2018/01/12 のログ
リス > 紅茶をすすっていると時間を忘れる気がする。
 というよりも実際に時間を忘れていたようだ、ふと時計を見ると結構いい時間帯となっている。
 仕事はひと段落しているし、店も落ち着いている様子だし。
 それならば、そろそろ上がってもいいかも知れないわと、小さく呟くことにする。
 まあ、今飲んでいるお茶を全部終わらせてからでもいいか、と軽くうなづく。

「んー。
 さて、どうしたものかしら、ね。」

 お茶をすすりながらのんびりとした時間を堪能する。
 急いでやることもないし、慌てるような状況でもない。
 店員が呼びに来ないということは平和そのものでもある。
 次は休みを取ってどこかに遊びに行くのもいいわね、なんて思っても見たり。

リス > 静かに紅茶を飲んでいたけれどそれも終わる。
 特に何かしらの報告も事件もなさそうだし、紅茶を飲んで気分も良くなったから、そろそろ帰ろうと思う。
 飲んでいた紅茶の器を片付けてお菓子をしまう。

「さて、あとはよろしくね。」

 交代の店員に軽く挨拶をしながら少女はそのまま去っていくことに。
 今日も平和な一日だった。

ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」からリスさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡内の遺跡の一つ」にチェシャ=ベルベットさんが現れました。
チェシャ=ベルベット > しんと静まり返った朝の空気の中、チェシャは無名遺跡のうちの一つを訪れていた。
普段の諜報活動の仕事のほか時々こうしてダンジョンアタックをすることがあるのは、
商材になりそうな魔法の掛かった道具や魔導書、宝物などを主人のために持ち帰るためだ。

いつもの従者服姿ではなく、動きやすそうな体にフィットしたシーフ寄りの装備と冒険用の道具一式を背負い
柔軟体操をしてからそっと入り口に足を踏み入れた。
朝だと言うのに半地下状の入り口は薄暗く、暗視の効く猫の視界でも見るのは困難だ。
さっそく魔法のランタンを灯して腰に吊り下げ、中へと入っていく……。

チェシャ=ベルベット > [1d20→2=2]
チェシャ=ベルベット > 2.あなたはスライムの巣にうっかり足を踏み入れてしまった。大小様々なスライムがあなた達に襲い掛かってくるだろう。
冒険者として熟練であれば手強い相手ではないだろうがもしかしたら天井から、あるいは床から不意をついて足元をすくわれる可能性もある。

チェシャ=ベルベット > ぴちゃん、と遠くで水音がした。薄暗く湿っぽい石造りの部屋。
その湿気に顔をしかめつつ灯りを捧げ持ち内部を観察する。
じゅる、うじゅる……と粘体の何かが床を這う音がする。
灯りを翳してみれば半透明の体を持つゼリー状の魔物が奥から横からぞろぞろと現れチェシャの方へ近づいてきた。

「ちぇ、ついてないな……。雑魚の巣に入っちゃったみたいだ」

腰のポーチから魔法の篭った魔石を取り出し、群れに向かって投げつける。
すると床にあたって砕けた魔石からバチバチと紫電が発せられ、スライムたちを一斉に焼き尽くす。
電撃の魔法の篭った石だったらしい。
あらかたを殲滅したと確認するとようやく部屋へと足を踏み入れた。

チェシャ=ベルベット > だがチェシャは油断していた。天井までは確認を怠っていたため
そこに潜むスライムには気づけなかったのだ。
ぼたり、と粘体の体がチェシャの頭の上から振ってきて、とっさに避けようとするも一歩遅い。
べちゃりと体に張り付いたスライムが衣服の隙間から侵入し、体にまとわりついてくる。

「っ!! こんんのっ……!!」

もう一つ魔石を取り出して粘体の体に突っ込み、割り砕こうとするも塗る着いた手元が狂って石を取り落としてしまう。
そうこうしている内に衣服の隙間から入り込んだスライムが肌をひんやりと舐め、
くちゅくちゅと胸の突起、へその穴、性器、そして尻のすぼまりを刺激してくる。

「ひゃ、っ……!え、エロスライムめっ……!」

チェシャ=ベルベット > ぐじゅん、と尻のすぼまりへスライムが押し入ってくる。
同時にペニスの鈴口へ細い管となってスライムがずるずると侵入しチェシャの内部に巣食おうと体を震わせた。

