「やはり、人はその、少しだけ……苦手、です」
・名前 ロザリンド・アルドウィッチ
・容姿 外見年齢は25〜27程。 黒の長髪を結い上げ、余りは肩に流している。 少したれ気味の紫水晶の瞳。美人系。 常に柔らかい笑みを浮かべており その合間に時折見せる物憂げな表情にやられたものは数知れず。 体型はふわっきゅっふわっとほど良く豊か。 身長が平均より僅かに高く、本人の悩みの種。 大判サイズの本を一冊常に胸元に抱えている。
・性格 魔族ではあるものの基本的には穏やか。 世話好きが高じてこの立場を選んだとは本人談。 見た目に反して随分永く生きておりお姉さん扱いをされると喜ぶ。 場面や状況によってモードを切り替えているらしいが その切り替わりの差が激しいため多重人格者を疑われている。 本人は知らないが先天的に強力な夢魔の形質を有しており その所為かやたら仕草が色っぽい。 魔族らしく軽い関係性にはあまり抵抗がないものの 深い関係はほとんど持たないよう。
(実は他人が苦手で小心者。 幼少期は病弱でほぼ外出すらしたことが無いような生活を送っていたらしい。 普段は穏やかで大人らしい仮面をかぶっているが 不意打ちや予想外で動揺すると素の表情が顔を出す。 また許容量を超えると豹変する為一部では恐怖の対象となっている。 ……本人は抱えきれなくなってパニックになっているだけだったりする。 性的な行動に関してはじつは昔トラウマを抱えており奥手。 貞淑な夢魔という一風変わった存在。)
・表向きの背景 アルドウィッチ家の古株。3人姉妹の末っ子。 旧家の出身にも拘らず、他人の世話をする立場を好む。 姉妹の中では一番長女らしいと噂。 魔族の中では非常に短命な家系出身にも関わらず長く生きている事から 家内では一種独特な立ち位置にいる。 基本的に家に仕える従者だが以前の主に愛想をつかし 良い機会なので最近騒がしい世間を少し見て回ろうと放浪中。 複数の家に長く仕えていたため、その家の後ろ暗い所なども熟知しており 普通に仕事の腕も悪くない為引く手数多だが今の所何処に務めるかは 決めていないそう。
・戦闘面 本人曰く児戯程度に嗜んでいるとのこと。 ただそれについて元主に聞くと顔を真っ青にして話す事を拒否される。 普段は”装備任せ”らしく、身にまとった「魔装」が 自動で迎撃、攻撃を行い本人は最低限の回避のみを行う。
不死の性質を持ち、致命傷を受けてもしばらくすると息を吹き返すが 元々は剣どころか小刀も握ったことがないような華奢な体質。 体力に乏しく、耐久性に至っては人間以下。 素の身体能力としては魔族の中ではかなり劣ると言わざるを得ない。 彼女はそれを魔具や戦闘訓練や経験値で培った技術で補っている。
一方で反応速度や瞬間出力、そして察知能力は非常に優秀。 暗殺術や狙撃等には予知レベルの鋭敏な反応を見せる。 彼女自身も暗殺者としては高い適性があることもあり 自身より対象の保護を優先する気質も相まって 護衛という点では非常に優秀な技術を有している。
「魔装:縛鎖」 鎖の魔具らしく、服の隙間、主にスカートの裾からジャラジャラと出てくる。 基本的には8本ほど出てくるが上限は不明。 先端に分銅や刃等が付いたものも多く、敵と定めたものを執拗につけ狙う。 華奢な見た目に反して一本一本に異常に質量があるのも特徴で その見た目に油断して受けると簡単に四肢を砕かれる事になる。
「魔装・七装器」 指にはめるタイプの指輪型魔具で、結晶体で構成された武器を錬成するというもの。 錬成された武器はその鋭さもさることながら過大な質量を有しており それ自身の重さによって打合い等苦手とする場面の不利を補っている。
他にも幾つかの魔具を装備している模様。
