2019/04/14 のログ
ご案内:「王国の現在」に王国の現在さんが現れました。
王国の現在 > 「ノーシス主教総本山神聖都市ヤルダバオートより諸信徒への布告」
帝国公主降嫁により、王都を始めとしたマグメール王国の主要な都市では享楽的な宴が連日続けられ、官民問わずどこか弛緩した雰囲気さえ見られるようになっていた。
この事態に際し、ノーシス主教総本山である「神聖都市ヤルダバオート」は「諸信徒(王国民と同義である)」に対し、異例とも言える勧告を布告した。
その布告内容は、庶民による風俗壊乱を戒め、為政者に綱紀粛正に努める事を求める内容であり、ノーシス主教の重要視する「清貧」の徳目を実践すべきことを説いたものであった。
加えて、王都を中心に「神聖都市ヤルダバオート」から修道女達が派遣され、王国民に対して改めて教えを説き、善行奉仕を行うことが告げられた。修道女達は即日王都などに発ち、諸都市にて弱者救済(基本的にミレー族は対象とならない)などの活動を開始した。
神聖都市ヤルダバオートの司祭達は、王都内にも王立の神学校(聖職者養成のための学校)・神学院(神学者養成のための学校)の設立することを求め、これは近々実現されるとの通達もなされた。
王国に降嫁した帝国の公主達に対して、ノーシス主教を宣教し王族の妃として典礼等に参列する際の作法を教導するという名目で、王城にも多くの修道女が送られることとなった。その多くは見目麗しい者であった。
表向きは「清貧」を尊ぶノーシス主教の理想から離れていく王国民を憂う布告である。しかし、神聖都市ヤルダバオートの中で行われている汚職や、修道女達を娼婦とする売春施設の存在を知る者には、神聖都市ヤルダバオートからの布告はひどく浅ましい空言と捉えられるだろう。
この布告の裏には、王都と王城内でのノーシス主教や教会の影響力を高める思惑が存在している。公主降嫁により俄に王都と王城でのノーシス主教教会の影響力が低下し、公主の歓待や受け入れのために教会への資金援助額が減少したのである。ノーシス主教の主導者たちがこの事態に危機感を覚えたために布告は行われた。
王城への修道女の派遣はいうなれば生贄と同義であった。王城の王侯貴族の機嫌を取ることが大きな目的であり、帝国公主にノーシス主教の影響を強めることも目的の一つである。
王都や王城に派遣された修道女はこの目的を知る者もいれば、何も知らされずに送り出される者もいる。彼女たちはノーシス主教の理想とは程遠い「奉仕」を強要させられるだろう。ただし、すべてが生贄として送り出されたわけではなく、中には理想通りに宣教や善行奉仕に努める修道女も一部存在している。
王都などの主要都市では、改めてノーシス主教の信仰を実践する事を説く修道女が多く活動しているが、教会への献金を増加させるために自らの身体を用いる修道女達も見られる。
帝国公主の降嫁はノーシス主教にも強い影響を与えたのであった。
ご案内:「王国の現在」から王国の現在さんが去りました。