「ひっ、ぎぃ……!っ……や、めろっばかっ……!」

体をなんとか動かして、引き剥がそうとするも水のような粘り気の相手にはどんなに腕で押しても効果がない。
半透明の体の中に浮かぶ、スライムの核が不気味に光った気がした。
さっと目を光らせ、両手に銀の手甲を魔法で呼び出すと魔術鋼糸を爪の先からひゅん、と核へと突き刺した。
粘体の体を無視して糸が核へと絡みつき、締め付け、ばちゅん、と破裂させるように両断する。
するとスライムは水のようにグズグズと溶け出し煙を上げて消え失せてしまう。
あとに残ったのは陵辱されかけた粘液まみれのチェシャだけで。

「……初っ端からひどい目に合った……」

辟易とした様子で立ち上がり軽く体を手で払い、粘液を取り去った。

チェシャ=ベルベット > [1d20→7=7]
チェシャ=ベルベット > 7. やけに湿っぽい部屋だ。それに澱んだ空気はやけに甘く、遠くから水滴が垂れる音がする。
ここはテンタクルスの縄張り、天井に潜んだ彼らに気づかなければ長い触手に巻かれて苗床にされてしまうかもしれない。

チェシャ=ベルベット > 続いて訪れた部屋もまた湿り気を帯び、甘く不快な匂いを漂わせる。
またしてもうぞうぞと粘性を帯びた何かが蠢く気配があり、灯りを掲げると卑猥な形をした触手をいくつも持つ魔物が現れた。

「……なんで粘体ばっかり……運が無いな」

うへぇ、と嫌そうに呟いて、先程使わなかった魔石を同じように投げつける。
今度は炎が立ち上り、テンタクルスをまるごと火柱で包んで焼き尽くした。
炭化してもまだ体の一部分を切り取って動く相手には両手の先から鋼糸を伸ばして絡め取り切り裂いてしまう。
ぼたぼたと甘ったるい粘液を吹き上げてテンタクルス達が粉々に切り裂かれてしまった。

チェシャ=ベルベット > [1d20→11=11]
チェシャ=ベルベット > 11. 床一面に麻痺毒を持つ毒蛇の群れが這い回っている。致死性は無い種類のものだが噛まれれば1時間程度は体が痺れて動けなくなる。
出口まで工夫して蛇を退けるか、避けたほうが無難だろう。

チェシャ=ベルベット > 床一面を細長い紐がいくつもしゅるしゅると這う音がする。
否、紐ではない。毒々しい鱗を持った毒蛇だ。
すぐに段差の上にぱっと飛び乗ってなんとか初撃を避けると、さてどうするべきかとチェシャは頭を悩ませた。

先程と同じく魔石を使って一面を焼き払ってしまうのもいいかもしれないが
手持ちの数が心もとないし、何より魔石はコストがかかる。
貧乏性でなるべく温存しておきたいチェシャは、この部屋を踏破するのを諦めて来た道を引き返した。

チェシャ=ベルベット > [1d20→10=10]
チェシャ=ベルベット > 10.突然の転移魔法陣の罠にかかり、出た先はサキュバス・インキュバスの群れの中だった!戦って切り抜けるもよし、彼らを性的な意味で満足させて穏便に済ませるもよし。
あるいは彼らに捕らわれて冒険をここで止め、一生を性奴隷として過ごすのもいいかもしれない……。

チェシャ=ベルベット > 来た道を引き返す途中、一歩踏み出した足が魔法陣の端を踏んでしまう。
ブゥンと鈍い音を立てて魔法陣が起動し、飛び退く間もないまま何処かへと転移させられた。

次にチェシャが現れたのはむせ返る性臭に満たされたサキュバス・インキュバスの群れの中だった。
突然現れたチェシャに驚くこともなく、彼らは嬉しそうに獲物を見つめ
『いらっしゃ~い♥待ってたのよ……』
などと言ってチェシャの四肢を捕らえ抱きしめようとしてくる。

こんなに数がいてはいくらチェシャが抵抗したところで無駄だろう。
顔を青ざめさせ部屋の隅に逃げるも結局彼らに捕まえられ、服をひん剥かれ裸になり、べたべたと複数の手がチェシャの体を這い回る。

「や、だっ!やめろ、ばかっ触んな!変態っ……やだっ
 やぁああああっ………!」

チェシャの悲鳴がか細く迷宮内に響き渡った……。

チェシャ=ベルベット > 【3時間後】

既に衣服は粘液まみれの精液・愛液まみれ。もはや衣服としての用を成していないほどぼろぼろになった服を
それでも辛うじて纏いよろよろと絞り尽くされたチェシャが魅惑のサキュバスルームから這い出してくる。
彼らすべての要求に応えるのは流石に命を搾り取られそうだったので避けたものの
彼らが満足するまで相手してやったのはかなり堪えた。

