2019/03/30 のログ
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王国の現在 > 『帝国よりの公主達』

魔導機械密輸事件や神代機兵『アンゲロス』起動の背後にシェンヤン帝国の陰謀が取りざたされ、王国と帝国の間ににわかに緊張が走り始めた頃。
突如帝国側から皇帝の娘、あるいは皇族の女である「公主」※1たちをマグメール王国の主要な王族(一部有力貴族も含む)たちへ降嫁させたいという申し入れがなされた。
いわゆる「和蕃公主」※2であり、これまでの王国と帝国の歴史の中で前例は数例存在したものの、これほどの大規模な公主の降嫁は異例である。

武断政治を旨とし、王国への強い敵対の姿勢を見せる始皇の政策としては異例・不自然なものであり、王国側としても唐突なこの申し入れには困惑を見せ、何かしらの策略を疑うものも少なくなかった。
依然として国境付近では王国と帝国の戦闘は続いており、戦争が終結したわけではないのである。互いに一進一退の攻防を繰り返しており、帝国が王国を懐柔する必要性は薄い。
理由として考察されたのは先の魔導機械密輸事件による両国の亀裂による大規模な戦闘の発生を防ぐため、あるいは始皇が病臥したために時間を稼ぐためなどであった。

唐突な申し入れであり、王国内には混乱が巻き起こり、受け入れの可否について日夜議論が続けられた。
受け入れを許可すれば何かしらの罠や間者の流入を招く可能性があり、拒否すれば帝国との大規模な戦闘の発生が予感されたのである。
先代の王による大規模な戦争による傷跡は完全に癒えたわけではなく、王国には帝国との大規模な戦闘を行う余裕は存在しない。
結論がでないまま議論は続けられたが、遂にカルネテル王家の当主の働きかけにより主要な王族を中心とした王族会議が行われ、公主達の受け入れが決定された。
カルネテル王家の当主が、実質的な帝国側の恭順の態度の表れであるなどと称したことが王国内の王侯貴族内に伝わっている。

すぐに公主受け入れ決定の返答は帝国側に伝えられ、数日後には公主達やその侍女・付き人達を王国へと送る大規模な一団が王都入りすることとなった。
即日王城内での大規模な迎賓の宴が行われ、王城や富裕地区では結婚が決まった王侯貴族と公主のための婚礼の儀が連日のように開かれている。
唐突な申し入れと、それに対する決定であったために王国側ではどの王族(あるいは有力貴族)と公主を嫁がせるかという準備も十分にできていなかった。
そのため、王城内では王族と公主を婚姻させるための宴が毎日開かれている。
公主は誰もが高い器量・美貌を備えており、それを品定めする王族や有力貴族たちの姿をその宴の中で見ることができる。
公主の護衛や監視のために王国軍や騎士団の人員も一部割かれることが決定した。

その美貌によって内外に名の高い「秦昭君」はカルネテル王家の当主の妻の一人として迎えられた。その美貌・色香に惑わされたカルネテル王家当主は長く閨に籠もる日々が続いている。
これによりカルネテル王家の力は若干弱まり、対抗王侯貴族にとってはチャンスとも言える状況が発生した。
王国の王侯貴族の中でも良識のあるものたちは警戒を強めつつある状況だが、腐敗した王侯貴族たちは公主降嫁を政争の道具として積極的に利用しようと画策を始めている。
帝国側から実質的な生贄として差し出された公主もおり、そういった弱い立場の公主は王城内でも腐敗した王侯貴族たちの玩弄の対象となっている。
帝国としても帝国の益につながらない皇族を処理できる良い機会であったと言えるだろう。

公主降嫁によって帝国側に密かに利権を持つ親帝国派の王侯貴族達の影響力が増し、彼らによる帝国との宥和政策が論じられるようになり始めており、国民の間でも厭戦的な空気が広がりつつある。
もともとシェンヤン帝国との戦争は先代の王の強権により強行されたようなものであり、十年以上に渡る戦争は王都の国民達を疲弊させていたのである。厭戦論はそういった国民たちに受け入れられた。
こういった動きに対し、公主降嫁は親帝国派の手引きではないかという指摘も広がりつつあり、王国内での大きな政争の火種がここに落とされた。
王国の国境に住まう国民や戦いを続ける王国軍や騎士団の中には降嫁受け入れの決定に不満を持つものも少なくない。
帝国と境を接する辺境を領する王族や貴族の一部には王都のこの決定に強い不服を唱える者もあり、王都との亀裂が発生しつつある。

降嫁先がまだ決まっていない公主たちも王城にて王国の王女と同等の待遇を受けて過ごしている。そのような公主たちと王侯貴族との交流も行われつつある。
国境付近における散発的な戦闘は未だ続けられてはいるものの、魔導機械密輸事件などによる両国の緊張は一時的に緩まり、帝国との戦闘は収まりつつある。
魔導機械密輸事件の件が有耶無耶にされたと指摘する声も上がったが、王国の王侯貴族たちによってその声は黙殺された。
ただし、密輸事件等の調査や尋問は未だに続けられている。上述する降嫁受け入れに不満を持つ者たちの強い申し入れのためであった。
公にはされていないものの、公主や付き人への尋問も一部では行われている。

