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ザイヴァーPL
- 19/3/26(火) 18:59 -
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これは、少し昔の話です。城の中、一人の50代の武人風の男と、艶めかしい肢体をした一人の女が、酒を飲み交わしていました。
「ほれほれ、ザイヴァー。もっと飲むのじゃ」
「はは、メーン。そんなに注ぐな。こぼれるだろう……」
50代の武人風の男、ザイヴァーと。女。メーンとの二人っきりの宴である。
「しかし、まさかザイヴァーが師団長になるとはなぁ……しかも、将軍として」
「兵たちの推薦と、俺の努力……二つが合わさったおかげさ。日々、欠かすことなく努力し……」
「ああ、はいはい。そんな話を聞いていたら、酒が不味くなるわ」
そうケラケラと笑う女と、目を細め酒を飲む男。この二人の共通点は、「第一師団、第58期入隊」というもので。
ザイヴァーは兵士として、メーンは魔女として……国に全てを捧げると誓って、今の職に就いたのです。
そして、ザイヴァーは将軍職にまで上り詰めました。
「しかし……58期も、俺と、お前だけになったな」
「……うむ。みな、死んでもうた」
斧使いのガーリック、弓の名手スバンドラ、両手剣のグリックス……みな、良き兵士として、魔族との戦いで戦死した勇者たち。
「俺は生き残って、将軍になった。彼らの死は、無駄じゃない。
彼らの生きざまは。第一師団の新しい兵士たちが受け継いでいく……
そんな、第一師団にして見せる」
「ほほ。中々大きく出たな……」
「ああ、王から賜ったこの聖剣、バスカード・ヴレイカーと、俺が、それを証明してみせるさ」
「うむ。そなたは変わらんな」
「はは。そういうお前こそ、若いままじゃないか……」
「ふふん、魔法のおかげじゃよ」
そんな団欒とした宴は終わりに近づき……
「ザイヴァー……お主は、どこで死にたい?」
「もちろん、戦場で」
そう言葉を交わし、別れました。
それから、しばらくしてのこと。
メーンは、ザイヴァーと再会しましたが……
それは、病床のザイヴァーとでした。
「ザイヴァー。この戯けが。自分の体調管理もできんか」
「はは、小うるさいのが来たな」
「ふん。そなたが風邪をひくなんてな……あの、猛吹雪の中、鎧を脱ぎ捨てて寒中水泳していたお主が……」
「年さ……俺も、もう50歳だぜ?結構長く生きていると思うんだが……」
だが、メーンにとって、年だというその言葉は、とても深く胸に刺さりました。
ザイヴァーは、私のように魔法で年を停滞させられない……
なら、いつか、戦場じゃなくて、寿命でベッドの中で死ぬ可能性が……?
……嫌だ!神などが決めた寿命なんかで、ザイヴァーの生命を断ってなるものか……
ザイヴァーは、武人なのだ。死ぬなら、寿命なんかではなく、戦場で散るのがふさわしい……
そして、メーンは……一つの、魔法を完成させました。
ただの、魔法の素養を待たない人間が、寿命を延ばすことは不可能に近い……
なら、私の、魔女メーンの永い永い寿命を、ザイヴァーに分け与えるための魔法を。
その対価として、メーンは命を散らす覚悟でした。
だが、それでは、ザイヴァーが一人ぼっちになってしまう……
そうだ、聖剣だ。あの剣を、インテリジェンスソードに改造しよう。
きっと、すさまじい抵抗があると思うけど、命は、ザイヴァーに分け与える。
私は、消滅してもいい。
ザイヴァー、あなたは……戦場で散るまで、生きて?
そんな願いを込めた、魔法が完成し、ザイヴァーにかける段階になりました。
だけど、メーンは素直ではない魔女でした。
それか、自分の消滅を悟られないよう、気を付けたのかもしれません。
「ザイヴァー。いい気なものよな。若い肉体になった気分はどうだ?」
「メーン……き、貴様……ッ」
「ふふん、悔しかろう?痺れ薬で動けないのをいいことに、若い肉体を弄ばれるのは……」
こうして、ザイヴァーは……数日間、メーンと交わり……若い肉体に、永い寿命が固定されました。
そして――――――
ザイヴァーが、しゃべる聖剣となったバスカードと共に去った後……
メーンは、静かに消滅しました。
これは、ザイヴァーに掛けられた、呪いのお話し。
魔女メーンが、命を懸けて、彼の死に場所を戦場にしようとした物語。
さて、若くなった肉体のザイヴァーは、どんな物語を紡ぐのでしょうか……?
――――――
というわけで、ザイヴァーが若将軍となった、その裏話を書いてみました。
設定に乗せるには長すぎるので、ここを借りさせていただきましたが……
もし問題があれば、消去いたします。
では、どこかでザイヴァーを見かけたら、ロルしてやってください。
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ザイヴァーPL
- 19/3/26(火) 19:03 -
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もし、感想をくれてやんよ!という素晴らしい方がいらっしゃいましたら、ここに……張っちゃうと、PL雑談になりそうなので、私書にお願いできたらな〜なんて、高望みをしてみます。