「もぅ、しばらくはえっちしない……絶対にするもんか……」

ほうほうの体で逃げ出してきたチェシャ。
ここまで苦労しているのだから何か一つくらい珍しいお宝を手に入れないことには帰りたくなかった。
実際はもう帰ってぐったりと柔らかいベッドの中で寝てしまいたかったが意地がそうさせなかった。

のろのろと足を進め、さらに迷宮の奥深くへと進んでいく……。

チェシャ=ベルベット > [1d20→19=19]
チェシャ=ベルベット > 19.テンタクルスの苗床となっていた男女があなたに助けを求めてくる。あなたは彼らを連れて行ってもいいし置いていってもいい。
ただし連れて行く場合は彼らは必ずあなたの足手まといになってしまうことを留意しておくこと。

チェシャ=ベルベット > 『た、助けて……』

迷宮を進むチェシャの耳元にか細い女の声が届く。
ぴくん、と猫の耳をそばだててその声を頼りに周囲を探ると横道の部屋に裸の男女が粘液にまみれて倒れていた。
罠を警戒してすぐには彼らに近づかなかったものの、周囲を警戒してもどうやら魔物や罠のたぐいはないようだった。
そうしてようやく彼らに近づくととりあえず事情を聞こうと声をかけた。

「……何やってんの?」

すると彼らもまた迷宮に挑んだ冒険者だったこと、
テンタクルスの群れの中に突っ込んでしまい彼らの苗床にされてしまったこと、
命からがら群れから逃げ延びて今に至ることを教えてもらい出口まで一緒に案内してほしいと頼まれる。

腕を組んでチェシャは難しい顔で考える。
今彼らを連れていけば確実に探索はここで打ち切らなければならないだろう。
なぜなら彼らは裸一貫で装備も何もないまま、それを連れ回すのはさすがにチェシャの技量では難しい。
だがまだ何も成果を上げていないチェシャはここで探索を打ち切るのを渋ってしまう。
出来るならばお宝の一つくらい手に入れてから帰りたかったところだが……
同じテンタクルスに襲われた身の上としてなんとなく彼らにも同情してしまう。

「……分かった、出口まで送る……」

結局疲れが勝ったのかチェシャは探索を打ち切って男女を保護し、出口まで戻ることにした。
やれやれ、何の収穫もなかったとため息を付きつつこうしてチェシャの一日の冒険は終わったのだった。

ご案内:「無名遺跡内の遺跡の一つ」からチェシャ=ベルベットさんが去りました。
ご案内:「王都平民地区娼館通り」にエンジェルさんが現れました。
エンジェル > 今夜は雪が降っているせいかいつもより人通りの少ない娼館通り。
その中に立ち並ぶ店のひとつ『天国への階段』亭。
その名の通り天国へと昇るような体験を出来ると謳うその店は、周りの店に比べると少々……いや、かなりお高い。
しかし、それでも常連は多い。
それはこの店にそれだけの価値を認める層が一定いることを示す。
もっとも積極的に割引券や利用券を配っている為に運が良ければ格安で利用することも出来るだろう。
飾り窓の奥では暖炉の前で談笑する美女達……その誰もが極上の快楽を約束する上級娼婦だ。
そして、そんな高級店の中、一晩好きにしたいなら30万、一発抜くだけでもプレイによっては両手の指に手が届きそうな特別な娼婦が数人在籍している。

「きょーはさむいねー。」

飾り窓の下、もこもこのコートを羽織って無邪気な笑顔を振りまく少女もそのひとりだった。
コートから覗く細い脚をぱたぱたと動かし、にこにこと愛想を振りまく少女が此の店で5本の指に入る稼ぎ頭だとは誰が信じよう。

ご案内:「王都平民地区娼館通り」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > 雪深い中、サクサクと歩く少年。
今日も仕事帰り。ギルドで報酬を受け取ったその帰りだ。
最近は意識して『天国への階段』の前を通るようにはしているが…今日は果たして。
少し遠目にもこもこ猫耳コートの少女を見る。
少女の素を知っているせいで、なんか笑いがこみ上げてきてしまう。
似合ってないわけじゃないが。

「…ま、時間的にタイミングがわりぃか」

気づくかは分からないが、離れた場所からひらりと手を振ってみる。

エンジェル > 寒さに負けずににこにこと笑顔を振りまいているとちらりと視界の端に映るこの店の客と言うにはあまりにもみすぼらしい少年の姿。
少女はちらりと見ただけで何も反応を見せず、それまでと変わらずに笑顔を振りまき続ける。
そして、数分後、でっぷりと太った客が少女を指名し、嬉しそうに腕を組んで店の中へと消えて行った。
それからすぐ、店の中から黒服に身を包んだ男が出て来て周囲を見回す。
そして、少年の姿を見つけると雪を踏みしめ歩み寄り、ウィンクと共に紙の切れ端を手渡す。
そこには

