2020/04/28 のログ
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王国の現在 > #2「騎士の出撃/魔導機械開発とミレー族」(『王都から騎士団・冒険者等への緊急要請 「血の旅団」討伐依頼』)

 「血の旅団」が王国内を跳梁し始めてからしばらくの時が経っていた。王都から騎士団や冒険者などに出された緊急の以来はそれなりに成果を上げ、王国内に築かれた「血の旅団」の拠点は打ち破られ、略奪され支配された小規模の街や村は騎士団や冒険者の手によって解放されていた。
 しかし、その多くは元より物資や金品の略奪のために支配されていた街や村であり、「血の旅団」としても腰を据えて拠点として利用しようとしていたわけではなく、その退き際は鮮やかですらあった。王国側によって解放されても、常時騎士団などを駐留させておくことはできず、ある程度時間が経てば再び「血の旅団」の軍勢が解放された村や街を略奪し選挙するといういたちごっこが続いている。

 「ゾス村」もそのような状況下にあったために村人は疲弊していたが、騎士団や冒険者の活躍により解放された。ちょうど騎士団や冒険者が城塞都市アスピダへと向かう際の通過地点でもあり、彼らを対象とした酒場や娼館も簡易的ではあるが積極的に経営されている。城塞都市アスピダに向かう王国側の者たちの補給地点とも言えるため、常時騎士団や衛兵が常駐し、物々しい雰囲気に包まれており、解放された後も村人の心は休まらない。
 一部では騎士団や冒険者による「ゾス村」への強制的な物資の徴収さえも行われているといわれており、略奪者と変わらないではないかと嘆く村人もいる。もちろん、そういった者たちも処罰の対象であるが、騎士団や冒険者の指揮を保つために一部は黙認されているともいえる。

 「血の旅団」に占拠された村や街は上記のように解放と略奪を繰り返されていたが、「血の旅団」の拠点と目される城塞都市アスピダでは状況が異なっていた。戦死したと思われていた暁天騎士団長の「クシフォス・ガウルス」が「血の旅団」の一員として姿を表し、暁天騎士団を率いて城塞都市アスピダを陥落させ占拠したという事実は王国側を大いに動揺させた。しかも、その指揮能力は生前のそれと一分と変わらず、守りに硬い城塞都市アスピダの攻略は至難のことであり、王国側は非常な苦戦を強いられていた。
 とはいえ、城塞都市側は基本的に守備に徹しており、城壁の外に出撃したとしてもそれは大規模なものではなかった。だが、その状況は一変することとなる。

 ――暁天騎士団の出撃である。かつて王国で至高の強さを誇った「騎士」たちが出撃を始めたのである。暁天騎士団と王国側の激しい戦闘が開始されたのである。
 彼らは甲冑に身を包み、兜で顔を隠して騎乗、あるいか徒歩にて城塞都市より出撃し、王国側との直接戦闘を開始した。団長であるクシフォスは城塞の中で指揮を行っており前線には出てこないものの、「騎士」たちの戦闘力は非常に高く、統率されている。「騎士」は軍勢を率いるものから一騎にて王国側と戦うものなど様々である※。
 「騎士」たちは基本として戦場で言葉を発することはなく、寡黙に機械的に王国側の軍勢と戦闘を繰り返している。「騎士」といえど無敵ではなく王国側の軍勢による攻撃で敗退し城塞都市に帰還するもの、あるいは打ち倒されるものもいる。ただし、打ち倒された者の一部の死体を確認すると、甲冑のみがそこにあり肉体が存在していなかったというような例も報告されている。

