2018/08/28 のログ
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『魔導機械密輸事件』

X月XX日、港湾都市ダイラスの波止場に停泊していた、幾重にも魔術的な防壁の張られた不審な船舶に衛兵による捜査の手が入った。
船舶より押収された積荷は、無名遺跡より発掘された魔導機械と、オリアーブ地方の最高峰であるング=ラネク山より採掘された魔術鉱石であった。
これらはマグメール王国の重要な産物であり、特に軍事面において重要視され、原則として国外への輸出は禁じられているものである。
船員――九頭龍山脈にて暗躍する盗賊団であることが後に判明――は衛兵に連行される直前に、王国の魔術とは異なる大系の何かしらの呪術により全員が死亡。
密輸の詳細については未だ多くが不明のままである。

王都より派遣された魔術師の検分によれば、船員を抹殺した呪術は北方帝国シェンヤンの「道術」の大系に属するものに類似するという。
このことから、シェンヤンの諜報員や道士たちによって買収された盗賊団が資金稼ぎのために密輸を行っていた可能性が浮上した。
帝国にて「ティルヒア軍」として活動する旧ティルヒア軍の残党による手引きも疑われており、九頭龍山脈やオリアーブ地方では現在警戒が高められている。
魔導機械と魔術鉱石はマグメール地方においてのみ発掘・採掘されるものであり、帝国では一切採掘されることがないものである。
故に、戦力増強の一環、あるいは王国軍の魔導機械兵器を攻略するためのサンプルとして帝国が入手しようとしたといえるだろう。

同種の事件は同時期にいくつか報告されており、帝国は魔導機械や魔術鉱石を積極的に入手しようとしていることが証明されつつあるが、今更になって魔導機械に手を伸ばそうとする理由は不明である。
既に王国内で密かに活動していた道士も数人が捕らえられ、尋問が行われたものの、彼らはそのような計画については知らないと口を揃えて述べた。
拷問を行っても、魔術を用いた自白をさせても彼らから情報を得ることはできず、王国にて活動する大部分の道士はこのような計画については知らず、関与もしていない可能性が高い。
帝国の重要な計画故であるのか、あるいは帝国とは無関係の何者かによる作為か不明であるものの、一連の事件により王国と帝国の間の緊張は俄に高まった。
ハテグの主戦場でも王国軍と帝国軍の衝突の回数が増え、再び大規模な戦闘などが行われるのではないかという懸念が王国内に広がり始めている。
騎士団・王国軍の戦力はハテグの主戦場に集中しつつあるため、九頭龍山脈、無名遺跡、オリアーブ地方の警備などは民間の冒険者に多くの依頼が現在出されている。

なお、密輸される魔導機械の多くはいわゆる「魔導機兵」と呼ばれるもので、神代の昔、あるいはそれよりも先の時代に用いられたと思しき戦闘機械である。
多くは人形をしており、近年無名遺跡などから発掘されることが増えてきている。
王国軍は戦力として取り入れようと試行錯誤しているものの、軍全体としてはその起動には十分には成功していない(起動例はあるものの、本来持っていたと思われる力の10%にも満たない)。
高い技量を持つ技師や学者によって魔導機兵の劣化複製の量産は可能となり、既に戦線に投入されて久しいものの、遺跡から発掘された魔導機兵そのものを十分に動かすことは未だできていない。

※オリアーブ地方・ティルヒア動乱の設定は下記を参照。
http://mag-mell.undo.jp/till.html
※北方帝国シェンヤンの設定は下記を参照。
http://mag-mell.undo.jp/world6.html

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