『朝来い』

と、短く記されていた。

ブレイド > エンジェルが引っ込むのを見れば、『まぁ、きづかんわな』と、自身もその場から去ろうとする。
だが、すぐに出てきた黒服の男。
歩み寄るその男にすこし身構える。
店の稼ぎ頭にまとわりつくガキとして文句の一つでも言われるのではと。
だが、実際にもらったのはウィンクと紙切れ。

「あ、ども…」

毒気を抜かれて、つい頭を下げてしまった。
渡された紙を見れば、短いメッセージ。

「朝かよ…」

さすがにしばらく時間を潰すとかいうレベルではない。
しかも雪まで降っている。
何処かで時間つぶしすることくらいは許して欲しい。
少年は朝まで利用できる酒場を求めて歩きだす。そして、朝方には律儀に店にやってくるだろう。

エンジェル > 「うーさぶ……。」

明け方、たっぷりと羽毛を詰め込んだジャケットを羽織った少女が両手をポケットに突っ込んで裏口から出てくる。
寒いと言いながら白い脚が露出しているのは何かのこだわりだろうか。
ちゃんと言いつけ通り待っている少年の姿を見つけるとジャケットから手を出すのも億劫と言った動作で歩み寄る。

「じゃ、行くか。」

白い吐息と共にそれだけを告げ、どこへとも言わずに歩き始める。

ブレイド > 「おつかれさん。ってか、タイツとかねーのか?」

仮眠はとったとは言え、店のカウンターはあまり寝心地の良いものではなかったし
酒場の店主からは偉いひんしゅくを買った。
雪がやや肩にかかっている少年は少女の言葉に少し驚く。

「行くって…どこ……あ、いや…そうか」

だが、なんとなく理解して最終的には少女のとなりを歩く。

エンジェル > 「あー、好きじゃねーんだよな、あれ。」

恐らくついさっきまで客の相手をしていたであろう少女は、白い息を吐きながら答える。
タイツも考えた……が。

「お前、タイツとか好きなん?」

横へと並んだ少年を見上げ、白い息を吐き掛ける。
さすがに寒すぎるからか、いつものパイプも咥えてはいない。

「そいや、お前もう行った?とりあえず、ベッドと薪ストーブ入れさせたんだけどよ。任せちまったから、デザインわかんねーんだよなぁ。まあ、気に入らんかったら換えさせるか。」

とても少女とは思えない態度で背中を丸め気味に歩く。
途中、曲がり角で立ち止まり、あれ?どっちだったかと少年を見上げる。

ブレイド > 「ふーん、やっぱ肌触りとかそういうのが苦手だったりすんのかね」

やっぱりいい服着ているなとおもう。
そばに近づけばどれだけ質のいいものかが伺える。
このジャケット一着でいくらすることか…。
見上げる少女の目には、顔にカウンターで突っ伏して寝ていた痕の付いた少年の顔。
少女の問を聞き、少し目を丸くしている。

「んぇ?オレはかんけーねーだろ…。まぁ、ああいうのも悪かねーんじゃねぇかな」

白いのは貴族階級をおもいだしてしまうが。
それでも、ピッタリと肌に密着する布地は少しいいなと思うところもある。
あくまで、自分が見る側としての視点だが。

「まぁ、家の前まではいったけどな。…鍵持ってねーんだよ。オレは本契約には関わってねーから渡せねえってさ。
お前んとこに2つ行ってねぇ?」

こっち、と指で方向を指し示してから、外套の懐を空ける。
口には出さないが『入るか?』と。

エンジェル > 「いや、肌触りってかよ……。」

鈍感だな、クソが。
内心悪態を吐きつつ、呆れた表情で少年を見上げる。
まあ、コイツにお洒落を意識しろなんてのは無理な話か……。

「色は何がいいよ?網タイツとかか?」

カカカと少女らしくない笑い声を上げつつ、少年が開けてくれた外套の中へと身を潜り込ませ、ジャケットでもふもふに膨らんだ身体をくっつける。

「あー、そういえば2本あるな。後で1本やるよ。」

ジャケットのポケットの中をごそごそと探り、2本の鍵の感触を確かめる。
少女の金色の髪からふわりと上等なシャンプーの匂いが香った。

ブレイド > 「まぁ可愛いとかはよくわかんねーからなぁ…
昨日、店で見た服もちょっと笑っちまった。
似合わねーってわけじゃないけど…こう…」

心の中の悪態までは気づかないものの、呆れられてるのはなんとなく表情で分かる。
女性のおしゃれに関して少年に理解しろというのも酷な話かもだが
これはこれで言わなくてもいいことをいうのでエンジェルがそう思うのも無理からぬ事なのかもしれない。