 すぐにクシフォスが「騎士」を投入しなかった理由については不明であり、城塞都市内でも出撃した「騎士」たちについては謎が多い。上記した甲冑だけの「騎士」の存在、そして「騎士」たちの再度の出撃にはある程度時間がかかることが王国側でも確認されており、「騎士」たちは死者・霊魂である、あるいは人間以外の存在ではないかという説も出されている。死者の霊魂を操るシェンヤン式の術式の残滓もみられるともいわれている。
 二年前の「血の旅団」との戦いで生存し、現在暁天騎士団に合流している騎士の多くは生者であり、騎士団長への思慕、あるいは洗脳のような手段にて彼にしたがっていると目されている。
 アスピダ内部に運び込まれる略奪品や捕虜の数は日増しに増加しており、アスピダの地下では大規模な魔力反応が検知されてもおり、不穏な情勢が続いている。「騎士」の出撃はこの大規模な魔力反応を王国側が検知したのと同時期である。この魔力反応を出す存在を隠すため、あるいは守るために積極的な攻勢にでたのではないかとも考えられている。

 なお、王都では魔術師や魔導機械の技師たちが集められ、城塞都市アスピダ攻略のための巨大にして高出力な「魔導機械」について検討がなされている。かつて無名遺跡やオリアーブ島(参照:http://mag-mell.undo.jp/event1.html http://mag-mell.undo.jp/event2.html)で発掘された魔導機械の修理や改造、さらには複数の魔導機械を合体させたこれまでにない破壊力を備える魔導機械が急遽開発され始めたのである。現在、王都では魔導機械の開発会議や試作が繰り返されている。かつて無名都市に現れた古代の機兵「アンゲルス」(参照:王国の現在過去ログ「2018/09/02」)を模した兵器も検討されているという。
 城塞都市アスピダの城壁や魔力障壁を破るための空前の兵器の開発のためには大量の魔力が必要とされており、国内からは急遽魔力鉱石が王都へと集められている。しかし、魔力鉱石が産出される九頭龍山脈は「血の旅団」たちが跋扈しており、魔力鉱石が多く産出するオリアーブ島は王都より離れており輸送には時間がかかる。そのために、王城の地下では「ミレー族」を利用した魔力吸収が行われている。

 ミレー族は体内に多くの魔力を溜め込んでおり、王城地下に用意された魔導機械や、魔術師の魔術によりミレー族から多くの魔力が吸い出され、魔導機械開発に用いられている。もともと奴隷となっていたミレー族が王城地下に集められたが、仕事の斡旋や奴隷身分からの解放などという虚偽の情報も流され、それに騙されて王城地下に集まったミレー族もいる。ミレーの隠れ里から連行されてきた者たちも少なくない。
 魔力はミレー族が性的な興奮や絶頂の際に生命エネルギーとして多く発せられることが確認されており、そのために王城地下ではミレー族への陵辱や魔導機械による性的な責めが行われ続けている。魔導機械に囚われ責められ続けるミレー族の光景も今の王城地下では珍しくない。なお、ミレー族以外にも高い魔力を体内に秘めているということで捕らわれる人間や種族もいる。
 このことは一般には伏せられているものの、情報の一部は既に外部に漏れており、ミレー族の反感を強く買うのはいうまでもないだろう。なお、魔力吸収によるミレー族の死亡例はなく、死亡に至るような責めも強く禁じられている※。ミレー族は王国側にとっては奴隷として利用するための存在であり、抹殺の対象ではないのである。
 魔力を吸収されたミレー族の、その後奴隷として扱われるか放逐されるか、あるいはうまく脱出するかなど様々である。記憶の一部を改変する術式を用いられるものもいるという。

※暁天騎士団のNPCとしての「騎士」たちについては打倒していただいて構いません。「騎士」についてはかなり強大な存在として設定しておりますので、その点はご留意ください。PCとしての暁天騎士団の騎士や団員への対応については基本的なルールをお守りください。

※ミレー族への陵辱や魔導機械・魔術を用いての魔力吸収は描写として行っていただいて構いません。ミレー族のPCとしてそういった責め苦に遭うというのももちろん構いません。ただし、虐殺や死亡に至る行為などについては禁止といたします。また、高い魔力を持つということで囚われたミレー族以外の人間・種族も化とします。解放されるか脱出するかなどはご自身で決めていただいて構いません。王城地下に乗り込んでミレー族を解放するというような行為はご遠慮ください。ただし、イベント進行に問題ない規模での、一名や数名の救出は可とします。
 また、イベントに非参加を明示しているミレー族PCにこの話題を振るというような行為はご遠慮ください。

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