・背景 アルドウィッチ家 文化や風習、知識の保存活動に勤しむ旧家。 特筆すべきはその財力と情報収集、諜報能力で 世話になった魔族は少なくない。 とは言え主に注力しているのは”図書館”の管理であり 政治的権力にはあまり興味がないよう。 情報収集や図書館の端末としての能力に自身のリソースを振り分けており その性質からか魔族としては非常に短命な家系で、 多くの者がその生涯を図書館に捧げている。 アルドウィッチ家は個々に一冊の本を所持しており それは命と同等に大切なものとされる。 ロゼも自身の一冊を常に所持しており、 それには厳重な保護が幾重にも施されている。 ……とは言えたまにメモ帳代わりにも使われている。
(個人的な過去経歴) アルドウィッチ家の末女として生まれる。 母は二人目の妻であり、元々側室であったことから その立場を疎まれ、敵の多い人物でありその娘も嫌悪の対象であった。 産まれた時から極度に体が弱く、本と人形に囲まれて育った。 長らく体調不良の原因は不明とされ、その緩和剤である薬草も 一部地方でしか取れない希少なものであった為 彼女を愛していた母と共にその地方へと度々往復していた様子。 苦しい生活の中でも優しい母と数少ない親友に囲まれ彼女は幸せに過ごしていた。
そんなある日、薬草の群生地へと向かっていた馬車は ”勇者”を名乗る一団の襲撃を受ける。 いくら魔族とは言え戦闘と縁のない女子供と 庭師兼馬車係の僅かな従者ではどうしようもなく、 親子らは近くのヒト族の村へと引き渡される。 そこで彼女らは凄惨な陵辱を受け、その後手足を砕かれて 近くの亜人の巣へとうち棄てられた。 救助の者が辿り当てるまでの間、繰り広げられ凄惨な陵辱劇により 従者と母親は彼女を残し非業の死を遂げた。 直ぐに後を追うはずだった彼女はその暴虐の中で自身の不死性を知ることとなる。
救出後、人族の勝利の一幕として自身らが陵辱された事実が世間に出回っている事を知る。 その地域はかねてより危険地帯と告知されていた場所でもあり 当然貴族としては不名誉な事であり、その事実は直視しがたい。 母親と親友という後ろ盾を失った彼女を守ってくれるものは誰一人としておらず 存在を世間から隠す様に僻地の古城に一人幽閉され過ごすように。 親族には生き恥と謗られ、世話をする家人すら居なくなり、 飢えても、倒れても誰も助けてくれないという状況に、 自然と生活スキルを身に着けていった。
時を経て彼女は美しい母親に似た容姿へと成長し、 世間から隔離された環境で一人で過ごすことに慣れ、 のんびりと日々の生活を送っていた。 皮肉なことに適性という点でも”司書”として高い適性を有しており アルドウィッチ家の中でも指折りの逸材へと成長していた。 丁度その折、前家長である父が戦地にて戦死し家長相続問題が浮上する。 彼女を擁立し、お零れにあずかろうとする一派により家長候補に名前が挙がるが固辞。 自ら姉の下に仕える従者としてその争いから降りる事を宣言した。
司書としての能力が妹に劣る姉らの態度は頑なであり 永らく顧みられることすらなかったが彼女は誠心誠意務め いつしか二人の姉と僅かながらも言葉を交わせるほどの関係になる。 結局姉二人が死去するまで彼女らとの関係は変わらなかったが 彼女なりに二人の姉を愛していたことが彼女の口調からは見て取れる。
姐の死後、家の代表として振舞う事は一切なく、 継承問題を引き起こすという配慮から 他魔族の元を従者として転々とする。 曲がりなりにも有力貴族であることから 永く一つ家に留まることはせず 長くても一世代のみに仕えるに留めていたようだ。
最近までとある家系に仕えていたが その家系の嫡子が戦死したことをきっかけに その家を離れ、とある言葉に従い世界を巡る旅に出る。 人の在り方、そして自身のトラウマと向き合う為 彼女が舵を向けたのは人族の王都、マグメールだった。 |
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