「色?そうだな…黒とか灰色とか?網ってなんだよ…寒そうだろ、それ」

やっぱりそういう話に関しては鈍感なのだろう。だが少女を外套へと誘えば
あるきづらくならない程度に体を寄せる。
シャンプーの香りは仕事後だからだろうが、それでも良い香りなのは確かで。

「ん、ああ。たすかる。いくら家があっても、お前がいなきゃ寒空の下ってのはな」

ケラケラ笑いながら、歩みを進めて。

エンジェル > 「お前なぁ……アレ好評なんだぞ?お陰でアレ着たまま3発だぞ?中あったかいのによ。お陰で汗だくだったぜ。」

わかってねーとかぶりを振るとポニーテールにまとめた金髪が少年の鼻先を擽る。
歩き辛くなるのも構わず少年へと体重を預けるようもたれかかりながら歩く。

「黒ね。」

少年の答えに返したのは極端に短い答え。
わかってねーとの抗議の態度だが、果たして鈍感な少年に通じるか……。

「寒空の下って、本妻のほうはどうしたよ?普段そっちにいるんだろ?」

怪訝そうな表情で少年を見上げ、伊達メガネの奥から呆れたような半眼を向ける。
その様は、自分が愛人であるとの立場を弁えていると主張していた。
もっとも少女からすれば少年が燕……情夫なのだが。

ブレイド > 「着たままかよ……なんつーか、大変だな」

大変というか変態と言うか…あのおっさんもよくやるもんだと呆れる。
そもそも少年は素のエンジェルを知っているからこういう反応なだけなのだ。
店でのエンジェルしか知らなかったら、また反応は違っただろう。
もたれかかるのは抗議と受け取りあえて受け止める。肩を抱きつつ歩くのは気恥ずかしいが、そうしないと危ない。

「ダメかよ、黒。好きなんだけど…」

ピチッと肌に張り付く黒のタイツとか魅力的だとは思う。
そもそも、少年自身の服装も黒多めだ。
単純な好きな色ってだけなのかもしれないが。

「ばかやろー、お前に会いに行く前の休憩につかえっかよ…」

見上げる少女のおでこをつんとつつく。
愛人だろうがなんだろうが、それはそれだ。

エンジェル > 今度黒のタイツを履いて来てやろうと思いつつ、少年の懐の中で身を預けその体温を感じる。
もっとも脚はやはり寒いが、そこを耐えるのが女子なのだろう。
そういうことに気を使えるのは、やはり少女が生活に困っていないと言うのが一番の要因であろう。

「別に一発ヤってから来てもいいんだぜ?そのほうが早漏がマシになっていいんじゃねーか?」

カカカと笑いつつ、少年の胸元へと顔を埋める。
こうして少年にもたれかかって歩いていると、もうどこを歩いているかも分からない。
だが、こういうのもいいもんだなとこっそりと微笑んだ。

ブレイド > 「そりゃ無理だ。一回やったら寝るまでだからな…」

そう考えると彼女の方も相当ではあるが、今は割愛。
少女の軽口に、今度はこちらが呆れた表情で見る番だ。
エンジェルを抱きよせたまま、歩き続ける。
尻尾を少し絡ませてやればフカフカで少しはマシだろう。

しばらく歩けば平民地区、娼館どおりのハズレのさらに裏手。
住宅街にしては店は多いが、やや騒がしい通り。

「確かこの辺だったはずだ、2階建ての…」

エンジェル > 「お前ホントよく出るよな。枯れることあんの?」

少女からすればテクニックはまだまだながらも体力はなかなかのモノだと認めている。
もっとも毎日何人もの男の相手をした上でこうやって少年と逢引している少女は少年の欲望くらい全部受け止められる自信はあるが。
少年の尻尾が脚へと絡まると少しくすぐったそうにしながらも拒否せず、何となく気恥ずかしくて少年の腋へと顔を埋め、くすくすと笑い声を漏らす。

「あー、二階建てかよ。てっきり一部屋だけかと思ってたぜ。」

業者が持ってきた書類にぽんとサインした上で一括で支払っておきながらどんな物件かすら把握していなかったことがここで露見。

「台所とかあんの?お前料理出来る?」

まだ見ぬ新居にだんだんと気分が高揚していく。