2016/01/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 広場」にタマモさんが現れました。
タマモ > はてさて、どうしてこの様な状況になっておるのじゃろうか?
そんな事を考えている少女の姿は、広場の一角にあった。
広場の片隅、そこにあるベンチに座っている。
そして、ゆらゆらと揺れる尻尾に何人かの子供がじゃれ付いていた。

最初は確か、散歩していたはずだ。
そしてこの広場を見付け、このベンチで休憩しようと座った。
…そこまではいつも通りだ、特に変わった事もない。
すでに慣れた好奇の視線も向けられている。
と、遠巻きにこちらを見ていた小さな子供の一人が気が付けば側に居た。
大人と違い子供は無駄に正直だ、興味を持ったこの姿にふらふらと近付いてきていたのだ。

だから何だ、という訳でもない。
見たければ勝手に見れば良い、そんな事を考え、空を見上げた。
と、不意に尻尾に触れられる感触。
かくん、とそちらに首を傾ければ…さっきの子供が尻尾に触れていた。
いや、うん、この子供の親はどこだろう?
自分で言っては何だが、怪しい者の側に子供が近付いて何やらしているぞ?
さっさと自分から離してどこかに連れていってくれないものだろうか?
そんな事を考えながらも、特に振り払ったりもせず放置した。

それがいけなかった。
その子供は調子に乗って尻尾に抱きついたりし始めた。
まぁ、肝心の一本は触れれない位置にやっているから平気ではあるが…なんとも、気分的に、あれである。
しかもそれだけでは終わらない。
それを見た他の小さな子供も、大丈夫なのだと考えたか同じように側に寄って来た。
…そして現在に至る。

タマモ > 少し休憩をして、他の場所へと行くはずだった。
だがしかし、子供達が尻尾から離れてくれない。
どうせすぐに飽きるだろうと、揺らしたり何なりして相手をしていた。

少女の視線が周りに向けられる。
この尻尾に戯れている子供達の親を探していた。
…どの大人が親なのか分かりやしない。
しかも、揃いも揃ってこっちから視線を外している。
もしかして、何か?親はどこかに行っていて、戻ってくるまでこのままか?
…なんか泣きたくなってきた。

空を改めて見上げてみる。
日は傾いているが、夕方まではもう少しだろうか?
それくらいの時間になれば…家に帰るだろう。
それに期待をするしかない。

タマモ > ふかふかの尻尾が気持ち良い、といういたって普通の感想を伝えてくる子供。
ただただ感触を楽しんでいるのか、抱き付いて離れない子供。
揺らしている尻尾にじゃれ付いている子供。
何か問われるたびに、何かをされるたびに、仕方無しに対応をする少女。
その表情は明らかに引きつった笑みだ。
追い払うなりすれば良いのだが、1度やらせたのに今更それは出来なかった。
…さすがに、こんな場所でこの人数、悪戯も出来やしない。

どうしたものかと小さく唸っているところに、追加された子供が抱っこー、とか言ってくる。
こうなったら自棄だこんちくしょう、その子供を抱き上げ膝の上に座らせてやった。
うん、喜んでいる、それは良い事だ…楽しんでいるのは子供達だけなのだが。

ゆっくりと、ゆっくりと日は傾いていく。
その動きは今日は妙に遅く感じてしまう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 広場」にティネさんが現れました。
ティネ > 「あ、いたいた、タマモ~」

飛ぶ練習を兼ねて街を見下ろせるやや高めの位置を飛んでいたティネが、
馴染みの顔を眼下に見つけて不安定な軌道を描きながら、
タマモの座るベンチに降り立つ。

子供に人気だなーうらやましいなー、などと困っている様子の彼女をからかってやろうと思ったら
わあ妖精さんだ妖精さんだと、まとわりついていた子供のうちの幾人かが
タマモから離れ、上空から現れた物珍しい妖精へと殺到する。
純真な子供にはティネの姿が『視え』やすい傾向にあるらしい。
タマモ以上に子供たちを振り払うことの難しいティネはされるがままにもみくちゃにされる。

「た、たすけてぇ……」

なんかいつもこの狐娘に助けを求めている気がする。

タマモ > ちょうど空を見上げていた視線に見覚えのある姿が見えた。

「おぉ…ティネ、ちょうど良いところに来たのぅ。
この状況をどうすれば良いのか考えて………」

隣に降り立ったティネに声をかけ、助けを求めようとしたところで…その小さな姿が離れた数人の子供の中に消えていった。
うん、そういえば見える相手には見えると言っておったな…そんな事を思い出していた。
…と、それならば、と何か思いついたかぽんっと手を叩く。

「おっと、どうやら妾の待ち人が来たようじゃ。
うむ、非常に残念ではあるが、ここまでのようじゃのぅ?
ほれ、妾は行かねばならぬ、名残惜しいやもしれぬが離れるのじゃ」

体のよい言い訳を子供達に伝えながら、その頭を撫でていき離させる。
ティネに群がる子供達にも同じように伝えれば、ひょいっとその中からティネを摘み上げた。
言葉の通り残念そうな様子を見せるも、立ち上がり、ティネを摘み上げたまま歩き出せば、また遊ぼうねーとか言いながら手を振ってくれる。
うん、もうここには一人じゃ来ない。
そんな事を心に誓いながら、一旦その場所からは離れるのであった。

ティネ > 「助かった~ひっぱられて身体ちぎれるかと思った……」

子供たちの前に姿を現すのは危険だというのはわかっていたはずなのに。
危険感知能力がどこかおかしい自覚がある。
指につまみ上げられたまま、離れ行く子供たちにも手を振ってやった。

「ボクも触りたくなっちゃったなー、ふかふかの尻尾とか耳とかさー」

遠慮無く触れられていた様子が羨ましく見えたらしい。
他にも用事があったような気がしたが思い出せない。
ティネは二つ以上のことを同時に考えるのが苦手だった。

タマモ > 「お主が言うと冗談に聞こえぬのがちと怖いところじゃのぅ?」

摘み上げたままのティネに、空いた手の指先でちょんちょんっと突いた。
とりあえず、なんとか脱出出来て一安心である。

「お主ならばいつでも触れるじゃろう?
いや…そうじゃな、ティネはいつも触られる方じゃったな?」

顔を寄せぽそっと囁き、その表情をじーっと見詰める。
さすがに摘んだままはあれかと思い、ひょいっと頭の上に乗せてやる。側に揺れる耳が見えるだろう。
あんまり無遠慮に触れてはならんぞ?とは一応注意はしておく。

「して、妾に用事があったようじゃが…どうかしたのかのぅ?」

そういえば、来た時にそんな感じだったと思い出し、問う。

ティネ > 「そうだよ? いつも誰かさんは好き勝手してくれちゃうんだからね」

頭に乗せられればわあいとはしゃぐ。
さっそく狐耳の片方に抱きついて肌をすり寄せて存分に満喫する。
タマモの注意が耳に入っているのかは不明。
この辺りさっきの子どもたちとあまり変わらない。

「ん、ああ……そうそう。聞きたいことがあったんだった。
 タマモってたまに不思議な力使うじゃない。
 あれっていわゆる魔法、だよね?」

ふかふかの耳に身体を埋めながら声を出す。はからずもよく聞こえる位置だ。
ティネの知識だと水を指も触れずに自在に操ったり肉体を再生する力など魔術以外には知らない。
もしそうであったのなら、自分も学べるのではないか、という期待があった。