城下や周辺都市においても公主降嫁の影響が現れている。
公主の侍女や付き人、すなわちシェンヤン人が多く王国内を闊歩することとなったのである。
それらに対する監視の衛兵も多く配置されているが、在王国のシェンヤン人の全てを監視することは現実的ではない。
侍女や付き人に扮した道士や間者が王国のために諜報活動を行い、始皇の求める仙薬の材料などを九頭龍山脈に求めに向かうということも行われている。
その活動は一部王国側に察知され、捕らえられた侍女や付き人への尋問も行われている。
ただし、貴人の従者たちであるため極刑が下されることはない。暗殺などの直接的な行動に出た場合は勿論別であるが、そういった行動を起こす従者はまず存在しない。

王都の王国民とシェンヤン人の文化的な交流が盛んになりつつあり、王都内では一種のシェンヤンムーブメントというべき現象が発生している。
シェンヤン風の衣服や音楽、料理が流行しはじめており、商人たちにとっては大規模な商売の機会が訪れたとも言えるだろう。
公主やその付き人への監視の目はあるものの、上記の厭戦論によって王国民と在留シェンヤン人との交流は深まりつつある。
帝国から王国へと降嫁させられた「秦昭君」を悲劇の美女として描いた演劇や詩がいくつか作られ、それによって国民の一部には「秦昭君」を悲劇のヒロインとして祭り上げる動きさえ見られる。
ただし、帝国との戦争で家族を喪った者も少なくはないため、厭戦派の国民と継戦派の国民の間でも溝が生まれつつある状況である。

なお、マグメール王国ではその例は少ないものの女王の即位も認められている。
そのため、マグメール王国の女性王族の婿として帝国の男性皇族も今回の公主降嫁に合わせて王国へと送られた。
ただしその数は公主と比べるとかなり少なく、彼らが公主と呼ばれることもない。
単に「皇子」と呼ばれるのが基本である。

※1 公主……皇帝の娘、皇女のことを指すことが多いが、皇族の女も公主と呼ばれることがある(モデルは中国の歴史上存在した「公主」ですが、これについての知識は必要ありません。ここに書いたことが全てとなります。漢代の公主は皇帝の娘だけでなく諸侯王の娘も「公主」と称されたため、ここでは皇族の女も「公主」として扱われるということにしています)。

※2 和蕃公主……帝国周辺諸国の異民族(蕃)を懐柔(和)するために異民族の君主に降嫁させられた公主のこと。本来は君主に嫁ぐが現在のマグメール王国の王位は空位であるため、諸王族(場合によっては有力な貴族にも)に嫁がされることとなった。人質の一種とも言えるだろう。帝国の皇族たちであるためその扱いは基本的に鄭重であり、帝国風の装いや生活も保障されている。取り扱いを間違えれば帝国との大規模な戦争にもなりかねないためだ。ただし、現在の腐敗しつつある王国では必ずしもこれが守られるとは限らない。


【PL向け情報】
本日よりの開催となります。明確な終了期限は設けていません。次の帝国関係のイベントにつなげる予定です。
帝国から王国に送られた公主たちのほとんどは、実際には皇帝の娘や皇族の女ではなく帝国貴族の娘や間者の類です。一部本当の皇女あるいは皇族の女なども送られているという設定になります。
シェンヤン帝国より送られた公主やその付き人として王都の王城などで生活して頂いて構いません。帝国側の新規PCの登録も勿論可能です。
嫁ぎ先の王族についてはNPCで設定して頂いても構いませんし、募集していただいても構いません。
王国側の王族や有力貴族もNPCとしての公主を娶ったと設定することも問題ありません。PC同士でそのような関係を築く場合の相談などについてはご自由にどうぞ。

公主やその付き人は間者(スパイ)としての活動や工作員として活動していただいて構いませんし、異民族に嫁がされた悲劇的な公主を演じて頂いても構いません。王都の城下などを移動することも可能とします。
不穏な働きがあったとして王国側よりの尋問などを受けることも問題ないものとします。それらの点については自らの希望に合わせご調整ください。
ただし、王国の権力全てを掌握したり、秘匿されているであろう情報の全てを帝国に送ったりなどの王国の存立を大きく揺るがすような行動についてはご遠慮ください。基本的なルールについては通常と同じです。
一部の公主や侍女・付き人は帝国の間者であることを暴くというのも可能ですが、公主全体の陰謀を暴くなどの当イベントを終了させてしまうような動きはご遠慮ください。
イベント開始後即座に公主降嫁の背景、陰謀を全て看破するなどの動きはどうかご遠慮いただければと思います。

また、このイベントに限った話ではありませんが、他PCや他PCの運用する組織などの情報についての取り扱いには十二分にご注意ください。
「秦昭君」はNPCであるカルネテル王家当主の妻となった設定になりますので、PCとしての登録やNPCとして動かすことはご遠慮ください。言及することは勿論可能です。
なお、このイベントについては強制の参加では勿論ありません。参加を希望されない方は無視していただいても構いません。王国軍や騎士団の人員配備などについても同様です。

◆公主の姓について◆
形式上、公主は皇帝の娘、皇族の女となりますので姓は「秦」となります。
公主としてPCを登録する場合は姓は「秦」とするか、名前のみの登録をお願いします。
公主に扮する帝国貴族の娘や間者を登録された場合は姓については「秦」である必要はもちろんありません。

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王国の現在 > 【PL向け情報】
イベント『帝国よりの公主達』に関する文言の追加訂正を行いました。
只今より当イベントを開始といたします。
話題としての言及や関連するPCの登録などご自由にどうぞ。

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